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ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

三河亭 (2) @岐阜県岐阜市

2021年12月03日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

8年ものブランクがあったが、めでたく復活した創業明治27年(1894)の洋食店「三河亭」を再訪。当初「高等ライス」などカレーのメニューだけだったのが、「ハヤシライス」の提供が始まったと聞いていたので寄ってみた。店に入ると叔母様のグループ客と、昼間からビールをやっている男性2人組がテーブル席を占めていた(ウラヤマシー)。カウンター席に腰掛け、即座に「ハヤシライス(ミニサラダ・スープ付き)」をお願いした。

当然最初にミニサラダとスープが来るかなと思っていたら、しばらくしてどういう訳か全て同時に配膳された。平皿に盛られたハヤシライスは玉ねぎと牛肉片が濃い色をしたソースに溶け込んでいる。さっそくスプーンで持ちあげてみると、しっかりとしたとろみ。なのでもったりとした口当たり。玉ねぎの甘さ、そして苦味。苦味が思いのほか強い。おそらく玉ねぎを炒めた時のものだろうが、ここまで強い苦味のハヤシライスは覚えがない。ちょっと好き嫌いは分かれそうだ。甘さもしっかりあって、ある意味重いのでピクルスとからっきょうとかの付け合わせがあるといいかも。ミニサラダは千切りキャベツにミニトマト。最初からゴマドレがかかっている…。ハヤシライスが甘いのでドレッシングはもっとキリッとしたフレンチ・ドレッシングのようなものの方が合うと思う。カップのスープはセロリとかの香味野菜の風味が出ていて旨かった。次はこれまた提供され始めたという「カツサンド」にしてみよう。(勘定は¥950)

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欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

( 岐阜 ぎふ みかわてい 洋食 洋食屋 高等ライス ミヤビヤ ミヤベヤ 老舗 カレーライス カツカレー 復活  ) 

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虎屋 (3) @岐阜県岐阜市

2021年11月20日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

秋の味覚、栗きんとん。以前は季節ともなると中津川、八百津と産地を巡って走り、親戚に送ったりしていたが、コロナ禍になってからのここ1~2年はあまり追いかけなくなってしまった。柳ヶ瀬商店街の「虎屋」の前を通った時に「栗きんとん」の幟が出ていたので妻と母の分3つを購入することにする。店頭には火を入れたそのままの「利平栗」が出ていたのでそれを使っているだろうか。透明パックに入れてもらい家に持ち帰った。

母に届けに行ったら、母も同じく「恵那川上屋」の栗きんとんを岐阜タカシマヤで買ってきていた(苦笑)。期せずして大きな会社の栗きんとんとの食べ比べだ。もちろんあっちは化粧箱入り。「虎屋」の栗きんとんは指でつまむと分かるくらいしっとり。口当たりもねっとりで、甘さもやや強め。ここまでのねっとり感は珍しいかも。旨い。「恵那川上屋」の方は比べると水分は少なく、甘さも控えめ。栗の粒を感じる舌触り。どっちもそれなりに旨いや(←結局この感想か)。濃いめの緑茶と一緒に美味しくいただいた。(勘定は¥870)

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虎屋

岐阜県岐阜市日ノ出町2-16

 

( 岐阜 ぎふ 柳ヶ瀬 柳ケ瀬 やながせ 柳ヶ瀬商店街 日ノ出町商店街 とらや 和菓子司 御菓子処 栗きんとん えなかわかみや  )

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とらや本店 (3) @岐阜県岐阜市

2021年11月02日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

法事があったのと、仕事で長く取引した顧客との契約が終了したのでお礼の菓子を買いに金園町の「とらや本店」へ。駐車場に車を停め、暖簾をくぐる。お供えには故人が好きだった「カステラ」を購入。仕事のお礼にはこちらの菓子を詰め合わせてもらうことに。ショーケースの中から定番でなるべく日持ちするものを選び、「カステラ」、「和らぎ(最中)」、「マドレーヌ」を箱に詰めてもらい(どのようにも詰め合わせてくれる)、どちらにも熨斗を付けてもらった。ご高齢の女将さんが「草もち」をおまけに付けてくれた。

