A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【再録】『灰野敬二&不失者特集90分ラジオ番組』試聴可+年末年始・灰野敬二ライヴスケジュール

2015年12月30日 13時23分41秒 | 灰野敬二さんのこと


Adventures In Sound And Music 11 June 2015

イギリスの音楽雑誌『WIRE』2015年7月号に「灰野敬二ユーザーガイド(A user's guide to Keiji Haino)」と題して8ページの特集記事が掲載された。日本通として知られる音楽学者アラン・カミングスによる「ディスコグラフィが何百にも上る灰野敬二の音楽のブラックホールへの案内書」と副題された記事は、誰かきちんと翻訳していただけないものだろうか。

同記事と連動して、UKレゾナンスFMで、アラン・カミングスをゲストにした90分の特集番組がオンエアされた。
下記のリンク(WIRE公式サイト)で試聴できる。

Adventures In Sound And Music 11 June 2015

<Track List>
1. 不失者「マリアンヌ」
Fushitsusha “Marianne”
from 『Tokyo Flashback 2』 (PSF)

2. 三上寛・吉沢元治・灰野敬二「リゴー遺稿集より」
Kan Mikami/Motoharu Yoshizawa/Keiji Haino “Rigaut Ikōshū Yori”
from 『平成元年ライヴ・下/Live In The First Year Of Heisei Vol 2』 (PSF)

3. 灰野敬二「おれのありか」
Keiji Haino “Ore No Arika”
from 『わたしだけ?/Watashi Dake?』 (PSF)

4. 灰野敬二「聖獣の恥じらい」
Keiji Haino “Blushes Of The Holy Beast”
from 『魂の純愛 三つの心臓/The Soul’s True Love, “Suite Reverberation: The Third Heart” 』(Purple Trap)

5. 不失者
Fushitsusha “If I Had Been Showered In Gold Blood, Wouldn’t My Prayer Have Been Answered?”
from『Gold Blood』 (Charnel Music)

6. 灰野敬二+藤掛正隆DUO「三度目のため(間合い)の取り方で この速さは救われる」
Keiji Haino & Masataka Fujikake “Sandome no tame (Maai) no torikata de kono hayasa wa sukuwareru”
from 『HARDを何十乗させたら光の粒が降り注ぐのか?/Hard O Nanjujo Sasetara Hikari No Tsubu Ga Oritsugu No Ka?』 (Fulldesign)

7. 灰野敬二「ルドラビーナ」
Keiji Haino “Rudra Vina”
from 『Tokyo Flashback 4』 (PSF)

8. 灰野敬二「落ちてこないかな」
Keiji Haino “Will It Fall”
from 『まずは 色を無くそうか!/First, Let’s Remove The Colour!』 (PSF)

年の瀬は
灰野のソロで
過ごしたい

2015年
12月30日(水) 高円寺Show Boat
灰野敬二 Keiji Haino ワンマンライブ
open 19:00 / start 19:30  
adv.¥3500/ door.¥4000
出演:灰野敬二



2016年
1月19日(火) 下北沢GARDEN
【TELEVISION】来日公演
Doors Open 18:30/Show Starts 19:30
Ticket in advance 7,800yen (inc VAT)+1 drink
出演:
【TELEVISION】TOM VERLAINE/BILLY FICCA/FRED SMITH/JIMMY RIP
Special Guest:【灰野 敬二】



1月28日(木) 東高円寺 二万電圧
MEUROGRYPH 31
op/st未定
adv 2000yen+Drink / Door 2500yen+Drink
出演:
灰野敬二+MUSQIS
HIMO
ごのせん
FOOT STEP



2月17日(水) 渋谷LUSH
nijinohoshi vol.4 交歌
灰野敬二×山本精一

開場19:00 開演19:30
前売3000円+1D

2016年1/8(金)よりチケット店頭販売
(優先整理番号付)及び
店HP :http://www.toos.co.jp/lush/
メール予約受付:meholidays7@gmail.com
*当日はチケットお持ちの方整理番号順→予約の方到着順の入場になります

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【勝手に翻訳】リッキー・ウィルソン/NECRONOMIDOL(ネクロ魔)プロデューサー・インタビュー

