(32)佐藤のレトリック論

2006-09-17 21:31:22 | 考える

③比喩

亡くなられて十年余り経ちますが佐藤信夫という方が
いらっしゃいます。

彼の著書を読み、目からウロコがおちました。
月並な表現ですが、初めて接したインパクトが強すぎ
こうとしか言いようがないのです。

比喩それ自体が「考える」と言うことだったのです。

アナロジーと似ていますが、比喩は守備範囲に関して
は、より狭いようです。
けれども内容は深く、多岐にわたります。

それまではレトリックなど表現をオオゲサにする技術
だ、くらいの認識しかなかったので大変興味深く読ん
だのです。

その内容を短くまとめるなどとてもできませんので
(内容が面白いのです!)ここでは本の簡単なご案内
だけをいたします。

佐藤信夫の著書は講談社学術文庫に5~6冊はあったと
思います。『レトリックの記号論』など。

『レトリック感覚』という本も同じ文庫から出ていま
います。
手元にありましたので裏表紙にある内容紹介を無断で
写してみます。

「アリストテレスによって弁論術・詩学として集成さ
れ、近代ヨーロッパに受け継がれたレトリックは言語
に説得効果と美的効果を与えようという技術体系であ
った。・・筆者は(中略)レトリックに新しい創造的
認識のメカニズムを探り当てた。
・・発見的思考への視点をひらく好著。」

まとめてお書きになると難しい文になりますね。
でも、本の内容は面白いです!請合います。
若干、文系向きかもしれませんが。


さて、生徒のユニークな比喩に出会ったときは
新しい思考の道が始まるかもしれない、と褒めて
やってください。ヨロシク。 10.20