JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

特効薬はジャズとバーボンと本

2007年11月12日 | d-f

青森では大雨だそうで、被害に遭われた方には心よりお見舞いを申し上げます。

今日は昼食後少々時間が取れましたので、先日新装開店(笑)しました図書館に足を運びました。
たしかに、新しくて綺麗、フロアーも大きくなり蔵書も増えたようです。今まで無かったCD、DVD(テープ)、ネット等のサービスも始まり、少しは図書館らしくなったでしょうか。ただ、まだまだCD、DVDの内容は貧素で、今後の充実化に期待したいと思います。

ちょっと嬉しかったのは、植草甚一の『スクラップ・ブック・シリーズ』の内、ジャズ関連のものがほとんど揃ったこと、私もこのシリーズは未読のものも多く、順次借りてきて読んでいきたいと思います。
今日のところは現在読んでいる本もまだあるので、『スクラップ・ブック・シリーズ』から「コーヒー一杯のジャズ」と丸山繁雄の「ジャズ・マンとその時代」を借りてきました。昨晩から「少し風邪気味かなぁ」という体には、一杯のバーボンとジャズ、それにこの本があれば今晩にでも病魔を追い払うことができるでしょう。

それでもいちおう風邪薬も飲んでおこうかと、錠剤3錠。
「なに?風邪薬をビールで飲んでんの?!」
何で飲もうと「効くと思えば効く!!」それが薬というもんです。(嘘ですよウソ)
あと必要なのはビタミンC、
「おっ、みかんがあんじゃん」
ポンポン放り投げていると母が
「これ!何やってんの、遊んでじゃないの」
とまるでちっちゃな子供でも叱るように言われてしまいました。(笑)

でも、知ってます?
みかんは刺激を与えると甘くなるんですよ。いや、正確には酸っぱさが和らぐのであります。
みかんは刺激を受けると内部にほんの少しの傷が出来るので、ここを自ら修復するために酸っぱさの原因であるクエン酸を使用するとか、みかん自身の呼吸作用が増して、エネルギー源としてクエン酸を使用するとか・・・・ともかく、クエン酸の量が減り酸味が和らぐということなのです。(あれ?クエン酸で良かったんだよなぁ????)
ともかく、酸っぱいみかんにぶち当たったら、揉んだり、放り投げたり、キャッチボールしたり(笑)してから食べてみて下さい。

さあ、薬も飲んだし、ビタミンCもとりました。あとは予定どおり、「一杯のバーボンとジャズと本」ですね。

さて、その内の一つジャズですが、今日の一枚は頭にビンビン響くものは厳禁でしょうから、ビル・エバンスにしました。CDでの所有盤です。

エバンスにとって最後のレギュラー・トリオです。「ラファロ&モチアンとのトリオに肩を並べる」とエバンス自信が評価したことは有名ですが、エバンス生前にこのトリオのアルバムはなく、このアルバムも1983年になって日の目をみました。

マーク・ジョンソンは、1958年4月に大学時代の友人フレッド・クレインの紹介で、ジョー・ラバーベラは、9月にジョー・ビューマの紹介で、「若い才能が自分の可能性を切りひらいてくれる。」と考えていたエバンスの願いが二人によってかなえられたのでした。
ところが、充実した日々をおくりつつあった翌年4月、悲劇がエバンスを襲います。兄、ハリー・エバンスの自殺です。
7月に復活をしたものの、すでにエバンスの肉体は限界にあったのかもしれません。それでもこんどは何かにとりつかれたようにツアーに明け暮れます。なんと24日で21都市を回るヨーロッパ・ツアー・・・
この時、このトリオは間違いなくピークの状態を迎えました。「レコーディングするなら今だ!」そう考えたものの、アメリカからヨーロッパに簡単に録音スタッフを呼ぶことは出来ません。
「どうしたものか?」
しかし、ラッキーなことに、たまたまラジオ・フランスが放送用に録音するという話が持ち上がります。


「THE PARIS CONCERT EDITION TWO」

そんなこんなで録音されたのが、今日のアルバムと「THE PARIS CONCERT EDITION TWO」の二枚だったのです。(エバンスとワーナーの契約は残すところアルバム1枚になっていました。エバンスもヘレン・キーンもこの録音をあてようと考えていたようですが、けっきょく1980年『ヴィレッジ・ヴァンガード』でのライブ録音を行いました。これがこのアルバムの発売が遅れた理由でもあります。)


「TORN OUT THE STARS」

つまり、発売は遅れたものの、エバンス自身がピークと認める『最後のエバンス・トリオ』の演奏がこのアルバムで聴けるわけです。エバンス・ファンであれば聴き逃せない一枚ですよね。

バーボンはハーパー、ジャズはエバンス、本は植草甚一。これで風邪は吹っ飛びますよね。(笑)

THE PARIS CONCERT EDITION ONE / BILL EVANS
1979年11月26 日録音
BILL EVANS(p) MARC JOHNSON(b) JOE LABARBERA(ds)

1.I DO IT YOUR LOVE
2.QUIET NOW
3.NOELLE'S THEME
4.MY ROMANCE
5.I LOVES YOU, PORGY
6.UP WITH THE LARK
7.ALL MINE (Minha)
8.BEAUTIFUL LOVE