A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【新曲天国】ネクロ魔/ヤナミュー/偶ドロ/ブクガ/MMM/BiS/BiSH/パスコ/モ!/こどもちゃん

2017年06月30日 01時45分04秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


ここ最近ライヴ現場やようつべで見聞きするグループの新曲がいい曲揃いで幸福の嵐に包まれている。これ以上推しを増やさないよう気をつけたいが、そこはやっぱり音楽愛好家の哀しい性で、素敵な音楽を歌う女子(例えば上記左から二人目の都子さん@偶ドロ)の魅力に抵抗できない自分がいる。明日から渡欧するネクロ魔の新曲「DAWNSLAYER」の動画は公開されていないが、下記の写真で雰囲気を感じられるだろう。



観ているだけでワクテカの新曲を紹介しつつ、昨今のライヴ現場の幸福感を凝縮した週末を楽しみにしていよう。

●Maison book girl


Maison book girl / rooms / MV


●ヤなことそっとミュート


ヤなことそっとミュート「天気雨と世界のパラード」2017.4.29@西川口Hearts


ヤなことそっとミュート 2017.06.21 No Regret/Palette @ 世紀末!東京編 in 渋谷O-nest


●Malcolm Mask McLaren


Malcolm Mask McLaren/「ハイジャンプレイヤー」LIVE ver 2017.6.3


●BiS


SOCiALiSM / BiS-新生アイドル研究会- [OFFiCiAL ViDEO]


●BiSH


BiSH / GiANT KiLLERS[OFFICIAL VIDEO]


●PassCode


PassCode - bite the bullet (Full Size)


●ゆるめるモ!


ゆるめるモ!(You'll Melt More!)『うんめー』(Official Music Video)


ゆるめるモ!(You'll Melt More!)『モイモイ』(Official Music Video)


●みんなのこどもちゃん


Minna no Kodomo-chan's 'I wish I were dead when I wake up' (Official Music Video)


●偶想Drop


偶想Drop『Painfully violent』PV:閲覧注意
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世界はネクロ魔を待っている〜暗黒系アイドルユニット『NECRONOMIDOL』観戦記(2017年5,6月)

2017年06月29日 08時33分14秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


●5/8 mon 下北沢SHELTER


NECRONOMIDOLファン大感謝祭
下北沢SHELTER
op19:00/st19:45
入場無料+2D

【皆で組めるセットリスト】皆様の投票で上位だったものを必ず入れてライブをします!



●5/15 mon 新宿dues


NECRONOMIDOL Blood Red Skies 
ワンマンチケット即売会

新宿dues
op19:30/st20:00
ライブ入場無料(ワンマンチケット購入必須)+1D

・ライブ30分セット
・メンバーがソロで自分の好きなネクロ魔の歌を一曲歌います!
・終演後物販有
*既にチケットをお持ちの方が入場する場合、当日貴方の携帯でメンバー1人と30秒動画を撮れます!



●5/16 tue 新宿LOFT BAR


偶ドロ・MMMリリースパーティー
新宿ロフトバー
19時(仮)
料金¥2000+1D ※CD付

出演:偶想Drop/Malcolm Mask McLaren
ゲスト:FRUITPOCHETTE、PPP! PiXiON、ネクロ魔、絵恋



●5/24 wed 渋谷クロスFM


N.E.T-Shibuya Music Diver-
渋谷クロスFM 14:00
偶想Dropのゆらぴこさんに招かれて、NECRONOMIDOLから柿崎李咲、今泉怜、月城ひまりがゲストとして参加します。

●5/25 thu 目黒鹿鳴館


独自性の高いアイドルグループ5組が鹿鳴館に集結‼︎
『奇々怪々vol.1』
目黒鹿鳴館
前売/3000円
開演/19:00
【出演】
ヤなことそっとミュート/NECRONOMIDOL/偶想Drop/劇場版ゴキゲン帝国/レッツポコポコ



●6/10 sat 渋谷 Chelsea Hotel


雨の日計画C「リボンがほどける雨音」
〜NECRONOMIDOL夜露ひな生誕祭〜

渋谷 Chelsea Hotel
op18:30/st19:00
前売¥2500+1D/当日 ¥3000+1D

Kit Cat/There There Theres/レッツポコポコ/みんなのこどもちゃん/NECRONOMIDOL



赤いリボンのツインテールがトレードマークの夜露ひなの生誕ライヴ(誕生日は6/7)。初めて会った1年半前は寡黙な印象が強かったが、新メンバーが入りグループをリードすることも増え、弾ける笑顔でネクロ魔のステージに花を咲かすアイドルとなった。メンバーも全員ツインテールで萌える現場だった。対バンでは初見のみんなのこどもちゃんが面白かった。


