今度が最後かもしれないと関東から義妹夫婦が帰ってきた。
義妹は長年、病と戦っている。そんな矢先、頼り切っていた夫が脳こうそくで入院。幸い後遺症は少なく散歩もできる。秋の夜長、目や口がゆがみゆっくり倒れる様子を涙ながらに語る。
「でもこうしい笑顔で歩くの」と顔を上げた。これからの意気込みが伝わり、さすがだとうなずき笑みを返した。
帰る朝、2人で歩く時にと差し出した手編みの帽子とマフラーを胸にあてている。大丈夫、また会えるよと肩に手を置くと「あの煮しめを食べに帰ってくるから」と笑って握手した。
薩摩川内市 田中由利子(67) 2008/11/30 毎日新聞鹿児島版掲載
義妹は長年、病と戦っている。そんな矢先、頼り切っていた夫が脳こうそくで入院。幸い後遺症は少なく散歩もできる。秋の夜長、目や口がゆがみゆっくり倒れる様子を涙ながらに語る。
「でもこうしい笑顔で歩くの」と顔を上げた。これからの意気込みが伝わり、さすがだとうなずき笑みを返した。
帰る朝、2人で歩く時にと差し出した手編みの帽子とマフラーを胸にあてている。大丈夫、また会えるよと肩に手を置くと「あの煮しめを食べに帰ってくるから」と笑って握手した。
薩摩川内市 田中由利子(67) 2008/11/30 毎日新聞鹿児島版掲載