“科学技術書・理工学書”読書室―SBR―  科学技術研究者  勝 未来

科学技術書・理工学書の新刊情報およびブックレビュー(書評)&科学技術ニュース   

●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「AIはすべてを変える」(マーティン・フォード著/日本経済新聞出版)

2022-09-01 10:16:13 |    人工知能(AI)



<新刊情報>




書名:AIはすべてを変える

著者:マーティン・フォード

訳者:松本 剛史

発行:日本経済新聞出版

 AIは第二の電気になる! 本当の革命はこれからだ! AIは「電気」のように社会にとって不可欠で当たり前の存在になる。だが、同時にディープフェイク、軍事利用など、危険な面も併せ持つ。人間はAIにどう対応すればよいのか?AIをめぐる誇張を排し、その真実に迫る。フィナンシャル・タイムズ紙の年間最優秀ベストビジネス書に選ばれるとともに、世界的な話題作となった「ロボットの脅威」の著者が放つ、人工知能(AI)と社会の未来予想図。AIの最新動向、それがもたらす社会・経済への変化を鋭く洞察する。著者は、人工知能分野のノーベル賞と言われる「チューリング賞」受賞者ら、AI研究の最先端を担う研究者たちへの取材をもとに執筆。ディープラーニング、機械学習、強化学習、画像認識技術などのAIテクノロジーの発展と現状、さらに汎用人工知能、スーパーインテリジェンスの実現可能性(不可能性)について展望。経済全体、雇用、労働市場、所得格差への影響、ベーシックインカムなどのセーフティーネット、そしてサイバー攻撃、ディープフェイク、軍事利用についても取り上げる。
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●科学技術ニュース●伊藤忠商事、米DataRobot社と提携し医療・健康データ分析におけるAI解析サービスの提供開始

2022-09-01 10:15:34 |    人工知能(AI)
 伊藤忠商事は、子会社であるエイツーヘルスケアを通じ、AIプラットフォームのリーディングカンパニーである米DataRobot社と国内の医薬品開発業務受託機関(CRO)初となるパートナー契約を締結し、医療・健康データ分析における医薬品・医療機器企業向けAI解析サービスの提供を開始する。

 近年、製薬業界では、臨床現場で得られる診療行為に基づく患者の医療データや、様々なデータベースから日常的に収集される健康データといったReal World Data(RWD)の活用の重要性が高まっている。RWDの解析によって得られた、医薬品の使用状況や臨床エビデンスを創出するソリューションの世界市場規模は2021年の約12億米ドルから、2026年には約23億米ドルに成長すると予測されている。

 米DataRobot社は、高度な技術力を必要とせずに短時間で精度の高い機械学習モデルを構築し、ビジネスへ適用する為のAIプラットフォームを提供している。データの前処理、予測モデル開発の自動化に加え、実業務への適用後のモニタリング機能まで搭載しており、国内だけでなくグローバルレベルでヘルスケア業界におけるAIの利活用を成功に導いている。

 エイツーヘルスケアは、国内のリーディングCRO として、製薬業界における50年以上の実績があり、現在では50名以上の臨床開発の知識を有したデータサイエンティストが医薬品・医療機器企業向けのデータ分析を担っている。2018年4月には、リアルワールドエビデンスグループを設立し、RWDに関連する知見と業務実績を積み重ねてきた。

 今回、エイツーヘルスケアのデータサイエンティストがDataRobot社のAIプラットフォームを活用して提供するAI解析サービスは、ウェアラブルデバイス等で得られるような逐次的なデータや遺伝子解析のような大量のデータ等を扱うことが可能になり、疾患の状態変化等の関連性を解き明かす、より精度の高いモデルを構築することが可能。

 これにより、医薬品とその効果・副作用、リスク因子等との既知の因果関係を更に強めることができたり、これまで解明されていなかった因果関係を明らかにでき、疾病に対して効果的な予防や、治療法を見出すことが可能になる。(伊藤忠商事)
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●科学技術ニュース●サステナクラフト、国立環境研究所と一橋大学、質の高い森林由来のカーボンクレジット創出に向けた共同研究を開始

2022-09-01 10:14:44 |    ★炭素ニュース★
 サステナクラフト、国立環境研究所および一橋大学は、質の高い森林由来のカーボンクレジット創出に向け共同研究を開始する。

 同研究は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)における2022年度の「研究開発型スタートアップ支援事業/地域に眠る技術シーズやエネルギー・環境分野の技術シーズ等を活用したスタートアップの事業化促進事業」に採択された。

【共同研究】

 以下のテーマについて共同研究を進める。

○助成事業の名称:森林カーボンクレジットの供給量及び透明性向上に向けた技術開発
○共同研究の内容:
・樹種が多様で複雑な階層構造を持つ熱帯雨林を対象とした地上部バイオマス推定
・地球観測データと時空間モデルを融合した地上の生物多様性推定
・新規政策導入などのプロジェクト外の影響分析やプロジェクトによる負の外部性の評価など頑健なプロジェクト評価手法の開発

【共同研究の背景と今後の展望】
 
 2020年10月、日本政府は「2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言し、2021年4月には2030年の温室効果ガス排出量を2013年度比で46%削減する目標を表明した。政府はこの目標の実現に向けて、脱炭素投資を加速している。持続可能な森林保全の取り組みとして、温室効果ガスの排出削減効果を取引できるカーボンクレジットが世界規模で注目を集めており、その評価の精緻化が喫緊の課題となっている。この度、サステナクラフト、国立環境研究所、一橋大学は、森林由来のカーボンクレジットの供給量と透明性向上に向けて、共同研究に取り組むこととなった。
 
 森林や生物多様性など環境分野で長年の研究実績を持つ国立環境研究所の生物多様性領域の専門家と、社会科学を基盤とするデータサイエンス領域における教育研究の推進を目的として設置された一橋大学ソーシャル・データサイエンス教育研究推進センターの時空間統計研究の専門家の知見に、工学や経済学の博士号をもつ技術者に加え国際開発や事業開発の専門家で構成されるサステナクラフトの社会実装力を掛け合わせることで、海外機関を巻き込みながら、自然資源への炭素貯留量や生物多様性の推定、及び森林保全・再生プロジェクトの効果分析にまつわる技術課題を研究する。今回のプロジェクトを契機として、実社会・学術両面における継続的な共同研究体制を築いていきたいと考えている。<国立環境研究所(NTES)>
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●科学技術書・理工学書<新刊情報>●「世界標準MIT教科書  データアナリティクスのための機械学習入門」(J.D. ケラハー、B. マクナミー、A. ダーシー著/近代科学社)

2022-09-01 10:13:56 |    人工知能(AI)



<新刊情報>



書名:世界標準MIT教科書  データアナリティクスのための機械学習入門~アルゴリズム・実例・ケーススタディ~

著者:J.D. ケラハー、B. マクナミー、A. ダーシー

翻訳:宮岡 悦良、下川 朝有、黒澤 匠雅

発行:近代科学社

 同書、は機械学習を実際のビジネスシーンに適用してデータ分析を行うための実践書である。機械学習そのものの解説というよりは、データ分析に不可欠な機械学習の手法を駆使してビジネスを予測的に改善する方法を解説していく。具体的な適用事例を用いて説明がなされるため、読者は目的やケースに合った手法(アルゴリズム)や実際の適用方法などを効率的に身に付けることができる。原著はMITで使われている教科書であり、講義の目的に応じて章を選択可能。ビジネスで使えるデータ分析手法を最短で習得したい読者に役立つ一冊である。
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