2015年12月29日 03時24分57秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界




NECRONOMIDOL(ネクロノマイドル)

『Aristocrazia』(イタリアのメタル・ウェブマガジン)
2015年9月14日掲載
インタビュー:Vlakorados

Band: Necronomidol

Line Up:

Risaki Kakizaki - Vocals
Sari - Vocals
Hotaru Tsukumo - Vocals
Hina Yotsuyu - Vocals
Karen Kusaka - Vocals
Ricky Wilson - Production


これまでも「アリストクラツツィア」は、いつも取り上げるバンドとは全く異なる存在を紹介してきた。Necronomidol(ネクロノマイドル、以下ネクロ魔)は、ダークでエクストリームな音楽から影響を受けたユニークなサウンドが際立つ日本のアイドルグループである。今回、彼女たちのことを知るためにプロデューサーのリッキー・ウィルソンに話を聞いた。
記事原文



Q:Aristocraziaウェブマガジンへようこそ。

Ricky(以下R): 光栄です。ご連絡いただいてから、インタビューに回答するまで時間がかかりりましたが、お待ちいただきありがとうございました。

Q:最初に読者にあなたのグループとメンバーの紹介をお願いします。ネクロ魔とは何者で、どのように生まれたのですか?

R:2014年頭に計画を立て始めました。以前仕事で何組かのアイドルグループと仕事をしたことがあって、東京の地下アイドル・シーンに興味を持ちました。でも端から見ているだけでは嫌だったので、自分自身のグループを始める決意をしたのです。

まずはウェブサイトでの告知、最初の数曲の作曲、ステージ衣装のアイデア等を煮詰めて、その年の2月にメンバーのキャスティングを始めました。数か月かけて募集者の中からメンバーを選考し、2014年6月にデビュー・ライヴをしました。柿崎李咲(かきざきりさき)、瑳里(さり)、橘涙雨*(あおいるう)、逸見静羅(へんみせいら)の4人のメンバーでスタートしました。6か月間この4人で活動しましたが、2014年末に静羅が学業のために脱退し、九十九ほたる(つくもほたる)が加入しました。2015年1月頃にはだんだん忙しくなり、4月頃に涙雨*がネクロ魔のスケジュールと学業の両立が出来なくなり脱退せざるを得なくなりました。1カ月くらい3人で活動し、5月の終わりに夜露ひな(よつゆひな)と久坂華恋(くさかかれん)が加入して、現在の5人になったのです。

Q:音楽から外見まで、あなたが作るものすべては、明らかに典型的なアイドルユニットではありません。ネクロ魔のコンセプトは何でしょうか?

R:現在の日本の地下アイドル・シーンの最高の要素のひとつは、特定の美意識や音楽ジャンルに従う必要がないということです。私は伝統的なスタイルのアイドル・グループが嫌いではありません。本当にグレートなグループもいます。しかしネクロ魔に関しては、最初から何か異なることをしたかったのです。

ネクロ魔のテーマを一言で表すと「暗黒」です。そこからすべてが生まれました。私が好きな日本のホラーマンガやJホラー映画に多大な影響を受けており、子供の頃にVHSで観て育ったB級ホラー映画の影響もあります。初期のPVを観ればお分かりの通り、元々の衣装はJホラー映画の定番の日本の神社の巫女の正装をベースにしていました。それから大正時代の学生服に変わりました。末広丸尾のマンガや小説・映画・アニメの『帝都物語』からヒントを得たのです。ユニット名はもちろん、H.P.ラヴクラフトの『ネクロノミコン』と「アイドル」を融合した造語で、ラヴクラフトへのオマージュを散りばめています。でも実際には、まだ「クトゥルフ」という言葉は歌詞やグッズには使ってませんけどね(笑)。

Q:音楽のスタイルは、大部分がエクストリーム・メタルとダーク・エレクトロニック・ミュージックの間にあって、とても陰鬱な雰囲気を持っています。どのように作曲するのでしょうか?作曲のプロセスを教えていただけますか。

R:アイドルとバンドの大きな違いは、たいていの場合、アイドルは自分で曲を書かないということです。私たちは幸運なことに、Dan Terminus、Al-Kamar、箱庭の室内楽のハシダカズマ、岩永あずさ、SLF!!など才能ある作曲家と多数コラボすることが出来ました。

