A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

NOTヒップホップ~菊地成孔DCPRG「SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA」

2012年03月30日 00時50分59秒 | 素晴らしき変態音楽


以前インパルス・レコードからのデビューにあたるライヴ盤を紹介した菊地成孔氏率いるDATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDEN改めDCPRGの5年ぶりのスタジオ・アルバムがリリースされた。まずは何よりジャケットが優れものだ。気鋭のイラストレイターDragon76のライヴペイティング(動画参照)による90年代SF漫画風のイラスト、カヴァーカードの裏はジャズの名門インパルスの昔のアナログ盤の裏面のデザインそのままに"THE NEW WAVE OF JAZZ IS ON IMPILSE!"というキャッチフレーズ。「アメリカの鉄の山からの第2の報告書」という意味のタイトルにスロッビング・グリッスルのデビュー・アルバム「The Second Annual Report Of Throbbing Gristle」を思い出すのは私だけだろうが、菊地氏らしい深読みしたくなる晦渋なネーミングである。
[4/1追記:読者の方からの指摘でこのタイトルがレナード・C・リュインの著作「アイアンマウンテン報告書」に由来することを知った。不勉強を反省したい。]

音を聴く前にいくつかの雑誌やサイトのレビューを読んだら殆どが「DCPRGがヒップホップ・アルバムを作った」という紹介になっていて大変身したような印象を持ってしまったが、実際に聴いてみるとヒップホップに聴こえるのはラッパーが参加した部分だけで演奏自体は今までの近未来ジャズを進化させたサウンドなので安心した。ヒップホップといってもこのポリリズムとも違ったアブストラクトな変則ビートじゃ踊れないじゃん。いやもしかしたら最近のヒップホップは高度にリズムが複雑化してこんなサウンドなのかもしれないぞ。個人的に殆ど無知のジャンルだからヘタなことは書けない(w

DCPRGのメンバーは菊地成孔 (cond, CDJ, key)、坪口昌恭、丈青 (key)、大村孝佳 (g)、アリガス (b)、千住宗臣、田中教順 (ds)、大儀見元 (per)、津上研太、高井汐人 (sax)、類家心平 (tp)の11人。ツイン・ドラム+パーカッションというリズムに重点を置いた編成である。前述したようにアルバムにはゲスト・ラッパーとしてSIMI LAB (シミラボ)、JAZZ DOMMUNISTERS(MC YOSIO*O & MC菊地)& 兎眠りおん(ボーカロイド)が参加。MC菊地とは他ならぬ菊地成孔氏本人で、アルバム1曲目で作品の前口上をラップしている。たぶん多くのレビューアーはこの1曲目だけ聴いてこのアルバムがヒップホップ作品だと思い込んでしまったのだろう。この曲もそうだがラップの裏に流れるサウンドはヒップホップとはとても呼べない複雑怪奇なものである。クラブ・ミュージックでもなくフリージャズでもない彼らのサウンドは、やはり良く言われるようにエレクトリック・マイルスの進化形なのであろう。マイルスを聴いたことがないので何とも言えないが(w。その変態的なリズムの上を駆け回るリード楽器の演奏が凄い。特に3曲目「殺陣 / TA-TE CONTACT & SOLO DANCERS」、ラスト・ナンバー「デュラン」(マイルスのカヴァー)で聴ける大村氏のギターの暴れっぷりはその辺のヘビメタ・ギタリストよりずっと刺激的である。

アルバム全体を聴くとラップの導入は単に楽器のひとつとしての要素であり、菊地氏が描きたかった風景は3/11以降のこんがらがった世界を音楽的に再構築することだったのではないかと思う。4月にレコ発ライヴがあるのでステージでこの音世界がどのように再現されるのか観てきたい。



デートコース
辿ってみたよ
近未来

菊地氏が自己のサイトで某音楽雑誌に対して絶縁状を叩きつけたのは興味深い。私も稀に辛辣な記事を書くことがあるが、氏の文章力・洞察力には全く持って脱帽(有料 笑:菊地氏のdiary参考のこと)である。
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灰野敬二+外山明@入谷なってるハウス 2012.3.27 (tue)

2012年03月29日 00時31分38秒 | 灰野敬二さんのこと


ヤンテラ企画。
なってるハウスへ行くのは2007年11月の灰野さんと藤掛正隆氏のデュオ以来だから4年半ぶりになる。小さいけれど下町情緒のある雰囲気のいいライヴハウスだった記憶がある。この日は坂田明さん、渡辺貞夫さん、山下洋輔さん、松岡直也氏さんなどのレコーディング、ツアーで活躍し、現在は石渡明廣氏率いる「MULL HOUSE」でも活動中のドラマー外山明氏との初顔合わせ。HPを見てもらえば分かるように月10本以上のライヴをこなす売れっ子ドラマーである。昨年末のShow Boatオールナイトの時に企画者のヤンテラ氏が楽屋を訪れ、灰野さんがその場で共演を決めたのを覚えている。

平日の入谷だからとタカをくくって開場10分前に行ったら既に10人ほど並んでいる。リハが押して遅れて開場する頃には長蛇の列。これは一体どうしたことかと思いつつ入場、何とか最前列の席を確保。20人も入れば満席のなってるハウスに40人くらい来ただろうか。先日のClub Goodmanに負けないほどの動員。外山さんがよほど人気があるのか、それとも初顔合わせが興味を引いたのか分からないがギュウギュウ詰めのなってるハウスというのも珍しいのでは。楽屋がないので物販コーナーに灰野さんが座っていて思わず笑ってしまった。灰野さんから直接CDを買うまたとないチャンス。

