A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

東京JAZZ "Dramatic Night"@国際フォーラムA 2008.8.30 (sat)

2008年08月31日 02時00分55秒 | こんな音楽も聴くんです
東京JAZZが始まったのが2002年だからもう6年目になる。最初は真夏の味の素スタジアムで開催され、直射日光の余りの暑さに演奏どころではなかった気がする。ハービー・ハンコックが総合プロデューサーだったのも今となっては懐かしい。
2006年から国際フォーラムで開催され、夏の終わりの風物詩となっている。
今年は2年ぶりに上原ひろみちゃんが出演するので、久々に行ってみた。テーマ別に5公演に分かれており、この日の昼の部でひろみちゃんはタップダンスの熊谷和徳氏と共演した。それも観てみたかったがチケット代が高いので諦めて、彼女のバンド、Hiromi's Sonicbloomが出演する夜の部にした。あいにくの大雨の中、満員の会場に入るとひろみちゃんのファンなのか20代の若者の姿が目立つ。
トップバッターでひろみちゃんが登場。最新にして初のスタンダード・アルバム「ビヨンド・スタンダード」の曲を演奏。相変わらずテクニシャン揃いならではの素晴らしい演奏。ギターのデヴィッド・フュージンスキーの12弦フレットレス・ギターの変態フレーズが光る。「今この瞬間にしか出来ない音楽をこの4人と観客の皆さんで作りましょう」とひろみちゃんがMCで言ったが、正にそれこそジャズの神髄。「上を向いて歩こう」「キャラヴァン」など聴き覚えのある曲が意外なアレンジでプレイされ楽しい1時間だった。
続いてフランス出身のアコーディオン奏者リシャール・ガリアーノ&ザ・タンガリア・カルテットfeat.寺井尚子(vln)。流暢なタンゴ・ジャズを聴かせ上手だったが全曲似たような展開で眠くなってしまった。
最後はドミニカ出身のピアニスト、ミシェル・カミロ・トリオ。キューバ出身のベース&ドラムスとともにバカテクの演奏を聴かせる。カミロの輪郭のはっきりしたパワフルなプレイが好きで今まで何度か観たことがあるが、今日のカミロは同じくラテンのふたりと共に躍動感のある強烈なジャズを聴かせてくれた。何故か60年代全盛時代のジャズを観る想いがした。正直言ってひろみちゃんより良かったかもしれない。
今回はアメリカ出身のミュージシャンが出演しなかったことに気がついた。ジャズはインターナショナルな時代なのである。
東京JAZZ HP

ジャズの世界
本場以外が
面白い

渋さ知らズや山下洋輔さんを東京JAZZで観たいんですけどダメですか。スポンサーの頭が固いからなあ。



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MEG Premium Live "Party"@渋谷 AX 2008.8.28 (thu)

2008年08月30日 00時40分19秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界
MEGちゃん初のワンマン・ライヴ。ただの"ライヴ"と言わず"パーティー"と名付けるところがMEGちゃんらしい。内容もパーティーに相応しい賑やかなものだった。
会場へ入ると白いマネキンに交じって白塗りの女性達がパフォーマンスをしている。右手には「OK」のジャケットの大きなハートが置いてあり、フォトブースになっている。ハートに跨ればジャケットと同じ写真が撮れるってわけ。
ホールへ入ると超満員。男女比は半々だろうか。お洒落な娘が多い。ステージはバルコニーになっていて豪華な作り。
会場が暗くなると大歓声とともに一斉にライトブレードが振られる。MEGちゃんは上の階から登場。一曲目はmixiの人気投票で1位になった「プリズム・ボーイ」。フードを被っていたが、続く「甘い贅沢」で脱いであの髪型があらわに。「可愛い~」というため息がオーディエンスの間に広がる。後はもうMEGちゃんの独壇場。LIUさん(PVに出てくる猫の着ぐるみ)や全身黒に銀色のヘルメットを被ったダンサー4人が出てきて踊り、4画面の大きなモニターにはカラフルなグラフィックが映し出される。
衣装替えの間LIUさんがスクリーンで絶妙のコントを繰り広げ会場を大いに沸かす。
ライヴ半ばで突然何の脈絡もなく鼠先輩が登場!♪ぽっぽぽぽ♪と歌う。MEGちゃんとの絡みは一切なし。それがまた可笑しかった。
広島から観に来た両親のために歌った「ナタリー」では幼い頃のMEGちゃんの写真が映し出されしっとりしたムードに包まれる。
アンコールで12月に追加公演が決定したこと、今回のパーティーがDVDリリースされることが発表になり狂喜乱舞。
MEGちゃんは自分のことを"パーティー・エスコート"と紹介していた。確かに歌手としてだけではなく今回のパーティーのトータル・コンセプトを担当した彼女の自己プロデュースの才能は素晴らしい。
2時間、新曲も含め16曲全く飽きることなく心から楽しめた。
Perfumeのライヴもこんな感じなのだろうか。
MEG Blog

