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えっ! 草思社が倒産? 信じられない。

2008年01月12日 | 編集・営業ふらふら雑記

 あの草思社が倒産、というか民事再生法の適用を申請したとのニュースに驚く。150万部を超えるベストセラーを出すなど数多くのベストセラーを出している出版社で、個人的には気に入った本も数多く出版している中堅の出版社だ。大手紙に出る新聞広告を見るたびに、タイトルの付け方がさすがだなあといつも感心させられている。が、負債総額が約22億5000万円、売上がでかつての3分の1に落ち込んでいたという。3月には支援会社の協力を得ながら業務再開を再開したいとのことで、ぜひともそうあってほしいと思う。ネットのニュースによると、今の出版界は売れる本と売れない本の落差が激しく、売上をカバーするために次々と新刊を出すが返品が40%以上もあって「自転車操業」に陥ってしまい出し続けないと倒れてしまうという状態になっていると書いている。

 実は出版社の大手や中堅どころは、新刊を取次に搬入するとその内の70%の代金が、実際にはその本が売れていなくても翌月に支払われる形になっている(そういう出版社の契約書を見て確認したわけではないが、出版業界に関する多くの書物のなかでこのことは常識になっている)。一方そうではないウチのような弱小零細出版社は半年経過後に支払いが行われる。そういう差別的な条件がずっと続いている業界なのだが、それはここではまあいいとして、問題は返品があるのがこの商売の特徴ということである。いくら70%の代金が入金されたとしても1ヵ月、2ヵ月、3ヵ月、最大6ヵ月以内には必ず返品が来るのだから、その分が次の月の支払からどんどん引かれていく。70%の入金分は当然出版社の資金繰りの中に組み込まれているから、そのあとに返品が来てもその分はもう済んだこととしてカバーできない。だから当然その分を補うために次々に新刊を出していくということが繰り返されるようになり「自転車操業」に追い込まれていく。おまけに100%-70%=30%の返品率だが、現実はこんなに甘くはない。返品率40%、50%は常識、60%、70%もザラである。計算の仕方によっては100%以上ということもありうる世界だ。ベストセラー倒産ということもある。また、モノによっては出荷後1週間で返品が来ることもある。店頭に出されることもなく、即返品という状態である。出版側にすれば、なんで? ということだが、取次にすればこんな売れないもの出すなよということであり、また書店にすればこんなもの送ってくるなよ、ということになる。

 だから今、多くの出版社はいかにして自転車操業から抜け出すか、あるいは陥らないようにするか、より堅実な業態にしていくかまさに暗中模索状態にある。当然ウチもその渦中にあるわけで、なにか良い知恵やアドバイスがあればみなさんの力をお借りしたいと願うこと切なるものがあるのです。

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