まず普通は、作曲者に対して、彼らに相応しい楽曲のテーマかラフアイデアを提示します。たいていは単なる雰囲気や大まかなコンセプトだけ。例えば「アコギを入れたシューゲっぽいポスト・ブラック」とか「アップテンポでダークなレトロシンセ」といった感じです。ヴォーカルのメロディラインを作ってくれる作曲家もいますが、そうじゃなければ自分たちでヴォーカルパートをすべて作ります。その場合、たいていは、柿崎と一緒にいいヴォーカルパートを作り上げます。彼女はいい耳をしていて、メロディが実際に歌いにくい場合には作り直す手伝いもしてくれます(ちなみに歌は全曲口パクではなく生歌です)。

それから私が歌詞の第一稿を書き、それを瑳里に託します。彼女は優れた言語センスを持っており、私の拙い日本語を直してくれることもあります。そしてメンバー全員で何度か通して歌ってみて、OKならすぐに振付に取りかかります。

Q:これまでに発表された何曲かを聴けば、ネクロ魔の多彩さは明らかです。完璧なブラックメタルあり、ダークウェーヴあり、両方の要素をブレンドした曲もあり、ヘヴィメタルのような別ジャンルの要素もあります。ネクロ魔の音楽をどう言い表せばいいでしょうか?

R:アイドルが素晴らしいのは、グループらしさを決めるのは、音楽ジャンルではなく、常にアイドルとしての設定(テーマ)であることです。だから楽曲が設定にフィットする限り、どんなに幅広いスタイルやジャンルでも可能なのです。グループをスタートしたとき、何よりもやりたかったのは、日本の子守歌のブラックメタル・ヴァージョンです。それはこれからもやりたいです。しかし同時に、寒々とした重苦しいポップもやりたかったので、ダークウェーヴも自然にフィットしました。NWOBHMとD-Beatの大ファンなので、チャンスがあればその手の曲もやりたいし、ウィッチハウスにインスパイアされた曲もやりたいですね。

密着性のあるライヴセット、幅広いジャンルと影響を持つアルバムとシングルをひとつにまとめることが出来ることがアイドルの最も強力な要素なので、自分がカッコよくて未探査だと私自身が思うジャンルを無数に取り入れたいと思いました。正直に言えば、私はメタルコアやクロスオーヴァー・ブロステップには耐えられません。だから、他の多くのアイドル・グループがその方向に向かうのに対して、意識的にそれを避ける決断をしたのです。

Q:この種の音楽はたいていヴォーカルが耳障りで歪んでいるものですが、ネクロ魔メンバーの歌い方は、真逆の方向から音楽をかき乱します。アイドルとエクストリーム・ミュージックを一緒にしようというアイデアはどこから得たのですか?

R:一義的にはメンバー自身の素質と長所に起因することは間違いありません。日本には素晴らしい女性メインのハードコアバンドがたくさんいますが、ほとんどが不快なヴォーカルを売り物にしています。しかし、最初に集めたメンバーの内の誰もそんな歌い方の経験はなく、それを強制して安っぽいコピーにするよりも、メンバーの長所に合わせた曲つくりをすることにしました。一旦全体的なスタイルを確立したら、メンバー自身でその方向へ成長して、ネクロ魔の個性の一部になりました。不快で軋むバックミュージックとメンバーのクリアなヴォーカルを一緒にするやり方が気に入っています。サウンド全体にいいバランスと深みを生むことに成功していると思います。

Q:一般的に<アイドルとは「カワイイ」ものの象徴>だと信じられています。もちろんネクロ魔にもキュートな要素はありますが、音楽ジャンルがイメージに影響するのは確かです。アイドル界でのネクロ魔自身をどう考えますか?シーンの中での立場は?