MEGちゃんの
ファンタジーに
腕を振り

普段はロックのダイナミズムと緊張感に惹かれる私だが、こんなリラックスして楽しめるライヴもいいもんだ。

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ゆらゆら帝国、Shing02@恵比寿リキッドルーム 2008.8.27 (wed)

2008年08月29日 00時32分53秒 | 素晴らしき変態音楽
リキッドルーム4周年記念イベント。ユニークな組み合わせだがチケットはSold Out。7割がゆら帝のファンだったのではないだろうか。中央線ノリの若者の姿が目立つ。
最初がShing02。私はラップのライヴを観るのは初めてだったのだが、これは普通のラップではない。DJ、ds、女性voに加え薩摩琵琶、和太鼓、ヴァイオリンをフィーチャーした無国籍な編成。日本語ラップによる最新アルバム「歪曲」からの刹那的な演奏。流石に日本語の乗せ方は上手い。琵琶、ヴァイオリン、dsのソロを挟み、まるで旅芸人一座のような印象。琵琶の弾き語りが特に素晴らしく飽きなかったが正直言って私はラップは苦手だ。
20分ほどのセットチェンジのあとゆら帝登場。坂本氏は前髪が伸びて今まで以上にロック・アーティスト然としている。今日は上下赤ではなく、黒の長袖Tだった。
set list:1.ミーのカー 2.男は不安定 3.なんとなく夢を 4.インスト(曲目不明) 5.できない(12" version) 6.あえて抵抗しない 7.つぎの夜へ 8.美しい(remix version) 9.学校へ行ってきます 10.無い! 11.ひとりぼっちの人工衛星
いきなり長尺の「ミーのカー」から始まる。音量がいつもよりでかく迫力がある。曲名不明のインスト(もしかしたらB面曲かもしれないが)に続いて「空洞です」の曲が披露されたが、Remixアルバムに収録のヴァージョンに近いアレンジをライヴでやってしまうところが偉い。「あえて抵抗しない」では例によってマラカス演奏だったが、マラカスでここまで観客を沸かすアーティストも珍しい。70数分のライヴは、ゆら帝の持つ無尽蔵のエネルギーが最強に発揮された演奏だった。このバンドは一体どこまで凄くなるのだろう。

ゆら帝と
ラップの競演
どうだろう?

9/22にゆら帝は新装クラブクアトロでモーサム・トーンベンダーと競演する。これは行かなきゃ!



コメント (2)
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渋さ知らズがTV-CFに

2008年08月27日 00時11分32秒 | 素晴らしき変態音楽
日本が誇るお祭り変態ジャズ・ビッグ・バンド、渋さ知らズの曲「渚の男」がTOYOTAのヴァンガードのTV-CFのBGMとして使われている。今までは他のアーティストの曲が使われていたのだがより都会的で疾走感のあるムードに、と差し替えになったらしい。
ダンドリスト不破大輔(b)を中心とし1989年結成。以来ダンサーチーム「乳房知らズ」や舞台芸術家が参加し、ジャズ,ロック、ワールドミュージック等の融合体として30名近くのメンバーが入れ替わり立ち替わり唯一無二の演奏を繰り広げる。FUJI ROCKへの参加や海外ツアーも何度も行ない世界のジャズ・シーンでも知名度が高い。しかし所詮はアンダーグラウンドな存在だと思っていたので、今回のCF起用には驚いた。これで一気にメジャーに飛び出すのかどうか判らないが、ライヴでは相変わらずアングラ劇団のような奇天烈なステージを展開している。
彼らと山下洋輔さんがいる限り日本のジャズは安泰だ。
渋さ知らズ HP
TOYOTA ヴァンガード TV-CF

