ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

久里庵(高澤観音) @岐阜県関市

2019年06月20日 | 岐阜県(中濃)

岐阜県関市にある「日龍峯寺(高澤観音)」が岐阜県下最古の寺だということは全然知らなかった。本堂前方が舞台造りで京都の清水寺に似ていることから”美濃清水”とも呼ばれ、境内の「多宝塔」(鎌倉時代)は国の重要文化財にも指定されているのだとか。あるネット記事を読んで訪問してみたくなり、せっかくならと記事にあったように第3日曜に日程を合わせてみた。結構な山道を車で上がり、駐車場に停めて山の上にある境内へ。この寺の庫裡はその第3日曜だけ「久里庵」と名付けられ手打ち蕎麦を提供している。庫裡から望む景色も新緑に彩られ目に眩しい。

定時になると中から女性(お庫裡さん?)と手伝いの女の子が出てきて座敷に案内してくれる。自分を含めて3組の客。広間には卓が6つほど並んでいて、そこから見える庭の緑も綺麗。品は蕎麦だけのようで注文も特になく、まずは蕎麦茶が運ばれた。蕎麦をいただく前に風味の強い蕎麦茶を出す最近の風潮には前から疑問なのだが、ここの蕎麦茶は色付きも香りも強くなく良かった。のどかな空間で涼しい新緑の風を浴びながら待っていると蕎麦が運ばれた。小皿には蕗の炊いたのや玉子焼き、それに天ぷらも付いている。

さっそく蕎麦を手繰る。蕎麦は平打ちの細切りでのど越しも良くとてもいい。正直ここまでの蕎麦が食べられるとは思っていなかった。つゆは辛過ぎず甘過ぎずの中庸なもの。天ぷらは揚げ置きで冷めてはいるが、ゴーヤ、かぼちゃ、人参の3種類。値段が値段なので付いているだけで有難い。蕎麦を手繰り終わるとちゃんと蕎麦湯も付いてきた。サラサラの蕎麦湯をつゆに足し、しっかりと全部飲み干した。手伝いの女の子(娘さんかな)に勘定してもらい、順番は逆になったが本堂への参拝に向かった。(勘定は¥700)

 


 

↓ 「大日山・日龍峯寺(にちりゅうぶじ)・本堂」(寛文10年・1670・建造)。通称:高澤観音。元は鎌倉時代に建てられたのだが「応仁文明の乱」(1467-1478)の戦火により焼失し、現在の建物は江戸時代に建て直されたものだとか。なるほど規模は小さいが”舞台造り”が清水寺に似ている。鶯が鳴いていた。

 

↓ 本堂にはいくつもの錦絵が飾られていた。名古屋鎮台~第十九聯隊(日清戦争)~第三師団という系譜の第日本帝国陸軍連隊が奉納したもののようだ。

 

 

↓ 普段は閉められているという本堂の隣の「籠堂(こもりどう)」(文化3年・1806・建造)。格子天井に1枚づつ天井絵が描かれている。よくここまで綺麗に残っているものだ。

 

 

 

 ↓ 国指定の重要文化財に指定されている「多宝塔」(写真下左・鎌倉時代・建造)。約800年もの月日の風雨に耐えている。「鐘楼」(写真下右・昭和11年・建造)では階段を上がって鐘を突くことが出来る。落書きの何と多いことか…。

 

↓ こちらにお供えされている野菜類の切り方が独特だった。境内では地元の方々によるお茶やほうば寿しの接待が。ありがたい。

 

 


 

手打そば 久里庵

岐阜県関市下之保4585

 

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