R:現在「ラウド・アイドル」と呼ばれるスタイルがアイドル・シーンで育ってきています。基本的に、よりメタル寄りの楽曲とヴォーカルにフォーカスしたグループです。こういったグループと共演することは多いのですが、正直言って、ネクロ魔がそのカテゴリーにフィットするとは思いません。メタルの楽曲があり、伝統的なアイドルのイメージとはかけ離れてはいますが、我が道を行きたいと思っています。

いわばダークホースに近いかもしれません。現在のシーンや型に完全にはフィットしませんが、様々な異なるイベントで、種類の異なるバンドやアイドルと共演することが出来ます。パンク、ハードコア、メタル、EDM、前衛劇団等と共演してきました。ネクロ魔が、毎週同じグループと同じタイプのショーをするグループだ言われるようになったらお終いです。常に進入できる新たなシーンやショーに目配りして行きたいのです。

Q:<アイドルとはJ-ポップの歌手とダンサーに過ぎない>という別の一般論があります。ネクロ魔は、音楽やルックスだけでなく、インディペンデントでアンダーグラウンドなアーティストに共通する「DIY」の態度によって、そのルールを無視しています。あなた方のようなグループが、こういった音楽と態度を持ったままで、少なくとも日本でメインストリームになり得ると信じていますか?言い方を変えれば、いつかはメインストリームになるつもりですか?

R:私たちはすべてに於いてDIYの美学を絶対に保ち続けます。私はパンク・ミュージックで育ったので、未だにCDを沢山売ったり大きな会場で演奏しようとすることに違和感を感じます。正直なところ、私がネクロ魔を始めたときには、売れることなど全く気にかけませんでした。最初は面白いグループと共演したり、クールなアーティストと一緒に仕事をして、新しい音楽を創ることができればいい、と考えていました。

しかし、やっていくうちにアイドルは一箇所に留まっていてはダメだ、ということを学びました。常に前へ進まなければいけません。だから、私たちがメインストリームにはなれない(というよりなりたくないのが本音です)と思う一方で、もっと面白いプロジェクトをやって、もっと多くのクリエイターと仕事が出来るようにする為に、前へ進んでいきたいのです。アルバム・ジャケットやグッズで仕事をしたいアーティストは沢山いますし、新曲などで仕事をしたい作曲家や作詞家も沢山いますし、共演したいバンドやアイドルも沢山います。メインストリームにアピールする為にネクロ魔の要素を少しでも薄めるつもりは全くありませんが、一方では、ネクロ魔を定義するものをもっと蒸留して、将来もっと強力になるものにしたいのです。

Q:最近一周年記念ライヴを開催しましたね(2015年6月新宿ロフト)。コンサートはネクロ魔の重要な一面だと思います。読者の多くは日本でネクロ魔のライヴを観る幸運は殆ど望めないので、コンサートをどう企画しどうやっているのか教えて下さい

R:日本のアイドルは沢山ライヴをします。もの凄くたくさん。一周年記念ライヴに先駆けて暫くの間は月間20本のライヴをしました(その倍のショーをするグループもいます!)。一周年の後、新曲と新振付け等の為に、ライヴの数を減らす決意をしました。しかしそれでも7月は13本ものライヴをやる結果になったのです。多くのライヴは、イベントプロデューサーか他のアイドルグループやバンドのプロデューサーが企画したものです。私たちが一周年記念ライヴをした新宿ロフトは、親切なことにCocobatやVampilliaといった素晴らしいバンドの出演依頼をしてくれました。また、普段はハードコアやスラッシュコアのライヴが催される新大久保アースダムで毎月自主企画ライヴを開催しています。どん百姓やSAIGAN TERRORといった普通は決してアイドルと同じステージで観ることがないバンドと共演することが出来るのが嬉しいです。

Q:いくつかの曲で、ブラックメタル/シューゲイズのプロジェクトで有名なAl-Kamarと仕事をしています。将来ネクロ魔は他のアーティストと仕事をしていくつもりですか?

R:もちろんです。ちょうど今、素晴らしいDJであり「レディ・スペード」のトラック制作者でもあるSLFによる新曲「Sarnath」が出来たばかりですし、謎めいたHyakunengyoによる新曲ももうすぐ出来る予定なので興奮しています。他のアーティストともコラボ予定ですが、今はまだ詳細はお話しできません。

Q:他のアイドルグループに友人はいますか?他のアイドルとの関係はどうですか?