●6/13 tue 渋谷www


NECRONOMIDOL
「SCREAMING FOR VENGEANCE」
ONE MAN TOUR 2017年
〜原点振り返りツアー〜

6月13日 渋谷 www
「BLOOD RED SKIES」



ネクロ魔振り返りツアー3か所目。初めて参戦したワンマンが渋谷wwwなので筆者にとっても原点回帰といえる。未だ新規でモッシュピットに飛び込む勇気はなく1段目の柵で観ていたその頃を追体験するように、今回も正面柵から見守った。ネクロ魔がキラキラ系アイドルに?との事前情報に合わせてメイド服で登場したメンバーは似合っていたが、「暗黒系を貫く!」決意でを表明。ネクロ魔バンドもよかったが、中間部の福山タクのダークなフォークナンバーに心が震えた。



NECRONOMIDOL - IDOL REDEFINED



●6/16 fri 新宿MARZ



〜 IDOL EXTRA #01 ~
新宿MARZ
op18:30/st19:00
前売り¥2000+1D

シンセカイセン/NECRONOMIDOL/parfait/ittlemore./柚餅子みこ
ネクロ魔20:20〜




●6/22 wed 新宿LOFT


中野ロープウェイ開店8周年記念ライブ! 千秋楽
op17:30/st18:00
新宿LOFT
前売り¥2000+1D

Maison book girl、NECRONOMIDOL、みきちゅ、電影と少年CQ、O'CHAWANZ、バーバヤーガ、スーパー転校生、みんなのこどもちゃん ほか




●6/23 thu 新宿LOFT


SHINJUKU LOFT PRESENTS
【新宿系ガールズミーティング Stage.6】
OPEN 18:00 / START 18:30
ADV¥2500 / DOOR¥3000

ヤなことそっとミュート/DEEP GIRL/NECRONOMIDOL/GANG PARADE/There There Theres/ルボートンX




●6/27 tue 新大久保EARTHDOM


‪ネクロのメイドル喫茶・イン・新大久保EARTHDOM‬
‪op19:00/st19:30‬
‪前売¥2000+1D‬/‪当日¥2500+1D‬

‪・wwwで披露した幻のメイド服での、‬‪オフ会・ミニライブ・チェキ撮影‬
‪・ヨーロッパツアー前の最後のライブです‬




●7/1 sat 〜 8 sat ヨーロッパツアー


7/1 sat イタリア
Guest Star at Mozzano Festival
23:00
Piazza San Rocco , Mozzano - fivizzano (MS)

7/2 sun イタリア
Second night show in Fivizzano
22:00
Piazza San Rocco Mozzano Fivizzano (MS)

7/4 tue イギリス
Necronomidol (exclusive UK date)
The Water Rats
London (United Kingdom・England)

7/7 fri フランス
Nihon No Oto Festival
Espace B
Paris (France・Ile-de-France)

7/8 sat フランス
Necronomidol (Tokyo, idol metal) en concert à Metz
Porte des Allemands
Metz (France・Lorraine)



ネクロ魔の
帰国祝いに
盤魔殿



盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.3 

2017.7.21 Fri  
19:15 open / 19:30 start
Charge ¥1,000 incl. 1 drink
Shibuya DJ BAR EdgeEnd
tel.03-5458-6385

DJ Qliphoth / DJ Amon / DJ Paimon / DJ Necronomicon / DJ Bothis / DJ Athmodeus

踊れないDJに特化したDJイベント
異端DJたちの紡ぎ出す異端音楽や異端映像に塗れる秘教的儀式

Avantgarde, Noise, Industrial, Dark Ambient, Neofolk, Punk, Hardcore, Black Metal, Middle-east, Ethnic, Ritual, Medieval, UnderGround,… Everything Weiredness About Music!
【告知】7月21日開催決定『盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.3』〜異端DJたちの聴かせどころ公開!
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Tokyo Flashback P.S.F. 発売記念 ~Psychedelic Speed Freaks~生悦住英夫氏追悼ライブ@六本木SuperDeluxe 2017.6.25 sun

2017年06月27日 08時22分12秒 | 素晴らしき変態音楽


Tokyo Flashback P.S.F. 発売記念
~Psychedelic Speed Freaks~

生悦住英夫氏追悼ライブ

開場 15:30 / 開演 16:00
料金 予約3000円 / 当日3500円 (ドリンク別)

ライブ:
灰野敬二+今井和雄
マヘルシャラルハシュバズ
Ché-SHIZU
馬頭將器+荻野和夫 (The Silence, ex.Ghost)
三浦真樹+横山玲
成田宗弘 (High Rise)
川島誠
à qui avec Gabriel
ヒグチケイコ with ルイス稲毛
長谷川静男
.es
冷泉
平野剛

生悦住英夫氏追悼ライブ。
*入場料はご遺族へのお見舞金となります。



6月11日(日)〜18日(日)南青山ここからでModern Music / P.S.F.Recordsの軌跡というアート展が開催された。P.S.F.レコードの200タイトルを超えるCDやLPのジャケット、発行していた雑誌G-Modern、チラシやフライヤーが集められ、2017年2月27日に死去した生悦住英夫氏の仕事を俯瞰できる展示だった。



