kabu達人への道

マスコミで深く触れられることのない投資の裏側や
投資にあたっての疑問など赴くままに綴っていきます。

日立の勝負はこれから

2019-12-24 04:57:32 | 日記
今年の取引もあと5営業日を残すのみとなりました。海外投資家
がクリスマス休暇したことで東京市場は閑散な一日になりました。
しかし贅沢は言えません。クリスマス暴落でお先真っ暗な昨年に
比べれば2万4000円近くまで上昇したことは前向きに受け止めまし
ょう。

もっとも問題はこの先です。過去2回は2万4000円越えが高値とな
りその後急落し、しばらく低迷する相場展開でした。三度目の正
直で今回は2万5000円台を目指すことになるのでしょうか。もっと
も9月以降急ピッチで上昇してきただけに既に上昇期間は3カ月を
越えました。

「小回り3月」という相場格言にもあるように米中合意という好材
料の織り込みもあらかた終わり一段高に向かうには材料が乏しくな
ってきたのかもしれません。世界経済の回復が確かなものになるの
か日米とも投資指標面でのPERは既に過去の上限に達しているだけ
に何かのキッカケで一旦調整するリスクは考えておかなければなり
ません。

今回の上昇相場では半導体関連が業況の回復が確認でき大きく上昇
したのが目立ちました。しかし同じ設備投資関連でも工作機械受注
の底入れから回復は未だ見通せません。一番のお得意先である自動
車業界に不振が影響しているようです。工作機械業界の業績回復が
半導体業界に続けるのか来年前半のポイントでしょうか。

電機大手の株価も明暗が分かれました。家電ではソニーの完全復調
とパナソニックの低迷、重電ではかつての優等生だった三菱電機の
モタツキと日立のこのところの上げっぷりの良さが目立ちます。も
っとも日立株の上昇はかつての負の遺産の処理と子会社売却で選択
と集中が進むといった期待からです。

昭和電工に日立化成株を売却し、富士フィルムには医療機器事業を
売却することになりましたが、いずれもかなりのプリミアムが付き
結果的に日立は多額の利益を上げることが出来ました。5000憶円と
も言われる巨額な金額を支払い永く続いた三菱重工との火力発電合
弁会社の損失に絡む案件を処理できたのも高値で事業を売却できた
ことも大きかったのではないでしょうか。その意味では日立に追い
風が吹いたのかもしれません。

ここまでは低収益事業の売却で事業の選択は出来つつあります。し
かしいずれも黒字事業の売却で日立本体の営業利益は減少してしま
います。スイスのABBから買収する予定の送電線事業が加わります
がそれだけでは足りません。今後は利益の質と規模を追わなければ
なりません。日立の本当の勝負は来年かもしれません。
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