R:はい、もちろん。定期的に共演して、とてもいい関係のアイドルはたくさんいます。個人的には細胞彼女とパラレル・ジャパンと共演するのが好きです。楽曲は凄いしパフォーマンスは傑出してして、スタッフを含め人間的にも最高です。音楽ジャンルやスタイルはかなり異なりますが、ライムベリーともいい友達です。ネクロ魔のメンバーはオフの日には他のグループのメンバーと遊んだり、仲のいいグループのメンバーがお互いの生誕イベント(アイドル界では重要な行事)に出演したりしています。

Q:支持者(ファン)との関係はどうですか?自分たちのオーディエンスをどう思いますか?

R:ファンの方々はとにかく素晴らしいです。ちょっとくらい風変わりで常識はずれのライヴを企画しても、不平を言うことはなく、新しいことを見たり経験したりすることを喜んでくれるのが素晴らしいです。本当に正直に申し上げますが、グループの美感や音楽的な方向性を決めるときには、直感に従います。何が人気か否かを気にすることはありません。それより最も面白そうで、独自性のある方向へ行くのです。それを支持してくれるファンには感謝しかありません。

Q:アイドル・シーン全体を見てみましょう。常にシーンは変化していて、最近は「歌って踊るキュートな少女」だけではない新しいアイドル像が確立されてきました。BiSやBABYMETALといった有名なグループがこの点で重要な役割を果たしましたが、面白いアイデアを持つアンダーグラウンドなアイドルは他にも沢山います。これはアイドルの世界ではポジティヴなことでしょうか?それともネガティヴなことでしょうか?あなたはアイドル界の何を変えたいのですか?そして実際にネクロ魔で何を変えたと思いますか?

R:アイドルの最も有利な面のひとつは、特定のジャンルに縛られる必要がないことです。グループの全体的な設定が強力である限り、基本的にやりたいことは何でも出来るのです。それがBiSの偉大さのひとつです。パンクからデジタルハードコアからポップからメタルに近いことまでやりましたが、ユニット全体の構造の強力さを保ち続けました。

他のどのジャンルと同じように、アイデアを固定して同じ古風な水準に頼って売り出すことはアイドル界でも珍しくありません。グループをより大きくより人気を高めようとすることはとても重要です。が、アイドルが現状維持に走ることはカッコいいとは看做されません。だから音楽的・審美的に必ずしも面白みや独自性がなくても、人気を得るために短絡的に便乗するアイドルもいるのです。ネクロ魔がスタートして以来、現在までに大きく変化させることは出来ていませんが、アイドルの枠組みをもっと開放して、将来的に奇妙でダークなアイドルユニットが登場する道を切り開きたいと思っています。

Q:BABYNETALがメタルファンの間で人気を博したときには、彼らの音楽を楽む人たちがいる一方で、ジョークに過ぎないと考えた人たちもいます。ネクロ魔はそれとは異なりますね。メタルのファンにはネクロ魔はどう捉えられると思いますか?

R:ブラックメタルをやるときはブラックメタルファンがカッコいいと思い、プログレメタルやデスメタルやスラッシュメタル等の曲をやれば、それらのファンは気に入るでしょう。私はメタルは好きですが、メタルとは、本当にいいサウンドが出来たときにこそ上手く機能するジャンルだと思います。つまり間違い易く、バカげたものになってしまう危険があるジャンルなのです。だからメタルソングを制作する時には、確実に正しいものにする為に、スタジオで演奏に時間をかけて、歌詞に時間をかけて、あらゆることすべてに時間をかけます。例えばニュー・シングルの『Lamina Maledictum』の最初のテイクは、完全に廃棄して再録音しました。ヴォーカルを聴いてみて、十分なパワーがないと気づいたからです。

Q:主にメタルとオルタナティヴ・ミュージックのWEBZINEとしては、あなたがどんなバンドに影響を受けてきたのかを知りたいです。あなたの好きなバンドは何ですか?そしてネクロ魔のサウンドに影響を与えたのは誰ですか?

