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中華人民共和国(中共)の言語分布

2019-09-02 16:41:15 | 支那大陸論

                                             図 中華人民共和国(中共)の言語分布

 

 北京官話を四つの異言語地域に区分したので、改めてアップロードしました。これで一応完成形です(大いにヤマカンありですが)。カラーで示すのが、いわゆる漢語言語圏で、ヨーロッパに相当する地域と思っていただきたい。黒で示したのが、非漢語言語圏で、中東の地域のような言語の相違がある、と空想していただきたい。

 中共国内の主要言語には、北京語、広東語等の漢語と、漢語以外のモンゴル語、チベット語、ウイグル語がある。小生はこの言語分布の地図を「世界のことば」と「中国の諸言語(ラムゼイ)」から作成した。少なくとも日本には、このような言語分布地図が存在しないように思われるが、かえってそのことが不自然だとしか思えなかったからである。

 中国の諸言語からはMandarinの分布を、世界の言葉からは、それ以外の中共国内で使用されている主要言語を参照した。特に世界の言葉、の「中国語」の項には、北京語以外の漢語の分布については、省と関係なくごく大雑把なものなので、中共の地図とスケールを合わせて、小生の独断でトレースした、曖昧なものであることを一言する。

 それでもトレースした結果から見れば、省の区分と言語の分布がある程度相関が想像できる。モンゴル語に限らず、中共国外にも分布している言語があるのは当然であるが、主旨から外れるので省略した。

 また興味が持たれるのは、北京語以外が、各々「○○語」という以外にも「○○方言」とも呼ばれていることがあることである。例えば。

広東語:粤方言

上海語:呉方言

福建語:閩方言

客家語:客家方言

語の呼び名なし:贛方言、湘方言

 

 そして「贛」と「湘を漢和辞典で調べると、各々、江西省と湖南省の別称である、と書かれている。そして地図でみれば、贛方言は江西省の大部分で、湘方言は湖南省の半分くらいで使われている。すると福建省と広東省で主に使われているのが、各々、福建語と広東語と呼ばれていることからは、江西語と湖南語と呼ばれても良いことが想像できる。ちなみに、毛沢東は湖南の出身で、北京語が分からなかった、といわれているから、北京語と湘方言の違いは、方言の差どころではないことから、やはり湖南語と呼ぶことがふさわしいと考えられる。

 尋常ではないのは、Mandarinの範囲の広いことである。これはいわゆる北京語あるいは北京官話と呼ばれ、中共政府によって普通話と呼ばれているものであろうが、それにしても広すぎる。しかし、他の言語の分布が似たような面積であることを考えると、Mandarinの範囲には実際にはいくつかの言語に分かれるものであることが推察できる。前掲の中国の諸言語に小生の推定を加えたもの({}内に示す)によれば、

 

①北方官話・東北部で話され、北方言語もその中に含む。{東北部すなわち旧満洲と北方(黒龍江、吉林、遼寧、河北)原著によっても河北は北方言語と考え仮にいれた。}

②西北官話・黄土台地とそれ以西の地域の方言を含む。{甘粛、寧夏、陝西、河南、湖北、山西、回族自治区}

③西南官話・四川とその近隣地域で話される。(四川東部、貴州、湖南西部、雲南)

④東方官話あるいは下江官話・南京とその周辺で話される方言に代表される。(江蘇、安徽、山東)

 

 というように少なくとも四つに分かれる。はっきりしているのは、北方官話が満洲語オリジナルに最も近いことである。純粋な満洲語と満洲文字を使うのは、楊海英氏によれば、シボ族と呼ばれる「少数民族」である。従って北方官話は満洲語を基礎とし、漢字表記することによって変化をとげたものであろう。これは現代日本の標準語が、江戸弁を基礎とし、漢字かなまじりの口語体になったことに類似しているであろう。

 北方官話とシボ族言語(オリジナルに近い満洲語)の違いは、漢字かなまじりの口語日本語と、江戸弁の違いに似ているのに違いない。残りの西北官話、西南官話、東方官話は、元々あった地元の言語が満洲語訛りとなったもので、Mandarinとはいっても満洲語とは違うものに変容している推定する。北方官話が東三省と呼ばれた、旧満州国領域に、北京付近を付加したものであることは興味深い。

北方官話を話す領域に住むのは、満洲人の末裔ならびに満洲化した漢人(康熙帝伝:東洋文庫の記述による)であるのに、相違はないと考える。満洲国に住んでいた民族は万里の長城を超えて満洲に流入した漢人が多かったからである。従ってDNAは漢人が多かったとしても、文化や言語などの民族的要素としては、満洲人(女真人)であると考える。

また、雲南付近は南方言語、すなわちベトナム語などの言語が基層にあると、小生は想像する。すなわち満洲語とは似てはいるが別言語である。これら四北方言語も結局は互いに異言語化しているのであろうと考えるため、破線で北京官話の四つの地域の境界の推定を示した。

英語は古ドイツ語からスタートしたから、文法はかなりドイツ語の影響を残し(ドイツ語学習の際に独英比較文法書が参照される)、語彙にフランス語などの影響を強く受けて異言語となっていったのと似ているであろう。

突拍子もない言語、民族分布と皆さんはお考えだろうが、小生は首里城にある、琉球王朝発信で清朝の乾隆帝宛の公文書が、漢字とは似ても似つかず、モンゴル文字に似た流麗な満洲文字であったのを見た瞬間に、かく述べきたった仮説を立てたのである。清朝の公用語の第一は満洲語満洲文字であって、漢語漢文ではなかったからである。

 

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