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マダムようの映画日記

毎日せっせと映画を見ているので、日記形式で記録していきたいと思います。ネタバレありです。コメントは事前承認が必要です。

人のセックスを笑うな

2008-11-18 12:11:57 | 映画ーTV
ー人のセックスを笑うなー
2007年 日本
監督=井口奈己 原作=山崎ナオコーラ
永作博美(ユリ)松山ケンイチ(みるめ)蒼井優(えんちゃん)忍成修吾(堂本)市川実和子(生徒)藤田陽子(画家)MariMari(画家)あがた森魚(猪熊さん)温水洋一(山田先生)桂春團治[3代目](じいちゃん)

【解説】
山崎ナオコーラの同名小説を『犬猫』の井口奈己監督が映画化したほろ苦い青春映画。20歳年上の女性に恋をした、純情な青年の喜怒哀楽を優しく映し出す。純朴な青年にふんする松山ケンイチが、永作博美ふんする年上の女性との愛をリアルに演じ切る。『フラガール』の蒼井優、『リリイ・シュシュのすべて』の忍成修吾ら注目の若手俳優たちの好演も見逃せない。それぞれに悩んだり傷ついたりしながら、少しずつ成長していく登場人物たちの切ない思いが胸にしみる。(シネマトゥデイ)

【あらすじ】
美術学校に通う19歳のみるめ(松山ケンイチ)は、39歳のリトグラフの非常勤講師ユリ(永作博美)と恋に落ちる。友人の堂本(忍成修吾)に問いただされ、みるめは彼女との仲をうれしそうに告白するが、いつもつるんでいる仲間のえんちゃん(蒼井優)の顔は曇ったままだ。だが、実はユリが既婚者であることが分かり、みるめは混乱する。(シネマトゥデイ)

【感想】
この作品、キャストが最高でしょ?
劇場にも見に行きたかった!
期待していた!!
でも…

あまりに個人的なことを、こんなにだらだら撮っていいのか?と、疑問に思いました。

永作博美の笑顔は本当に素敵。
主人公のユリちゃんの役にぴったり。
松山ケンイチのみるめ君も純情可憐でとてもいい。
えんちゃん(蒼井優)のみるめ君を想う切ない気持ちもよくわかるし、猪熊さん(あがた森魚)の包容力も素敵。

なのに、なのに、誰が台無しにしたのかなあ。
遠目からショットが長々と続き、セリフもぼそぼそとよく聞こえない。

そして、急にいなくなったユリちゃんはなぜか猪熊さんとインドへ?
ここまできたら、私には理解不可能でした。

氷の微笑2

2008-04-15 08:18:57 | 映画ーTV
ー氷の微笑2ーBASIC INSTINCT 2
2006年 アメリカ マイケル・ケイトン=ジョーンズ監督 シャロン・ストーン(キャサリン・トラメル)デヴィッド・モリッシー(マイケル・グラス)シャーロット・ランプリング(ミレーナ・ガードッシュ)デヴィッド・シューリス(ロイ・ウォッシュバーン刑事)ヒュー・ダンシー(アダム)インディラ・ヴァルマ(デニース)

【解説】
シャロン・ストーンを一躍トップスターにした大ヒット作『氷の微笑』の続編。ロンドンを舞台に、スターの不可解な死に関わる美ぼうの女流作家キャサリン・トラメルと、彼女の魅力に引き込まれる精神科医の駆け引きが展開する。魔性の女キャサリンを演じるのは、前作に引き続きシャロン・ストーン。監督は『ジャッカル』のマイケル・ケイトン=ジョーンズが担当している。相変わらずセクシーなストーンと、ラストの大どんでん返しに注目。(シネマトゥデイ)

【感想】
1台のスポーツカーがテムズ川に突っ込む事件が発生し、車に乗っていた女性作家キャサリン(シャロン・ストーン)は一命を取りとめるが、同乗の人気サッカー選手は死亡してしまう。事件を担当する刑事ウォッシュバーン(デヴィッド・シューリス)は、キャサリンの精神鑑定を精神科医のマイケル(デヴィッド・モリッシー)に依頼するが……。(シネマトゥデイ)