車にお茶があったので、さっそく車中で「草もち」をいただくことに。包みを剥がすとよもぎがしっかりと香る。皮は軟らかく口当りがいい。中はつぶ餡。餡は甘過ぎない塩梅。美味しくいただいた。法事では無事「カステラ」を供え、故人を偲ぶことが出来た。コロナ禍で大勢の人が集まる賑やかな法事は営めなかったが、仕方のない事だろう。取引先に挨拶に行き、お礼の菓子を渡す。自分がまだ小僧の頃から30年もの間、この顧客と関わったことになる。もちろん仕事なので良い事も悪い事も色々あったし、今回の契約終了も納得がいかないところもあったが、奥様は「長く世話になって…。」と涙ぐみさえして下さった。有難いことだ。(勘定は¥7,000程)

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虎屋本店 (とらや本店)

岐阜県岐阜市金園町4-23

 

( 岐阜 ぎふ 虎屋 とらや 虎や とらやほんてん 羊羹 和菓子 明治天皇 献上 御菓子処 最中 もなか カステラ 老舗 銘菓 よもぎ餅 くさもち )

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岡女堂 (2) @岐阜県岐阜市

2021年10月29日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

久しぶりに岐阜市徹明通の「岡女堂」へ。甘納豆の専門店のように見えるが、店の中に入ると上生菓子を含む和菓子各種も並んでいる。創業は昭和21年(1946)だとか。関西の甘納豆屋の暖簾分けだとの情報もある(未確認)。自分はあまり甘納豆を食べないが、妻の「甘納豆食べたいナ…。」というつぶやきが聞こえたので(笑)、この日は最初から甘納豆を買うつもりで店へ。店に入るとガラスショーケースの中に様々な和菓子、そして甘納豆各種が並んでいる。季節の「栗なっとう」があったのでそれを2粒と(訪問9月)、甘納豆の詰合せ「お徳用甘納豆」、そして以前にも購入したことがある「福梅もなか」と鮎菓子「若鮎」を購入。「栗なっとう」は”時価”なので、女将さんが秤で計って値段を教えてくれた。たった2粒しか買わないけれど時価ってちょっとドキドキ(笑)。少量で申し訳ないが勘定してもらった。

家に持ち帰って妻と分けっこ。まずは「栗なっとう」。栗の粒のまわりに砂糖がまぶしてあるのでもちろん甘いが、しっかりとした栗の風味が口に広がる。旨い。「お徳用甘納豆」は各種が小袋に入れられている。自分にはどれが何かはよく分からないが、黒いのは小豆、緑色はうぐいす豆かな。ちょっと大きいのは何だろう(→”とうろく”と言うそうです)。ふっくらと軟らかく炊けていて旨い。小さい頃には家にもよくあった甘納豆。食べなくなって久しいが、久しぶりに食べてみると旨い。抹茶とかをいただくようになったからかな。「福梅もなか」は立体的な梅の花の最中種(皮)を使った最中。食感がいい。中には濃い色をしたつぶ餡。甘さはしっかり。「若鮎」は妻の口に。次は何を買おうかな。(勘定は¥700程)

以前の記事はこちら

 

甘納豆処 岡女堂

岐阜県岐阜市徹明通1-8

 

( 岐阜 ぎふ 徹明通 てつめい通り おかめ堂 岡女 おかめ 岐阜岡女堂 和菓子 あまなっとう ちんちん電車 路面電車 もなか )