R:メタルに限って言えば、最も良く聴くのは昔のMotörheadとManowar、Emperor、Bal-Sagoth、Gamma Ray、Disfear、Kvelertak、Darkspaceなど多様です。最近はSisters Of MercyとClan Of Xymoxを良く聴いています。私たちがネクロ魔でやっていること(ダーク、ダンサブル、80'sシンセ、など)にとても近いから。Balzacは10代の頃から好きなので、間違いなく何らかの影響があると思います。同時にThe Damnedや45 Graveといったゴシックパンクのクロスオーバーも好きですね。

Q:これからの予定は?新作リリース、ライヴショーなど何でも結構です。

R:まず4thシングル『EXITIUM』を9月30日にリリースし、6月のセカンドワンマン公演のライヴDVDを11月にリリースしたいと思います。その後2度目の大きなワンマン公演を12月14日に渋谷WWWで開催します。それが本年のゴールです。そうそう、来週初の海外公演で台湾に行くんですよ!

Q:メンバーはネクロ魔の一員であることをどう感じているのでしょうか?

R:彼女たちが加入する時の基本的な合意事項は、プレイするのが好き、ということでした。ライヴが最も楽しいのです。また、どん百姓、ストロベリー・ソング・オーケストラ、Foxpill Cult、惑星アブノーマルなど、アイドルユニットが滅多に共演する機会のないバンドと一緒にプレイすることも気に入っています。

Q:アイドルとしてのメンバーの夢は何でしょうか?このグループであなたは何を成し遂げたいのですか?

R:もうひとつの一般的な合意事項は、ワールドツアー、またはもっと海外でライヴをしたい、ということです。もうすぐ台湾公演ですが、西洋(アメリカやヨーロッパ)でもライヴをしたいと考えています。

Q:以上でインタビューは終わりです。どうもありがとうございました。最後に読者へメッセージを下さい。

R:ネクロノマイドルは、2015年末に向けて沢山のことが待っていますが、2016年こそ本当に面白いことが始まります。近い将来、皆さんと直接お会いできるチャンスがあるよう祈っています。

アイドルを
作る気持ちと
やる気持ち
一つになれば
美しい

NECRONOMIDOL 12/07 下北沢 Shelter


1. LAMINA MALEDICTUM
2. puella tenebrarum
3. SARNATH
4. SKULLS IN THE STARS
5. 童歌
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【Disc Review】NYシーンの個性派・永井晶子の即興プログレ奇想曲『Taken Shadows(影踏み)』

2015年12月28日 00時46分39秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


『Shoko Nagai / Taken Shadows』

CD Animul Records ANI 108

Shoko Nagai (p, moog, nintendo DS)
Todd Reynolds (vln)
Jonathan Goldberger (g, effects)
Stomu Takeishi (b)
Jim Black (ds)

1. Intimate Wish
2. Solid Angle
3. Lucy

Recorded by Worramon Jamjod, March 10th 2014 @ Roulette, New York
Mixed by Satoshi Takeishi
Mastered by Nate Wood at Kereeboom Mastering
2014 VortexMusic

Shadow Pappet art design by Shoko Nagai
Design by Damian Olsen
Photography by Satoshi Takeishi
All composition by Shoko Nagai (ASCAP)
(C) copyright 2014



生と死の影が交錯する音の鬼ごっこ

<生と死の間に住む悪魔にとって最悪の呪いは、死ぬことが出来ないことだ。>(永井晶子『Taken Shadows』ライナーノーツより)

子供向けの童謡や童話の荒唐無稽な表面の裏には、時に深淵な、時に残酷な、時に含蓄のある豊潤な人類の記憶が刻まれている。「カゴメの歌」の謎解きは度々テレビや新聞ネタになるし、『本当は恐ろしいグリム童話』と云う本もあった。

NY在住の作曲家/ピアニスト/アコーディオン奏者の永井晶子がテーマに選んだのは「影踏み(Taken Shadows)」。影を踏まれたら鬼になるという単純なルールの遊びだが、「影」の意味を探って行くと、人間・生・再生と、鬼(悪魔)・死・滅亡の二極間を往来する輪廻転生の物語が浮かび上がる。永井は、"本当は恐ろしい"影踏みの世界を舞台に、イマジネーション豊かな音楽叙情詩を描き上げた。