セッティングを見ると灰野さんの足元にはエフェクターが3つしかない。歪み系はなく、イコライザーとデジタル・リバーブと不明の何か(これは使ってなかった模様)。生音を活かしたアコースティック寄りの演奏になるかな、思ったらその通り。まず灰野さんがSGをギター・スタンドに立てたままで弦を叩いたりはじいたりしてスタート。外山氏もドラムを叩くというより擦るように音を重ねていく。そのままSGを抱えて椅子に座る。ピックなしでタッピングと指弾き中心に鳴らす。一聴して静かだがその音の強度は轟音と全く変わらず気合いの籠ったもの。緊張感の糸が張り詰めたまま爆発寸前の静謐な情念の応酬が展開される。灰野さんはノン・マイクで絞り出すようなヴォーカルを聴かせる。外山氏のドラムは自己主張しないがその場の空気を上手く捉えて拡張するもので、まるで職人芸を観ているようだ。40分のセッション。音数が少ない中に無数の感情が渦巻いた濃厚な演奏だった。

休憩中に会場を見渡すと毎度ライヴで合う知人は勿論、昔灰野さんのライヴで見た顔や最近見ない外国人客の姿もあり、下町らしい温かい雰囲気に満ちていた。灰野さんによると懐かしいお客さんがかなりいた、とのこと。

2nd Set冒頭では灰野さんが竹の笛を吹く。相変わらず緊張感のあるセッションが繰り広げられるが、歌が多くより情感の溢れるステージだった。一度歌って20分ほど演奏し再び同じ歌の続きを歌い始めた時には「灰野さんの中ではひとつの曲がずっと続いていたのだ」と驚くとともに感動。45分の演奏が終わると二人は握手して外へ出てしまったが、鳴りやまぬ拍手に応えアンコール。2分間の凝縮された演奏で締め。



外山氏とのセッションは灰野さんのパブリック・イメージとは違った側面を露わにした。久々に観たサイレント演奏は驚くほど多様な色に彩られていて、もはやジャンル分けなど無縁の境地に達していた。ぜひ再度の共演を望みたい。

なってるよ
遠くで歌が
風に舞い

4月は再び海外ツアーが控えており、次に灰野さんを観れるのは5月3日高円寺Show Boatでのバースデイ・ライヴ,になるとのこと。
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ロイ・ハーグローヴ・クインテット@ブルーノート東京 2012.3.26 (mon)

2012年03月28日 01時09分26秒 | こんな音楽も聴くんです


先週日曜日以来プログレ~フリージャズ~ノイズとハードコアなライヴが続きさすがに疲れてきたなぁと思っていたところにブルーノート東京からメルマガが届いた。現在アメリカのトランペッター、ロイ・ハーグローヴが自己のクインテットで公演中との由。ロイといえば1990年にウィントン・マルサリスに見いだされてモダン・ジャズの王道を歩んできた血統書付きのサラブレッド。2002年にはハービー・ハンコックとマイケル・ブレッカーという超大物と共にマイルス&コルトレーンのトリビュート・バンドで活動するほどの実力派ミュージシャンである。その後エリカ・バドゥやディアンジェロをフィーチャーしたクラブ・ジャズ・ユニット、RHファクターを結成し、貪欲にヒップホップ/R&Bサウンドを取り入れる柔軟性も見せた。

私はアルバート・アイラーと阿部薫からジャズの世界に入った邪道なジャズ・リスナーである。チャーリー・パーカーやビル・エヴァンスはおろかマイルス・デイヴィスやジョン・コルトレーン(後期は除く)もまともに聴いたことはない。学生時代ジャズ研に入部したが小難しい理論と体育会的体質に嫌気がさして早々に辞めた。以来オーソドックスなジャズを自ら望んで聴くことはなかった。しかし近年、それなりの年齢になったのに加え、YouTubeで古き良きジャズ・レジェンドの映像を気軽に楽しめる世の中になって、正統派ジャズも悪くはないな、と思うようになってきた。特にブルーノートのような雰囲気のあるクラブでちょっとお洒落をしてモダン・ジャズの演奏を聴くのは、汚いライヴハウスで過激なロックを聴くのとは違った次元で楽しめる体験として憧れるようになった。数年前ロンドンで入ったジャズ・クラブ。前衛派のミュージシャンの演奏ではあったが、着飾った観客とクラブの持つアダルトな雰囲気がとても居心地が良く日常を忘れさせる素晴らしい経験だった。以来時々正統派のジャズ・クラブにも足を運ぶようになった。

