kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

嵐に備えて

2010-10-12 15:34:41 | 日記
火曜日の日銀の追加金融緩和で目先円高に歯止めがかかり輸出株の
上昇で日経平均が上がったのであれば、ずいぶん安心感が出たと思う
のですが、実際は不動産株、ノンバンク、商社、非鉄などが金余り
からくる商品高や金融緩和でメリットがあるということで上昇率上位
を占めました。

世界の株が金融緩和で上昇している状況です。雇用統計が悪ければ
追加緩和が一層現実味を帯びるということで週明けのニューヨーク
市場もしっかりの展開でした。しかし今回の上昇は業績を伴った
ものではなく追加金融緩和だけで上がっている不安定な相場です。
金融緩和だけでいつまでも上昇が続くでしょうか。

何かのきっかけで本格的な調整がこないとも限りません。金融相場
から業績相場にすんなり移行できればそれに越したことはありませ
ん。ニューヨーク市場も9月の相場が数十年ぶりに高い上昇率だった
こと、それを引き続いた10月も今までのところ順調で11000ドルを越え
て来ました。10600ドル台のボックスを抜けてきてから順調過ぎるほど
堅調に推移してきたニューヨーク市場ですが、このまま年末まで波乱
なく上昇し続けるとはとても思えません。

どこかで調整局面は必ず来ます。円高で今回の金融相場に今ひとつ
乗れなかった東京市場もニューヨークが下げればそれは大きな影響
を受けます。今まではじりじり進む円高でも金融緩和で堅調な米国
市場が支えとなって一時9700円を回復しましたが、もし米国の市場
が調整局面になれば東京市場も下落は避けられません。

9月以降東京市場が反発した局面は1回目が政府・日銀の意表をつ
いた円売り介入と2回目が日銀のサプライズな追加緩和策でした。
見方によれば今日の下げはその効果が早くも息切れしつつある状況
かも知れません。念のためにここは用心するに越したことはありま
せん。
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技術優位への過信

2010-10-12 10:07:44 | 日記
液晶を世に送り出したのはシャープでした。それは電卓から始まり
腕時計、携帯ゲーム機、携帯電話、カーナビ、ノートパソコンそし
てテレビへとどんどん使われている商品は広がっていきました。
今や日常生活で液晶を使った商品を見ない日はありません。

また電気自動車の普及とともにその生産額が飛躍的に伸びると言わ
れているのがリチウムイオン電池です。これも世界で最初に開発し
た企業は日本の旭化成でした。携帯電話、ノートパソコンの普及と
ともにその市場規模も拡大していきました。その市場をリードした
のはシェア1位の三洋電機と2位のソニーでした。

液晶もリチウムイオン電池も5年前までは日本企業の独壇場でした。
それはかつて日本の半導体産業が世界を席巻した時と同じように
ずっと続くものだと思っていました。しかし今やエレクトロニクス
業界では韓国や台湾企業が世界をリードしています。日本企業の
シェアも存在感も薄れていくばかりです。まるで半導体産業がたど
った道を追いかけるように。

わずか数年で業界の勢力図が塗り替わってしまうほど変化の激しい
エレクトロニクス業界で日本企業が巻き返せる可能性は十分あると
思いますが、それにはいくつか見直さなければならないことがあり
ます。

高性能で高付加価値であれば売れるという発想を日本企業は持って
いました。しかしパソコンなどはかつての高額商品から技術革新に
より既にコモディティ化(日用品)してしまい消費者はそこそこの
性能で手軽な値段を求めるようになりました。台湾のメーカーが
ネットブックというジャンルを開拓してノートパソコン市場に一層
価格低下をもたらしたことはその良い例です。

またここ数年の液晶テレビの価格低下のスピードはメーカーの予想
を遥かに超える早さでした。それを可能にしたのが水平分業の伸展
です。今や液晶テレビは外部から液晶などのパーツを入手すれば
簡単に液晶テレビメーカーとして新規参入が出来てしまいます。
また液晶テレビの市場も先進国から新興国へと移ることによりより
価格が市場を攻略する上で重要になりました。新規参入組との競争
激化で既成のテレビメーカーも価格重視に舵を切らざる得ずあっと
言う間に液晶テレビもコモディティ化してしまいました。

そこでは今まで日本企業が得意としていた高付加価値、高性能で
高価格の商品はどうしても市場での存在感は薄くなりがちです。
電機から自動車までこれから伸びる市場は新興国です。その市場
では所得の関係からどうしても低価格の商品が主流になります。
その市場で勝ち残っていくためには技術力だけでなく商品性や
価格それにマーケティングなどその市場にマッチした戦略が求め
られます。技術優位だけではこれからは世界の市場を攻略できま
せん。
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