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太田屋本店 (3) @岐阜県岐阜市

2021年10月20日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

久しぶりに岐阜市真砂町の麺類食堂「太田屋本店」へ。創業は大正12年(1923)。相変わらずの渋い佇まい。アーケード下だけれど、この店先の雰囲気が堪らない。開け放しの入口の夏暖簾をくぐって中へ。土間のテーブル席に腰掛けたが店の方がなかなか奥から出てこない。その間に品書きを吟味。壁に貼られた紙短冊の順に目で追っていく。最初は「木の葉丼」かなにか、丼物を頼もうと思っていたのだけれど、ふと目に付いた「みそころうどん」を試してみることに。今まで品書きにあった覚えが無いし、紙が新しいので新しく出すようになった品なのかも。奥に大きな声をかけてお願いした。

しばらくして運ばれた「みそころうどん」は水で締めたうどんの上に、肉味噌、きゅうり、レタス、トマト、豆腐がのった冷やし中華、あるいはジャージャー麺のような体裁のうどん。なるほどそうきたか。肉味噌は辛味は無く、生姜の刻んだのが沢山入っている。甘過ぎずいい感じ。これをうどんに混ぜていく。この地方の昭和の方なら分かると思うが、給食で出た「ソフトめん」に似ていなくもない。うどんはキンキンに締めてある訳ではなく”ぬる”程度。茹で加減はかなり軟らかい。うどんと具材の温度差がちょっと中途半端だけれど、ぼてっとした肉味噌の味が絡んで旨い。次は「夫婦そば」か「カレーライス」で。(勘定は¥650)

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太田屋本店

岐阜県岐阜市真砂町9-6

 

( 岐阜 ぎふ 太田屋 おおたや おおたやほんてん 麺類食堂 大衆食堂 うどん ころうどん 丼物 炸醤麺 )

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浪花堂 @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2021年09月17日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市の忠節橋通り、千手堂の交差点にある和菓子の「浪花堂」。見ての通り、隣のビルに寄りかかるようにある古い日本家屋は地味な外観だし、写真のように日除けが下がっていると店舗なのかどうかも分からり辛いので、知っている人が立ち寄る店。以前に立ち寄った時は表のガラスショーケースの中にいくつか商品が残っていたにも関わらず、予約でもはいっていたのだろうか売切れだと断られてしまった。この日はたまたま自転車で前を通ったので再度立ち寄ってみる。ショーケースには「鬼まんじゅう」と「くずまんじゅう」の2種のみ。他には「赤飯」が置いてあったかな。いつもそれくらいで商品の数は多くない。奥に向かって声をかけるとご高齢の女将さんが出ていらした。今回は無事「鬼まんじゅう」と「くずまんじゅう」をそれぞれ2つづつ購入。

家に持ち帰り妻と分けっこ。東海地方の郷土菓子である「鬼まんじゅう」。小麦粉の生地に角切りのさつま芋がゴロゴロと入っていて蒸かしてある。自分の実家ではほとんど出てきたことがなく小さい頃に食べた覚えが無い。母に訊いても「そうだっけ?」とあまり覚えが無い様子。妻に訊くと、妻の実家(同じ東海地方)ではよく出てきたそうで大好物なのだとか(→ま、甘いもので嫌いなものって聞いたことないが・笑)。こちらの「鬼まんじゅう」は個々に丸めてはおらず、大きな容器で作って四角く切ってあるようだ。張りのある生地の中に芋がたっぷり。素朴な甘さで旨い。正直言って今まであまり旨いと思ったことは無かったが、ちょっと見直したかも(笑)。「くずまんじゅう」はぷるんとした透明な皮の中にこし餡。これは少し冷蔵庫で冷やしておいた。食べてみると中に小さい硬めの粒があって口に当たる。まるで角砂糖みたいな感じで何だか面白い。次に寄ったら何が置いてあるだろうか。(勘定は¥500程)

 

 

浪花堂

岐阜県岐阜市真砂町10-1

※令和5年11月末を以って閉店されました

 

( 岐阜 ぎふ まさごちょう なにわ堂 なにわどう 和菓子 饅頭 鬼饅頭 くさもち うぐいすもち 赤飯 おこわ 閉店 廃業 )

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丸万 (4) @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2021年09月12日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