ヴァイオリン切ない調べで幕を開けると、すぐにピアノがリリカルな音色でファンファーレを奏でる。ギターが鋭角のリズムで切り込み、ドラムとベースが乱調のリズムで行進する。入り乱れた合奏が、無調の電子音で中断される・・・。これがアルバム冒頭5分間の展開である。とにかく場面変換が多彩で、一瞬たりとも飽きることのない、スリリングな曲想は、メンバー5人が繰り広げる鬼ごっこのようだ。ドラマー以外の4人のメンバーが担当楽器に加え、電子器機やエフェクトも担当している。メンバーそれぞれ複数の楽器を演奏するスタイルは、単なるクインテットではなく、フランク・ザッパ言うところの「低予算の管弦楽団(Low Budget Orchestra)」と言えるだろう。

誰が次の鬼になるのか、先の読めない影踏み遊びのように、驚きと意外性に満ちた楽曲展開は、作曲と即興の半々で構成されている。現代音楽、即興ジャズ、プログレッシヴ・ロック、エレクトロニクス・ミュージックなど様々な要素を含みつつ何処にも属さない新鮮な音楽性は、1999年からニューヨークに住み、NY即興シーンの第一線で活躍する一方で、女性ばかりのクレズマー・コンボ「ISLE of KLEZBOS」でアコーディオンを弾き、映画やテレビの音楽を多数手がけるマルチな才能の持ち主の永井に相応しい。

2014年3月10日、NYのルーレットに於ける同名コンサートのライヴ録音。YouTubeで公開されているコンサートの映像を観ると、バックスクリーンに映像が映し出され、聴き手を影の向こう側の世界に誘い込むようなヴィジュアル・コンセプトを持った作品であることが判る。こんなステージを生で体験したら、自分も鬼になって音符と追いかけっこをするスリルが味わえるに違いない。

Shoko Nagai's tAKE'N sHADOWS1@ Roulette NY


Shoko Nagai's tAKE'N sHADOWS II (KAGEFUMI) @Roulette NY


Shoko Nagai's tAKE'N sHADOWS III (KAGEFUMI) @Roulette NY

Shoko Nagai公式サイト

【Album Download】⇒cdbaby

ニューヨーク
異端女子の
攪乱作

ISLE of KLEZBOS


1998年にドラマーのEve Sicularにより結成された女性だけのクレズマー楽団。アメリカはもちろん、ヨーロッパやカナダをツアーし、そのユニークな活動は公共TV番組で特集された。NYをベースにライヴ活動しつつ、テレビ、ラジオや映画音楽を手がけ、キキ・スミスやシザー・シスターズなどポップ・アーティストとも共演する。グループ名はレズビアンの語源と言われるレスボス島(Isle of Lesbos)のもじり。

Debra Kreisberg, clarinet
Pamela Fleming, trumpet
Shoko Nagai, accordion
Saskia Lane, double bass
Eve Sicular, drums and bandleader

Isle of Klezbos plays Cartagena Chosidl, Joe's Pub 4/6/2014

ISLE of KLEZBOS公式サイト
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偶想Drop/ネクロ魔/夢幻レジーナ/ハロペリドール他@目黒鹿鳴館 2015.12.25(fri)

2015年12月27日 03時13分49秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


偶想Drop主催 『サンタこそ偶像』 ~LIVEとかいろいろしてぶち上がれ~

場所:目黒鹿鳴館
料金:前売り2,500円 / 当日3,000円 (各D代別)
出演:偶想Drop、2&、夢幻レジーナ、HALOPERI Doll、未来、DEEP GIRL、センチメンタルウインク、星名ふみみ、ナギノエナ、NECRONOMIDOL
(賑やかし&物販)XYZ、ぽろぽろバロック、新デンタルクリニックコーポレーション、PINK PUNK MONKEY



『クリス魔ス&誕生日当日を如何に過ごすか』という課題に正解はないが、一例として地下アイドルと過ごした場合について考察してみた。完全にハ魔リつつあるネクロ魔や破壊的なライヴで話題の偶ドロこと偶想Drop、プログレアイドルと称される夢幻レジーナ等がジャパメタの聖地目黒鹿鳴館で非リア充ヲタの為に開催するクリス魔スパーティに潜入。フロア後方にクリス魔スツリーが飾られ、サンタ衣装の出演者やスタッフが行き交う中ライヴがスタートした。ライヴ中や合間に来年デビュー予定のアイドルグループが入れ替わりでフライヤーを配ったり、ヲタの背中に貼ったりしている。
以下ツイッターのプロフ写真とコメントを転用。