現在43歳のロイ・ハーグローヴはジャズ・ミュージシャンとして脂の乗った年代である。以前はドレッド・ヘアーだった髪の毛を端正になでつけスタイリッシュなスーツに身を包んだ彼はとてもカッコいい。クインテットのメンバーはロイ・ハーグローヴ(トランペット、フリューゲルホーン)、ジャスティン・ロビンソン(サックス、フルート)、サリヴァン・フォートナー(ピアノ)、アミーン・サリーム(ベース)、クインシー・フィリップス(ドラムス)。みんな30代後半~40代前半らしき風貌である。2ホーンでテーマを吹いてあとはソロ回しという古色蒼然としたジャズの様式美だが、各自の実力が圧倒的に素晴らしいので飽きることがない。特にサックスのジャスティンのプレイはとても味があって陶酔してしまった。ソロの度に起こるお約束の拍手も昔は嫌だったが今なら素直に参加できる。10曲ほど90分の演奏でメンバー紹介以外MCは一切なしのストイックなステージだった。最後の2曲ではヒップホップ風のビートを取り入れ伝統と革新を見事に融合させたサウンドを聴かせてくれた。彼らのジャズを古典的、懐古的と非難するのは容易いことだが、私はこのように夢の時間を産み出すことも音楽の魔術だと認めたい。久々に心地よい酔いに身を任せた夜だった。



伝統を
捨てては何も
成り立たぬ

来月はブルーノート東京に83歳のセシル・テイラーが出演する。この空間でフリージャズの闘士の演奏がどのように響くのか期待が高まる。
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芳垣安洋+広瀬淳二+井野信義+スガダイロー@新宿ピットイン 2012.3.25 (sun)

2012年03月27日 00時52分02秒 | 素晴らしき変態音楽


1980年代から藤川義明イースタシアオーケストラ、富樫雅彦グループ、大友良英のグラウンドゼロ、渋さ知らズ、P.O.N.、ステレオドローム、A Paragon Of Beautyと数々のユニットに参加してきたテナー・サックス奏者広瀬淳二さんとは1年前ライヴの時にお話しして知己の間柄になり、以来お会いする度に何故か恐縮して挨拶してくださる関係に。その割にはスケジュールが合わず演奏を観ることが出来ず、約10カ月ぶりの観戦となった。今回は井野信義さん(b/元ブルーベル・シンガーズ、1970年代から高柳昌行、日野元彦等と共演する日本ジャズ界の重鎮)と芳垣安洋氏(ds/山下洋輔、坂田明、板橋文夫、梅津和時、片山広明、巻上公一、ホッピー神山、菊地成孔等数多くのアーティストと共演、ROVO、大友良英ニュー・ジャズ・オーケストラ、アルタード・ステイツ等のメンバーとして活躍中)からなるレギュラー・トリオに新進気鋭の“フリージャズ”ピアニスト、スガダイロー氏を加えたカルテットでピットイン出演。トリオでは観たことがあるが、ライヴハウスの店長に“東洋一のフリージャズ・トリオ”と紹介され、「何故東洋なんだろう」とメンバーも苦笑した演奏は卓越したテクニックと自己統制に裏打ちされた素晴らしいものだった。スガ氏は「山下洋輔」という曲を作曲・演奏しており以前から興味があったがなかなか観れずにいたアーティスト。その両者が共演するのだから絶好の機会だ。

スガ氏の起用は「せっかくのピットインだから何か爆弾をと思って」(芳垣氏)決めたという。広瀬さんとの共演は2度目。ベテランの3人に比べ如何にも若くフレッシュな佇まいのスガ氏だが、その演奏は大先輩達に引けを取らない堂々としたものだった。このユニットの演奏は、例えば坂田明さんのパワーを一気に全開にするドラマティックな演奏とは一味違い、溢れ出るエネルギーを制御しピリピリした緊張感に満ちた掛け合いから徐々に盛り上がる極めてシリアスで抑揚の効いた即興である。方向性はデレク・ベイリー等が実践したヨーロピアン・フリー・インプロヴィゼーションに近い感触がある。広瀬さんは豪快なブロウよりも細かいフレーズを重ねて行く音響派的なプレイ。井野さんの的確なバッキングと芳垣氏のシンバル類を多用した扇情的なドラミング、そして洋輔さんの鍵盤駆け上りドシャメシャ奏法を増殖したようなスガ氏の激しい演奏がぶつかり合い異次元の音楽空間を産み出す。40分ノンストップの演奏が2セット。ベース・アンプが故障してしまったアンコールでは広瀬さんがサックスのベルを足で押さえミュートする独自の奏法に芳垣氏のゲリラ集中豪雨型ハードコア・ドラムが炸裂する怒涛のインプロヴィゼーション。



ピットインはそこそこの入りだったが、フリージャズの進化系を提示するこのトリオはもっと注目されていい。また、スガダイロー氏の自己のグループのライヴも観てみたいと思った。

フリージャズ
まだまだ死んでは
おりませぬ

ピーター・ハミルから始まった8日連続ライヴだったが翌日、翌々日もライヴに行くことになり10連荘に。「踊る大捜査線」の台詞じゃないが、”音楽はリスニング・ルームで起きてる んじゃない。現場で起きてるんだ!”
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灰野敬二+美川俊治+ドラびでお@秋葉原 Club Goodman 2012.3.24 (sat)

2012年03月26日 00時21分14秒 | 灰野敬二さんのこと


ドラびでお presents<COLLABORATION BREAKDOWN #19>
ドラびでおこと一楽儀光氏が様々なミュージシャンとコラボレーションする企画。昨年は灰野さんとクラムボンのミト氏とのコラボを観た。今回は非常階段、インキャパシタンツの美川俊治氏を迎えての三つ巴コラボ。