6月24日(土)にはDOMMUNEで特集番組が生配信された。
土曜緊急配信!生悦住英夫追悼番組
●19:00~21:00 「P.S.F. Records Presents アンダーグラウンド・リアリティー」〜明大前モダーンミュージック33年史
(2014年3/5の番組アーカイヴを追悼再配信)
出演:生悦住英夫(PSF records社長)、今井和雄、工藤冬里、成田宗弘、冷泉、佐藤宗盛(デーモンズ)、mempis(デーモンズ)、お肉袋さん(コミケS)
●21:00~24:00 生悦住英夫追悼番組「P.S.F. Records Presents アンダーグラウンド開拓史」 〜モダーンミュージックの歴史を検証する
TALK:今井和雄(マージナルコンソート、今井和雄トリオ)、宇田川岳夫(FRINGE CULTURE)、成田宗弘(HIGH RISE、GREEN FLAMES)、ALAN CUMMINGS(WIRE)、馬頭將器(ex Ghost、 The Silence)、宇川直宏(DOMMUNE)
LIVE:今井和雄、成田宗弘、馬頭將器



そしてPSFレコード最後のリリースとなる『Tokyo Flashback P.S.F.~Psychedelic Speed Freaks~』レコ発ライヴ当日。満員御礼、これほどいっぱいのスーパーデラックスも珍しい。6時間に亘って13組の出演者が約20分づつ演奏するマラソンイベント。二組を除きソロとデュオ中心にした演奏は地下音楽に留まらぬ幅広さを体現したユニークなイベントとなった。
【Disc Review】極私的東京地下音楽シーン回想録〜『V.A. / Tokyo Flashback P.S.F. 〜Psychedelic Speed Freaks〜』
JazzTokyo CD/DVD Disks #1408 『V.A. / Tokyo Flashback P.S.F. 〜Psychedelic Speed Freaks〜』~鳴り続ける運命にあるサイケデリックの輪廻転生

●à qui avec Gabriel

photo by Takeo Udagawa

アコーディオンの弾き語り。黒衣装と黒いアコーディオン「ガブリエル」のリエゾンに眩惑され、例えばアストル・ピアソラがマレーネ・ディートリッヒの伴奏をしたら、などと夢想してしまう。

●.es


橋本孝之の演奏は観る機会が多いが、saraとのデュオ.esのライヴは東京では年に数えるほどしか無い。ハーモニカの授乳音とサックスのベルから滴る羊歯植物の翠が、saraの包容力の羊水に包まれて鮮度を高める。

●平野剛


ピアノ、ピアニカ、ウインドチャイムによるメロディアスな演奏。ドビュッシーやサティを思わせるリリシズムが、打鍵のタイミングの微妙なゆらぎにより、ソフトドラッグのような軽い酩酊感を帯びる。
平野剛 Go Hirano@フクモリ マーチエキュート神田万世橋店 2015.11.25(wed)

●長谷川静男


あぶらだこのVoでもある長谷川ヒロトモと、アコースティックベースを自在に操る内田静男のデュオ。ヒロトモはウクレレを弓で弾く軋みと弦を弾く打音で有機的なノイズ演奏。内田のベースは三つのペダルで変幻し、空間を塗り替えるマジックを発揮する。

●ヒグチケイコ with ルイス稲毛


鍵盤に襲いかかる蜘蛛女のようなヒグチのパフォーマンスには情念の怖さを感じずにはいられないが、稲毛のベースが守り神のような安定感を加味し、異世界のキャバレーミュージックとして成立する。

●maher shalal hash baz


総勢10数人の編成で、ハンドクラップを通奏し「イケエズミさん」と連呼する曲や三拍子のリフ曲など三曲を披露。チェロ、ユーフォニウム、バスーンといった中低音域アコースティック楽器が視覚的にも魅力的。工藤冬里の炸裂ギターが耳と心に刺さる。
工藤冬里@阿佐ヶ谷ハーネス 2015.1.12(mon)

●川島誠


PSFの最後のアーティスト。身体の底から絞り出すサックスが川島の周りの空気に厚みを加える。膝をついて地面に向けたブローは地獄の霊への鎮魂歌か?演奏とは自分の生き方を示す為の手段であり方法であり実証であることが、音源を聞くだけでなく直に観たとき実感できる。
川島誠 アルトサックス ソロ+近藤秀秋(ゲスト)@明大前キッドアイラックホール 2016.12.13 (tue)

●Reizen


ギター一本のみの演奏。暗い照明のステージに座り込むReizenの姿は、傍らの電子時計の文字の明かりの影になる。かすかな低音の暫次投射がゆっくり音量を増し地響きのようなひとり集団投射へと導かれる強迫的なサウンドスケープを描く。

●三浦真樹+横山玲


裸のラリーズや不失者といったJAPROCKの地下水脈を伝える二人のギターとベースのデュオ。FUZZというエフェクターの有効性が遺憾なく発揮されるクロスプレイにPSFのロック/ブルースサイドの真髄が貫かれている。

