A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【Entertainment Through Pain】偶想Drop@Zepp Tokyo 2017.7.23 sun

2017年07月28日 03時05分45秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


世界の音楽市場の主流は完全にストリーミングなのに、日本だけはまだCDが売れている。このままじゃ日本は世界から取り残されてしまう。と危惧する声が聴こえる。音楽業界的には正しいかもしれないが、音楽を聴く・楽しむ主体である個人にとってはどうでもいい話だ。Spotifyは便利で楽しいし、ストリーミングがあればでレコードやCDを買う必要はないと思うことも確かにある。しかし、本当に好きになったら、30cmLP/17cmEP/12cmCD/5cmシングルCD/11cm×6.5cmカセットなどを入手し接触して、こじんまりとした四角い(稀に丸とか)ケース/ジャケットに収まって、聴いて貰える時を待ち望む期待が我慢汁の如く漏れ出すところを焦らした挙げ句、やっとプレイヤーに乗せてスイッチを押す時のドSな快感こそ、ストリーミングじゃ満足できない前時代人の醍醐味である。つ まりオレはレコードやCDを実店舗で人の手を介して購入する行為が溜らなく好きなのだ。そこが現代美術館でも原宿のブロマイド屋でも関係ない。「形あるもの」の美しさと愛おしさと儚さ。音楽は空気の振動だけじゃないので、聴覚だけで味わうよりも視覚・触覚・嗅覚・味覚を総動員して感じるべき総合娯楽じゃないだろうか。



前置きが長くなったが、その最たるものが5日前の日曜日Zepp Toykoで開催された”世界一激しいアイドル”偶想Drop(以下偶ドロ)のワンマンLIVE『限りなく反射的に絶頂♀』であった。都子さんを発見し想定外に激ハマりしてから2ヶ月足らずの短期間に、自分の意識も偶ドロ自体も怒濤の変化を経験した。たったひとりの推しメンの存在が、音楽の聴こえ方/ライヴの見え方/現場の楽しさを全く別物に変えてしまうという青天の霹靂の意識改革。絆が深まる一方で、自分たちにコントロールできない周囲の環境の変化に翻弄されつつ、LIVEの成功を目指して奔走するメンバーと並走する偶神の意識上昇。内と外の意識のアンビバレンツに戸惑いながら、オレは日常に曾て無いほどの充足感を得ていた。



07/22(土)HOLIDAY SHINJUKU
偶想Drop~零生誕LIVE~『ヲタクをどつけ金属バット』
open16:00 start16:30
¥3000/¥3500(+1D)
【出演者】偶想Drop/Malcolm Mask McLaren/十四代目トイレの花子さん/てのひらえる/君と僕ときどきメランコリック/川上紗弥&小南光(from Aphrodite)

前日7月22日新宿Holidayでの偶想Drop〜零生誕LIVE〜では新体制のMalcolm Mask McLarenを初体験、新メンバー二人を加え眩しいほどのパワーを放つメロディックハードコアに心が踊る。これを機会にトレードマークのマスクを外した吹っ切れ感がパフォーマンスを前進させる。共同リリイベで生まれたタイプの異なる偶ドロとの交流がMMMの変化に影響したに違いない。



トリの偶ドロのステージは、頭に花冠を付けた”最強パンクス”零ちゃんパワーをメンバー全員が共有し、猪突猛進前しか見えないパフォーマンスに後押しされて、無我夢中でヘドバン,モッシュ,コールに明け暮れた40分。それは翌日のワンマンLIVEの予行演習ではなく、生誕祭を絶頂に導く「今ここにいるアイドル=IDOL RIGHT NOW」の本領発揮であった。アイドルの素晴らしさは、例え15分の短い持ち時間であっても、出来る限りの最高のパフォーマンスで観客を最大限に楽しませようとする姿勢である。



07/23(日)Zepp Tokyo
偶想Drop『限りなく反射的に絶頂♀』~偶想DropワンマンLIVE~
【時 間】開場 17:00 / 開演 18:00
【チケット】1Fスタンディング¥3,000(ドリンク代別)

一夜明け快晴の7月23日(日)お台場Zepp Tokyoに集まった観客は、満員ではなかったが、最前エリアでモッシュとリフトとダイヴに興じる者、中盤ブロックでヲタ芸に励むもの、後方からじっくりとパフォーマンスを眺めるものと、それぞれ思い思いにライヴを楽しむ自由で開放感のある現場だった。オレはと言えば、推しメン都子さんの定位置に近い最前下手のスピーカー前に居を定め、圧縮に耐えたり、サークルモッシュから身をかわしながら、熱い視線をステージに注ぐことに専念した。曾てギュウ農フェスで目の当たりにした暴動現場の縁に自分が立っている光景を冷静に第三者の目線で見つめ直しすと、果たしてヲタとしての成長なのか、はたまた人間としての退行なのか。そんなことを考える暇もなく、派手にレーザー光線が飛び交うステージに眩惑されっ放し。都子さんが右側に移動するのにあわせて上手に移動したり、中盤はピンクのペンライトを手に後方から応援したり、長時間のLIVEならではの楽しみ方を堪能した。



最初は都子さんばかり追っていたが、一瞬たりとも手を抜かないメンバーの余りに激しいパフォーマンスに気持ちが共鳴し、六つの身体の弾け方ひとつひとつに心が反応し、全身が武者震いのように熱を帯びる。後半戦で無我夢中でステージ前中央に飛び込んで、押し寄せるリフトの嵐に身を任せ、頭上で暴れるダイバーを頭を下げて避けていたが、最後の最後に輩の足が左首を直撃し、一瞬意識が遠のいた。4日経ってもまだ首が痛いが、その痛みこそ偶ドロLIVEを最大限に楽しんだ証拠だと思うと、鈍痛すら愛おしい。80年代スロッビング・グリッスルのインダストリアル・レコードのキャッチフレーズ「Entertainment Through Pain(痛みを通した娯楽)」は、偶想Drop現場にこそ相応しい。



偶ドロ好き好き
みんな好き
最高です!

「Painfully Violence」のペインフリーを「Painfree」だと思って「痛みの無い暴力」だと勘違いしていたが、世界一激しい現場からほぼ無傷で帰還した今思えば、痛みからの自由かもしれない。心の痛みからも自由になれますように。

コメント
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