写真のリテラシー

2012-06-20 15:58:11 | 塾あれこれ
名取洋之助に『写真の読み方』という名著があります。
遥か昔、1963年刊の岩波新書。
あの頃はまだ新書に(権威)がありましたねえ。

私が叔父にこの本を教えてもらったのが高校生だったと
思いますが、もやもやしたものが晴れた気分でした。

つまり、その当時すでに問題となっていた写真のリテラシー。
もちろん昔から課題があったわけですが、田舎の高校生ですらも
意識せざるをえないほど「写真のウソ」をどう考えるかが
緊急の課題になってきていたわけです。

たとえば、一枚の写真に肯定的な一文を添えるか、
否定的なものを付けるか。
それにより、いずれの主張も裏付ける証拠になりうるのです。

このような写真を「どう読むべきか」

新聞など活字中心の19世紀型媒体から
20世紀になり視覚も重視するものに変化していく中で
皆が悩み始めていたのです。
下手をすると送り手に騙されるぞ・・・

その辺りの課題を頭の中で整理することができる
大変に有意義な本でありました。

写真報道の一つ一つのケースは判断が難しいけれど、
常日頃からどんな目を持っているべきか、
騙されることが少なくて済むか。


もちろん私のヤワな頭では騙されてばかりです。
「そうだった、忘れてた」と思うことしきりですね。

片側からの情報が圧倒的に多いと、つい引っ張られます。

ですからNHKニュースも見れば、民放も見ます。
新聞も複数をチェック。
生の情報にはたとえ国会中継でもなるべく多く触れますね。
(下らないし、カッタルイし、嘘ばかりで腹たつけれど)

真面目で純粋な若い人が読んでおられましたら申し上げますが
マスメディアなんてウソがいっぱいです。
たとえ嘘じゃなくても色合いが変わって報道されます。
嘘をつこうと思っているかどうかは分かりませんが
結構無責任に思えます。

自分が専門にして詳しい世界をメディアがどう伝えているか
それを見ればピンとくるでしょう。

少なくとも「その報道ウソじゃないけど、正しくない」が
数多く見つかるでしょう。

我々はそういうものを元に判断していると思うと
ゾっとせざるをえませんね。


今日の本題は『DAYS JAPAN』7月号でした。

DAYSというだけで毛嫌いする方もおられるでしょうが
上記のようにメディアは偏ったものであることを免れませんから
我々が主体的に複数の目を持たねばなりません。

ウヨクの話も聞き、社会を中枢で牛耳る立場の意見も伺い、
DAYSも読まねばなりません。

7月のDAYS、巻頭の「写真のリテラシー」は
是非とも読むべき一文です。
一年に何度出会うか、という内容です。

今の報道現場のディープな話が分かりますね。

DAYSに叱られるでしょうが、本屋で立ち読みでもして
偏りがちになる目にカツを入れて下さい。


今月は他の文や写真もたいへんに興味深いものです。

また動物写真も秀逸。


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