“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「なぜ新型ウィルスが、次々と世界を襲うのか?」(マリー=モニク・ロバン著/作品社)

2022-09-15 09:45:57 |    生物・医学



<新刊情報>



書名:なぜ新型ウィルスが、次々と世界を襲うのか?~パンデミックの生態学~

著者:マリー=モニク・ロバン

訳者:杉村昌昭

発行:作品社

 世界は、鳥インフル、エボラ出血熱、SARS、MERSなど、新たなウイルス感染症に襲われ続け、ついに新型コロナのパンデミックが発生した。世界の多くの研究者は、自然環境と生物多様性の破壊こそが、新型ウィルスを出現させていると指摘している。しかしなぜ、コウモリやネズミの小さな群れに潜んでいたウィルスが、ある時、突然、数カ月で全世界に広がるのか? 同書は、世界の最先端で研究を進める専門家(感染症学、ウィルス学、進化生物学、保全生物学、さまざまな生態学など)62名へのインタヴューを行ない、その実態と発生メカニズムを明らかにしたものである。パンデミックへの真の対策は、ウィルスのゲノム解析やワクチン開発競争、生物安全保障ではない。生物多様性や生態系の保全であり、これを世界が協力して推進しないかぎり、今後、さらに破局的な新型ウィルスが、世界を襲う可能性があることを警告する。
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●科学技術ニュース●KDDI、ロボットを活用した無人店舗をオープン

2022-09-15 09:45:11 |    ロボット工学
 KDDIは労働人口減や小売店舗の自動化への潮流を見据え、デジタルのオーダーに応える実店舗として、ROMSのロボットを活用したネットワーク連動のロボット店舗「auミニッツストア 渋谷店」を9月13日からオープンした。

 「auミニッツストア 渋谷店」では、menuからのオーダーに連動し、ロボットやセンサーが商品認識・ピッキングからパッキングまでを自動で実施する。

 同店舗は、au Style SHIBUYA MODIに併設しており、バックヤードを含め店舗サイズは約50m2と省スペースで運営。

 商品ピッキングからあらかじめセットされた袋への袋詰めをロボットが完結する。

 すべての注文がオンライン化されているため、店舗の商品が売り切れると、リアルタイムにアプリへ反映される。

 商品ケース (棚) や賞味期限をシステムで自動管理しているため、商品補充・回収時には、補充や回収が必要なケースを自動で作業台まで運んでくる。

 この仕組みにより、商品補充・回収の作業時間が短縮される。

 商品の温度帯管理を行うことで、冷蔵・常温商品などの顧客のニーズに合う豊富な商品の取り扱いが可能。

 オープン時点は、ローソンの飲料やデザート、コストコの食料品や日用品などデリバリー向け人気商品を取り扱うが、今後、パートナーの拡大も想定し、最大でおよそ500商品を取り扱う予定。<KDDI>
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●科学技術ニュース●早稲田大学とJST、有機金属構造体から次世代多孔性炭素材料を合成する方法論を確立し蓄電池や触媒のエネルギー貯蔵・変換への応用に期待

2022-09-15 09:44:50 |    化学
 早稲田大学 理工学術院の山内 悠輔 客員上級研究員(豪州 クイーンズランド大学 教授/物質・材料研究機構 グループリーダー)と菅原 義之 教授、および JST-ERATO 山内物質空間テクトニクスプロジェクト(早稲田大学、豪州 クイーンズランド大学、物質・材料研究機構)のメンバーらは、有機金属構造体(通称:MOF)粒子を出発物質として用い、これを直接炭化することにより、均一な多孔性炭素粒子を高い生産性で合成する方法論(プロトコル)を確立した。

 MOFは、炭化中にMOFの有機ユニットの炭素原子が粒子内部で再配列し、元々存在する細孔骨格の影響により、高い表面積を持つ多孔性炭素材料を合成できる。

 このプロトコルでは、炭化前の出発物質であるMOF粒子の内部をエッチングしたり、MOF粒子表面を別の組成のMOFで被覆したコアーシェル型MOF粒子をあらかじめ作製したりすることで、炭素中空粒子や炭化度が同一粒子内で異なる多孔性粒子などを自由に作り出すことができる。

 さらには、MOF由来の炭素層の細孔と比較して、一回り大きな細孔径(5~10ナノメートル程度)を持つ炭素層を粒子表面に被覆させることもできるようになり、同一粒子内で大きさが異なる細孔を持つ階層的な細孔空間を設計することもできる。

 MOFは、自己組織化に基づく金属イオンと有機分子の間の配位結合によって形成される結晶性多孔質材料で、大きな比表面積、優れた熱的および化学的安定性を有しており、広い用途への応用に期待が寄せられている。

 しかし、有機部位が骨格中に存在するため、電気伝導率が低く、エネルギー貯蔵・変換、バイオセンサー、キャパシターなどの電気化学的な応用展開には不向きであった。

 同研究成果は、MOFの直接炭化法に関する全合成プロトコルを公開しており、高度な形態や細孔構造を制御することが可能となったことで、今後MOFの応用範囲を大幅に広げることが期待される。<科学技術振興機構(JST)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「Outlookビジネスメール効率化&自動化の教科書」(伊賀上真左彦著/技術評論社)

2022-09-15 09:43:50 |    情報工学



<新刊情報>



書名:Outlookビジネスメール効率化&自動化の教科書

著者:伊賀上真左彦

発行:技術評論社

 毎日の日常業務で意外と多くの時間を取られているのが、メールの送受信と整理の仕事。個人でのメールのやり取りはもちろんのこと、業務内容によっては1日に数百件、数千件のメールに対応しなければならない場面も少なくない。同書は、こうしたビジネスメールにまつわる煩雑な仕事を、分類、検索フォルダー、自動仕分け、条件付き書式、クイックパーツ(定型句)、クイック操作といったOutlookの機能を活用することで効率化。また、Outlook VBAを用いることで自動化するための方法を解説。ITコンサルタントである著者が、これまでの経験と実績に基づいて編み出した、メール業務効率化の集大成がここにある。Outlook VBAによるサンプルプログラムをダウンロード提供。これ1冊で、個人の、また部署や企業全体のメール業務を圧縮することができる。
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