これこれ!この味

2010-06-25 10:50:54 | 食べる
瞬間、分かります。
「これだ!この味」

そうだった、この味、懐かしいなあ。
それにしても旨いものを食ってたんだなあ。


シツコク書いておりますが、貧乏家に生まれた私ですから
お値段が高いとか珍味とかそういう類の話ではありません。

第一、有名な料理家の多くが幼いころは貧しい生活を
しておられたとか。(魯山人、道場六三郎、井上梅・・)
小さいころに味覚は決まってしまうそうですから
お金で決まる話ではなく小さいうちに良いものを食べていたか
どうかに因る様です。

良いものとは、水がよいとか野菜や魚の鮮度など、
子供にとって美味しくなくても良いものを食べさせたいもので
かえって貧乏な方が味覚を磨けるかもしれません。


懐メロで一辺に昔を思い出す、古い写真に思い出があふれる
それと同じことが味覚にもあるのです。
人間の記憶って何十年も失せないものなんですね。

記憶も美化されることがあります。
人間は「昔は良かった」と発想する動物ですから。

人の一生で、いつが一番幸せでしょうか。
何も分からない無垢な幼児のときだと思いますね。

それと相似の発想。

昔食べた味も実態より美化されている恐れは大です。

あるいは当時の感動を現在にあてはめることができるか
どうかこれも疑問です。

甘いものに飢えていた時代は、甘いだけで美味しいと
思っていたのではないか。
今それを食べて、果して美味しいと思うか。

工業製品は昔通りの味、あるいはそれに近い味を
現在でも保っていることがあるでしょうね。

それを食べてみたら、昔を美化していたかの推測が
できるでしょう。

福島ラーメン、きゅうりのQちゃん、粉末ジュース
インスタントコーヒー・・
いずれも当時の感動は湧きません。
こんなもの食べてたか、というものもあります。

チョコレート、バナナ、なども今は当時ほどは美味しく
ありません。
子供だったから、でしょうか。

それよりも、今は昔より美味しいものを頂いているから
と考える方がよいのではと思われます。


じゃあ、最初の「これこれ!」というのは錯覚に近い
ことでしょうか。

どうもそうではない、のではないか。
確かに今では食べる可能性が小さくなってしまっただけで
本当に美味しいものは存在していた。

では、本当にそう言えるのかどうか。

アヤシゲなる結論はまた明日・・


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