A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

イタリアの高円寺百景、アレア

2007年07月28日 22時05分05秒 | 素晴らしき変態音楽
70年代のイタリアンロックでも過激な演奏と強力なテクニック、フリージャズや現代音楽への傾倒で異彩を放つバンド、アレアのクランプスレーベル時代の全作品が紙ジャケCD発売された。ある程度の年代の方ならキングレコードのイタリアンロックシリーズでリリースされた「1978」というアルバムで初めてアレアの世界に接してぶっ飛んだに違いない。
ギリシャ人のヴォーカルのデメトリオストラトスの、ギリシャ民謡の歌唱法に影響を受けた”ホロホロホロ”という独特のビブラート(多少ホーミーにも似ている)ヴォイスが特徴的で、曲調も地中海音楽、アラブ音楽など様々な民俗音楽の要素を多分に含んでいて、同時代のヨーロピアンロックの中でもフランスのマグマと並んで最も前衛的で硬派なバンドである。
彼らは共産主義者であり、イタリア共産党主催のコンサートに出演する事が多かったらしい。明日は参議院選挙だが、日本の政党も五月蝿い街頭演説なんかより、コンサートのひとつでも企画した方が面白いと思う。
それはとにかく、今聴いても現代的な感性に満ち溢れるアレアの世界を体験してみてはいかが?吉田達也さんの世界が好きな人ならきっと気に入るはず。
どの作品も最高だが、個人的なお勧めは、74年のセカンドアルバムで前衛色の濃い「汚染地帯」(ジャケット参照)です。
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最凶の音楽

2007年07月24日 23時34分46秒 | 素晴らしき変態音楽
最凶の音楽会は今年の4月頃から始まった。灰野さんよりもゆら帝よりも非常階段よりもノイバウテンよりもWHITEHOUSEよりもGenocide Organよりもずっとラウドで破壊的で美しい音響。5階建て病院の建物の取り壊し。三台のパワーショベルが夫々個性的なアクションで壁を押し倒し柱を捻曲げ、天井を突き破る。その度に起こるズド~ンガシャ~ングオォ~ンという見事なアンサンブルに私は耳のイヤホンを外して,ドキドキしながら聴き入ってしまう。安全幕が覆っていて全体を観る事は難しいのだが、幕の向こうで繰り広げられる演奏活動(?)を想像するとワクワクする。こんな素晴らしいライヴ(そう、まさに「生の作業」だよな~しかも完全な「即興」)が毎日続くと思うと嬉しくてしょうがない。こうなると楽器(建築機械)にも興味が湧いてくる。今回活躍したのは油圧式ショベルだったが、黄色いボディの美しさといったら。

昔ハナタラシ(=ボアダムスのEYE)がユンボでライヴハウスを破壊するパフォーマンスをやった
が、その気持ちが少しわかる気がする。

3ヶ月たって、もう建物の形跡はなく、瓦礫の山になってしまった。
でもライヴは終わった訳ではない。これから建築という後半の楽章が始まるのだから。

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2007 LIVE FACTORY 721@Zepp Tokyo

