和差算で「教えない」

2006-08-01 10:50:50 | 教えない
「教えない」といってもイメージしづらいですか?
今回は例をあげてみます。
例ですから、分かりやすいように少し極端な
ものを書いてみます。
いつもこうだとタイヘンですが、ときどきあります。

1回きりのことをオオゲサに示すものではありません。
この個人塾の7年間には幾度もあったことです。

小学4、5年生くらいで、あまり算数が得意でない子を想定して
下さい。
その子は塾の進み方にも慣れて来て、井上は手取り足取り教えて
くれるタイプではない、と分かってきつつある段階です。
自分でチャレンジしてみて、質問しなければなかなか教えてくれ
ないようだ、という空気を少し感じているくらいです。

質問することとヘルプミーと叫ぶこととを混同している生徒には
できればその違いを教えておいた方がよいでしょう。

さて、算数のごく簡単な文章問題をやらせてみましょう。和差算
くらいが適当です。B5の用紙に1問だけです。
難易度は、和が100、差が10くらいでやってみます。

これをマルマル120分かかる生徒が案外たくさんいます。中に
は次回持ち越しなんてこともあります。
もちろん、出来る子ならば教えなくたってささっとやってしまい
ますが、少しずつリードしても時間がかかる生徒もいます。
(時間はファクターのひとつで、時間がかかるからといってダメ
 なんだと決め付けることはありません。時間さえかければ充分
 マスターし、そのあとは他の人に負けない、なんてこともあり
 ます。一斉授業では置いて行かれる危険がありますよね。)

しかし、時間がかかるということは生徒もシンドイ、私もシンドイ
「こうやる」と教えてしまう方がお互いにとってどれほど楽か!

教えてやって生徒がどんどんできる、のは忙しくても疲れません。
できないのを辛抱して見つめるのはツライものです。

全く何もしなければ、そこで止まってしまう恐れが強いですから
適宜、ヒントを小出しにしたり、気分を変える働きかけをしたり
生徒の状態に注意しながら、待ちます。
そこばかりじっと見ていたら1分でも長~いですから、こちらも
あえて目をそらすこともしなければモチません。


リードの例です。これくらはいうまでもないことですが。

1 文章問題はまず何をするのかな?
2 これはAとBを比べる図がよいですね
3 AとBはどっちが大きい?
4 比べるのだから片方は揃えると分かりやすくなるかな?
5 この図で差の部分がなかったら?
6 そこを取り去ると2つでいくらの数になる?
7 だったら1つでいくら?
8 これはA?B?
9 もうひとつは?
10 確かめてみよう

人に合わせて、もっと細かくしたり、ハショったりします。

うまく塾の流れにのっている生徒なら「分からない」と困った顔を
しながら、それでも何とか粘ります。
もしも、そういう態勢の出来ていない子に同様のリードをしても
一つのヒントで何も出来ず、あげくに次のヒントを待ってボンヤリ
と時間をつぶすだけになります。

家庭で細かくリードしようとしても、待ちの態勢の子では教え難い
のでうまくいかないこともありそうですね。

悪い方向に進むと、こちらは考えさせているつもりでリードしてい
ても、相手の脳は動いていず、それを繰り返して、結局は「考える
姿勢」を奪っている場合すらあるかもしれません。


「教えない」にうまくついて来れるようになると、次はかなり教え
ても大丈夫です。高校受験生なら中2で教えない、中3で教える、
これくらいのペースがよいのではないでしょうか。

もともと自分で考えることが出来る人には「教えない」は意識しな
くてもよいことです。相手の要求にそって教えればよいのです。


繰り返しますが「教えない」は難しい方法です。私もときどき失敗
します。ひどいときには塾を辞める生徒もでます。

自分の力のなさを痛感させられます。
どんな仕事をしているのか、その人間のかけがえのなさを把握して
いたのか、・・・がっくりきます。

月謝もイタイけど、それは自業自得。


上記は昨日と同じコタンで室内の写真です。
提がっている鮭は昔ながらの作り方をしたホンモノだそうです。
1本4千円だというので、見栄を張ってフンパツし、誰かの土産に
しようと思ったのですが、何処にも売っていなかった。
説明のオジサンの冗談だったかもしれない。



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