A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

SUMAC/灰野敬二/ENDON@新代田Fever 2017.7.3 (mon)

2017年07月06日 01時28分55秒 | 灰野敬二さんのこと


Daymare Recordings presents
SUMAC Japan Tour 2017

SUMAC
灰野敬二
ENDON

OPEN 18:30 / START 19:00
ADV ¥4500 (+1drink) / DOOR ¥5000 (+1drink)
※1dirink ¥600



SUMACの単独再来日公演決定!
Aaron Turner(OLD MAN GLOOM、元ISIS)、Brian Cook(RUSSIAN CIRCLES、元THESE ARMS ARE SNAKES、元BOTCH))、Nick Yacyshyn(BAPTISTS)という超絶トリオが鳴らすのは、初期ISISを思わせる激烈テクニカル重音だ。2015年9月『leave them all behind 2015』での初来日時の演奏は語り草であり、ヘヴィロック新章の幕開けを宣言するものとして有り余るインパクトを残した。中でもDave Grohlをも唸らせるNickのドラムは強烈無比で、新世代ドラム・ヒーローの誕生をまざまざと見せつけた。混沌や技巧というよりも、何か新定義を見つけなければ言い表せない独創性を持つSUMACは、最新作『What One Becomes』を引っ提げ北米とヨーロッパでツアー続行中。満を持して日本に戻ってくる。



今年の1月に灰野敬二に『わたしだけ?』のインタビューをした時にSUMAC(スーマック)の名前が出た。

「NYのバンドSUMACのアルバム『WHAT ONE BECOMES』、その解説で<アイデンティティ>って何?と言っている。でも<アイデンティティ(自我)>は必要ない、というのではなく、「一度作った<自我>を壊して、再構成した後の<自我>」という意味のいいタイトルなんだ。意味だけみると『わたしだけ?』ととても似ている。やっている音楽は違うけれど。」

今回のコラボが実現したのは音楽性も然ることながら、アルバムタイトルに籠められた意識のシンパシーがあったことは間違いない。共演ライヴに先立って一緒にスタジオ入りしたらしい。両者の<自我>の交感が作品として発表される可能性もある。しかし今夜は生のライヴ空間がどのように創り出されるかという興味に貫かれていた。

●ENDON


日本のノイズ/エクストリームミュージックの重鎮ENDON。観る度に音圧とスケールが大きくなるように思える。ステージ後方からのサーチライトでメンバーの姿が殆ど見えないが、音の存在感は何処へも逃げ様が無い。特に重低音のプレッシャーは、耳だけでなく肉体をも危機的状況へと追いやる。血も涙も無い残忍な演奏は、逆説的アンビエント/反抗的ミニマルミュージック/崩壊的ニューエイジ音楽とジャンル分けしたい。

●SUMAC


ギター/ベース/ドラムのシンプルな構成で重厚なハードコアノイズを巻き散らすSUMAC。もじゃもじゃヘアー&ヒゲのギタリスト、アーロン・ターナーのヘドバンから繰り出されるヘヴィロックの進化形。ダイナミックなパワードラミングが突き抜ける風通しの良さが乾いたアート性を増幅する。

●SUMAC+灰野敬二


最後は灰野がギター&ヴォーカルで加わる。ドライな風のようなSUMACと溢れ出し浸透する水のような灰野のプレイが重なり合い、気体と液体の二元論が三次元の音響してオーディエンスに刺激を与える営みが、演奏しない僕たちの誇りとして輝きを増す。新たなる定義は混沌を鎮め秩序に引導を渡す。つまり意識の在り方の偏差値分布は、我々の意識の届かない所まで広がっているのである。

自我の雨
地が固まって
自我自讃

SUMAC - Thorn In The Lion's Paw // LIVE in Vancouver, BC - March 11, 2015
コメント (2)
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