●馬頭將器+荻野和夫


Ghostの吟遊詩人によるフォーキーな演奏。リチュアルフォークと呼んでもいい。牧歌的で静謐な音世界に潜む魂の震えを伝える瑞々しい歌声は、中世世俗音楽の伝統を継承する。

●成田宗弘


PSFの原点HIGH RISEの核心をなすノンストップギターソロ20分。最早フレーズや運指を語る必要も無く、アンプとPAから流れ出る音の飛沫を全身で浴びるだけでPsychedelic Speed Freakの世界に参画できるイニシエーション。
ボーカロイドはサイケデリックなスピード狂の夢を見るか?~ハイライズとグリーン・フレームス

●Ché-SHIZU


向井千惠の二胡と歌は地下音楽の自由度の象徴として我が道を行く。参画する3人のメンバーがその枠を拡大し、悲喜交々の感情の波を聴き手の心に巻き起こす。スーパーボールを地面に叩き付けるパフォーマンスは彼らもまた闘士であることの表明であろう。
シェシズ/タコ@渋谷Last Waltz 2015.10.10(sat)

●灰野敬二+今井和雄


灰野と今井の初共演は2006年2月6日中野Plan Bだが、その時灰野はパーカッションだったので、ギター同士では初共演。導入の「浜千鳥」のソロ歌唱に続き、アンプのノイズを引き裂く今井の硬質な音と深い残響に拡散する灰野の音が絡み合う。誰かがゴジラ対キングギドラと形容したが、両者の間に産まれた共感の嵐がイベントの精神の継続を約束するように思えた。

出来るなら
生きてるうちに
聴いてほしい


モダーンミュージック開店25周年記念ライヴへ行ったよ(2005年11月22日)
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ヒジャブ・コア!インドネシア発ムスリム女子スラッシュメタルトリオ「VoB/VOICE OF BACEPROT」

2017年06月23日 02時07分31秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


Voice of Baceprot、略称VoB
メンバー
Firdda Kurnia (vocals, guitar), Eusi Siti Aisyah (drums) 、Widi Rahmawati (bass)

頭をイスラム教のスカーフ(ヒジャブ)で覆っているインドネシアのバンドVoB("Voice of Baceprot" または「耳障りな声」)の3人のメンバーは、典型的なヘヴィメタルグループのようには見えない。
2014年に結成された十代の少女たちのバンドは、インドネシアで最も人口の多い西ジャワ州の学校で出会い、自分たちの音楽で、服従か無言かしかないムスリム女性のステレオタイプに抵抗しようとした。
ヒジャブやイスラムの頭のスカーフを着用することは、グループがヘヴィメタルスターの夢を追求するのに障壁にならないはずだと、ギターと歌を演奏するFirdda Kurnia(16歳)は語る。「自分の創造性を模索し続けると同時に、イスラム教徒の女性としての義務感は無くしていないので、男女平等を支持すべきだと思う」と彼女は付け加えた。
最近の別の学校での卒業式で演奏に招待されたこのトリオは、直ぐにファンを獲得し、ステージの前でダンスやヘッドバンギングが起こった。
「彼女たちは何も間違っていないと思います」とそのライヴに参加したファンのTeti Putriwulandandari Sariが語った。「女性がハードコアの音楽を演奏することを禁じる法律はありませんから。これはまた人間の権利に関わります。もしイスラム教徒の少女がドラムやギターを演奏する才能があるならば、許されないことがあるでしょうか?」

VOB - psychosocial ( Slipknot ) live @swissvanjava 2017


MetallicaやSlipknotなどのメタルクラシックをカバーするだけでなく、インドネシアの教育状況などをテーマにしたオリジナル曲も演奏する。
ムスリムは、インドネシアの約2億5,000万人の総人口の90%近くを占めており、イスラム教を中庸程度に実践しているのが大多数だが、保守的な一群も存在する。バンドが結成された Garutの街は、いくつかのイスラム教徒の学校の本拠地でもあるが、街の全員が社会が自分たちの味方だと感じている訳では無く、彼女たちの音楽は若いイスラム教徒の女子が演奏するのに適していると感じている。
チパリ・イスラム寄宿学校の教師Muhammad Sholehは「ヒジャブを着た女の子たちがメタル・ミュージックをやったり、叫んだりしたりするのを見ることは滅多にありません」と語る。学校の学生であるMaudya Mulyawatiは「宗教の創始者である預言者モハマドの呼びかけである "Salawat"を歌うことに焦点を当てるべきだと感じました」と言う。最高幹部の関係者は、同グループは保守的な地域で文化の衝突を引き起こすかもしれないが、イスラム教徒の価値観を破ったとは思わなかった、と語った。「これを10代の若者の創造性の一部として見る」とインドネシアのウレマ評議会のイスラム芸術文化部のヌール・カハム・ジュレミ事務局長が付け加えた。
Metal Injection. 6 June 2017

VOB (VOICE OF BACEPROT) - THE ENEMY OF EARTH IS YOU | LIVE STUDIO SESSION GUA BERDURI



ムスリムの
メタルの向こうに
ガーゼ有り

Muslimgauze - Full Metal Yashmak - Sulaymaniyah

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不失者 Fushitsusha@KOENJI HIGH 2017.6.20 tue

2017年06月22日 02時07分16秒 | 灰野敬二さんのこと


不失者
Fushitsusha


灰野敬二 : vo, g
森重靖宗 : b
Ryosuke Kiyasu : ds

OPEN/START 19:00/19:30
ADV/DOOR ¥3,500/¥4,000



15年ぶりのアメリカ公演を一ヶ月後に控えた不失者のワンマン公演が開催された。発表されたのが5月末という四年前の「カオスフェス」ばりの急進行だった。その背景には5月21日の中国深センの第四届明天音乐节/4th Tomorrow Festivalへの出演が、突然の当局の理不尽な通達によりドラム不在で行わざるを得なかったことへのリベンジ的意味合いがあるようだ。タイミングよく灰野敬二の81年の1stアルバム『わたしだけ?』アナログ・レコード・リイシュー盤のリリースも重なり、灰野の現在と過去(原点)が交差する特別な夜になった。



開演時間の10分押しで椅子席が埋まったホールの照明が落ちると、メンバーと一緒に二人の黒いドレスの女性がステージに現れる。灰野を真ん中にして一本のマイクを囲み、静かに歌い出す。歌と呼ぶには繊細過ぎ、囁きと呼ぶには意志が強過ぎる声/VOICE。高い天井の下で三つの声が重なり合う様は、グレゴリア聖歌を思わせる祈りの響きを醸し出す。お祓いのようにも聴こえた。7,8分のアカペラコーラスが消えると、ドラムとベースが緩やかな軌跡を描きながら空気を塗り替えていく。灰野のギターが加わると、不失者らしい儀式的空間が現出する。



その後は3人が創り出す音の流れに身を任せるだけ。早く激しい曲、重いベースラインの目眩のような曲、珍しい三拍子のナンバー、聴覚の軸がズレるようなアブストラクトな展開が突如馴染み深い「暗号」のコードラインに変幻する30分近いナンバーに狂喜。軽やかな変則リズムに灰野がハーモニカを吹く開放的な曲、不失者流ハードロック「なしくずし」、そしてシューゲイザーを感涙させるドリーミーポップ。最後は<死んでしまった>者に捧げる「お前」で本編終わり。アンコールは2分足らずの不失者流ハードコアで終了。ちょうど3時間の演奏時間は、心の蕩け方次第で45分とも6時間とも思える眩惑タイムゾーンであった。

ハイな夜
スローモーションピクチャーの
サウンドトラック

アメリカツアー、特に「サイレント」と「ヘヴィ」と題されたニューヨークの2デイズをアメリカ人がどう感じるのか、興味は尽きない。

不失者 Fushitsusha - Live In Shenzhen, China @明天音樂節 Tomorrow Festival 2017 HD
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【告知】7月21日開催決定『盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.3』〜異端DJたちの聴かせどころ公開!

2017年06月20日 02時04分14秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.3 

2017.7.21 Fri  
19:15 open / 19:30 start
Charge ¥1,000 incl. 1 drink
Shibuya DJ BAR EdgeEnd
tel.03-5458-6385

踊れないDJに特化したDJイベント
異端DJたちの紡ぎ出す異端音楽や異端映像に塗れる秘教的儀式
Avantgarde, Noise, Industrial, Dark Ambient, Neofolk, Punk, Hardcore, Black Metal, Middle-east, Ethnic, Ritual, Medieval, UnderGround,… Everything Weiredness About Music!

映像 Earth Inferno / A Film by Mor Navon and Julian Moguillansky
Austin Osman SpareとPeter Christpherson John Balance に捧げた映画

【異端DJたちの聴かせどころ】
●DJ Qliphoth クリフォト (aka Takeo Udagawa)
盤魔殿 Vol.3 DJ Qliphoth will play these record.
1 La Strustura del Universo / Via Lactea
2 Keraka / Handgjolt
3 El Topo / El Topo soundtrack
4 Aimantation /Doctor Faust ( Igor Wakhevitch)
5 Manvantara / Altai
6 Sai Rama / God is Truth (Sai Sound Samitee)
7 Indonesia Maharaddika / Guruh Gypsy
8 奇跡 / 光束夜 (光束夜)
9 立体ランプ 明日のゴダール / LSD March
10 Shemesh / L’heure des prophetes (Magdalith)
11 The Plain Truth / The Plain Truth (M.B.)
12 Canto Per I Morte / Oriente E Occidente (Thulesehnsucht in der Maschinenzeit e Gregorio Bardini)
13 ENA / Music of the Fire Walkers (Anastenaria)
14 Approaching Abandonment / Occult Maschine (In Death It Ends)

左上から曲順



●DJ Amon アモン (aka Zula al Zahar)
4AD, 3rd Wave Gothic, Industrial... それと意識することもなく、空間にとけ込むようにディープに没入していく。そういったことが自然に起こる場を、自由に展開していこうと思います。
Dead Can Dance- Echolalia/Mother Tongue



