ー王の涙 イ・サンの決断ーTHE FATAL ENCOUNTER/KING'S WRATH
2014年 韓国 137分
イ・ジェギュ監督 ヒョンビン (李朝第22代王イ・サン(後の正祖))チョン・ジェヨン (尚冊カプス)チョ・ジョンソク (刺客ウルス)ハン・ジミン (英祖の後妃貞純王后(チョンスンワンヒ))
【解説】
『愛してる、愛してない』などのヒョンビンを主演に迎え、李朝時代の名君として有名なイ・サン暗殺未遂事件に隠された男たちの絆を描く感動の歴史ドラマ。暗殺の脅威にさらされる若き王が、自身に放たれた刺客と対峙(たいじ)することで真の王として目覚めるまでの24時間に迫る。『ホームランが聞こえた夏』などのチョン・ジェヨンが悲しき宿命を背負った宦官(かんがん)を好演。陰謀の行方はもとより、兵役除隊後初主演を飾ったヒョンビンの体を張った熱演にも目を奪われる。
【あらすじ】
1777年7月28日、即位から1年を迎えた李王朝第22代目国王イ・サン(ヒョンビン)は、常に暗殺の脅威にさらされていた。王は書庫と寝殿を兼ねる尊賢閣で不測の事態に備えてひそかに体を鍛え、そのそばには書庫を管理する尚冊として仕える宦官(かんがん)カプス(チョン・ジェヨン)がいつも控えていた。イ・サンは今は亡き先王への早朝のあいさつに向かい……。
(シネマトゥデイ)
【感想】
イ・ビョンホンの「王になった男」も面白かったけど、この作品もすごく面白かったです。
韓国の時代物、なかなかいいですね。
「王になった男」は李王朝15代の光海君の話でしたが、これは22代正祖の話。
イ・サン(ヒョンビン)の父は、祖父の英祖から謀反の疑いをかけられて米びつに閉じ込められて餓死させられたが、自らは伯父の養子となり、祖父が亡くなった後、王の地位に就いた。
即位してから1年経つが、子供の頃から命を狙われ続ける身の上。
書庫である尊賢閣にこもり、密かに体を鍛える毎日。
そばには宦官の尚冊( =カプスチョン・ジェヨン)しか寄せ付けなかった。
ものすごい美女の貞純王后(チョンスンワンヒ)(ハン・ジミン)は、おじいさま=先代王の何番目かの皇后で、実はイ・サンの失脚を狙っている張本人です。
貞純王后は多数を占める政治派閥の老論の後ろ盾で、老論派は権力を誇っていて、政治は腐り切っていた。
貞純王后と老論派の陰謀により、イ・サンの父は非業の死を遂げたのだ。
老論派の有力貴族の中には、孤児を刺客に育てている裏社会のものと通じている者もいた。
その孤児たちが刺客として宮廷にも忍び込んでいた。
イ・サンにとっては一瞬も気を抜けない毎日。
イ・サン暗殺計画は着々と進み、今夜が決行という日の早朝からのお話。
☆ネタバレ
暗殺計画が決行されるその日のお話なので、すごい緊張感で物語は進んで行きます。
見所は、宦官・尚冊と王の幼い頃から築かれた絆を丁寧に描き、彼の殉職でクライマックスを迎えるところ。
ここに、尚冊と幼なじみの刺客ウルスの物語も重なり、尚冊の数奇な運命が胸を打ちます。
ヒョンビンの鍛え抜かれた肉体も見事。
韓国の宮廷の衣装や髪型、宮殿の様子も興味深く見ました。
アクションシーンも迫力ありましたよ。
洋の東西を問わず、宮廷コスチュームもの大好きなので期待が高まります♪
「王になった男」は派手で面白い作品でしたね。
こちらはいささか地味ですが、人間関係をじっくりと描き込んで、見応え充分です。
楽しみにして下さい。
これね、またまた飛行機内鑑賞でした。
結構暗く、ヒタヒタくるサスペンスをちっちゃな座席の画面で夜中に眠気と戦いながら見ましたわ。
イ・サンの悲劇、刺客達の悲劇ダブルの悲劇が暗い夜の世界で繰り広がる、コリアン・ノワール。最後はおきまり血の嵐でしたが マダム、大丈夫でしたか?
チョン・ジェヨン、エエ役者になりました。
ほんと、最後はすごかったですね。
撃たれても、切られても、刺されても死なない!!
いつまで続くのかと不安になるくらいでした。
でも、あのカプスの見せ場に夢中になってしまいました。
チョン・ジェヨンという役者さん、良かったですね。