灰野さんは2月下旬からイギリス・ツアー、続けてフランス/イタリア・ツアーと海外公演が続き、日本では2月12日の太田惠資氏とのデュオ以来40日ぶりとなる。この日も3日前にツアーから戻ってきたばかりというハード・スケジュールだった。一楽氏が背中を痛めドクターストップでドラムが叩けなくなったということもあり、どのようなライヴになるのか興味深かった。美川氏と灰野さんが共演するのは私が知る限りでは初めてだと思う。

まずは各自20分のソロでスタート。ドラびでお氏は新開発の”ドラノーム”という電卓を大きくしたようなコントローラーでPCを操作してのパフォーマンス。以前と同じようにスクリーンに映像を投射する。サウンドはドラムンベース、テクノ、ヒップホップといったエレクトロ・ダンス・ミュージックだが、ドラノームでリピートさせたり停止させたり、音と映像がリンクするパフォーマンスは観ていて面白い。後半に行くに従ってアニメをデフォルメした映像や不祥事を起こした芸能人や政治家、天皇などの映像を使ったヤバい世界に突入する。よかったけどやはり生ドラムの方がエキサイティングだったな~。



次に美川氏の演奏。テーブルに並べたエフェクターによるハーシュ・ノイズ演奏で、ノッてくると痙攣するまさにひとりインキャパシタンツ状態。前日のヘアスタとは違った正統派ピュア・ノイズの嵐が爽快だった。



灰野さんのソロ。SGを手に轟音ギターが鳴り響く。美川氏のノイズ演奏よりもさらに強度の高い爆音が嬉しい。激しいアクションで繰り出されるヴォーカル無しのギター一本勝負。本当の情念の音楽とはまさに灰野さんの音のことだと実感する。足元を見るとまたエレクトロ・ハーモニクスのエフェクターが増えたような気がする。



休憩の後トリオでのセッション。スクリーンに再び映像が投射される。今度は灰野さんは3台のエアシンセを使う。全員電子楽器だから下手すればノイズ音量合戦になりそうだが、そこはベテランの3人。単なる轟音ノイズ対決にはならない流れを持った演奏。灰野さんは途中でフレットレス・ギターを演奏、後半にはヴォーカルをたっぷり聴かせた。耳をつんざく轟音の果てに辿り着いた光に溢れる桃源郷を垣間見せる卓越した化学反応。1時間に亘るセッションだったが全くダレるところのない濃厚な時間だった。アンコールでは灰野さんがハンド・マイクでヴォイス・パフォーマンス。その野獣を思わせる肉感性と美川氏とドラびでお氏の作り出す電子ノイズのエントロピーが更なる高みへ聴く者を誘う。



灰野さんの演奏には他の誰にも真似出来ない強い意志と深い観念が籠められている。その世界にはまだまだ終わりは来ない。

このトリオ
未知の領域
探索し

4月9日に非常階段が坂田明さん、豊住芳三郎さんをゲストに「ジャズ非常階段」として新宿ピットインに初登場。一体どんなことになるのか楽しみだ。
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Hair Care = Hair Stylistics a.k.a 中原昌也 + Carre@清澄白河 SPROUT Caution 2012.3.23 (fri)

2012年03月25日 01時12分18秒 | 素晴らしき変態音楽


清澄白河の倉庫ビルの6Fにあるギャラリー「SPROUT Caution」で「中原昌也個展」が開催中である。まもなく発表される著作「悲惨すぎる家なき子の死」のために書き下ろした新作や数限りなくリリースしてきたCD-R作品のオリジナル・アートワークを30点ほど展示したこじんまりとした展覧会である。その会場で3週間に亘ってウィークエンド・ライヴが開催される。中原氏は昨年末ライヴ引退宣言をし周囲を慌てさせた。本人に確認すると「採算の取れない(要は儲からない)無駄なライヴはやらない」という意図だった。以来ヘアスタのライヴ情報が入らなくなりどうしてるんだろう、と思っていたところへtwitter経由で個展の件を知った次第。

その第1回が「Hair Care」というユニット。30分前に行くと誰もいないガランとしたギャラリーでサウンドチェックの最中だった。中原氏は金がないと言っている割には前より少し太った印象。現在レコーディング中でそのために新しい機材を購入したとのこと。Carre(ケアル)は若手テクノイズ・デュオでヘアスタとは何度も対バンしており「Hair Care」名義で音源を配信リリースしている。

勝手知ったる間柄なので何の打ち合わせも無く準備完了。「お客さん来なるんですかね~」との中原氏の心配をよそに開演時間には30人ほどの若者が集まった。私自身ノイズのライヴは久々なので機材の溢れ返ったテーブルを観るだけでワクワクする。Hair CareはCarreの端正な音響サウンドに中原氏のスペーシーなノイズを重ねるという趣向で初期のクラスターを思わせるコッズミックなサウンド。中原氏は新規購入した定規みたいな形のリボン・シンセでシュールなメロディーを弾く。他にも見たことのない機材が色々ある。そういえば一時期ギターを多用してた時期もあったな。ケロミンは何処いっちゃったんだろう。ハーシュ・ノイズの垂れ流しでは無く、流れと表情のあるエレクトロ・ミュージックなのでノイズが苦手な人でも楽しめる。防音のない壁に電子音が反響して気持ちいい。久々のノイズのシャワーに酔った1時間だった。



終演後カウンターの上に人知れず中原昌也氏救済の募金箱が置いてあり笑っちゃった。


ヘアスタの
ライヴは命の
洗濯だ

ウィークエンド・ライヴの今後のスケジュールは以下の通り:
3/31(sat.)出演:Hair Stylistics x 伊藤篤宏(OPTRUM)
4/7(sat.)出演:Hair Stylistics x 東野祥子+カジワラトシオ

