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晴れ豆インターナショナル presents
アート・リンゼイ×ジム・オルーク/Arto Lindsay x Jim O’Rourke
【2 shows 入替制】
昨年9月、音楽ファンを狂喜させた組み合わせが
再び『代官山 晴れ豆』に!
…見逃すな!!
出演
Arto Lindsay/アート・リンゼイ
Jim O’Rourke/ジム・オルーク
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1st show – open 18:30 start 19:00 1st Show 予定枚数終了
2nd show – open 21:00 start 21:30
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入替制です
フロアは畳敷きです
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前 ¥6,400-/¥6,900- (お土産なし/お土産付き)
通し券 ¥13,000- (優先入場・お土産付き)
当 ¥6,900- (お土産なし)
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パンクが好きなロック少年だった高校時代の筆者がジャズの地下室に足を踏み入れる切っ掛けがニューウェイヴ繋がりの3組のミュージシャンとの出会いだったことは以前記した。
⇒少年を誑(たぶら)かしたJAZZ三悪人~ラウンジ・リザーズ/J.B.ウルマー/リップ・リグ&パニック
その中でも堂々と偽物(フェイク)ジャズと自称しストイックなスタイルで魅了したのが81年にNYから登場したラウンジ・リザーズだった。その1年前にフライング・リザーズというこれまた胡散臭い自称アマチュアユニットの影響で、カセットデッキとラジカセを繋いで宅録の真似事に耽っていたことを思うと、思春期の筆者に禁断の果実を食べるよう唆(そそのか)したのはヘビではなく『トカゲ(Lizard)』だったのかもしれない。
それは兎も角、音楽理論や高度なテクニックを身につけなくてもジャズが出来ると勘違いした原因が、ジョン・ルーリーのペラペラのサックスと共に、アート・リンゼイのノーチューニングギターだった。LPジャケットの優男の中、ヲタッキーな眼鏡で相手を油断させるこの男こそ、その後30余年に亘り、ノーテクニックの美学を追求する異能戦士の最右翼に違いない。
その後少年時代を過ごしたブラジル音楽に接近し、ストイックなNO WAVEや前衛ジャズの対極にある(ように筆者には思えた)ボサノヴァを歌い始めたアートに興味を失い、坂本龍一やコーネリアスとの共演も、敵に魂を売り渡したとしか思えなかった。とはいえ30余年も経つとそんな蟠りは水の泡と消え去り、物憂いボッサの後ろで鳴り響くガギグゲギターにNO NEW YORKの香りを感じ取りトキメクような至福に浸ってしまう。そんなアートのプレイを初めて生で観たのは2011年6月大友良英とのデュオだった。
⇒アート・リンゼイ+大友良英@渋谷duo music exchange 2011.6.8(wed)
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それから6年過ぎ、13年ぶりのソロアルバム『Cuidado Madame』をリリース、そして来日ツアーが開催された。アルバム参加メンバーとのバンド編成での全国3公演終了後、ひとり残ったアートと、昨年も共演したジム・オルークとのデュオ公演に参戦した。晴れ豆らしく、畳敷きの会場の中央に立ち並ぶ蓮の葉のオブジェの淵にアートが立ち、中に座ったジムと向き合う形の演奏。ジムが流暢なアルペジオで曲を弾き、アートが歌いながらアクセントでノイズギターを奏でる。決して美声でもなければ声量がある訳でもない。かと言ってヘタウマと呼ぶには音程が外れない。そんな肩透かしのアートのヴォーカルが然程好きではなかったが、アヴァンギャルドなギターインプロの果てに浮き出る歌の浮遊感に痺れを感じはじめ、「Acid Bossa/アシッドボッサ」の極地に畏敬の念を覚えた。リオのカーニバルが「謝肉祭」であることを考えれば、クールなボサノヴァもまた血と肉の祭であることは自明の理であろう。
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多彩な音色で対峙するジムに比べ、アートのギターは一本調子で変化が無い。しかし自然体で歌われる肉声と一体になると、音楽表現としてトロピカルな色彩を放ち出す不思議。40年間やり続けた者だけに自己陶酔の罠にハマることも無く、90分の響宴は蓮の谷間に染み渡った。コレをアートにとっての<哀秘謡>と呼んでみても罰は当たるまい。
Arto Lindsay Band , Brooklyn, April 28, 2017 - Simply Are
ブラジルの
哀しみの歌は
笑顔の裏に
グンジョーガクレヨンの組原正もノーチューニングギターで知られるが、アート・リンゼイヘの共感はあるのだろうか。いつか尋ねてみたい。
Gunjogacrayon グンジョーガクレヨン - Live 2016.08.20 レコ発ライブ #1 (Binaural・立体音響)