新・ほろ酔い気分

酔っているような気分のまま、
愚にもつかない身辺雑記や俳句で遊んでおります。
お目に留めて下されば嬉しいです。

「空気」について

2007年08月23日 06時38分06秒 | 社会・世相

 山本七平氏の著書に、「空気の研究」がある。
 日本では、ことを決するに際し、積み上げてきた論理の集約としての結論よりも、「その場の空気」が優先されると言っている。

 山本氏が言うまでもなく、この風潮は日本人の特性のようだ。

 会議の場においても、提案者がどのように論理的に説明しても、しっくり落ち着かず、変な「空気」が流れたりする。
「………、といった状況ですので、この問題については、A案で対処させていただきます」
 司会者や提案者が、強引に持って行こうとしても、
「しかしなあ………」と、トップが怪訝そうなそぶりを見せれば、
「そうですねえ………」と、ほかの誰かも、トップに同調の空気。
 そんな空気が流れだせば、A案はつぶされる。

「A案は○○××の理由で、好ましくない」などと言う必要はない。その場の空気がかもしだされれば、ことは決してしまう。
 言い替えれば、「空気」作りによって、時代の方向が定められることにもなるのだ。

 マスコミの本業は、事実を事実として報道することにあるのだが、時には、意図的に「空気」作りに精を出す。

 太平洋戦争時代にあっても、新聞各社は、国論を戦争遂行に向けるべく、大いに精をだした。
 かの平和主義の朝日新聞も、先導的立場で、戦意発揚のために活躍した。他社も同じようなものだ。
「欲しがりません、勝つまでは」「撃ちてし止まむ」などの戦時標語は、朝日新聞や大成翼賛会などが主催して募集したものだ。

 国中の空気が、戦争へ戦争へと流れて行った。

 敗色濃厚となってすら、「一億特攻」「本土決戦」などと書き立て、「一億玉砕」を叫び続けていたのは、新聞各社だ。空気作りに大いに役に立っていた。

 そんなマスコミも、敗戦を迎えGHQの天下になれば、手のひらを返して、「平和憲法の死守」を歌いはじめる。時代の先駆者としての行動なのかもしれないが、煽動される国民は困惑する。報道の本質ははずすべきではない。

 先の参院選における「イジメ」の場合、マスコミ各社は意図的で執拗だった。公平も欠いていたように思う。
 あるべきマスコミの姿について、一考あっていいのではないか。 



  にほんブログ村 シニア日記ブログへ  

人気blogランキングへ
コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

柏崎原発に停止命令

2007年07月18日 14時03分13秒 | 社会・世相

 新潟県中越沖地震で、柏崎原発に50件トラブルが発生していた。
 地元の柏崎市や経済産業省の現地立ち入り調査を行い、消防法に基づき、「緊急使用停止命令」を出した。
 設計時には想定出来ていなかった海底断層のよる地震だったとしても、地震後の対応には頷けないものがあった。
 地震対策の再構築を求めたい。

人気blogランキングへ   

ブログランキング>  

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

新潟県中越沖地震

2007年07月16日 12時16分00秒 | 社会・世相

 今日(7月16日)の午前10時13分ごろ、新潟県中越沖を震源とする地震があった。
 その時私は、二階の自室で手紙を書いていた。
 大きな横揺れが続いたので、
「遠くで大きな地震があったのではないか?」
と思い、テレビのスイッチを入れた。
 ややあってから、
「新潟県中越地方に大きな地震がありました」
とのテロップが、画面上部に流れた。
 やはり大きな地震であった。新潟県柏崎市、刈羽村、長岡市、長野県飯綱町などが震度6強が観測されたと報道された。また震度6弱は、上越市、小千谷市、出雲崎町などであった。
 しばらくはテレビに見入っていた。いつの地震でもそうだが、初期の段階では状況が把握しきれていない。アナウンサーの問いかけに対し、先方の人も、
「今のところ、変わったことはありませんねえ」
と、答えている。やむを得ないことなのだろう。
 テレビの画面には、ヘリコプターの映像が出始め、徐々に被害の実態が見えてきた。
 倒壊した家屋も多かった。道路の不陸も出ていた。陥没もあった。
 柏崎刈羽原子力発電所の火災には、ギョッとした。赤い炎と真っ黒い煙が映し出されていた。しかし、消火活動をしている様子はなかった。ホースと思われるものが放置されているだけで、
人影も1人か2人。その人影には緊迫した様子もなく、右に左にウロウロしているだけであった。
 しばらくして後、スタジオアナウンサーの話で、「地震を感知し、発電所が自動停止した」ことを知った。また、炎と黒煙が出ているのは変圧器であり、「放射性物質とは関係のないエリア」であることも知った。
 ヘリコプターは各地上空を飛んで、被害状況を撮したが、かなりの被害規模だった。そして、再び三度と変圧器の炎と黒煙を撮した。
 災害が起きたばかりだ。早急に実態を把握し、救援活動や被害拡大防止の緊急措置を講じていくのだろう。政府や自治体の遺漏なき対応に期待する。
 それはそれとして、柏崎刈羽原子力発電所には大きな不安と激しい怒りを感じている。
 東京電力の記者会見によって、次の3点について発表があった。
 一つは、地震をキャッチし、発電機は自動停止したこと。
 二つは、漏水があり、微量の放射性物質が含まれていたが、日本海に流失したこと。しかし、健康にはなんら問題はないこと。
 三つは、変圧器が振動の摩擦熱で発火したが、1時間後に鎮火したこと。
 発表を聞く限り、危険性を感じさせるものはなかったが、火災の映像や記者会見の雰囲気から、東京電力の緊迫感のなさと不透明感を見せつけられたように思った。
 危険と背中合わせを承知しながらも、日本にとって不可欠となっている原子力発電なのに、およそ緊張感は感じられなかった。
 まだまだ隠蔽しているものがありそうだぞ。そんな不信感も湧いてきた。
 新潟地方は断層の巣だという。それにしては、発電所建設にあたっても、運用時の対策においても、緊張感や緊迫感は感じられない。仕切り直しを願いたいものである。
 珍しく、政府の動きは機敏だった。参院選の真っ直中のことでもあり、オチオチしてはいられなかったのだろう。
 果たして神風になるかどうか。

