パパイアは優等生

パパイアは優等生     2009.10.15. 金森正臣

 熱帯ではパパイアが,雑草のごとく普通に成長する。成長も早く、水分条件さえ良ければ、半年ぐらいで花が咲き、果実がなり始める。最適な状況では、数年も成り続ける。

 写真は、コンポンチャムと言うメコン川流域の古い街で見かけたもの。コンポンのクメール語の意味は港で、古くから栄えた地方都市である。この木も(木と言える木部は発達しないが、外見は木になる。背丈は4-5メートルまでなる)、川の土手に勝手に生えたもので、誰の持ちものでもない様に思われる。ゴミ捨て場などにもよく生える。このパパイアも、付近の人が捨てたゴミの中から成長したものであろう。まだ若い果実だが、150個程度はなっている。全部が成熟するとは思われないが、かなりの量だ。東アフリカのタンザニアで、感心して眺めたパパイアは、3メ-トル程の丈で250個も成っていた。1個の重さは、1-3Kgもあり、ビタミンCも多いし、糖分もある。

 写真ぐらいに若い果実に、傷をつけると、白色の乳液が滴り落ちる。これを集めて、バットなどに広げて乾燥すると、パパイア酵素の原料になる。製品は、パパインと呼ばれる酵素で、タンパク質を分解する。生成すると、タンパク質の鎖の切る場所が特定され、バイオテクノロジーの一翼を担う。カンボジアでは、未熟なものを野菜として、スープやサラダにもたくさん使っている。

 パパイアは、一年中なるから、市場でいつでも手に入る。多くの果物が、季節性があるのに対して、なかなか賢い果実だ。
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