前回訪問時には知らなかったのだが、創業大正15年(1926)という95年もの歴史のある岐阜市の中華そばの「丸万」が閉店するという。ちょっと前から定休日が増えたり、臨時休業も多くなったり、表の食品サンプルの数が減ったりしていたのを見ていたので「ん?…」とは思っていた。でも若い人が手伝っていたのを知っているので、てっきり跡継ぎが居るものだと思って油断していた。知ってから閉店日までが短かったし、最終日は日曜だったので大変な混雑になるだろうしで、もう行くことはあるまいと思っていたが、ひょんなことから閉店3日前位に近くに居る用事が出来たので、無理に時間を作ってパーキングに車を停め、店に寄ってみた。

開店30分前位に着いたが店は真っ暗。普段なら換気扇から外に漂ってくる出汁の香りも全くしない。すわ臨休かと店を離れ、ひと回りしてから戻ってみる。すると道路工事中の店の前には7人程の客が並んでいた(後で待ち合わせを装う数人に割り込まれたが…)。開店時間になっても店はまだ真っ暗。ただ出汁の香りは漂ってきたのでやることは間違いないようだ。10分程遅れて暖簾が掛かる。中に入った客は適当に座っていき、相席は無いので自分の後ろくらいで満席。ご高齢の女将さんは並び順を覚えている風でもないので注文の順番はばらばら。自分は「チャーシューシナチク麺」をお願いする。女将さんは注文を書き留めないので覚えきれず「分からんようになってまった…。」と訊き返している。もちろん前後になってしまった順番を咎める客は居ない。小さな調理場で主人の調理が進む。閉店を惜しむ年配の客が多いので食べるのもゆっくりで回転も悪く、開け放した入口から外には行列が出来ているのが分かる。皆考える事は同じだ。

30分近くかかって「チャーシューシナチク麺」が到着。やや大きめの鉢で、水面には沢山の薄切りチャーシュー、細くて短いメンマ、カマボコ2枚、刻みネギがのっている。スープは濃い色をしていて縮れた細麺ということもあって高山ラーメンのよう。麺を手繰る前から和風の魚介がぷんと香っている。味わいは色に反してマイルド。誰もが抵抗なくするすると啜れる優しい味わい。これだから買物帰りの年配客に人気があったのだ。脂身の少ないチャーシューを挟みながら意外と多めの麺を手繰り、スープをすする。旨いなァ、やっぱり。でもゆっくりしている訳にはいかない。待ち客があるので一気に食べて勘定してもらった。これが食べられなくなるとやっぱり残念…。外に出ると外観写真を撮るのを憚られるほど客が並んでいた。(勘定は¥850)

※残念ながら令和3年8月8日を以って閉店されました

以前の記事はこちら (1)(2)(3

 

↓ 後日寄ってみた時の店の外観と閉店を知らせる貼紙。ショーケースはついに空っぽに。

 

和風中華そば 丸万

岐阜県岐阜市弥生町5

 

( 岐阜 ぎふ 柳ヶ瀬 柳ヶ瀬商店街 まるまん マルマン ラーメン 中華そば 天ぷら中華 チャーシュー麺 シナチク麺 ワンタン麺 閉店 廃業 )

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平光商店 (2) @岐阜県岐阜市

2021年09月09日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜高島屋の西、金華橋通り沿いにある「平光商店」。創業が大正17年(1918)という珍味、酒肴、乾きものなどを扱う店。数は激減してしまったが、柳ヶ瀬商店街に数多あるスナックやバーにも沢山卸しているんだろう。自分はビール、ウイスキー、ワイン、日本酒、カクテルetc...と何でも呑むが、いつでも何かつまんでいないとダメ。なので厳選したであろう全国の珍味が買え、乾きものはその辺で売っている物より旨いこちらには時々寄っている。すっきりとした店内で物色。この日購入したのは「さくさくコーンスナック」「ほや酔明」「ブラックタプナード」「イベリコ豚レバーパテ」の4種。店のポップにひと言書いてあるので参考にして購入した。