また4/10 (tue) 渋谷O-Nestで評論家の湯浅学氏のバンド湯浅湾と対バンが決定!レーベルメイトでもある湯浅湾のサイケ&ストレンジな世界もぜひ体験して欲しい。

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マニ・ノイマイヤー+後藤まりこ+亀川千代+勝井裕二etc.@東高円寺 UFO CLUB 2012.3.22 (thu)

2012年03月24日 00時34分10秒 | 素晴らしき変態音楽


【Shinsuke Michishita's curation Mani Neumeier JAPAN TOUR 2012~】
1940年生まれだから今年72歳になるジャーマン・サイケの名バンド、グルグルのドラマー、マニ・ノイマイヤーさんは近年毎年のように来日し様々な日本のミュージシャンと共演している。私が前回観たのは2010年2月同じUFO CLUBで対バンは柴田一郎+中原昌也、ZENI GEVAだった。基本的にソロ・パフォーマンスだったがZENI GEVAのドラマー吉田達也氏も参加しユニークなパーカッション・セッションを観せてくれた。

今回の来日では秋葉原グッドマンでのAcid Mothers Templeとの「グルグル祭り」に続きこの夜のUFO CLUBでのスペシャル・セッションが開催された。共演者が勝井祐二(ROVO)、亀川千代(ex.ゆらゆら帝国) 、後藤まりこ(ex.ミドリ)、中村圭作(kowloon.木村カエラ)、道下慎介(LSD MARCH.オシリペンペンズ)という日本のアングラ・ロック界オールスターなのでチケットは早々にソールド・アウト。仕事で開場時間には間に合わなかったが、上手く潜り込んでステージ上手PAスピーカー前のソファを確保。客層はステージ下手に集まる“ちよちよガールズ”に加え、ミドリ・ファンとおぼしき若い男性ファンの姿も目立つ。場所柄だろうか、往年のジャーマン・プログレ・ファンらしき年配者はほとんどいない。

まず最初にマニさんとギタリストのMANDOG氏との共演。トライバルなドラムに歪んだ音でミニマルなギター・フレーズを重ねる演奏はウォーミング・アップに最適。マニさんのドラミングは元々フリージャズ出身だけに表情豊かで聴き飽きない。MANDOG氏は若そうだが堂々としたプレイでマニさんに対峙する。



続いてマニさんのソロ。まずはドラム・ソロを10分。緩急織り交ぜたドラミングの深みは若手アーティストには真似できない含蓄に満ちている。「モウイッカイ?」と日本語でひとこと言うと、袋からたくさんの金物を床にぶちまけて、それを叩きまくる得意のプレイ。床にしゃがんでの演奏だから前列の観客にしか観えなかっただろうが、音が途切れずエスニックなサウンドを生み出すところはさすが。



ここで休憩。次の一大セッションへの期待が高まる。DJは漫画家の大橋裕之氏。歌謡ポップスを中心にレトロな選曲。

幕が閉まったままで突然ギャーっという叫び声が上がる。幕が開くと6人勢揃いで轟音セッションがスタートしていた。後藤まりこ嬢は真ん中でサンプラー片手にピョンピョン跳ねながら奇声を発する。とにかく一瞬としてじっとしていることのないやんちゃなシンガーだ。バックのミュージシャンもそれぞれ全力で豪快なインプロヴィゼーションを繰り広げ凄まじいパワーを発散する。セッションというより長年共演してきたユニットのようだ。マニさんもここぞとばかりパワー・ドラミングを披露する。混沌とした集団即興から静的なサイレント演奏へ、そしてまりこ嬢のシャウトと共に再び爆音へ。その流れが素晴らしい。演奏も後半に入ったところでまりこ嬢が思わぬ奇行に出る。マニさんのドラムをシンバルから順番に客席へ運び込み始めたのだ。しまいにはドラムセットが丸ごと客席中央に移動され、マニさんは観客に囲まれて演奏する羽目に。観客は最高潮に盛り上がる。「3000回以上ライヴをやってきたが演奏中にドラムを持って行かれたのはまりこが初めて」とマニさん。



鳴りやまぬ拍手に応えてマニさんが再登場。客席のドラムセットがステージに組み直される。「外人なのに律儀な人やろ~」とまりこ嬢。客席をバックにマニさんの奥さんがカメラでメンバー全員の記念撮影。「UFO CLUBはサイコー!」とマニさんが叫びアンコールのスタート。ファンキーなノリのサイケ・ロックに客席もダンス大会。とにかく素晴らしい演奏と終始笑顔で楽しそうなマニさんの姿がサイコー!な一夜だった。前日に呆け老人同様のアーティストによる弛緩し切った演奏を目の当たりにしただけに、マニさんと仲間たちの気迫の籠ったプレイに心から称賛の拍手を送りたい。音楽の本当の素晴らしさは会場の大小、知名度のあるなしなどとは全く違った次元にあるということを再確認したイベントだった。

マニさんに
パワーを貰った
高円寺

帰りの電車ではiPodでスターリンを大音量で。それだけ強度のある音楽じゃないと収まりがつかないほど気分が高揚していた。
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坂本龍一vs大友良英etc.@後楽園ホール 2012.3.21 (wed)

