クリーンエネルギーの目的

クリーンエネルギーの目的 2009.10.16.  金森正臣

 今朝のテレビを見ていたら、クリーンエネルギーの開発で、太陽光発電のソーラーパネルの研究が紹介されていた。そのこと自身は、素晴らしい研究であると思われるのだが、マスコミの取り上げ方や話題として、適当かどうかが疑問になった。

 当然のように、使えるエネルギーは、どんどん増やさなければならないと言った姿勢が見えている。地球温暖化防止で、クリーンエネルギーが注目されているが、その場で汚染物質を出さないことは良いことであるが、それだけが全てではない。人生の全体に関する思考が全く抜けている。我々はより良い人生のために、日々を生きているのであって、便利であれば良いといった単純なものではない。最近、児童が正座できなかったり、しゃがみ込むことができなかったりで、日本式のトイレが使えないことも話題になっていた。直接エネルギーの使い方とは関係ないように見えるが、どこかでつながっている人生上の重要な問題である。

 ヒトは、親から引き継いだ遺伝子の能力を、使うことによって発達させ、使えるようにして行く。多くのエネルギーを使って、自分の体を使わなくなると、遺伝子上の能力は発達しない。運動と言うとスポーツで競争させて、鍛えさせるのが学校教育の主流であるが、この様に限定された能力の開発だけでは、遺伝子の能力は円満には発達しない。その事が子どもたちの不安を増大させ、自殺が多くなっていることにも注目しなければならない。ゆっくりと沢山遊んで、疲れてぐっすりと眠ることを経験しないと、精神は安定しない。競走の勝ち負けで疲れさせられると、夢にまで見るほど精神は疲れる。これでは、健全な精神の発達は望めない。

 この50年ぐらいの間に、日本人は宗教心を無くし、人生について考えることが少なくなったように思われる。教育に宗教は持ち込まなくても良いが、だからと言って各個人が、自分の人生を考えることを無くしたら、何のために人生をしているか分からなくなる。最近、知識は人格を作らないことを痛感している。日本人の思考は、分かり易いことに走りすぎ、難解不明な問題に取り組むことが少なくなった。生きることが苦しいと、何のために生きているかを常に考えるようになる。戦後に比べれば、多くの人が物質的には豊かな生活をしている。しかし生き生きとしている人は少ないし、幸せそうな人も少ない。人間の人生の豊かさは、精神的な豊かさではなかろうか。幸せはそれに比例するように思われる。
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