FM『名曲の楽しみ』

2012-06-19 10:38:35 | 塾あれこれ
正確な回数は覚えていませんが、あと数回は
放送があると思います。

先日、吉田秀和さんが亡くなられました。

彼の音楽紹介番組の一つがFMの『名曲の楽しみ』
最近はずっと一人の作曲家をとりあげて体系的に
紹介をされていました。

一人の作曲家をこう聞くのかと勉強になります。
それも彼が亡くなられて永久に中断・・・?

生前4月に録音されていたものを今放送しているのですが
失礼ながら死の近づいている高齢のお方とは思えないのです。

なんだか勇気づけられます。


最愛の奥様を亡くされて元気がない時もありました。

世界的な惨事につよく落胆し「今、救いはBACHのみ」と
仰ったこともありました。
名言ですね。

いくつものことを思い出すと亡くなられた気がしません。
むしろこちらが元気になる。
頭でそう思うのではなく「気」が反応するのは音楽だから?


私はクラシックが好きですが、まったくの素人聴き。
有名な曲であればよく、新しさなど不要です。

新しい解釈だね、面白い演奏だ、なんてのは苦手です。

古くはグレン・グールド、
近年の巨匠ではマルタ・アルゲリッチなど

こういう「吉田さんが誉める人」が実は分からない・・・

聴いた人ではアルフレッド・ブレンデルなどが好きですが
吉田さんは彼を認めない。

でも、吉田さんは勉強になります。
文章も素晴らしい。

ずっと朝日新聞を購読していたのは加藤周一と吉田秀和が
定期的に寄稿していたから、といえばオオゲサか?

今はそういう文筆家がほぼおられません。

強いていえば月刊誌「マザーネイチャーズ」以来気になってる
池澤夏樹くらいでしょうか。
先のお二人と比べると、まだまだスケールが違いますよね。


同じころフィッシャーディースカウも亡くなりました。

中学高校の頃音楽の清原先生に教えられた彼の『冬の旅』
これは私の音楽好きの原点の一つです。
幾度聴いたことでしょう。

清原先生もお好きでしたのでしょう、
私たちクソガキに『冬の旅』を何曲か教えていただきました。

今でも頭には残っていますが、歌うにはノドがついてきません。

清原先生、多くの教え子の中で、すくなくともここに一人
クラシックを好きにしていただいた人間がおります。
いまだに恩恵を被っています。

何十年もたってやっと「ああ、先生の教えが生きている」と
分かるのですね。

当時超有名だったダークダックスよりもボニージャックスだ
なんて言われていました。(教えじゃなくて思い出ですが)

私にとっては吉田秀和さんと同じくらいの重さの先生でした。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