ヴァンガード
ヴィレッジ走れば
渋さかな

私は彼らの小編成部隊「渋さチビズ」が好きである。




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PARA@下北沢 BASEMENT BAR 2008.8.24 (sun)

2008年08月26日 00時01分23秒 | 素晴らしき変態音楽
ボアダムスの山本精一氏率いるPARAのレコ発ライヴ。BASEMENT BARと隣のクラブWEDGEの両方を使ったイベントだった。
BASEMENT BARでは生ドラムとエレクトリック・パーカッションを使った町田良夫・山本達久デュオが最初にライヴを行い、その間にWEDGEではフロアにシンバル2枚とスネアを置き、DJブースからの音と合わせて叩くという植野隆司 (テニスコーツ) + 南波一海 + NSDのパフォーマンスが進行していた。正直言って植野氏等のパフォーマンスは何をやりたいのか理解出来なかったが。
続いてBASEMENT BARでPARAの登場。山本精一(g)、ヨシタケEXPE(g)、千住宗臣(ds)、西滝太(key)、家口成樹(key)の5人。ラスタヘアーに派手なシャツのヨシタケ氏以外は地味なルックスで一見テクニック重視のジャズ・バンドと間違えかねない。しかし変拍子で繰り返されるミニマルな演奏に自然に精神と身体が同期し心地よい高揚感に包まれる。CDで聴く以上にヴィヴィッドで迫力がある。完全なインスト・バンドだが歌の必要のない饒舌な楽器たちが一体となって走り抜けるグルーヴはライヴならでは。
外は雨が降っていたが心が晴れ渡るような演奏だった。

雨の日に
傘で夜空に
絵を描く

アンコールを3曲やって持ち曲を全部演奏して終了した。



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椀汁とトサレーコ~北京オリンピック終わる

2008年08月25日 00時13分12秒 | ラジオやテレビのこと
北京オリンピックが終わった。普段はスポーツに余り興味のない私であるが、この2週間は心躍る思いでテレビ中継に釘付けになり、愛国心もないのに日本の活躍に一喜一憂した。心配されたテロや大気汚染、天候不順によるトラブルもなく、誠に平和なオリンピックだった。
マイナー好きな私は野球や柔道のようなメジャーな競技よりも普段日の当たらない競技の方に惹かれてしまう。そんな中フェンシングとケイリンのメダルは本当に嬉しかった。
またフィールド競技のハンマー投げ、槍投げ、棒高跳び、走り幅跳びなんかも日本の選手は活躍しなかったけど観ていて興奮した。
それにしてもアスリート達のスタイルの良さには感服する。鍛え上げられた筋肉、削ぎ落とされた贅肉、精悍な表情。同性でも惚れてしまうほどだ。
とにかく何事もなく終わって良かった。舞台裏では想像を絶する中国当局の苦労があったのだろうが。

東欧の
選手に居そうな
トサレーコ

男子マラソンで優勝したワンジルのビミョーな日本語インタビューにも笑った。



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30分ノイズの響宴~Hair Stylistics 「30 Minute Panty People」

2008年08月24日 00時29分10秒 | 素晴らしき変態音楽
Monthly Hair Stylisticsの第5弾が届いた。タイトルはマッドチェスターと呼ばれたイギリスのマンチェスターのロック・シーンの狂騒を描いた2002年の映画「24 Hour Party People」からのパクリである。内容に繋がりはない。
ジャケットはここ2作他人の作品を使っていたが、今作は中原昌也氏のヘタウマなイラストに回帰している。
今までの作品は自宅録音ということで思い切ったノイズを発揮出来ず、それ故に工夫を凝らしたユーモラスな電子音響を展開してきたが、今作は初のスタジオ・ライヴということでレベルが振り切れっぱなしの過激極まりない作品。ホワイトノイズとエフェクト音が絡まり合い疾走する様はまるでMerzbow。曲目表には3曲のメドレーとなっているがそれを無視した30分轟音一本勝負である。Hair Stylisticsの作品の中でも最も聴くのに体力を必要とする一作といえるだろう。
ゲストvoとゲストgの参加がクレジットされており、voはかろうじて判別したがgの存在は確認出来なかった。ヘアスタ流のユーモアと解するべきか。
最近ライヴ活動も活発化しているヘアスタだが(今日も築地本願寺でライヴ)、Monthly Hair Stylisticsがこの先どんな作品を提示してくれるのか楽しみである。
殆ど関係ないけど→24 Hour Party People HP

