マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

遥かな町へ

2014-07-05 11:29:49 | 映画ーDVD

ー遥かな町へーQUARTIER LOINTAIN

2010年 フランス 97

 

サム・カルバルスキ監督 谷口ジロー原作 パスカル・グレゴリー(トマ・ヴェルニア)ジョナサン・ザッカイ(ブリュノ)アレクサンドラ・マリア・ララ(アンナ)レオ・ルグラン(トマ・ヴェルニア(14歳))タニア・ガルバルスキ(ネリー)ローラ・マルタン(シルヴィ)

 

【解説・あらすじ】

原作は、谷口ジーローのマンガ作品。鳥取県倉吉市の「白壁土蔵群」や「昭和の色彩」が残る街並が舞台となっている。また「映画ならカンヌ、漫画ならアングレーム」と称されるほどヨーロッパでは権威ある「アングレーム国際漫画フェスティバル」でベストシナリオ賞などを受賞。

パリ在住の漫画家トマ・ヴェルニアは、48歳の中年男性。あるときトマはふとした事から郷里である1960年代のフランスの田舎町にタイムスリップしてしまう。そこはまさに父が失踪する数日前であった。14歳に戻ったトマは繰り返される人生のなかで、父がいなくなってしまう理由を知ろうとするのだが。果たしてトマは、やがて訪れる"父の失踪"を止められるのか?友人や初恋の人との再会、両親の苦悩などを通じ、現代人にとっての「郷里」「家族」とは何かを問いかける。(公式HRより)

 

【感想】

DVDスルーになった作品のようですが、日本人の漫画家の原作だし、親しみのわく、心に残るいい作品でした。

 

中年の漫画家トマ・ヴェルニア(パスカル・グレゴリー)は、妻と二人の娘に囲まれて幸せに暮らしているけれど、疎外感があった。

漫画展のあと、列車を乗り間違え、生まれ故郷の町で下車する。

次の列車まで時間があるので、母の墓参りをすることにした。

そこで、めまいを覚え気を失ってしまう。

 

トマが14歳のとき、父は自分の誕生日に失踪し、その後残された母の苦労は大変なものだった。

母は、失意の中で若くして亡くなった。

 

次に目覚めると、トマは14歳の少年の頃の自分になっていた。

トマが家に戻ったときは、父の誕生日を過ぎていて、父が失踪していないことにほっとする。

しかし、それは勘違いで、父の誕生パーティが1週間ずれていたのだった。

 

父には親友がいて、その親友の恋人が母だったことを祖母から聞いた。

その親友は戦争に巻き込まれて銃殺されたのだ。

その後、傷心の二人が結ばれたということを知る。

 

さらに、父には秘密があり、跡を付けたトマは父が病気の女性と会っていることを知る。

 

大人の心で14歳になっているトマは、なんとか父を引き止められないかと心を砕くが、やはり、誕生日の夜、父はいなくなった。

トマは駅で父を捕まえて説得するが、父の決意は固く、やはり列車に乗って去ってしまった。

トマに女性が亡くなったことを告げ、「自分の人生を生きる」と言い残して。

 

墓場で意識を取り戻したトマ。

母の人生を変えることはできなかったが、トマ自身は何かを得て、自分の家族が待っている家に帰っていった。

 

多感なときに、父の失踪というショッキングな出来事が起こってしまったトマ。

それが彼の人生に大きな影を落としていたのでしょう。

その時点を生き直すことによって、トラウマを振り払うことができたのかもしれません。

 

美しい風景とともに、少年時代の友情や初恋も織り込んで、詩情豊かな作品になっていました。

少年時代のトマを演じた少年が、なかなかの美少年です。

 



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