【感想】
これは、シャロン・ストーン健在なりを示すための映画でしょうね。

色っぽいと言っても、かなりさらっとしていて、思わせぶりなシーンが長かった。
「氷の微笑」と比べられたら辛いです。

サスペンスとしてもちゃんとしていると思いましたが、ラストのどんでん返しはどうかなあ。
キャサリン(シャロン・ストーン)の言うのが真相としても、結末が精神病院じゃあまり復讐劇が成功したことにはならないんじゃないかなあ、と思いました。

一番の不満は、マイケル(デヴィッド・モリッシー)だなあ。
もっと、セクシー俳優がいなかったのかなあ。
確かに、素晴らしい肉体だけど、お顔がねえ。
マイケル・ダグラスが懐かしかったです。

これ、ラジー賞?
なんでも入賞して話題を作るというのは、シャロンが体を張ったかいはあったのではないでしょうか。

ヒュー・ダンシーが嫌みな記者役で、あっと言う間に殺されてしまいました。
ちょっと残念。

ザ・ダーク

2008-03-12 18:19:39 | 映画ーTV
ーザ・ダークー THE DARK
2005年 アメリカ ジョン・フォーセット監督 ショーン・ビーン(ジェームズ)マリア・ベロ(アデル)グウェニス・ペティ モーリス・ローヴ リチャード・エルフィン

【解説】
海辺を散歩中に姿を消してしまった娘を捜索する母親が謎の少女に出会い、娘を救う為いつしか過去の忌まわしき事件と伝説にとらわれていくさまを描いたサスペンス・ホラー。(allcinema ONLINE)

【感想】
いかにも!というタイトルですが、怖いのは雰囲気だけで、脅かし効果も薄くって、怖がりの私は助かったのですが。

見ているうちに、母親がいなくなった娘を捜すということで、「サイレントヒル」を思い出してしまいましたが、そうなると、この作品は不利でしたね。
「サイレントヒル」みたいにぶっちぎれてないからね。

マリア・ベロのお母さんとショーン・ビーンのお父さん。

お父さんが優し過ぎで、お母さんが頑張り過ぎ。
謎を教えてくれるダビドも、お約束のように死んでしまうし。
ウエールズの断崖絶壁に立つ呪われた家ーとか、不吉な羊ーとか、アイテムは揃っているのに、惜しいなあ。

カサブランカ

2008-03-10 11:03:12 | 映画ーTV
ーカサブランカー
1942年 アメリカ マイケル・カーティス監督 ハンフリー・ボガート(リック)イングリッド・バーグマン(イルザ)ポール・ヘンリード(ビクター)

【解説】
 戦火近づく'40年の仏領モロッコ、カサブランカは、自由を求めて渡米しようとする人々で溢れていた。ナイトクラブを経営するリックの元へ、ナチの手を逃れてここまでやって来た抵抗運動の指導者が現れる。だがその人物の妻は、かつてパリでリックと恋に落ちたイルザだった……。言わずと知れたアメリカ映画の古典的作品で、アカデミーの作品・監督・脚色賞を受賞。(allcinema ONLINE)

【感想】
亡き姑の大好きだった作品です。
リバイバルでかかるたびに、映画館へ見に行っていました。

まず、亡命希望者で溢れかえるフランス領モロッコ、カサブランカの町並み。
ドイツ人将校が殺され、通行証が盗まれたという事件が勃発。
ドイツ人の兵隊が疑わしい人間をどんどん連行し、にわかに町は険悪になる。

そんな町でカフェ・アメリカンを営むリック(ハンフリー・ボガード)。
フランス人の警察署長に取り入りながら、闇でカジノも営業し、抜け目のない実業家といったところ。

つきまとう女はポイと捨てる非情な人物。
女「夕べはどこにいたの」
男「そんな昔のことは忘れた」
女「今夜会ってくれる?」
男「そんな先のことはわからない」
これは、リックがつきまとう女に言うセリフ。
有名ですよね。

その彼が、その非情さを見込まれ、例の通行証を預かるはめになった。

そこに現れたナチスに歯向かう政治犯のラズロ(ポール・ヘンリード)。
人々からの支持が厚いので、ナチの将校も一目置く重要な人物。
妻を連れて亡命するためにカサブランカにやってきた。
高額なお金で通行証を買いたがっている。