スピーカー
飛んで行きそな
下着ノイズ

映像は2007年のJazzkammer、Astro、Reiko A.との共演。一番左が中原氏。



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アンビエントの元祖~リュック・フェラーリ

2008年08月23日 01時52分10秒 | 素晴らしき変態音楽
フェラーリといっても自動車じゃない。
今日8/22はフランスの現代音楽家リュック・フェラーリの3回目の命日である。
フェラーリはブーレーズ、アンリなどと同世代で、メシアンに師事し早くから無調音楽を作曲していた。1950年代に電子音楽に出会い、ミュージック・コンクレート作品を多く残している。
彼の特徴は環境音を多用することで、海辺や森林でフィールド・レコーディングした音源を元に加工した作品が印象的である。その意味ではアンリ等に比べ静寂に満ちたサウンドが多く、オブスキュア・ミュージック以降のブライアン・イーノに大きな影響を与えたと言える。
2003年来日を果たしたフェラーリは自らのテープ音楽のコンサートやパネル・ディスカッションを行ない元気な姿を見せたがその2年後亡くなってしまった。しかし彼の残した数多くの作品はたくさんの音楽家に引き継がれているのである。特にエレクトロニカ系ミュージシャンからのリスペクトは大きい。

フェラーリの
残した音は
オブスキュア

ダンディなファッション・センスも素敵な人だった。



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サイケな公害映画~ゴジラ対ヘドラ

2008年08月21日 00時23分59秒 | 映画やDVDのこと
1971年に製作されたゴジラ映画「ゴジラ対ヘドラ」をご存知だろうか?当時小学生だった私は映画は観た覚えはないのだが、ヘドラの塩ビ人形を持っている。
当時社会問題として騒がせた水俣病や四日市喘息などの公害問題を正面から取り上げ、同時にサイケ文化やモラトリアム問題等も取り入れた異色作とのこと。
♪水銀コバルトカドミウム鉛硫酸オキシダンシアンマンガンパラジウムクロムカリウムストロンチウム♪というとんでもないテーマ曲を今でも覚えている。友人がレコードを持っていて良く聴かせてもらったのだ。
ヘドラは勿論ヘドロ怪獣であり、姿形も流動的である。塩ビ人形もヘドロの塊のような手足のないものも売っていたが私のは手も足もある人間型である。DVDも出たらしいから今度観てみよう。

公害が
人を襲った
エコ以前

テーマ曲をYouTubeで37年ぶりに聴いたが異常にサイケだ。こんな曲小学生が歌ってて良かったのか?



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時代を隔てた世界の融合~内田光子:モーツァルト&ベルク

2008年08月20日 00時09分31秒 | こんな音楽も聴くんです
内田光子(p)、ピエール・ブーレーズ(指揮)という現代を代表する演奏家によるユニークな作品集。何と古典モーツァルト「グラン・パルティータ」と現代音楽のアルバン・ベルク「室内協奏曲」を組み合わせるという反則技だ。共通点はどちらの曲も13の管楽器が使われているからだという。なんという単純な理由!通して聴くと耳に心地よいモーツァルトから12音技法のベルクへという流れには確かに無理がある。しかし最近のクラシック界ではこうした古典と現代曲の組み合わせが多く見られる。
アンネ=ゾフィー・ムター(vln)はバッハとグバイドゥーリナを、ヒラリー・ハーン(vln)はシベリウスとシェーンベルクをそれぞれ1枚のアルバムに収録しているし、"メシアン弾き"として有名なピアニスト、ピエール=ロラン・エマールの7月の来日公演ではバッハ、ベートヴェンに交錯してカーターとメシアンの作品が演奏され好評だったという。
現代曲を古典曲とおなじレベルで捉えようという動きがあるのかもしれない。聴き手の方としては珍しい現代曲を一流演奏家の演奏で聴くことができて嬉しい限りである。

100年の
時代を超える
クラシック

ロックだとビル・ヘイリーとベックを一緒に聴くようなものか。



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