子どものことを語ることって、こんなにも楽しかったのか。子どもがうれしいなら一緒に喜び、悲しいのなら共に悲しむ。その安心感があれば、子どもは自分から生活に向きあっていく。そのドラマを土佐さんは語ってくれる。(村山士郎 日本作文の会前委員長)
この本をたくさんの若い先生方やお母さん方に読んでいただいて、子ども発見をしてださることを願っています。
そして若い先生方が「作文教育ってなかなかいいですね。私もやってみようかな」と、あなたの教室からも子どもたちの日記や作文を書く鉛筆の音が聞こえてくるのを待っています。必ずや子どもがかわいくなり、あしたの教育に明かりが見えてくることを信じています。(著者 エピローグより)
『子どもたちに表現のよろこびと生きる希望を』
A5判 296ページ 定価1700円
2005年5月初版 現在第2刷 好評発売中
●もくじ紹介
どの子にも表現の喜び、書く力、生きる力を
―――自立と学力のカギ、今こそ作文教育を――
はじめに
〔1〕章 今の子どもをどう見、どうかかわるか
― 子ども観が問われている ―
(1)けなげになお明日に向かって生きている3年生の子らと
(2)子どもがつかめなくて悩む日々を越えて
(3)「今までに出会ったことのない子どもですね」と言われた勇太と
〔2〕章 子どもと出会ったその日から表現の仕事は始まる
― 作文教育と学級作り ―
(1)子どもとの出会い
(2)子どもの声を聴き、知ることに徹する新学期
(3)私のことを大切にしてくれているという実感を
(4)様々な表現から子どもを読む教育的感性を
(5)失敗、弱さ、ホンマが出せる教室を
(6)感動とドラマが生まれる教室を
〔3〕章 安心の関係の中でこそ表現は生まれる
(1)私にも書けるという安心を
(2)書かせることをあせらさずに
(3)かっこよくない自分のことも書いていいよ
〔4〕章 どの子にも書く喜び、書く楽しさを
(1)ぜったい今度の作文にこれ書こうルンルン
(2)「作文っておもしろいなあ先生」
(3)好奇心いっぱい聞いてほしい、伝えたい
(4)書く喜び楽しさが育たないのはなぜ?
〔5〕章 入門期の作文指導
(1)考えさせられた1年生の言葉の問題
(2)ことばで遊ぶ
(3)絵と口頭作文から
(4)いよいよ日記や作文を
〔6〕章 何をどう書かせるか
(1)書くことの意味
(2)書きたいことを書きたいように書きたいだけ
ありのまま書くという原則を貫いてきて
(3)書く前・書くとき・書いた後の指導
〔7〕章 子どもの作文をどう読むのか
(1)一行の文も子どもの「生の証」
(2)日記や作文をどう読むのか
(3)赤ペンって何だろう
(4)こんな赤ペンを
(5)作品研究
〔8〕章 作文を読み合う教室
(1)朝の教室でゆっくり読み聞かせ
(2)サークルの仲間にもらった作文や文詩集を
(3)作文を読み合う授業
(4)読み合うことのねうち
〔9〕 章 子どものくらしに心よせ、くらしを語り合う教室に
(1)子どものくらしに心よせて
(2)くらしを読み、語り合う
〔10〕章 日記と作文
(1)①やっぱり日記は書かせたい
(2)日記と作文どこがどう違う
(3)日記から作文へ
(4)今こそじっくり作文を
〔11〕章 通信や文集が生きて働く教室を
(1)書きながら子どもと自分を見つめて
(2)何をどう書くか
(3)こころがけたいこんなこと
(4)私の通信や文集から
〔12〕章 書かない子、書けない子をどうする
(1)原因と背景をていねいに
(2)ほんとうに書けないの?
(3)日記を書き始めた愛ちゃん
(4)父母へおねがい
〔13〕章 子どもの作品とプライバシー問題
(1)「えっ!そんなこと親に聞いていいんですか?」
(2)「お母さん、ピアノ弾いてたらまた元気になるよ」
(3)「先生来た、はよ戸閉め」
(4)心がけたいこんなこと
〔14〕章 表記・表現の力はどうつけるのか
〔15〕章 ことばが育つ教室に
(1)詩のある教室
(2)本のある教室
(3)文学の授業を大事にする教室
(4)文字をていねいに書き、視写や聴写も
〔16〕章 父母と手をつないで
(1)父母の話をひたすら聴く
(2)こんなことしながら仲良くなって
(3)どっこい生きてる父母も子も
(4)父母も書く
〔17〕章 今、なぜ生活綴り方の出番なのか
終わりに
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