人気blogランキングへ
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

二人の王子に期待

2007年06月13日 17時00分38秒 | 社会・世相

 「ハンカチ王子」に「はにかみ王子」が加わり、巷は「二人の王子」で湧いている。
 ハンカチ王子は、大学1年生(19歳)の斉藤裕樹。昨年夏の甲子園で優勝投手となって以来、野球フアンに止まらず、広範囲の人々を魅了。暑い甲子園のマウンドで、ズボンのポケットから取り出した青いハンドタオルで汗をぬぐう仕草が、多くの老若男女の胸をキュンとさせた。ピンチに追い込まれても、心の動揺を甘いマスクの裏側に隠しきっていたひたむきさが、可愛らしく頼もしく、そして痛々しく見る者を感動させた。春の東京六大学野球では、1年生でありながらマウンドに上がり、4勝をマーク。忘れられていた大学野球に、人々の目を向けさせたことも大きい成果と言えよう。
 はにかみ王子は、高校1年生(15歳)の石川遼。5月のプロゴルフツアーで史上最年少で優勝し、なんともあどけないは笑顔を見せたことから、世の命名となったものである。その後幾つかの大会に出場したが、上位入賞とはなっていない。アマチユアゴルフ選手権では異例のギャラリー動員数だったことも、大きな話題となった。
 このような経緯から、二人の王子が誕生した。どちらも逸材であることは間違いない。今後の成長に大きな期待を抱きながら、ほどの良い声援を送り続けて行きたい。
 逸材ではあっても、二人はまだまだ若い。フアンや観客やギャラリーは、彼らの5年先や10年先を思いながら、節度ある声援を送るべきだ。それが大人としての責務だ。特にマスコミは、限度をわきまえた取材活動に努めて欲しい。突きつけられたマイクの前で、大向こう受けを意識したような受け答えを見せたとしたら、それはまだ彼らの責任ではない。マスコミの責任であり、両親をはじめとする家族、監督、コーチなどの責任だ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

コムスン問題

2007年06月09日 15時15分00秒 | 社会・世相

 厚生労働省は6月6日、訪問介護最大手のコムスンに対し、全国に展開する約2000事業所のうち約1600事業所について、介護事業所としての指定を更新しないと決定し、都道府県に通知した。
 ヘルパー数水増しなどの虚偽申請によって、不正に事業所指定を取得していたことが、今回の処分となったものである。
 ところが驚いたことに、コムスンの親会社であるグッドウイル・グループは、コムスンの全事業を別の子会社に譲渡しようとした。事業を譲渡してしまえば、処分逃れが出来るとのワル知恵を絞ったのだ。
 世間はそれを許さなかった。法律上は適法でも、道義的には許せるものではない。日本の安心を支える介護事業ではないか。瞬く間に大反論が巻上がった。
 腰の重い厚生労働省も、さすがに腰を上げた。6月7日、コムスンに対し、事業譲渡を凍結するように行政指導した。法律的には適法なグッドウイル・グループの行為を、行政指導が制止しようとしたのである。
 我が国は法治国家だ。ザル法も法。その法律を道義の尺度でねじ曲げて、行政指導をしようとしている。今回の措置を私は支持する。しかしながら、法律を行政指導によってねじ曲げることに変わりなく、他に悪用されるリスクは残る。法治国家ではなく、裁量国家になってしまう。
 もともと法律は、「性善説」によって出来ている傾向があるように思う。ところが世の中には、ワル知恵発達者がウヨウヨしている。やはり、「人を見たら泥棒と思え」という用心深さは必要だ。ワル知恵の固まりのような議員や官僚が、法律を作る時だけ善人になっているのも妙な話。

国民の安全や安心を支えるべき「年金制度」や「介護事業」が、国民を不安に陥れている。
「年金制度」は、少子・高齢化や無駄遣いによる財源の不安に加え、今頃になって管理の杜撰さが露見した。安倍首相は1年以内にメドをつけると表明しており、自民党の選挙公約にも入れそうな雰囲気だ。いい加減な管理のツケは、根っこが深い。不具合はこれからもどんどん発覚しそうだ。どのように収束出来るのか、極めて不透明。是非とも明解な解決を求めたい。
 一方、介護事業は、業者の不誠実な事業展開のあり方が指摘された。無理を承知で無理をし、嘘をつきながら事業拡大を図ろうという魂胆だったのだろう。サービスグレードを二の次として、目先のシェアー拡大や採算性の追求に眼を奪われていた。株価対策も念頭にあったに違いない。このような経営者による介護事業に、私は大いなる恐怖を感じる。小細工を止めて、福祉事業からの撤退を求めたい。
 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする