ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

三河亭 @岐阜県岐阜市

2021年08月24日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

岐阜市の旧市役所近くの洋食屋「三河亭」が8年もの沈黙を破って再開したと聞いて行ってみた。こちら創業明治27年(1894)という岐阜市内で最も古いと言われる洋食屋。自分はちょうどその8年前、絶滅危惧メニュー「ミヤビヤ」を食べ歩いていた時に寄った事があったのだが、店の前まで来た時に運悪く仕事の電話が入り、仕方なく次の機会にしようと店を離れたところ、そのすぐ後に休業状態になってしまったという苦い経験がある。何度も寄ったがシャッターはずっと閉まったまま。もう完全に廃業したと諦めていた。店の再開は娘さんの希望によってのものらしい。名前だけの復活ではなく、主人もちゃんと厨房に入っているようだ。

訪れたのは再開してまだ確か2日目くらいだったので混雑を予想していたが、ほぼ満席ではあったもののカウンター席に空きがあった。店内は明るくリフォームされている。給仕を務めるのがその娘さんだろう。L字のカウンター席に腰掛け「高等ライス」を注文した。とある新聞の記事で「高等ライス」の名前の由来は、当時カレーが高級料理だったからそう呼ばれたと記述されていたが、どちらかというと玉子が貴重だったからじゃないのかな。玉子抜きだったら普通のカレーライスな訳だし。開店記念のサービスとしてドリンクが付くというのでアイスコーヒーでお願いした。

しばらくして蓋付きで銘入りの小振りな丼で「高等ライス」がミニサラダとカップスープ付きで供された。「高等ライス」にはガラス瓶に入った特製ソースが添えられている。蓋を開けると一面のカレーの上にいい具合に黄身の軟らかい目玉焼がのっている。さっそくスプーンでひと口。もったりとした口当たりのカレーは辛味抑えめで味わいもマイルド。ガラス瓶の蓋を取り、ソースを垂らしてまたひと口。お勧めの食べ方とあってソースの酸味が加わっていい感じに。次は目玉を潰し黄身を流してひと口。そして次は多めにソースを垂らして玉子部分を混ぜこんで、と順番に楽しんだ。サラダにはコブサラダのようなドレッシング、スープはパセリが浮いたコンソメ・スープ。

メニューは「高等ライス」と「カレーライス」「カツカレー」のみと絞ってあるため”老舗洋食屋”の復活とまでは言えないかもしれないが、歴史ある店の名物がまた食べられるようになったのはめでたいこと。店には主人を知る客らが厨房に向かって声をかけていく姿が何度も見られた。以前のように「チキンミヤビヤ」「メンチボール」「オムライス」なんかも復活させてくれないかな。(勘定は¥900)

この後の記事はこちら (2)(3)(4)(5

 

 

欧風料理 三河亭

岐阜県岐阜市八ツ寺町1-2

 

( 岐阜 ぎふ みかわてい 洋食 洋食屋 高等ライス ミヤビヤ ミヤベヤ 老舗 カレーライス カツカレー 復活 ) 


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