JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

娘への想いは何処へやら

2008年03月04日 | g-i

昨日は「桃の節句」というより、私にとっては大切な娘の誕生日。電話でおめでとうを告げましたが、なんだか電話だけというのも寂しい気分で「こんな時はやっぱりお酒に頼っちゃおう」といつものバーへ出かけてしまいました。

「ママ、今日は娘の誕生日だから、いっしょに乾杯してくれる?」
「あっ、そうか、今日はお雛様だもんね、SOちゃんの誕生日だぁ・・・・それじゃSOちゃんおめでとうカンパーイ!!」
なんてことありません、娘の誕生日にかこつけて酒を飲みたかっただけじゃないかという「娘への想いは何処へやら」父親失格でありますね。(笑)

しばらくママとダベリながら飲んでおりますと、一人の男性のお客さんが入ってみえました。
「あっ、そうだ、バブちゃんこの前の頼み事忘れちゃったでしょ」とママ。
「えっ????なんだっけ???????」
前回酔っぱらってしまった私はなんのことか全く分かりません。
「ほら、これだぁ、あのね、コルトレーンのアフリカを持ってるなら録音して欲しいって頼んだでしょ、こちらのお客さんに言われていた話だったのよ。」
「あっ!そういえばそんなこと言われたような・・・・」

「失礼ですが、コルトレーンをお好きなんですか?」
お話をお聞きすると、コルトレーンに限ったことではないけど、若い頃にジャズ喫茶の雰囲気が好きで良く行っていたのだとか、そのせいで今でも車の中ではいつもジャズが流れているのだそうです。(なんだか話が合いそう)
そんな□さん、コルトレーンの「AFRICA / BRASS」か「THE AFRICA BRASS SESSIONS Vol.2」になにやら大切な思い出があるのだそうで(お話だけではどちらかの判断はつきませんでした。)、CDもLPも探されたようなのですがなにぶん田舎のこと、お店で見つけることが出来なかったのだとか。
それでママにそんな話をしたら「バブちゃんなら持ってるかも」って事になったのだそうです。

「大丈夫ですよ、コルトレーン関連ならほぼ手中に取りそろえておりますから(笑)」
録音を約束すると、
「ママ、こちらに一杯お出しして」
「いやいや、それは録音して来てからいただきます。」

それからは、ジャズ喫茶話、ジャズ話、音楽話に盛り上がり、なんと「気分が良いからママもいっしょに飲みに行っちゃおう!!!」と□さん。
「えっ?えっ?え?」
いやね、ママのお店は今日お休み、□さんも今日仕事が休みなのだそうです。
「そりゃないジャン、オレは明日仕事なんだから、それに手持ちも少ないし、二人には付き合えないよ」と私。
「まぁ、いいからいいから」
何がいいんだか分かりませんが、結局2時までお付き合いさせられてしまいました。
「あら、そんなこと言っちゃって、一番楽しんでたのはバブちゃんじゃござんせんでしたかねぇ」
「返す言葉もございません。」
3月3日、雛祭り、娘の誕生日の夜は、そんなふうに過ぎていきましたとさ、めでたしめでたし(なんじゃそりゃ)

ともかく、忘れないうちに「AFRICA / BRASS」と「THE AFRICA BRASS SESSIONS Vol.2」をCD-Rに落としておきましたので、こんど持って行きますね。そうそう、ついでにママが聴きたいって言ってた「ちあきなおみ」も持って行きます。とりあえずはお楽しみに。
「それにしても「AFRICA / BRASS」にまつわる思い出話は聞かずじまいだったなぁ、ひょっとして女がらみかぁ・・・・・」
「こら!」

さて、今日の一枚は、ジョニー・グリフィンです。
以前もお話ししましたが、1960年代、アメリカのジャズ状況はロック・ムーブメントに多大な影響を受け、さらにジャズ・シーンすらもマイルスに代表されるエレクトリックへと移り、とくにハード・バッパーにとっては最悪の環境にありました。
そんな環境から脱出を謀ったミュージシャンの多くは、ジャズをアートとして評価してくれる下地を持ったヨーロッパへと向かったのです。グリフィンもその一人でした。
そんな中、デンマークはコペンハーゲンで1972年に設立した新鋭レーベルがスティーブルチェイスです。

スティーブルチョイスが他のヨーロッパレーベルと決定的に違ったのは、「カフェ・モンマルトル」に録音機材を持ち込んだニース・ウィンターの趣味のようなものから始まったために、当時の「カフェ・モンマルトル」に集まった、ある意味旧泰然としたベテラン・ハード・バッパー達の演奏を中心にレコード化していったという点です。
それは、ジャッキー・マクリーンの復活であり、ケニー・ドリューであり、デクスター・ゴードンであり、そしてジョニー・グリフィンであったということ、
これを「ハード・バップ・リバイバル」などと称するむきもありますが、新しい時代でも「良いものは良い」ということを示したレーベルであったと私は思っています。

今日のこのアルバムも「ジョニー・グリフィンの新譜が聴ける」というだけで当時話題になった一枚です。
ジャケット写真の善し悪しは別として(笑)B面の「SOFT AND FURRY」あるいはタイトル曲「BLUES FOR HARVEY」あたりに全盛期のグリフィンを感じ取れる嬉しい一枚だと思います。

BLUES FOR HARVEY/ JOHNNY GRIFFIN
1973年7月4,5日録音
JOHNNY GRIFFIN(ts) KENNY DREW(p) JOHNNY VINDING(b) ED THIGPEN(ds)

1.THAT PARTY UPSTAIRS
2.ALONE AGAIN
3.SOUND TRACK BLUES
4.THEME
5.SOFT AND FURRY
6.BLUES FOR HARVEY
7.RYTHEM-A-NING / THEME