我が治療院の周りはもちろん土、なので、雑草の宝庫となるのはいつぞやの話題にした通り。
だいぶ前のことだけど、突然、その雑草に交じって、ワラビがにょきにょきと顔を出してびっくりしたことがある。何の前ぶれもなく突然だったのだ。
もう取り切れない程。患者さんに好きなだけ採っていっていいですよっていう位。
そんな状態が2、3年続き、贅沢なもんだといい気になっていたら、またぱったりと生えなくなってしまっていた。今度はうんでもすーでもない。根こそぎ取り払ったわけでもないのに、どこぞへ消えたのか。
ところが今年、5、6年ぶりに見事復活。ワラビ畑と化した治療院周囲。いったい全体どういう風の吹き回しなんだろうか。
ワラビと言えば思い出すのはおばあちゃん。小さい頃からよく裏山へワラビ採りに連れて行ってもらった。ワラビなんて食べるのは好きじゃなかったけど、宝探しは大好きだったからいつも夢中だった。しかしおばあちゃんの十分の一も見つけられない。ハリ天に採らせてあげようと「ほら、そこ。ほらここにも」を連発するおばあちゃん。いやぁ、今思うとたいしたもんだった。
手に持ったビニール袋にいっぱいワラビを詰め、意気揚々と家路へ着くあの高揚感はやけにはっきり覚えている。
だから、
今でもワラビを見つけると目がキラーンと輝いてしまうのだ。
息子を呼びつけ、ほらほら、ワラビだワラビだと騒ぎまくり、「ほら、そこ。ここにもほら」とあの頃耳にしていたばあちゃんのセリフを連呼する5月のハリ天なのであった。