●DJ Paimon パイモン (aka Moppy) + Belly Dance
今回はベリーダンサーの方とご一緒することになったので、トルコのサイケデリックなレコードを中心に選曲予定です。
こちらはトルコロック界英雄Bariş Manço(バルシュマンチョ)のプロダクションからリリースされた女性二人組Sevil& Aylaの名曲。
Sevil ve Ayla - Bebek



●DJ Necronomicon ネクロノミコン (aka Takeshi Goda)
祝・シャッグス再結成!ピナコテカ三角ジャケの「コクシネル」、ロリヰタダンサー「マリ千鶴」、LLEのウィスパーボイス「QUASIMODE」、スケ番ハードコア「NURSE」から、四国の幻地下アイドル「でんき組.inc」まで、異能女子を中心に、エロカワ地下音楽で萌え死んでいただく予定です。



●DJ Bothis ボティス (aka MSS)
「地下から聞こえてくるロックをテーマに選曲。トルコ、シンガポール、ドイツ、そして日本。国境を越えるのではなく、地下深く掘り進む為の異端のメタファー。」


The Observatory - Headworm



●DJ Athmodeus アスモデウス (aka Tamotsu Mochida)
まあ次回は「夏」ってコトなので、そこらへんをテーマに回そうかなーと。
例えるなら・・・・・新作レコーディングのためにバリ島にやってきたTUBEのマエダ氏が路上で調達したアルミホイル梱包のオムレツを食し、しばらくして「僕はランチに出かける」と奇声をあげてスタジオを逃亡する感じ?その約3時間ほどのイマジナリー・ランドスケープ??
そんなセッティングでみなさんキていただいたならなーと願うしだいであります。

こんな感じで夏を抱きしめて!!!!

jim jones people's temple choir - he's able PARANOIA-CHRONIKEN



国を超え
聴こえてくるよ
盤魔殿

▼暗黒系アイドルユニット「NECRONOMIDOL(ネクロ魔)」瑳里ちゃんからご推薦いただきました!
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汝、我が民に非ズ(町田康 新プロジェクト) / マリア観音 / アープンクッカ@秋葉原 club Goodman 2017.6.11(sun)

2017年06月19日 08時33分50秒 | ロッケンロール万歳!


CLUB GOODMAN 21st Anniversary
<無機質な狂気 第4夜~NAOMI Presents Special~>

町田康・新プロジェクト”汝、我が民に非ズ”が、「無機質な狂気 第4夜」にいよいよ登場。 共演は、マリア観音とアープンクッカ。

80年代の日本のパンク最初期のバンドとして必ず名前の上がる”INU”。その”INU”のボーカリスト「町田町蔵」として、そして、芥川賞受賞も受賞した作家「町田康」として、その両輪で活動してきた氏の最新音楽プロジェクト” 汝、我が民に非ズ ” が活動を開始、初めてグッドマンに登場して頂きます!
共演は、こちらも長い活動暦を誇る”マリア観音”と現在の東京アンダーグラウンド・シーンで活躍する”アープンクッカ”

是非、この刺激的な夜をお見逃しなく。
(Club Goodman公式サイトより)

【出演】
汝、我が民に非ズ(町田康・新プロジェクト)
マリア観音
アープンクッカ

開場 18:30 / 開演 19:00
予約 ¥3500/当日¥4000(+1drink)

最近土日は殆ど女子関係の現場に入り浸っているので、今日こそはと決意して昼は江古田の地下現場、夜は秋葉のロック現場を訪れた。今回はその後半、秋葉現場のレポートをお送りする。
背徳トリゾイド/silentwave@江古田 Cafe FLYING TEAPOT 2017.6.11(sun) 

●マリア観音

(写真の撮影・掲載は出演者の許可を得ています。以下同)

1987年結成の長寿バンド。当時テレビのイカ天で観た通りの全身パフォーマンスを30年後も続けているのは驚異的。頭でっかちの知性派ぶった連中を蹴散らす肉体派ロックは、野蛮ギャルドを標榜する野性派ジャズのなか悟空と人間国宝に通じる。ダッシュしジャンプし銅鑼に蹴りを入れる木幡東介のアクションはアイドル現場の乱闘モッシュ擬(もど)きにも喝を入れる。

●アープンクッカ


全く予備知識無しに観たバンドだがかなりの衝撃。女子ヴォーカル&ギターの中村アリー率いる3人組。最初にギター無しで歌った姿に大森靖子を感じたが、ギターを持つとガレージロックもしくは歌謡サイケ風の王道ロックシンガーに変身。ジャニス・ジョプリンもしくはSuperflyの様なシャウトに高円寺風味を感じたが、後で聞いたら実際にUFO CLUBをベースに活動しているとのこと。