2007年07月22日 17時45分03秒 | 素晴らしき変態音楽
フジテレビのロックライヴ番組FACTORY主催のイベントに行ってきました。出演はZAZEN BOYS、ザ・クロマニヨンズ、KEMURI、ギターウルフ、浅井健一、The Birthday(出演順)という濃いメンツで、7時間に及ぶロングライヴでした。
目的はもちろんザ・クロマニヨンズ。予想に反して変拍子を多用した少しアヴァンギャルドなバンドだったZAZEN BOYSに続いて、早くもザ・クロマニヨンズが2番手で登場。思わず前のブロックまで駆け出していました。モッシュピットが熱く盛り上がる中、拳を振り上げて一緒に歌い踊るのに無我夢中でした。バンドはもちろんパワー全開で駆け抜けます。やはりドラムが凄いパワーで、オーディエンスを暴徒化させます。40分のステージを全力で楽しんでもう暑いなんてもんじゃない。頭の中も真っ白で曲順は覚えていません。演奏した曲は「クロマニヨン・ストンプ」「キラービー」「エレキギター」「グレイト」「やわらかい」「紙飛行機」「ワハハ」「チンパンマン」「土星にやさしく」「あさくらさんしょ」「歩くチブ」「ギリギリガガンガン」(新曲)「タリホー」「弾丸ロック」の14曲だったと思います。メンバーは全員黒のT-シャツで、マーシーだけ物販のザ・クロマニヨンズT-シャツを着ていました。
ザ・クロマニヨンズで全力を使い果たした私は、残りのバンドを冷静に観る事が出来ました。
KEMURIはいつもながらの楽しいスカパンクで懐かしかった。
ギターウルフもいつもの「ロッケンロー」のシャウトでノリ一発のR&R。新加入のベースも頑張っていました。
浅井健一はDsと女性Bとのトリオで、Blanky Jet City以来の味のあるヴォーカルを聴かせてくれました。
The Birthdayは観るのも聴くのも初めてでしたが、チバユウスケ以下実力派揃いのバンドはタテノリだけじゃなくヴァラエティに富んだビートを聴かせてくれて貫禄を感じました。
楽しかったけど疲れた7時間でした。和み系のアーティストが一人でも入っていたらちょっとは気が抜けたかもしれません。

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灰野敬二マンスリーライヴVol.4@渋谷Mixrooffice

2007年07月15日 22時52分23秒 | 灰野敬二さんのこと
宇川直弘さんが企画している灰野さんのマンスリーライヴが昨夜ありました。毎月違った趣向で行なわれるユニークなライヴ、今回はソロでは久々の哀秘謡でした。このブログを読んでくれている人ならば説明の必要もないでしょうが、哀秘謡とは90年代半ば頃始めた、歌謡曲、GS、フォーク、童謡等、日本の伝統的な歌を歌詞はそのままに、灰野さんがメロディやアレンジを新しく施し、その歌の本来の姿を明らかにしようというスタイル。時にはローリングストーンズやアニマルズなどのオールディーズを歌詞を日本語にして歌う事もあります。
あいにくの雨のため動員は関係者を含めて10数名でしたが、それゆえ灰野さんの演奏を間近で感じる事が出来、素晴らしい時間を過ごしました。演奏曲は
1.テンプタ-ズ「忘れ得ぬ君」
2.スパイダース「風が泣いている」
3.マイク真木「バラが咲いた」
4.小林旭「ダイナマイトが百五十屯」
5.水原弘「黒い花びら」
6.八洲秀章「桜貝の歌」
7.ブロードサイドフォー「若者たち」
8.不明
9.ピーター「夜と朝のあいだに」
10.童謡「赤い靴」
ギターはテレキャスター。ギターとヴォーカルにループをかけていました。
3時間にわたって灰野ワールドにどっぷりと浸かりました。
このマンスリーライヴ、毎回違う事をやるそうなので灰野敬二を知るためには
いいイベントですよ。お勧めです。
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ゆらゆら帝国「美しい」

2007年07月04日 23時15分03秒 | 素晴らしき変態音楽
ゆらゆら帝国の久々のニューシングル「美しい」がリリースされました。蛍光ピンクがまぶしいジャケット。4曲入りで22分だからシングルというよりはミニアルバム。
音の方は音響系寄りだった『Sweet Spot』を通過して『しびれ』と『めまい』に戻った感じ。4曲とも派手ではないけどタイトル通り「美しい」メロディを持った曲ばかりです。注目したいのはコーラスで朝生愛さんが参加していること。愛さんはThe Starsのメンバーがバックを努める儚く美しいフィメールアシッドフォークシンガーです。
『美しい』にはThe Starsの石原洋さんももちろんキーボードで参加しているし、エンジニアは中村宗一郎氏。スタジオは調布のPeace Music。かなり身内で固めてきましたね。
10月にはニューアルバムを出してツアーもするとの事でゆら帝ファンには充実した年になりそうです。
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