まずは「さくさくコーンスナック」。コーンの粒をそのまま揚げたもの(たぶん)。これが香ばしくて旨い。ポップには”ビールとハイボールに”とあったが、何といってもバーボンに合う。ジャックダニエルズのロックでつまんだ。「ほや酔明」という変わった名前のつまみは宮城県石巻市の会社「水月堂物産」が作っているもの。キャラメルのような小箱に棒状の乾燥ほやが入っている。ねっとりとした食感。磯の風味が口に拡がる。これは日本酒だナ(他だときっと口の中に生臭さが残る)。東北新幹線で売られているのだとか。量は少ないがクセになる。「ブラックタプナード」は黒オリーブの実を潰してオイル漬けにしてあるもの。バゲットにのせたり、調味料としてシンプルなスパゲティに合わせたりして使ってみた。最初からペースト状になっているので使い易い。買ったはずの「イベリコ豚レバーパテ」がなぜか見当たらない(苦笑)。どこへいったやら…(←後で冷蔵庫の奥から見つかりました)。(勘定は¥1,500程)

以前の記事はこちら

 

株式会社 平光商店

岐阜県岐阜市金町4-29

 

( 岐阜 ぎふ  金町 こがね町 ひらみつ ひらみつ商店 煎餅 あられ 乾物 珍味 酒肴 せんべい 柳ヶ瀬 やながせ 通販 通信販売 老舗 )

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美乃壱 @岐阜県岐阜市

2021年09月05日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市の長良川河畔にある風情ある日本料理の「美乃壱」。以前から入ってみたいと思っていたが、こういう店に1人ではなかなか難しい。訳あって妻はなかなか家から出られないので、老母を誘って行ってみることに。ネット上にHPを見付け、そこから予約出来るようだったので入力してみた。だけれど2日経っても予約確認の返信メールが送られてこない。心配になって電話したら「あぁ、休んでおりまして…。」みたいな事を言われ、改めて電話で予約しなおすことに(HP利用の方は要注意です)。

曇り空ではあったがやはり暑い(訪問7月末)。駐車場に車を停め、店の脇の細道から河畔に出る。平日の昼間とあって付近はのどかな感じ。川に入って泳いでいるおじさんがひとり。滔々と流れる長良川とそびえる金華山(写真下)。その頂上に建つ岐阜城。普段目にしていると慣れてしまうが、他県から来た人に訊くと、市街地のすぐ側に山と大きな川がある風景っていうのは何とも素晴らしいとのこと。なるほど(笑)。建物の際には昔大きな木があったはずだが撤去されていた。枯れたか折れでもしたろうか。

風情ある店の玄関に戻り、暖簾をくぐって声をかける。名前を告げて靴を脱いで上がり、部屋に案内された。母は脚が悪いので椅子の席をお願いしておいたが、畳の部屋にカーペット敷きでテーブルと椅子の部屋。襖で仕切られているので他の部屋の様子は分からない(声は筒抜け)。窓から眺める雄大な景色(写真下左)、それにかつては旅館で築100年近くだという時を重ねた建物の佇まいは素晴らしいのひと言。他の部屋の話し声こそ筒抜けだが、静謐で別世界。BGMも何もないのもいい。

 

食事は鮎料理をお願いしておいた。運転があるので乾いた喉はノンアルコールビールでごまかす。先付けから運ばれた。食事の写真と内容はゆめ未来さんのブログでどうぞ(ほぼ同じ内容でした)。造り、煮物、鮎の塩焼と甘味噌がけ、天麩羅と料理は進んでいく。鮎の塩焼はもちろん旨いが、稚鮎の天ぷらの苦味がいい。碗のつゆなども流石にいい塩梅。こうして箸をつけていると、やはり日本料理には酒(日本酒)だなァと思う。ビールでは苦味や魚の生臭さが増幅されて料理の味を変えてしまう。タクシーで来なかったことを後悔。

