今年の春は、例年になく、強風が吹き荒れました。
「爆弾低気圧」が日本海を北上し、列島に無残な爪痕を残して走り去りました。
それでもまだ吹き足りないらしく、今も窓の外は風の音。夕方になって吹き始めたのです。
桜の花は薄紅の蘂(しべ)を残して、散り果ててしまいました。
しかし、それはそれで趣きがあります。
蘂のみの桜となりて明日の夢 鵯 一平
蒲公英は強い花です。冬のさなかでも、日だまりには咲いています。
とは言いながらも、絮(わた)を飛ばす風情はまさに麗らかな春の一景です。
たんぽぽの絮に思いを託したき 鵯 一平