季節を探しに散歩へ出かけました。やはり思ったとおり紅葉など置き去りに季節は冬へ向かっているようです。
季節ごとにちょっとしたオブジェを飾る近くの花屋さんは、先日までハローインのカボチャが笑っていましたが、いつの間にかサンタに変わっていました。
まるで泥棒のようにベランダによじ登ろうとしているこのサンタは、へんに色っぽいお尻が魅力的です。こんなお嬢様のサンタなら、ぜひとも我が家へもご訪問いただきたいものです。(いやいや、私にコスプレ趣味があるわけじゃござんせんよ....笑)
ここ二,三日で、東京には『木枯らし一号』が吹くかもしれないとか。
そういえば『木枯らし一号』が発表されるのは、関東地区と近畿地区だけなのだそうですね。「東北などは他にも季節を伝える事例が多すぎるから『木枯らし』だけに固執する必要がない。」てなことをその理由に説明していたのは、昨日ひとが忙しく仕事をしている脇でお茶を飲んでいる馬鹿たれが見ていたテレビの気象予報士でありました。
くりくりと立派に枯れし堅木かな (一茶)
木枯らしが吹いて、枯葉が舞、いつの間にか枯れ木のような丸裸の木々が増えていく、それでも凜とした姿の中に春を待つ我慢強さを秘めた木々はたくましくもある。いかにも一茶らしい句です。
青春真っ只中の若者が青々とした木々であるなら、我々中年オヤジはまさに一枚ずつ葉が落ちていく晩秋の木、これから迎える枯れ木の世代に、できるなら春を待つ木々のような、「葉は無くとも凜とした勇ましさ」といったそれでありたいものです。
くりくりと立派に枯れし晩年の身
理想ですね。(笑)
途中、今朝で底をついたコーヒーを買いに『ヤナイ珈琲』さんへ、いつものようにくだらない話にお付き合いいただき帰ろうとすると、
「バブさん、香袋作ったから持っていって、車の中に入れといてもポケットに入れといても、けっこういいと思うよ。」
「あらま、ポケット入れて女性でも口説けば一発かな?」
って、おまえの頭ん中はそれだけかい!
私には『凜とした勇ましい枯れ木』など所詮叶わぬ夢、『表面がピンク色のスカスカ枯れ木』が関の山のようですね。(笑)
さて、今日の一枚は、ダラー・ブランドです。
何故にこの選曲か?
じつは帰宅後、炒りたて珈琲をいただきながら『ブラッド・ダイヤモンド』を鑑賞したのでありまして・・・・・・
「舞台はアフリカ、しかもダイヤモンドのように堅い響き=今日のアルバム」みたいな、発想がいかにも貧困ですよね。
ダラー・ブランドというと、好き嫌いがハッキリと分かれるピアニストだと思います。
私はといえば、高校時代にしょっちゅう「AFRICAN PIANO」を聴いていたせいか、ダラーがとても好きで(ここがキース・ジャレットとは真反対なのですが)、「AFRICAN PIANO」はもちろん、アーチー・シェップとのディオ「DUET」や今日のアルバムもけっこうよく聴きます。
ダラーもジョニー・ディアニも南アフリカ出身ということで、題名のごとく民族的色彩の強い、「AFRICAN PIANO」よりさらにアフリカを感じさせる一枚に仕上がっていて、聴き進むにつれズルズルと彼らの世界に引き込まれる、そんな感じで私は聴いています。
二人の歌声、二曲目「MSUNDUZA」で聴けるダラーの情動的なフルート、A面を聴き終えB面に針を落とすと、もう頭の中には大自然が拡がっている、みたいな(笑)
ゆったりとした気持ちで、深いソファーにでも腰を下ろし、目を閉じてお聴きになってみて下さい。アフリカに行ったことのない人でも(私もそうですが)必ずやアフリカの風景が見えるはずです。
GOOD NEWS FROM AFRICA / DOLLAR BRAND
1973年12月10日録音
DOLLAR BRAND(p,fl,vo) JOHNNY DYANI(b,bells,vo)
1.NTSIKANA'S BELL
2.MSUNDUZA
3.GOOD NEWS / SWAZI / WAYA-WA-EGOLI
4.ADHAN & ALLAH-O-AKBAR
5.THE PILGRIM
6.MONIEBAH / THE PILGRIM
おまけ、
今日はこれから「ヴォージョレ・ヌーボ」の最後のお届け先、いつものバーへ行ってまいります。
「おーくママ、これから持ってくからね。待っててよ!」
そうだ、ポケットに香袋入れてかなきゃ・・・・・でもなぁ、香りにコロってきてほしいのはママじゃないしなぁ~~~~~(笑)
ともかく、いってきま~~す。