リックの店に現れたラズロ、一緒にいた女性は、かつてパリで愛し合ったイルザ(イングリッド・バーグマン)だったー。

 舞台となるカサブランカのカフェ・アメリカン

エキゾチックな異国の情緒、退廃した人々、そして、美男美女の三角関係(ここ重要!!)もう、なにもかも揃っているメロドラマ中のメロドラマ。
これに、ピアノ弾きのサムが二人の思い出の曲「時の過ぎ行くままに」(As Time Gose By)を弾き語りしてくれます。
郷愁を誘うきれいなメロディー、センチメンタルな歌詞。
珠玉の名曲ですね。



クールなリックがお酒に溺れ、泣き崩れます。
甘過ぎる愛の思い出、雨の駅で知った辛過ぎる裏切り!!

リックの店で、ナチスがドイツの歌を歌いだして、みんなが居心地悪く感じているのを察して、ラズロが「ラ・マルセイユ」を歌いだすと、バーのお客全員が涙を流して合唱するシーンは、感動的でした。
ラズロという人物を正義として位置づける重要なシーンでした。

 
「君の瞳に乾杯」
このセリフは3回出てきました。
いずれも、イルザにリックが言います。
アイラブユーの代わりねー。
女はこれにやられてしまいます。
たぶん、姑もそうだったのでしょうね。

でも、これは日本限定の意訳だそうですね。
ボギーが言っているのは"Here's looking at you, kid."
あなたなら、なんと訳しますか?

 ラストの飛行場のシーンはあまりに有名です。

意外に、悪徳警察署長との友情物語で幕!でした。

ブラボー!!
完璧ー!

でも、クランクインの時点では脚本ができていなくて、できたところから撮影して行くという、ぶっつけ本番的な現場だったようです。
ラストも決まっていなくて、始めに撮った方が評判がいいので採用されたとか。
当のバーグマンも、これは失敗作だと思っていて、1974年に見て、いい映画だったのね、と言ったとか。

この監督の残した作品の数を見ただけでも、当時のハリウッド映画の隆盛がよくわかる気がします。
黄金期ですよね。
数作れば、こういう名作もできるということでしょうか?
いえいえ、プロ魂ときっちりとしたノウハウが、それぞれの担当者にあったのでしょう。

ラブ・レター

2008-03-07 10:09:43 | 映画ーTV
ーラブ・レターー
1998年 日本 森崎東=監督 浅田次郎=原作 中井貴一 山本太郎 耿忠 根津甚八 柄本明 倍賞美津子 大地康雄

【解説】
偽装結婚したチンピラと中国人女性の心の交流を描いた恋愛ドラマ。監督は「美味しんぼ」の森東。第117回直木賞を受賞した浅田次郎の「鉄道員」に収録された同名短編を「愛の黙示録」の中島丈博と監督が共同脚色。撮影を「北京原人 Who are you?」の浜田毅が担当している。主演は「Morocco 横浜愚連隊物語」の中井貴一。(goo映画)

【感想】
これは、浅田次郎の小説を読んで初めて泣いた作品です。
電車の中で気楽に読んでいたら、いきなり涙がぽろぽろでて、困りました。
こんな経験は初めてでした。

そして、韓国版の映画を見ました。
吾郎役にチェ・ミンシクでしたが、これも泣けて泣けて…号泣しました。

そして、日本の映画ですが、これ、ミスキャストじゃないかなあ。
中井貴一さんは吾郎役には良すぎますもの。



生真面目なのがまるわかりでした。
彼だったら、誰でも好きになるでしょう。

五郎がいままでいかにちゃらんぽらんに、いい加減に生きてきたかの説得力がありませんでした。

彼の映画では「壬生義士伝」がよかったなあ。

でも、手紙の部分は泣かされました。
いつも、パイランのピュアな心にうたれます。
ああ、いいお話だ。

でも、この話の本当の醍醐味は、社会のクズやゴミのような人間でも、美しい魂とのふれあいで、覚醒できるという希望であり、しかも気がついた時には取り返しつかないものだという二重の目覚めが、簡単なお話に込められているところなのになあ。
なんか、全部が残念な映画でした。