給仕を担当してくれたベテラン女性はざっくばらんな感じの方。皿出しは早かったり遅かったりとまちまち。そして締めのご飯は鮎の釜飯。1人用の釜(にしては大きいが)ごと運ばれ、沢山の鮎の身を混ぜ込んだ飯を味噌汁と一緒にいただく。旨い。食べ切れない母の分も回ってくるのでお腹はいっぱいに。さすがに釜飯は全部平らげることが出来ず、包んでもらって持ち帰ることに。そして水菓子で了。

この晩にウン十年ぶりの鵜飼見物で船に乗って店の前を通り過ぎたのだが店の明かりは落ちていた。夜はやっていないのか、コロナ禍で営業を縮小しているのかな。昼席はいくつか種類があるようだしコロナ禍で弁当も取り扱うようになったらしいので、次はまた昼に寄ってみよう。(勘定は¥14,000程)

 

 

 

旗亭 美乃壱

岐阜県岐阜市長良鵜飼屋22-1

 

( 岐阜 ぎふ 長良川 ながらがわ みのいち 料亭 割烹 和食 鮎料理 あゆ料理 鵜飼 鮎めし あゆ釜めし 塩焼 近代建築 老舗 )

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むらせ (2) @岐阜県岐阜市

2021年08月30日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

久しぶりに旧岐阜市役所南庁舎横にひっそりと佇む田楽の「むらせ」へ。市役所の移転でこの界隈は変わっていくのかな。表に自転車を停めて暖簾をくぐると女将さんは新聞を広げて休憩中だったよう。「よろしいですか?」と尋ねると「どうぞどうぞ。」と迎え入れてくれた。虫籠のような形のランプシェードがぶら下がったカウンター席に腰かける。こちら品書きは無いが、昼は「田楽定食」か「野菜の五点盛り定食」の2択(正式な品名知らず)。未食の五点盛りにしようか迷ったが、久しぶりに田楽が食べたかったので「田楽定食」でお願いした。品の良い女将さんから「お時間は大丈夫ですか?」と訊かれ「大丈夫です」と答える。ゆっくりと鋳物コンロで女将さんの調理が始まった。前は気付かなかったが、置かれた箸袋には「公園店」の名前も入っていた。もちろん岐阜公園内にある同名のでんがく処のことだ(先日寄ってみたら閉まっていたけれど大丈夫かな…)。

しばらくして「お待たせいたしました。」と運ばれた「田楽定食」は、田楽箱に並べられた豆腐田楽が6本。大きめの飯碗に盛られた菜飯、作り立ての豆腐とわかめの味噌汁、そしてごぼうと人参の煮物、茄子の煮物、菜っ葉の煮物、たらこと糸こんにゃくの和え物、白菜漬け、という見るからに体に優しい品々が並ぶ。”野菜の五点盛り”はこういう煮物が並ぶのかな。豆腐田楽は細身で、濃厚な味噌だれと粉山椒が最初からかかっている。串を手に取って口に運ぶとぷるんとした食感と味噌のいい香りが鼻に抜ける。煮物はどれも割合しっかりとした味付けだがほっとする味。旨い。それぞれをつまみながら菜飯を食べているとあっという間に菜飯が無くなってしまう。残しておいた田楽の最後の1本を口に入れ、お茶を飲んでご馳走様。次に来てもやっぱり田楽を頼んじゃうかもな。(勘定は¥680)

以前の記事はこちら

 

 


 

↓ 以前にも観察したことのある旧岐阜市役所庁舎北にある住宅(建築詳細不明)。立派な建物の玄関横にはタイル壁の洋間が造ってある。玄関の千鳥破風の上には虎の姿も。

 

 


 

菜めし・木の芽でんがく処 むらせ

岐阜県岐阜市神田町2-11

 

( 岐阜 ぎふ 村瀬 菜飯 田楽 なめし でんがく 豆腐田楽 岐阜公園 近代建築 洋館 洋間 ちどりはふ )

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