毎日のできごとの反省

 毎日、見たこと、聞いたこと、考えたこと、好きなことを書きます。
歴史、政治、プラモ、イラストなどです。

米空母の抗堪性

2016-02-13 14:19:08 | 軍事技術

 現代の米空母は簡単には沈まない。支那軍がその点を勘違いしている可能性は、大いにある。大東亜戦争の日本軍機の猛攻によって、フランクリンやバンカーヒルといった正規空母は、甚大な被害を受けながら沈没は免れた。とは言ってもフランクリンは修理のための調査の結果、火災による高熱で、船体の鋼材に全面的に歪が発生していて、修理するのに新造と同じ費用がかかってしまう、というので修理されなかった、と雑誌「世界の艦船」に報じられていた。

戦死者も700人以上出している。戦傷者はその倍はいたろうから、乗員のほとんどが、死傷したことになったのであろう、甚大な損害であった。沈没した船でも救助によって、犠牲者がこれ以下であった例も多かっただろう。

 しかし、沈没したに等しいが、沈没しなかった、ということは戦意の維持にとっては大きいのである。南太平洋海戦でホーネットが沈没して以降、日本軍機による正規空母の撃沈はない。最大のもので、軽空母プリンストンは特攻によって沈没している。プリンストンは軽巡から設計変更したもので、正規空母とは言えない。

ただし、1発の500kg爆弾の命中により、大火災を起こし、味方から雷撃処分を受けた。これは被害が大きかったのはもちろんであるが、火災により戦闘が不利になることを考慮した結果とも言われている。

 それ以後原子力空母になってから、船体は大型化し、防御についても鋼材以外の特殊装甲まで使用されている。何よりも大東亜戦争で日本軍機の猛攻を受けた結果、ダメージコントロールのノウハウが蓄積されたのは大きいであろう。中国軍が米空母を攻撃するとしたら、潜水艦か航空機のASMミサイルによる攻撃であろう。

 中国の潜水艦が辛うじて魚雷を命中させても、致命傷に至る前にASWの攻撃で撃沈される。また航空攻撃は、旧ソ連のようにASMによる飽和攻撃を行うまでの戦力はなかろう。結局防空陣により撃退される。現代の米空母自身の抗堪性も大きい。支那軍など問題ではなかろう。