エリザベス

2008-02-24 14:03:51 | 映画ーTV
ーエリザベスーELIZABETH
1998年 イギリス シェカール・カプール監督
ケイト・ブランシェット(エリザベス一世)ジョセフ・ファインズ(ロバート・ダドリー)ジェフリー・ラッシュ(フランシス・ウォルシンガム卿)クリストファー・エクルストン(ノーフォーク公爵)リチャード・アッテンボロー(ウィリアム・セシル卿)ファニー・アルダン キャシー・バーク エリック・カントナ 
ジェームズ・フレイン ヴァンサン・カッセル ジョン・ギールグッド ダニエル・クレイグ エミリー・モーティマー 

【解説】
カトリックとプロテスタントの争いが激化する、16世紀のイングランド。エリザベスは、腹違いの姉で、彼女をロンドン塔に幽閉したメアリー女王の崩御後、世継ぎとして弱冠25歳の若さでイングランド女王に即位する。エリザベスには愛する恋人ダドリーがいたが、女王の立場は関係の緊迫した隣国との政略結婚を迫る。様々な謀略が渦巻き絶えず命を狙われるエリザベス。そんな苦悩が続く中、カトリックの最高権力・ローマ法王による謀反計画を知ったエリザベスは、対抗権力の粛清を行う……。(allcinema ONLINE)

【感想】
やはり、この作品を見てから、「エリザベス ゴールデンエイジ」をみるのがいい思いました。

それを一番感じたのがヴォルカを踊るエリザベスです。
この作品では、ロバート卿と3回踊るシーンがありました。
1度目は、まだ政争に巻き込まれる前の無垢の頃のエリザベス。
恋に発展しそうな予感の中で踊っています。

2度目は女王になってのパーティーで。
愛し、信頼している家臣であることを認め、恋人として受け入れるための踊り。

3度目は、スペインとフランスの両大国から求婚され、しかも命を狙われている中で、ロバートの心を試すかのような荒々しい態度。

そして、ゴールデンエイジでは、侍女のベスとローリー卿に踊らせ、それを見ているエリザベスの姿がありました。

また、ヴォルシンガムとの関係も、この作品から始まっていました。
ヴォルシンガムの狡猾な手法が、こちらではより鮮明で、エリザベスとの絆の強さも納得できました。

「ゴールデンエイジ」では、エリザベスは終始威厳を保った女王の姿でしたが、こちらは、娘時代の無邪気な表情から一転して、死刑に怯える幽閉されたエリザベス、覚悟が十分な定まらない間に、女王になった単純な喜び、側近たちの意見に翻弄される自信のない顔など、成長して行くエリザベスの様子がよく描かれていました。
ひとつの法案を乗り切ったことをきっかけに自信を得て、その後の暗殺未遂事件を受けて、次々に政敵を粛正して行く姿は、とても厳しいものがありました。

ローマ法王から放たれたテロリスト役で、ダニエル・クレイグが登場するのが面白かったです。
この作品でも、拷問されていました。

ヴァンサン・カッセル、ファニー・アルダンといったフランスの名優が、個性の強い役をしているのも楽しめました。

最後、髪を切って「処女になった」とつぶやき、家臣たちに「国家と結婚した」と言い放つ白塗りの顔は、自分の運命を受け入れた女王の顔に見えました。

マーシャル・ロー

2008-02-15 19:08:04 | 映画ーTV
ーマーシャル・ローーTHE SIEGE
1998年 アメリカ エドワード・ズウィック監督 デンゼル・ワシントン(アンソニー・ハバード)アネット・ベニング(エリース・クラフト/シャロン・ブリッガー)ブルース・ウィリス(ウィリアム・デヴロー将軍)トニー・シャルーブ

【解説】
ブルース・ウィリス、デンゼル・ワシントン共演の政治ドラマ。大都市ニューヨークでテロ事件が勃発。戒厳令が敷かれ、さながら戦場と化したNYで、陸軍・FBI・CIAの思惑が激しく交錯する。シミュレーション的側面も持つ、リアルで時事的な描写が特筆もの。アネト・ベニング共演。NYのブルックリンで、バスジャックのテロ事件が起きた。テロリズム対策部長のハバードは、事件の犯人の背後に政治的な思惑を感じ取る。(allcinema ONLINE)