●汝、我が民に非ズ

町田町蔵・康の熱心なリスナー/読者ではないが、同年代の表現者としてヒロト&マーシーと共に共感を覚える。ライヴ・パフォーマンスをきちんと観るのは初めてに近い。サックス、ピアノを含む5人組バンドを率いて性急なパンクから甘いバラードまで歌いこなす姿はカッコいい。「恋愛当事者では無い年になって初めてラヴソングが書けるようになった」という言葉に、女性アイドルと疑似恋愛に耽る我が身を顧みた。オレはオレの民で在ろうと決意を新たにした。

我が心
戻る処は
ロックンロール

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灰野敬二+ジョヴァンニ・ディ・ドメニコ+石橋英子+ジョー・タリア@六本木SuperDeluxe 2017.6.12(mon)

2017年06月18日 01時07分46秒 | 灰野敬二さんのこと


Wait Until Dark

料金 予約3000円 / 当日3500円 (ドリンク別)
出演:
■ 灰野敬二
■ Giovanni Di Domenico
■ 石橋英子
■ Joe Talia

坂田明(sax)ジム・オルーク(b) 、山本達久(ds)とのカルテット梵人譚として2週間に亘る日本ツアーを行うイタリア・ローマ出身のジョバンニ・ディ・ドメニコ(pf)がツアー前にスーパーデラックスで千葉生まれの灰野、同じ千葉県の茂原生まれの石橋、オーストラリアのメルボルン在住のタリアとスペシャル・セッションを開催した。この四人の音楽家が一同に会しての演奏会が何故『暗くなるまで待って(Wait Until Dark)』と名付けられたのかは分からないが、祝日の無い不毛な6月半ばの月曜日の不条理な夜に刺激を求めて六本木の地下倶楽部に集う音楽愛好家たちには相応しいタイトルかもしれない。



灰野は珍しくアコースティック・ベースを演奏。当然コード進行をなぞるのではなく、叩き付けるスラップ奏法によりパーカッション的な打低音を形成するが、石橋とドメニコがキーボードなので、低音域が補強されてバランスのいい音響が産み出される。石橋はアコースティック・ピアノ、ドメニコはエレピにエフェクターをかけて、マイク・ラトリッジ/カンタベリー風のギミック感のあるサウンドを聴かせる。タリアのドラムは比較的正統派だが、ツボを心得たプレイで演奏の流れを促す。灰野がギターに移ると、石橋もフルートやシンセを操り、演奏の色を塗り替える。時々聴かせる灰野の歌は、哀秘謡ではなく時代の経過を無化するような慈しみの言葉の奔流だった。



休憩の後の第二部はベースではなくギターでスタート。より歌うことを目指したような印象を受けたが、それは意図ではなく結果だったのかもしれない。流れに身を任せるのではなく流れに棹刺す心意気は、西洋よりも東洋思想に近づこうとするドメニコの思想なのであろうか。解体することなく懐胎し、全出演者・運営・観客・冷やかしすべてを満たす準備をするからには失われざる者たちの方法論を応用することから始めるべきだろう。その気持ちが外国人勢に共有されているのがヤケに嬉しい月曜日の夜であった。

不失者の
ワンマンライヴ
6月20日(火)

コメント (1)
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背徳トリゾイド/silentwave@江古田 Cafe FLYING TEAPOT 2017.6.11(sun) 

2017年06月15日 00時27分33秒 | 素晴らしき変態音楽


昼下がりの即興

6月11日(日daytime)
open 14:30 start 15:00
1500+order

silentwave 
背徳トリゾイド



昨秋『地下音楽への招待』を出版した縁でより多くの地下音楽の担い手たちと知り合う機会が増えた。TwitterやFacebookといったSNSを通して広がるコミュニケーションの連鎖は留まることが無く、何処へ行き着くのか毎日わくわくして楽しんでいる。中でも雑誌『マーキームーン』の山崎尚洋氏のインタビューで語られたLLEとの繋がりは、予想だにしなかった方向に展開している。昨年末、LLEの中心人物高沢悟氏の紹介でLLEの忘年会に参加し、35年前に自主制作のレコードやソノシートで愛聴したバンドのメンバーたちとの交流が始まった。彼らの多くが現在も音楽活動を行っていることを知り感銘を受け、ライヴ現場に顔を出すようになった。35年前メインストリームとも、対抗文化のパンク/ニューウェイヴとも、はたまた第三勢力のマイナー系地下音楽とも異なるスタンスでオルタナティヴな音楽を多数産み出したLLEは、今も同じく他と迎合しない真のオルタナ街道を進んでいる。数年ぶりに訪れるフライング・ティーポッドでLLEメンバーの集まるイベントを観た。
【LLE Label Discography】ネガスフィア/ラクリモーザ/多加美/リビドー/パイディアetc.