2012年03月23日 00時27分47秒 | 素晴らしき変態音楽


『BOYCOTT RHYTHM MACHINE VERSUS LIVE 2012』というイベント。
昨年末から「坂本龍一vs大友良英」というフライヤーが配布されtwitterなどで話題になっていた。これは「音楽による異種格闘技戦」というコンセプトのCD+DVD作品「BOYCOTT RHYTHM MACHINE II VERSUS」が2006年に発表されたのをきっかけに、そのライヴ・バージョンとしてこれまで2009年と2010年に行われたイベントである。ダイジェスト・ビデオと今回のイベントのCMビデオをご覧いただきたい。





今回は「格闘技のメッカ」とも呼ばれ、ライヴ・イベントの開催は20数年ぶりとなる後楽園ホールのセンターステージにて実施された。坂本龍一vs大友良英、いとうせいこうvs Shing02、DJ KENTARO vs Open Reel Ensembleの3組の対決にゲストとして相対性理論のやくしまるえつこが出演。後楽園ホールは初めてだが、格闘技のポスターや歴代ボクサーの写真が飾ってあり、とてもライヴ会場とは思えない雰囲気。場内は真ん中にリングが設置してあり四方に客席がある。20年前両国国技館でスタイル・カウンシルのライヴを観たことがあるが、国技館の伝統的で落ち着いた雰囲気に比べ、より戦闘的で殺伐としたムードに満ちている。夜な夜な激しい格闘技戦が開催され熱狂した観客の怒号が飛び交うのだろう。


客層は老若男女様々でやはり坂本教授のファンが多いようだが、若いロック/ヒップホップ・ファンの姿も目立つ。私の席は南側の最前列だったが、ステージは北側向きにセッティングされているので、ステージ裏から観る形になった。

開演時間前にオープニング・アクトの千住宗臣氏vs服部正嗣氏のドラム対決が始まっていた。天井の高いホールに響くドラムの連打がこれから始まる対決の気分を盛り上げる。

最初にやくしまるえつこ嬢が登場、詩の朗読に続き対戦の開始を宣言する。まずは世界最大のDJ バトル「DMC 2002」をギネス記録で制したターンテーブルニスト、DJ KENTARO氏とオープンリール式電気録音機を使用したエレクトロ・ユニット、Open Reel Ensembleの対決。ステージ後ろにオープンリール・デッキが乱立していてDJ KENTARO氏の姿は見えなかったが、オープンリールの多重的な変調ノイズにターンテーブルでダンサブルなビートを加え、なかなか刺激的なテクノイズを聴かせた。

セット・チェンジでステージ上の機材が全て撤収され、四角いマットのジャングルが露わになる。80年代に作家/クリエイターとして活躍したいとうせいこう氏と現代のラップ/ヒップホップのトレンドセッター、Shing02との対決。いとう氏が政治的メッセージを持った詩を朗読し、そこにDJがヒップホップ・ビートを重ねる。次にプロレスのマスクをかぶって登場したShing02が即興のラップを披露。交互にラップすることで「言葉」によるバトルを展開。個人的には興味の範囲外のラップ/ヒップホップだが、この二人の対決はスリリングでとても面白かった。ずっと椅子に座ってパフォーマンスしていたいとう氏に対して「せいこう立てよ!」と野次が飛び正に格闘技そのものの雰囲気に。最後に握手して終了。矢吹丈と力石徹が死闘を繰り広げた後楽園ホールに相応しいパフォーマンスだった。



やくしまる嬢のメインエベント紹介に続き、待望の坂本教授と大友さんの対決が始まる。このふたりは昨年フェスティバルFUKUSHIMAで詩人の和合亮一氏を交えたトリオの演奏を観た。和合氏の直截的な詩の朗読を前衛的な演奏で引き立てるふたりの演奏は素晴らしいものだった。今回は初のガチンコ対決ということで丁々発止の即興が繰り広げられることを期待したが、結果的には肩透かしに終わった。教授がピアノ、大友氏がパーカッションとギター2台(1台はテーブル・ギター)を演奏。教授の静かなピアノに合わせて大友氏がヴァイオリンの弓でシンバルや金物を擦り音を重ね静謐でアンビエントな演奏が続く。大友氏がフィードバック・ノイズを鳴らしたり、ギターをシンバルに擦りつけたりして挑発するのだが、教授はそれに対峙しようとはせず、せいぜい50年前から使い古されたピアノの内部の弦を弾く奏法を繰り返すばかり。しまいにはお得意の安っぽいメロドラマ風ピアノ演奏でお茶を濁す有様。まるで敵前逃亡、全てが予定調和のまま演奏終了。これじゃとても「対決」と呼べるものじゃない。自分目当てに観に来たお客へのサービスのつもりだったのかもしれないが、教授のジョン・ケージで停止したままの古臭い感性はこの「音楽の異種格闘技戦」には全く相応しくないものだった。はっきり言わせてもらえば、坂本龍一(敢えて呼び捨て)はもう実験的・前衛的な音楽からきっぱり足を洗い、軟弱な”癒し系売音家”としての活動に専念してもらいたい。こちらの世界には不要な人物である。



終演後、妙な流れでDJ KENTARO氏を含め関係スタッフの人たちと飲みに行くことに。話はDJ界の裏話から男女関係の与太話まで広がる。教授の演奏なんかより飲み会の方がよっぽど楽しかった。