【感想】
ここんとこ少し、デンゼル・ワシントン特集っぽいですね。

途中から、「この映画って、9.11の前なの?」と気になりだすほど、あの事件を思い出させる映画でした。
これを、事件以前に見た人と、以後に見た人では評価も感想も変わって来るのではないでしょうか。

マーシャル・ローは戒厳令のことだそうです。
原題は「THE SIEGE」。

イスラム教のシークをウィリアム・デヴロー将軍(ブルース・ウィリス)率いるアメリカ軍の一部隊が非合法に拉致したことが事件の発端でした。
イスラム過激派の自爆テロが軍の施設を爆破して多数の被害を出したのが原因でした。

そして、ニューヨークでは爆弾テロが多発し、ハブ(デンゼル・ワシントン)が指揮するFBIのテロ対策班が、犯人グループを潰しても潰しても、さらにエスカレートして行くとということで、戒厳令が敷かれ、軍隊が治安維持に乗り出してくる事態となります。
疑わしい中東から来た人々をスタジアムに逮捕監禁して、それに反対するデモ隊も出て、街は騒然となって行きます。

闇で中東などで暗躍して来たCIA工作員にアネット・ベニング。
二つの名前を持つ女でした。
やはりうまかったです。
デンゼルとの演技対決、なかなか見物でした。

それにしてもCIAは、この映画で言われているように、現地の人を味方にして、爆弾の作り方まで教えたなんて、本当なのでしょうか。
その後、冷戦が終わり、放り出された工作員は、そりゃ恨むでしょう。

最終的には、「犯罪者は法によって裁かれる権利があり、それは長い間、みんなで努力して勝ち得たものなんだ」というハブの言葉に、大義でがちがちになっていた将軍も心を動かされるというラストですが、これは、9.11を経験した人の耳には届きにくい言葉となったようです。

青いドレスの女

2008-02-15 19:06:14 | 映画ーTV
ー青いドレスの女ーDEVIL IN A BLUE DRESS
1995年 アメリカ カール・フランクリン監督 デンゼル・ワシントン トム・サイズモア ジェニファー・ビールス ドン・チードル モーリー・チェイキン テリー・キニー メル・ウィンクラー リサ・ニコル・カーソン レニー・ハンフリー

【解説】
市長選に立候補中の大富豪カーターの愛人で、3万ドルの大金を持ち逃げしたダフネを捜すという仕事を引き受けた黒人労働者イージー。彼はダフネの前の愛人である黒人ギャングの情報を得た後、警官に逮捕されてしまうが、かつてカーターと市長選で争った資産家テレルも接触してきた。やがてイージーの元に、ダフネ本人からの連絡が入る。青いドレスに身を包んだダフネの美しさに息をのむイージー。だが彼女の頼みで同行した場所には死体が転がっていた……。40年代のロスを舞台にしたW・モズレイの『ブルー・ドレスの女』の映画化。(allcinema ONLINE)

【感想】
まるでレイモンド・チャンドラーの小説のようなハードボイルドな映画でした。
アメリカのギャング時代の失業中の黒人イージー(デンゼル・ワシントン)が主人公。

イージーが行きつけの飲み屋で求人広告を見ていると、大統領候補カーターの元婚約者ダフネ(ジェニファー・ビール)を探してくれと依頼があった。

渋々ながらも引き受けて、ダフネのいるといわれる秘密バーに行き、彼女の女友達と出会う。
彼女の誘惑に乗り、朝まで関わっていたら、その後彼女は死体となって発見される。

ダフネに会い、彼女が生きたいという場所に行くと、ここにも死体が!!

