広電で

2016-09-04 10:21:10 | 塾あれこれ
広島は小さくまとまった町で、河口に広がるため
他の都市とは公共交通の様子が違います。

路面電車の利用が便利ですね。
たしか日本で最も利用者が多いと思います。

路面を進むスピードは遅く、歩いても数分の間隔で
停留所が出来ています。

大都市の私鉄に慣れた方は「とろい。田舎だ」との
感想を持たれるのではないでしょうか。

ところが案外に便利なのです。
「この距離ならばもっと早く」ではなく
「広電なら何分程度の所」と意識の地図を変えます。

客で混雑する便も多いですから、それなりに有効だと
人々に認められている証拠です。

私のようにクルマを持たない人間には有り難いですね。


先日の広電の車内で、です。

大きな声で子供の泣き声、
「近頃、珍しい」と思っていましたら
その方向からオジサンの大声が聞こえてきます。

「うるさいぞ。止めさせろ」

子供は泣きやまず、オジサンも止みません。

その方向をチラ見しますと、シートに座ったお母さんと
子供、赤ん坊というより幼児ですが、その子が泣いて
いるのです。

少し離れてオジサンが大声で「うるさいぞ」

オジサンもうるさい。

会社を定年退職したばかり位に見えます。
風体はしっかりしていました。
ちょっと見、佐分利信。(←古い?)

親戚か、知り合いか、義理の子に向かい
公共の場で泣かせるな、という注意をしているのか
オッサンも近頃珍しい・・ですね。

ようやく子供も泣きやみ、暫く電車が進みました。

母子が電車から降りるようです。

クダンのオジサンのところへお母さんが進み
「すみませんでした」

ええ!親戚でも知り合いでもなかったのか。

どうやらオジサンは全くの他人に車中で大声を
発しておられたようです。

お母さんは怒りを抑えておられるようにも見え
イヤミまじりのお詫びかもしれません。

{佐分利信}は謝られて満足のご様子。
主義主張は人により様々でしょうが・・・
こんなのにも付ける薬がないようです。

嫌味だったとしても受け付けない、ある種
仕合せなオジサンです。

ひとつ間違えば私もああなってたかも。
嫌ですねえ。