●silentwave


Hiss Noise Records代表野口可典による「光と闇」「人間と自然」「意識と無意識」をテーマに活動するユニット。ハーフパンツの普段着姿は昼下がりに一杯やる風体だがラップトップ一台で鳴らす音世界は濃厚極まりない。動きの少ない電子音のドローンがひたすらゆっくり変貌するサウンドスケープは目を閉じて聴いているとあっちの世界に引き摺り込まれそうになる。70年代のクラウス・シュルツェに似た思想性を感じたが、終演後に話しかけたらシュルツェのことは知らないと言う。ドローン/アンビエント界には無意識の新たなシュルツェが産まれているのだろう。

●背徳トリゾイド


ZAZA Fujishiro(背徳者), 坂本里 (Soft Weed Factor)からなるユニット。30数年ぶりのライヴだと言う。L.L.E.のコンピレーションLP『A SLICE OF LIFE』(84)に収録されている二つのバンド、坂本理(key)率いるSoft Weed Factorは管楽器とチェロを含む8人組のレコメン系チェンバー・ロック・バンド、藤代泰之(vo,b)率いる背徳者はダークな歌と変則ビートのロック・トリオ。音楽性は異なるがどちらも当時の地下ロック・シーンのアナザー・サイドを歩んだ個性派である。その二人による背徳トリゾイドは、内省的な詩の世界を陰鬱なベースラインと奇怪な電子音で包み、異形の昼下がりをダークに彩った。

Set List
1.Introduction~未来の日々
2.うたかた(泡沫)
3.わらべうた
4.ぬばたまの
5.挽歌(including "for Demetrio Stratos")
6.不安の連鎖(朗読:腐りきったオルフェウス)



背徳者
背徳的な
背徳歌

地下音楽のその先の豊穣の海を航海する幽霊船の行く手にはどのようなパラノイア宇宙が待ち受けているのだろうか。L.L.Eの深みにどっぷり浸かりたい日曜日の昼下がりのひとときであった。

HAITOKUSHA [背徳者] - Sakashima no Kage [さかしまの影 ] (1985)


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灰野敬二 × SOON KIM@大岡山Goodstock Tokyo 2017.6.9(Fri)

2017年06月13日 01時08分17秒 | 灰野敬二さんのこと


灰野敬二 × SOON KIM

18:00開場 19:00開演 
前売4,000円/ 当日4,500円

灰野敬二(g, etc.)
SOON KIM(as)

東急目黒線/大井町線の大岡山駅に昨年オープンしたGoodstock Tokyoは「大人のためのミュージックスペース」としてフォークやジャズ系のベテラン・ミュージシャンが出演している。新宿コマ劇場の地下にあった劇場シアターアップルの払い下げの大きなスピーカーが設置され音の良さにこだわったライヴハウスである。今年3月18日下北沢Last Janeで初共演したアルトサックス奏者SOON KIMとの2度目の共演ライヴが開催された。
灰野敬二+SOON KIM@下北沢Lady Jane 2017.3.18 (sat)
Goodstock Tokyo Website



前回はギターとパーカッションだけのストイックな演奏だった灰野は、今回は発信器やフルートや歌も披露した。お客さんを楽しませる為にはまずは演奏者自身が楽しまなければ、という意図であろう。今回SOON KIMがサングラスをかけて演奏したのは、予想外の驚きや歓びを目の表情からオーディエンスに悟られることなく、あくまで純粋な音で感じてほしいという気持ちの表れだったのかもしれない。



その結果前回よりもある意味でユルい、つまり自由度が高い共演が展開された。発信器のドローンサウンドの重なり合いが微妙にズレていくことで聴き手の感受性がズレていく。サックスのフリーなフレーズに重ねて「Love Me Tender」が歌われるが、コーラス部分の歌詞が出るまで気がつかない。逆に考えれば「ラヴ・ミー・テンダー」という言葉(歌詞)を聴いて、突然炎のように知覚が啓かれ、曲名が脳裏に浮かびあがる思いがけない驚きが、電気ショック療法のように聴き手の常識中枢を無軌道修正するのである。KIMのサックスは破綻することなく無尽蔵に自由の水が流れだす川のせせらぎ。灰野のギターは変則チューニングで、指の形と奏でる音のギャップが、視覚と聴覚の関係性をリセットする。気がついたらフローに身を任せるうちに現実と夢想の狭間に揺れる思考の風船になって弄ばれていた。



この日2セット100分余りの聴取体験は、不失者やソロ活動とは一線を画す灰野流のセッションワークに於ける気概の在り方のひとつの例を提示していたように思える。筆者の言葉で言い表せば、感性や既成概念を異化するために用意された自由度の高さを「揺蕩(たゆた)う緩(ユル)さ」として提示する方法論。「ユルさ」を「揺るさ」と書き換えればわかり易い。聴き手の心や思考や五感を揺さぶる共振(vibrations)を生み出すことが一期一会のセッションの歓びだと言えよう。勿論それは「なれ合い」による外見上の相互作用の意味ではない。「親しき中にも礼儀有り」というと余りにお行儀がよすぎるかもしれないが、使い古された慣用句の意識/無意識の底から溢れ出す真実を、今一度見直す必要がある。SOON KIMの正統派のプレイが筆者に限りない驚きと閃きを与えてくれる理由は、Back To The Basicだけではないのである。



良き感性
良き慣性と
良き歓声

Solo in Seoul. Soon Kim
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