手を引こうにも、ふたつの殺人事件の容疑者となり、カーターのライバルテレルもイージーに接触してくるし、謎は深まるばかり。

手に負えないと助っ人を求めたのが、幼なじみのマウス(ドン・チードル)。

彼の登場で、映画の雰囲気は一変しました。
このころからすごい人だったんですね。

このマウスって人物、いわゆる切れた人で、その人が2丁拳銃を振り回すからアブナくてしょうがないんだけど、彼のキャラクターの良さで笑えます。

惜しいのは、ダフネの存在感のなさ。
ジェニフアー・ビールは「フラッシュダンス」であんなに輝いていたのになあ。
なぜか、魅力が足りなかったです。

もっとも、出生に秘密を持つ薄幸な美女という役どころなので、これでいいのかもしれませんが。


ショート・カッツ

2008-02-12 11:22:48 | 映画ーTV
ーショート・カッツー
1994年 アメリカ ロバート・アルトマン監督 アンディ・マクダウェル ブルース・デイヴィソン ジャック・レモン ジュリアン・ムーア マシュー・モディーン アン・アーチャー フレッド・ウォー ジェニファー・ジェイソン・リー クリス・ペン リリ・テイラー ロバート・ダウニー・Jr マデリーン・ストー ティム・ロビンス ロリ・シンガー ライル・ラヴェット バック・ヘンリー ヒューイ・ルイス リリー・トムリン フランシス・マクドーマンド マイケル・ビーチ

【解説】
メド・フライと呼ばれる害虫を駆除するため、農薬散布のヘリコプターが市街地を飛び回る。都市の上にばらまかれた農薬によって、人々は次第に狂気に陥っていくのか……。ハリウッドを徹底的に皮肉った傑作「ザ・プレイヤー」に続いて、R・アルトマンが豪華キャストで完成させた、3時間を越すユニークな群像劇。レイモンド・カーヴァーのいくつかの短編を基に、10組の人々の日常の中にひそむ非日常を鮮やかに描いている。(allcinema ONLINE)

【感想】
「今宵フィッツジェラルド劇場で」で、興味を持ったアルトマン監督。
この作品は、ご覧下さい、キャストが豪華でしょう?

この作品は、ロサンゼルスにメド・フライと呼ばれる害虫を駆除するため、ヘリコプターから農薬散布された夜から、大地震に教われる夜までの、様々な人たちの生活が描かれています。
だから、あまりドラマティックとは言えない、平凡な日常生活です。

でも、それはそれで、ひとりひとりにとっては大問題。

たとえば、人気ニュースキャスターの一家(夫ブルース・デイヴィソン、妻アンディ・マクダウェル)。
ある日、一人息子が車に轢かれた!!
事故現場からは歩いて帰って来たのに、脳に血腫ができて意識不明が続いたあげく、とうとう死んでしまった。
死の床にある孫の元へ、祖父(ジャック・レモン)が訪ねて来た。
父が幼い時に別れたその父。
そして、懺悔にも似た打ち明け話をする、母の妹との情事。
いまさら、言われても、このじいさん何しに来たの?息子は呆れて病室にも乗ってしまう。

この子供を車で轢いたのはウエイトレス(リリー・トムリン)。
彼女の夫はリムジンの運転手(トム・ウェィツ)。
彼は飲んだくれで、ふたりはくっついたり離れたりを繰り返している。
腐れ縁とでも言うのでしょうか?
これはこれで、二人は仲がいいようです。

その娘(リリ・テイラー)とメイクアップ・アーティストの夫(ロバート・ダウニー・Jr)。
お金持ちの人の留守番に行って、肉食魚に生き餌をやったり、妻に暴力を受けた後死んだようなメイクをして、それを写真に撮って楽しんだりしている。

この二人の友人でプール掃除屋(クリス・ペン)とテレフォンセックスのアルバイトをしている妻(ジェニファー・ジェイソン・リー)。
子供のおしめを替えながら、変態の相手。
夫はニュースキャスターの家のプール掃除もしている。

この2組の夫婦はしょっちゅう一緒に遊んでいて、ある日、ピクニックに行って女房どもに内緒でおねえちゃんをナンパしようと思ったまではよかったが、なぜかプールの掃除屋が女の子を石で殴り倒してしまった!!

この夫婦がよく通っている場末のパプでは、かつてスターの頂点にいた女性ジャズシンガー(アニー・ロス)がライブをしている。
彼女にはチェロを弾いている娘(ロリ・シンガー)がいるが、最近彼女が精神的に不安定。
家はニュースキャスターの隣。
隣の男の子が事故で死んだことにショックを受け、自分も自殺してしまう。

このチェリストのアンサンブルを、ニュースキャスターの息子の主治医(マシュー・モディーン)とその妻(ジュリアン・ムーア)が聞きに来ていた。
妻が有名人を見つけ、その事が縁で隣に座っていたの夫婦と仲良くなり、彼らを家に招くことになった。

