最近増え始めたドバト

最近増え始めたドバト                2008.11.13. 金森正臣

 最近プノンペンで、ドバトの群れをよく見かける。数年前には、ほとんど見ることが無く、カンボジアにはドバトが居ないものと思っていた。ところが、3年ほど前から、時々ドバトの群れを見かける。食べ物はいっぱい落ちている国であるから、ドバトが増え始めると厄介なことになるように思われる。

 方々の路上の食堂は、排水設備は無いから、皿などを洗った水は道路にぶちまけたりする。その中には当然ながら、コメ粒やヌードルの切れ端が入っている。水田に目を向けると、刈り取りが雑であるから落ち穂があるし、モミの選別がかなり雑であるから、落とされるモミの量も多い。先日も農業勉強会で、最近モミの選別機が普及し始めているが、吹き飛ばしてしまうモミが多いと問題になっていた。この様な状況であるから、ドバトが食料に困ることは無く、今までいなかったのが不思議なくらいである。

 ここのところいろいろと式典を見ていると、風船を多量に飛ばしたりドバトを放したりしている。これが次第に増え始めているものと思われる。風船を飛ばすのも、環境への影響を考えるといかがなものかと思われる。以前に医学部にいたころ、病院の患者さんが、窓辺でドバトに餌を与えて、ハトが集まるようになり問題が起きたことがある。餌を与えた本人が痒さを訴えたので調べたところ、ハジラミの刺し傷がいっぱいあった。ドバトを調べると、1匹から2万個体ものハジラミが付いていることが確認された。ハジラミは、人間に長期間にわたってしがみついていることはできないが、振り落とされる前に1-2回なら刺して血を吸うことができる。糞も何かの病原菌を多量に含んでいた覚えがある。ドブネズミ同様に、衛生的には問題の多い動物である。

 カンボジアの市内では、天敵になる鳥類もあまり見かけない。カラスの仲間も少ないし、猛禽類も少ない。ネコは満腹でのんびりしているし、イタチやマングースも少ない。建物は結構複雑な構造や飾りが多く、ドバトの巣場所は十分にある。増え始めたら、早い様な気がする。
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