JAZZを聴きながら ふたたび

恥も顧みないで再々開、よろしければお付き合いを

終着駅は公園前駐車場?

2007年11月08日 | g-i

今日もとても良い天気で、狭苦しい店でランチというのもいささかもったいないと、公園駐車場での昼食となりました。車中で弁当を食べた後は公園内で腹ごなしです。

もともとこのあたりの紅葉は、それほど綺麗でないことで有名なのですが(寒暖差が少ないから、つまりは過ごしやすい季候ということなのですけどね)、今年は特にその傾向が強いように思います。それでもちらほらと紅くなったカエデや黄色いイチョウ、落葉も目立つようになってきました。

「♪落葉の舞い散る停車場は 悲しい女の吹きだまり だから今日もひとり明日もひとり 涙を捨てにくる・・・・・♪」
「何ですかその歌?」といっしょにいたO君
「えっ?おまえ奥村チヨしらねぇ~の?????」
「・・・・・・っていうか、バブさんはジャズが好きなんだから、ここはやっぱり♪枯葉よぉ~枯葉よぉ~~♪でしょ」
「なんだかねぇ、『終着駅』は知らなくても、『枯葉』は知ってるって・・・・しかも、『枯葉』の歌詞は♪枯葉よぉ~~♪じゃねぇと思うよ。みんなそう歌うけど」
「だって、♪枯葉よぉ~~♪しか知りませんもん」

フランス語では「Les Feuilles mortes」、英語では「Autumn Leaves」、日本語では「枯葉」、シャンソンの名曲として、ジャズのスタンダードとして、この時季一度は耳にする曲でありますけど、たしかに日本語の歌詞を完璧・・いやいや、途中まででも歌える人には滅多にお逢いしたことがありません。ほとんどの人が「♪枯葉よぉ~~♪」の連発で最初から最後までいってしまうみたいな(笑)
ものの本によれば、これにも原因と思われることはあるようです。

もともとのフランスではジャック・プレヴェールが付けた歌詞があり、アメリカでもキャピトル・レコードの創立者ジョニー・マーサーが付けた歌詞がスタンダードとなりました。ところが日本の場合は、幾人かの作詞家や歌手によっていくつもの歌詞が付けられ、統一性が無くなってしまったようです。

♪ 暮れゆく秋の日よ 金色の枯葉散る
  つかの間燃え立つ 恋に似た落ち葉よ
  いつの日か抱かれて 誓いし言葉よ
  はかなく ただ散りゆく
  色あせし落ち葉よ ♪

これは、岩谷時子による歌詞ですが「♪枯葉よぉ~~♪」なんて何処にも出てきやしません。しかもこれは途中からの歌詞で、というのもシャンソン「Les Feuilles mortes」では出だしが皆さんご存じのあのメロディーでは始まらないわけでして・・・これはシャンソンの前説的部分、ヴァースという部分がカットされたコーラス部が、我々に耳慣れたあのメロディーであるからです。

それじゃ、あの「♪枯葉よぉ~~枯葉よぉ~~♪」の歌詞はどこから来たのか?
ここからはまったく根拠のない「たしか昔聞いたことがある」程度の話ですので、信じずにお聞きください。
原因はテレビのバラエティーにあるのだとか、やったのはクレージー・キャッツじゃないかとも聞きましたので、「シャボン玉ホリデー」か「ザ・ヒットパレード」か、その中で「♪枯葉よぉ~~枯葉よぉ~~♪」の連呼で同曲を歌ったのが起源で、だからそれ以外の歌詞が浮かばないんだというのです。
何度も言いますが、これは確信のない話です。もし、このあたりの情報をご存じの方がいらっしゃいましたら教えて下さい。

ともかく、落ち葉が舞い散る頃、『枯葉』のメロディーは良いとして、「♪枯葉よぉ~~枯葉よぉ~~♪」の歌詞よりは「♪落葉の舞い散る停車場は 悲しい女の吹きだまり・・♪」のほうが心にしみてくるんですよねぇ私の場合。(笑)

さて、ということで今日の一枚は当然『AUTUMN LEAVES』を選んでみたわけです。
マイルス、ウイントン・ケリー、ビル・エバンス、チェット・ベイカー、サラ・ヴォーン・・・・・・何にするか迷ったのですが、紹介済みのものも多く今日はエロール・ガーナーにしました。

このアルバム、全体をとおして「秋向きか」と訊かれれば「そうだよ!」とは言いかねるところがあります。というのもガーナーという人は「MISTY」なんていう美しいロマンチックな曲を作るわりには、演奏が「美しい」というより「乗りの良い」といった感じの人だからです。これは左手のリズムが他に比べ少々激しさがあるからでしょうか?「ビハインド・ザ・ビート」と呼ばれる癖のせいでしょうか?

おっと、勘違いしないで下さい。このアルバムが悪いという話ではないのですよ。あくまで「秋らしいアルバムか?」との問いに関する答えです。

内容は「このライブは、楽しくて飽きないライブだったろうなぁ」と思わせる、満足いく一枚です。おそらくはA、B面連続で聴いても一気に行ってしまえるそんなアルバムだと思います。
肝心の『AUTUMN LEAVES』もひっそり感傷にふけるというよりは、もっとダイナミックな、そうフルカラー・ワイドスクリーンみたな(これも古いですねぇ)そんな感じ。聴き終えて満足感を感じられる『AUTUMN LEAVES』だと思います。

CONCERT BY THE SEA / EROLL GAMER
1955年9月19日録音
EROLL GAMER(p) EDDIE CALHOUN(b) DENZIL BEST(ds)
1.I'LL REMEMBER APRIL
2.TEACH ME TONIGHT
3.MAMBO CARMEL
4.AUTUMN LEAVES
5.IT'S ALL RIGHT WITH ME
6.RED TOP
7.APRIL IN PARIS
8.THEY CAN'T TAKE THAT A WAY FROM ME
9.HOW COULD YOU DO A THING LIKE THAT TO ME
10.WHERE OR WHEN
11.ERROLL'S THEME