仲良くなった夫婦は、失業中の夫と、ピエロのパフォーマーの妻。
夫は、招かれた手みやげに魚釣りに出かける。
そこで、川に沈んでいる若い女性の全裸の死体を発見する。
でも、それを放置したまま魚釣りに3日間興じ、その後に通報した。
それを聞いた妻は、なんと非人間的な好意と憤り、密かに被害者の葬式に参列した。

医師の妻は絵描きで、妹(マデリーン・ストー)をヌードモデルにして大きな絵を描いている。
この二人は理想のカップルを演じているが、夫は妻が3年前のパーティで浮気をしたのではないかと疑っている。
問いつめられた妻は、ものの弾みでといいながら告白を始めた。

医者はがっかりするが、レイの夫婦が、釣った魚を手みやげに来たので気を取り直し、バーベキューでもてなした。
その後、ピエロの格好をさせてもらって一晩中、乱痴気騒ぎをする。

医師の妻の妹は警官(ティム・ロビンス)の妻だが、夫は不倫している。
ウソはすぐばれるので、夫をいたぶっては楽しんでいる。

警官の不倫の相手(フランシス・マクドーマンド)の夫は、農薬散布のヘリコプターの操縦士だが、この夫婦は破綻している。

妻は一人息子を連れ、別の愛人と旅行している間に、夫がチェーンソーを使って家をめちゃめちゃにしてしまった。
恋人に送ってもらって、家に入った彼女はびっくり。

こういう中に大地震が起こる。
それぞれの持ち場で仕事をこなし、また日常に戻っていくー

死体と死と疑似死が出て来て、やはり死がテーマかなあと思わせますが、登場人物がみんな深刻そうな顔をしながら、軽薄です。
その方がよっぽど問題があるのではないかなあ。

でも、こういうところがアルトマンの天才的なところなのではないでしょうか。
軽薄なりに調和がとれているのです。
たくさんのエピソードを追いかけながら、矛盾がない。
ただただ、恐れ入った映画でした。

から騒ぎ

2008-02-03 10:49:40 | 映画ーTV
ーから騒ぎー
原題: MUCH ADO ABOUT NOTHING
1993年 アメリカ ケネス・ブラナー監督 ウィリアム・シェイクスピア原作
ケネス・ブラナー エマ・トンプソン デンゼル・ワシントン ロバート・ショーン・レナード キアヌ・リーヴス ケイト・ベッキンセイル マイケル・キートン

【解説】
戦いから戻ったドン・ペドロ(ワシントン)一行を民は歓喜の声で迎える。その夜の宴でドン・ペドロは、クローディオ(レナード)の気持ちをヒーロー(ベッキンセイル)に伝え二人の婚礼が決まった。ドン・ペドロと仲の悪い異母弟のドン・ジョン(リーヴス)は二人の結婚を妨害しようと策をめぐらす。一方、そんなことは知らない皆は、顔を合わせれば喧嘩ばかりしているベネディック(ブラナー)とベアトリス(トンプソン)の仲を何とかしようと作戦を練っていた……。(allcinema ONLINE)

【感想】

 監督・出演のケネス・プラナー

以前、TV放送されていたのを録画したものです。
DVDは発売されていないようです。
従って、画像もありませんでした。

すごく楽しい作品でした。

シェイクスピアの長セリフが、とても詩的で耳に心地よいです。

この作品を見ていたら、恋をしたいなあ、恋って素敵だなあ、という気持ちになります。
恋人の一言一言に喜んだり、傷ついたり。
ベネディック(ブラナー)が愛する人のために決闘を申し込みに行ったところは、感動ものでした。

 エマ・トンプソン

この当時、ケネス・プラナーとエマ・トンプソンは夫婦だったとか。
早口の掛け合いも、ぴったり息があっていました。

夜警たちが面白い。
敬語を使っているつもりが、正反対の軽蔑する言葉になっているんだけど、登場人物たちはみんなそれを知っているから、間違いを指摘することなく、尊敬語として受け入れるの。
そういうおおらかさも、この作品によく合っていました。

明るく、さわやかな恋のから騒ぎ。

 ドン・ジョン(キアヌ・リーブス)だけが、最初から最後までふてくされた役で、かわいそうみたいでした。