格闘技
勘違い野郎
どっか行け

たぶんあの演奏で満足した人の方が圧倒的に多いのだろうけどネ。


<告知>
飲み会でご一緒したToastie(熱海宝子)嬢が参加するフリージャズ・ユニット「秘宝感」がツアーを行う。
3/24(sat) 新宿ピットイン 昼の部「昼ピで昼ビ」
3/30(fri) 大阪ROYAL HORSE
3/31(sat) 名古屋jazz inn Lovery
まだライヴを観たことはないが動画を観る限りは刺激的な若手バンドである。坂本某の弛緩した演奏を聴くよりも”現在進行形”の音楽を体験したいならぜひ行ってみて欲しい。


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アーバンギャルドのSHIBUYA-AXは、病気。2012.3.20 (tue)

2012年03月22日 01時35分11秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


当日までアーバンギャルドのHPを開くといきなり「3月20日バンドやめる」という大文字がでた。一体なんだろう?と思いつつも「アーバンギャルドの日本は、病気。ツアー」初日の渋谷AX公演に参戦。チケットはソールドアウト。水玉病は密かに感染者を増やしている。いつものように観客の80%は10~20代の少女たち。みんな背が低いので後ろの方からも悠々ステージが見渡せる。開演前のSEはP-Model、プラスチックス、戸川純、空手バカボンといった80'sテクノ/インディーズの曲ばかりでワクワクしてくる。

よこたん自身によるウィットに富んだ前説に続きメンバーが登場すると大歓声と共に水玉の旗が一斉に振られる。私も参加したくなり物販へ走り一本購入。この旗ひとつだけでバンドと一体化出来る気になるから不思議だ。1曲目はメジャー・デビュー・アルバム『メンタルヘルズ』の1曲目「堕天使ポップ」。激しいビートに旗の振り甲斐もあるってもの。2曲目「スカート革命」とノリのいいナンバーが続く。よこたんが「芦田愛菜ちゃんに捧げます。大橋のぞみちゃん、さようなら」とMCして「子どもの恋愛」。そして恒例”セックスは好きですか?/大好きでーす”のコール&レスポンス。といった具合にいつもと変わらぬステージ進行だが会場が広いので迫力が違う。

P-Modelの「美術館であった人だろ」をもじった「保健室で会った人なの」、よこたんと天馬氏のコミカルな振付が楽しい「プラモデル」、代表曲の「傷だらけのマリア」。朗読コーナーで変な人が乱入して掻き乱すハプニングが。天馬氏がそれを見事に諭したのはさすが。よこたんが水玉のワンピースに着替えての「水玉病」。「その少女、人形につき」では大きな風船が客席に投げ込まれる。曲間のMCで何でも下ネタに持って行こうとする天馬氏とそれを軽くあしらうよこたんのやり取りが面白い。この日のライヴがDVDとしてリリースされるという告知に観客は大喜び。ラスト3曲は「修正主義者」「ときめきに死す」「ももいろクロニクル」と畳み掛けて本編終了。

アーバンギャルド・ファンは旗を振るので人数の割に拍手が少ない。それでも鳴り止まぬアンコールの声に応えて再登場。よこたんは純白のドレス姿。新曲の「生まれてみたい」はやはり名曲だ。捻くれた彼らの曲の中では異質なとても素直な歌詞とシンプルでストレートなメロディが心に刺さる。続く「四月戦争」の後半ではバンド名通りの前衛的な暴力演奏を披露、サポート・キーボードの大久保氏がエレピを放り投げる。混沌とした中再びのアンコールに再々登場。メンバー紹介に続き”(生まれてきて)ごめんなさい”のコール&レスポンス。ラストは「セーラー服を脱がないで」。よこたんはセーラー服、バンド・メンバーは学生服姿の演奏。マスコットの巨大キューピーも登場して楽しいエンディング。終了後バック・スクリーンに「バンド病める」の文字が出てワーッと納得の歓声。続いて「6/20緊急ニュース」「本日24時HPで発表」の文字に「今言えよー」と野次が飛び大ウケ。

会場を後にする少女たちの衣装はやはり赤地に白の水玉模様やセーラー服が多い。場内の印象より遥かに多くのお客さんが入っていたことがわかり感動する。”ビョーキ”は戸川純ちゃんやナゴム系が活躍した1980年代前半のポップ・シーンを象徴するキーワードだが、ビョーキな人は現代の方が数多い。ここに集まった少女たちも皆心のどこかにビョーキを抱えているのだろう。それを思い切り発散出来る場がアーバンギャルドのライヴなのである。

アーバンギャルドはこのまま全国ツアーに出て、4月には湾岸ロックフェスvol.1に参加、5月にはヒカシューとの対バン(楽しみ!)、6月には「病めるアイドルを捜せ!」ツアーとライヴが続く。6/20にはニュー・シングル「病めるアイドル」をリリース予定。近いうちに必ずブレイク間違いないバンドだと思う。



<Set List>
- Opening SE -
01.堕天使ポップ (Album「メンタルヘルズ」収録)
02.スカート革命 (Single CD/Album「メンタルヘルズ」収録)
03.子どもの恋愛 (Album「メンタルヘルズ」収録)
- Call & Response -
04.ベビーブーム (未CD音源曲)
05.保健室で会った人なの (Album「少女の証明」収録)
- MC -
06.プラモデル (Single「スカート革命」C/W曲)

