アンコールワット遺跡の環境汚染や破壊

 カンボジアの現状:アンコールワット遺跡の環境汚染や破壊

 カンボジアに来るようになってから、よくお会いする金沢大学の塚脇先生から、以下のようなメールが届きました。皆さん興味をお持ちの方は参加して下さい。10月31日の時間は、午後1時半からです。場所は日本大学文理学部図書館3階オーバルホール(参加費無料)
(きれいな写真のついたpdfファイルが付いていますが、私の技術では、ブログに掲載できませんでした。申し訳ない)


アンコールに興味をおもちのみなさまへ(BCCでお送りしています)

 秋もますます深まり過ごしやすい季節となってまいりました.みなさまにおかれましてはますますご清祥のことと拝察いたします.
 
 さて,きたる10月31日に世田谷の日本大学文理学部で開催する海外学術研究報告会「アンコール遺跡における環境汚染と環境破壊の現状と影響評価」について案内いたしたくこのメールを差し上げています.ポスターを添付いたします.
 
 世界遺産の白眉として名高いアンコール遺跡群ですが,観光産業の爆発的な発展のためその自然環境の悪化には目を覆いたくなるものがあります.今月初めにもシェムリアプ市がこれまでになかったような洪水に見舞われました.この遠因として自然環境や都市環境の全般的な劣化があると捉えています.
 
 このような環境汚染や破壊の現状を早急に把握し,それへの対処法を考えるため,アンコール遺跡整備機構とともに2005年6月から2009年3月まで科学研究費補助金などによる学術調査を実施してまいりました.この成果は2009年3月にシェムリアプにて国際シンポジウムとして公表いたしましたが,その概要を日本のみなさまにもお知らせいたしたくこの報告会の開催を企画いたしました.それぞれの研究グループの代表者が各分野での成果をかいつまんで報告する予定です.

 当日のプログラムとしては以下を予定しています.

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大気環境分野
 シェムリアプ市ならびにアンコール遺跡公園における大気汚染
 プノンペン市における大気汚染と夜間温度分布
 
水環境分野
 シェムリアプ市における気象特性と観測ネットワーク構想
 シェムリアプ川における水質の年間変動
 アンコール遺跡区域における水の濁りと植物プランクトン

水資源分野
 アンコール遺跡公園における水資源管理

森林環境分野
 プラカーン遺跡に残された巨木林の再調査
 プラカーン遺跡巨木林の現状とエコマネージメント
 プラカーン遺跡巨木林の森林生態評価
 
地盤/河川環境分野
 アンコールワット環壕における魚類相
 シェムリアプ川の河川変動
 アンコール遺跡区域における地盤強度
 カンボジアにおける伝統的ホームガーデン

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 ご多用の時節とは存じますが,どなたにでもご出席いただけますので,どうぞお誘い合わせのうえご来聴いただければ幸いです.
 
 
塚脇真二(研究代表者)
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〒920-1192 石川県金沢市角間町
金沢大学環日本海域環境研究センター
Tel. 076-264-5814
Fax. 076-264-5990
Email. tukawaki@t.kanazawa-u.ac.jp
Web. http://mekong.ge.kanazawa-u.ac.jp
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クリーンエネルギーの目的

クリーンエネルギーの目的 2009.10.16.  金森正臣

 今朝のテレビを見ていたら、クリーンエネルギーの開発で、太陽光発電のソーラーパネルの研究が紹介されていた。そのこと自身は、素晴らしい研究であると思われるのだが、マスコミの取り上げ方や話題として、適当かどうかが疑問になった。

 当然のように、使えるエネルギーは、どんどん増やさなければならないと言った姿勢が見えている。地球温暖化防止で、クリーンエネルギーが注目されているが、その場で汚染物質を出さないことは良いことであるが、それだけが全てではない。人生の全体に関する思考が全く抜けている。我々はより良い人生のために、日々を生きているのであって、便利であれば良いといった単純なものではない。最近、児童が正座できなかったり、しゃがみ込むことができなかったりで、日本式のトイレが使えないことも話題になっていた。直接エネルギーの使い方とは関係ないように見えるが、どこかでつながっている人生上の重要な問題である。

 ヒトは、親から引き継いだ遺伝子の能力を、使うことによって発達させ、使えるようにして行く。多くのエネルギーを使って、自分の体を使わなくなると、遺伝子上の能力は発達しない。運動と言うとスポーツで競争させて、鍛えさせるのが学校教育の主流であるが、この様に限定された能力の開発だけでは、遺伝子の能力は円満には発達しない。その事が子どもたちの不安を増大させ、自殺が多くなっていることにも注目しなければならない。ゆっくりと沢山遊んで、疲れてぐっすりと眠ることを経験しないと、精神は安定しない。競走の勝ち負けで疲れさせられると、夢にまで見るほど精神は疲れる。これでは、健全な精神の発達は望めない。

 この50年ぐらいの間に、日本人は宗教心を無くし、人生について考えることが少なくなったように思われる。教育に宗教は持ち込まなくても良いが、だからと言って各個人が、自分の人生を考えることを無くしたら、何のために人生をしているか分からなくなる。最近、知識は人格を作らないことを痛感している。日本人の思考は、分かり易いことに走りすぎ、難解不明な問題に取り組むことが少なくなった。生きることが苦しいと、何のために生きているかを常に考えるようになる。戦後に比べれば、多くの人が物質的には豊かな生活をしている。しかし生き生きとしている人は少ないし、幸せそうな人も少ない。人間の人生の豊かさは、精神的な豊かさではなかろうか。幸せはそれに比例するように思われる。
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