はがき随筆・鹿児島

はがき随筆ブログにようこそ!毎日新聞西部本社の各地方版に毎朝掲載される
「はがき随筆」は252文字のミニエッセイです。

ウメ婆

2012-08-03 20:39:07 | はがき随筆
 梅ちゃん先生、毎日がヒヤヒヤですよ。昭和20年代、近くにウメ婆がいました。小柄で白髪交じりの頭。しわくちゃ顔にお歯黒。子どもには異様に思えた婆。梅ちゃんと違って尋常小卒業かな。それが何でも物知り。地域では貴重がられていた。熱が出た。腹が痛い。けがをした。腫れもの等々。ウメ婆にはこれぐらいの病気は「騒動しやんな」そこらの雑草が薬に変わる。碑を見ると昭和47年ボツとある。今ごろ、我が町の梅ちゃん先生は私だと自慢していることだろう。この地域もすっかり過疎化。ウメ婆を知る人も少なくなっている。
 姶良市 山下恰 2012/8/3毎日新聞鹿児島版掲載

「何回言えば……」

2012-08-03 17:57:17 | 岩国エッセイサロンより
2012年8月 3日 (金)

岩国市  会 員   樽本 久美

 「何回言えばいいの」と大声を上げている私。私は今、小学校の放課後教室の先生。暑い中、毎日毎日同じ事を繰り返す。1年生から3年生までの子供を預かっている。絵本を読むと熱心に聞いてくれる子供もいるし、「川柳かるた」づくりに挑戦してくれる子供も。少しヒントを出すと、あっという間に面白い川柳を作る。
 やはり子供は無限の可能性を持っている。見ていて面白い。毎日、この子供たちと遊ぶ事ができる私はしあわせかな。児童虐待が叫ばれている今。子供を守ってやらなくてはいけない、と今日も大声を出している。

  (2012.08.03 毎日新聞「はがき随筆」掲載)岩國エッセイサロンより転載