昨日の山ランでは、本当に貴重な体験をしました。
同行したアキさんは、今年山岳耐久レース12時間半で完走の実力者。しかし、体調が不十分(朝の心拍数が高かった等)だったかもしれず、また、走るペースが違ったりして思わぬ疲労が蓄積された感じ。
下りが驚くほど速い人なので、疲労の色濃かったのは分かっていても、まだまだ大丈夫と過信してしまいました。
折しも天候が悪化。氷雨に加え、雲取山近くからは風も強くなり、ここでエネルギー・体温が急激に奪われたようです。
雲取山の避難小屋で休息、エネルギー摂取の間に震えが止まらなくなり、私の着替え(長袖Tシャツ・ウインドブレーカー)を全て着せ、さらに本人の服も重ね着。
震えが止まらなくなったあたりから、様子もおかしいことにようやく気づき・・・。
山小屋泊まりか救助要請か・・・。ただ、色々口にできたため徐々に回復、横殴りの風と流れるガスの中を下山開始。ブナ坂分岐を越えると樹林帯に入り、ウソのように風も収まる。低体温によると思われる呼吸困難も収まりはじめ、胃けいれんから胃の中のものも全て戻してしまったものの、口調もはっきりとしてなんとか歩きならOKで一安心。携帯もつながり、妻に鴨沢まで迎えに来てもらえることになりもう一つ安心。
しばらくは楽しくあれこれ話をしながら下っていましたが、突然のように再び苦しそうな様子。幸い私は体力的に全く心配がなかったので、おぶっていこうと試みる、が、数週間前に肋骨骨折をしていたという状況で、胸が圧迫されると強い痛みが走り断念。肩をかして歩くと道幅が狭く歩きにくい、脇を支えるのも肋骨に響く・・・。結局考え出したのが後ろのザックに両手でつかまってもらい、何とか体重を支えてもらうこと。以後2時間半以上にわたり奇妙な男二人旅が続いたのです。私は後ろ加重で歩き、アキさんは完全に前加重。ペースがついつい速くなってしまい修正。きつい時は足幅ほどの遅々とした歩み。眠気も襲ってきているようで何度も声をかける。岩場を歩いている夢を見ていたとかで、乗り越えようと突然足が上がったりする。いったん止んでいた雨がまた降り出し、せっかく暖まっていた体にむち打つ。
妻と連絡を取り合い、舗装路まで出たところで一人で歩いてもらい、私は下まで駆け下りる。妻と車で登山口まで飛ばす。雲取山下山開始が5時、車で無事にピックアップが9時16分。疲労は激しいもののなんとか大丈夫そうで一安心。我が家の風呂で暖まり、持ち直しました。あー良かった良かった。
今回は二人ともパニックに陥らず、冷静に対処できたので、なんとか帰り着くことができました。
私が自分でも驚くほど、体力的に余裕があったことが今となってはよかったと。これで共倒れでは大変なことになっていました。1年間続いた(ちょっと無駄かなと思うこともあった)フリーウエイトの(主に)上半身の筋トレがこんなところで大きな威力を発揮するとは。支える力がしっかり出ていたので時間はかかっても大丈夫だと頑張れました。しかし、非常に危ない状態であったことは明らかで、あらためて山ランに対しての気の緩み(大丈夫だろうという過信)を戒められました。
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ご心配おかけしました。慎重すぎて困ることは何一つないと心してかかりたいと思います。
akihageさん
今思うと、あんな状態でよく頑張ったよね。お互い今回の山ランは貴重な財産の一つになったと思います。これに懲りず、またご一緒しましょう。
今の時期は風が吹くととんでもなく冷えるのですねえ。
きっともう少し暖かければ体が楽だったと思いますが、私も気をつけます。
昨日はご迷惑をおかけしました。
山ラン自体が故障やアクシデントに対してある程度リスクを負う行為だとは思いますが、気の緩みがあったことは事実だと思います。
自身初コースという意味ではかなり警戒していたのですが、距離や行動時間的には結構やっている領域なので大丈夫だと過信してしまいました。
いくつかの判断ミスもあったかと思います。
しっかり反省し、トレーニングに励みますので、またご一緒させてください。