ハリーの「聴いて食べて呑んで」

日々増殖を続ける音源や、訪問した店、訪れた近代建築などの備忘録

丸万 (4) @岐阜県岐阜市 (※閉店)

2021年09月12日 | 岐阜県(岐阜・老舗)

前回訪問時には知らなかったのだが、創業大正15年(1926)という95年もの歴史のある岐阜市の中華そばの「丸万」が閉店するという。ちょっと前から定休日が増えたり、臨時休業も多くなったり、表の食品サンプルの数が減ったりしていたのを見ていたので「ん?…」とは思っていた。でも若い人が手伝っていたのを知っているので、てっきり跡継ぎが居るものだと思って油断していた。知ってから閉店日までが短かったし、最終日は日曜だったので大変な混雑になるだろうしで、もう行くことはあるまいと思っていたが、ひょんなことから閉店3日前位に近くに居る用事が出来たので、無理に時間を作ってパーキングに車を停め、店に寄ってみた。

開店30分前位に着いたが店は真っ暗。普段なら換気扇から外に漂ってくる出汁の香りも全くしない。すわ臨休かと店を離れ、ひと回りしてから戻ってみる。すると道路工事中の店の前には7人程の客が並んでいた(後で待ち合わせを装う数人に割り込まれたが…)。開店時間になっても店はまだ真っ暗。ただ出汁の香りは漂ってきたのでやることは間違いないようだ。10分程遅れて暖簾が掛かる。中に入った客は適当に座っていき、相席は無いので自分の後ろくらいで満席。ご高齢の女将さんは並び順を覚えている風でもないので注文の順番はばらばら。自分は「チャーシューシナチク麺」をお願いする。女将さんは注文を書き留めないので覚えきれず「分からんようになってまった…。」と訊き返している。もちろん前後になってしまった順番を咎める客は居ない。小さな調理場で主人の調理が進む。閉店を惜しむ年配の客が多いので食べるのもゆっくりで回転も悪く、開け放した入口から外には行列が出来ているのが分かる。皆考える事は同じだ。

30分近くかかって「チャーシューシナチク麺」が到着。やや大きめの鉢で、水面には沢山の薄切りチャーシュー、細くて短いメンマ、カマボコ2枚、刻みネギがのっている。スープは濃い色をしていて縮れた細麺ということもあって高山ラーメンのよう。麺を手繰る前から和風の魚介がぷんと香っている。味わいは色に反してマイルド。誰もが抵抗なくするすると啜れる優しい味わい。これだから買物帰りの年配客に人気があったのだ。脂身の少ないチャーシューを挟みながら意外と多めの麺を手繰り、スープをすする。旨いなァ、やっぱり。でもゆっくりしている訳にはいかない。待ち客があるので一気に食べて勘定してもらった。これが食べられなくなるとやっぱり残念…。外に出ると外観写真を撮るのを憚られるほど客が並んでいた。(勘定は¥850)

※残念ながら令和3年8月8日を以って閉店されました

以前の記事はこちら (1)(2)(3

 

↓ 後日寄ってみた時の店の外観と閉店を知らせる貼紙。ショーケースはついに空っぽに。

 

和風中華そば 丸万

岐阜県岐阜市弥生町5

 

( 岐阜 ぎふ 柳ヶ瀬 柳ヶ瀬商店街 まるまん マルマン ラーメン 中華そば 天ぷら中華 チャーシュー麺 シナチク麺 ワンタン麺 閉店 廃業 )


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