07.あした地震がおこったら (Single「傷だらけのマリア」C/W曲)

08.都市夫は死ぬことにした (Album「少女都市計画」収録)

09.傷だらけのマリア (Single CD/Album「少女の証明」収録)
10.前髪ぱっつんオペラ (Album「少女の証明」収録)
- 朗読 -
11.水玉病 (Album「少女は二度死ぬ」収録)

12.その少女、人形につき (Single「ときめきに死す」C/W曲)

13.粉の女 (Album「メンタルヘルズ」収録)
- MC -
14.修正主義者 (Album「少女都市計画」収録)

15.ときめきに死す (Single CD/Album「メンタルヘルズ」収録)

16.ももいろクロニクル (Album「メンタルヘルズ」収録)


Encore

17.生まれてみたい (3/7 Release New Single)

18.四月戦争 (Album「少女は二度死ぬ」収録)


Encore 2
- Call & Response -
19.セーラー服を脱がないで (Album「少女は二度死ぬ」収録)

アーバンの
魅力はライヴに
ありまする

告知されたライヴDVDも楽しみだ。

▼最新シングル「生まれてみたい」絶賛発売中!

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坂田親子とジム・オルーク@下北沢440 2012.3.19 (mon)

2012年03月21日 00時34分51秒 | 素晴らしき変態音楽


先日渋谷Bar Issheeで共演を観たばかりの坂田明・学親子にジム・オルークが参加した坂田学企画「坂田親子とジムオルーク」。会場はガラス張りになっていてちょっとオシャレなカフェ440(フォーティーフォー)。地下のライヴハウスCLUB251には何回か行ったことはあるが、440は初めて。会場ヘ着くと何と女性客がいっぱい並んでいる。学君はポップ・バンドPolarisのドラマーとして活躍、解散後は森山直太朗、ハナレグミ、原田郁子、畠山美由紀、安藤裕子などのサポートで活動しているので想像以上に女性人気が高いことを初めて知った。

440は結構中が広くて普段坂田さんが出演するジャズのライヴハウスとは違った華やかな雰囲気。前から3列目に席を取ったのだが周りは30代前後の女性客ばかり。知り合い同士で来ているようでライヴが始まるまでペチャクチャおしゃべりに花が咲く。これもジャズのライヴとしては異例なこと。


2部構成で最初は学君のドラム・ソロ。サンプラーで音をループさせつつ多彩なプレイを観せるが、さすがに30分のドラム・ソロはキツかった。かなり眠らせていただきました。そしてジム・オルークが参加してのデュオ。ジムはかなり過激なギター・プレイを披露、学君もドラムも叩きまくりの大迫力。眠気が一気に醒めた。ハードコアな演奏に圧倒される。

ここで休憩。隣の女性に話を聞くと、やはり学君のファンでお父さんを観るのは初めてとのこと。ジャズには興味があるが、ライヴハウスの敷居が高くて入りにくいと言う。今回は場所が下北沢で入りやすい会場だったから観に来たけど、こういうジャズもいいですね、と言っていた。フリージャズも垣根を低くすれば興味を持つ人が多いはずだ。

第2部は坂田親子デュオからスタート。「いつも呼ばれてばかりなので、今回は自分が招待しました」と学君が明さんを紹介。お父さんはちょっとはにかんでいる感じ。しかし演奏が始まると一切手抜き無しの本気勝負。激しいサックスのブローとそれを掻き消すようなドラムの乱打が素晴らしい。サックスで1曲やったあと、今度はクラリネットで比較的静かな演奏。情感豊かな世界が会場を包み込む。親子セットが終わった後坂田さんがMC。「どうも良くいらっしゃいました」とひと言しゃべっただけで会場は爆笑の嵐。どこでも炸裂する坂田さんのとぼけたトークが女性客にウケまくり。最後はジムを加えたトリオでの演奏。まずジム+学君で静かに始まり、坂田さんはベル類を鳴らす。サックスを吹き始めると次第に演奏がヒートアップ。三つ巴の轟音フリージャズ・セッションに突入。静かな時には地下のライヴハウスからのズンズンという振動が気になったが、今度はこちらが大音量で反撃。何処まで飛んで行ってしまうのか先の見えないインプロヴィゼーションの爆発だった。お客さんも大喜び。アンコールに応えて再登場し柔軟性に満ちた演奏を繰り広げた。終演後学君ファンの女性は「とても良かったですね」と満足そうに帰って行った。

▼会場が撮影に厳しくて動画が撮れなかったのでオーディオのみ



それにしても坂田明さんのライヴは動員の差が大きい。5~10人のことが多いが、昨年の渋谷WWWの「ちかもらち空を飛ぶ」や今年の秋葉原グッドマンでの「平家物語」、そしてこの日は超満員。ホントに観せ方によっては坂田明人気が再沸騰することも充分あり得る。特にこの日のようにジャズ・ファンではない普通の音楽ファンに聴かせることが出来ればいいなぁと思う。

女性ファン
圧倒された
コンサート

渋谷Bar Issheeで4/16,17坂田学企画2 Daysがある。クラムボンのミト君、ROVOの勝井裕二氏とデュオを行う。要予約。決して敷居は高くないから行ってみては?

先日お伝えした坂田明&ちかもらちニューCD「ちかもらち空を飛ぶ!」が好評発売中。

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