病み多き家系なりけり竹の秋 ひよどり 一平
(がんおおきかけいなりけりたけのあき)
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以前と違ってこの頃は、「近い親族の方で、同じような病気の方はおられますか?」と聞かれたりする。
医師によっては、「家族歴を記入して下さい」などと言ったりする。
それだけ病気の発症と遺伝とは離せなくなってきたのだ。
病気を家系の所為にしているのは可笑しいかもしれない。
自覚して節制すれば、病を避けることだって出来たはず。
責任転嫁をしているわが身に気付き、その性根の細さが厭になった。
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曇りガラスを通して感じる春の日は白く光っている。
先ほどまでの風は収まったようだ。
散歩に出なかったことが、今になって悔やまれる。