●茉嶋みらい

みらろんです!10月に大阪から上京してきました。アニソン歌手になるため真面目にライブ活動中 → @miraizm_info (当面の目標は応援してくれる人を増やすことです)誕生日 9月28日

開場時間が過ぎても10人しかお客が入っていない不安な状況でトップバッターは大阪から来たソロアイドル。堂々とバラードやアニソンを歌い、少ないヲタもコールで盛り上がる、地下アイドルの神髄に触れた気がした。

【みらろん】星色未来図【オリジナル】


●HALOPERI Doll

椿姫 / セレン / 草壁りんご / An'z
それは妖艶と恥じらいのヘヴィメタル《中二病》アイドルユニット。 LIVE digest VIDEO on YouTube✡ https://youtu.be/k0ax7c8MyKI ライブなどオファーくださいませ。 https://www.lunafactory.co.jp/contact/ 読みは(ハロペリ ドール)である。暗黒魔界から都内近郊


パンク/メタル系の4人組。激しい煽りにツーステップで盛り上がる。これがヲタ界で今流行のステップか。

HALOPERI Doll ライブ ダイジェスト


●センチメンタルウインク

うたた寝音(ねねてゃむ)
ポストロック★☆センチメこと『センチメンタルウインク』の公式アカウントです☆★センチメンタル担当うたた寝音(@Nenetham_zZ)センチメの色々な情報や告知等を発信していきます!リプライでのチケット予約もこちらまで!出演・取材等のご依頼はwinkkillerproject@gmail.comへ。予定はブログに 誕生日 11月18日


打ち込みビートのテクノ系ソロアイドル。エアギターの弾き方がサマになっているので、バンド女子上がりかもしれない。

センチメンタルウインク 妄想小説


●ナギノエナ

ミスiD2016ファイナリスト。思わせぶりっ娘。嬉塩。お仕事の依頼などはDMまたはpocket.enachu@gmail.comまで。 誕生日 1997年8月12日

80年代歌謡曲/ガールズロック系シンガー。非クライストなジャングル柄の衣装が光るディーヴァっぽい。

ミスiD2016 №068 ナギノエナ


●星名ふみみ☆魔法吸血鬼少女

†魔法吸血鬼族とニンゲンのハーフ† 闇紫/ソロアイドル/アイカツ!ユリカさま/まぜる~むcafe′ オファーは hasegawa@dm-produce.com 応援は @fumimi_info ✡毎週火曜日新宿無料闇定期公演✡ 誕生日 3月23日

ダークな照明で始まったので、根クラ女子かと思ったら、ブチ上げパワーで盛上げるステージは、曲調は別にしていずこねこに似ている気がした。

ヴァンパイア・キス / 星名ふみみ(2015.5/2)


●2&(ダブルアンド)

✟♡Saki+YOU=2&[ダブルアンド]♡✟ Japanese LIVE IDOL ARTIST 【◼︎2月2日(火)2&Day‼︎ 新宿LOFTでワンマン‼︎】出演、お仕事の依頼はhasegawa@dm-produce.comにmail♪誕生日 3月11日

四角い箱のプレゼントのコスプレで登場。笑える恰好だが、とても人気が高くヲタも全員でコール&ミックス。地下ソロアイドルの強靭さに感服した。

2&(ダブルアンド) 『未来を』  2014.02.01  渋谷BURROW


●夢幻レジーナ

春野恵 6月26日生 / 刻田麻亜子 2月26日生 / 鈴木あやめ1月19日生
Japanese idol group 常に進化し続けるアイドル お仕事ご依頼連絡先→ info@lunafactory.co.jp


今日の目当のひとつ噂のプログレアイドル。中世風の衣装がゴシック系。3人の優雅なダンスと激しいメタルのアンサンブルが、ヲタ心に火を点けてステージ最前でステップ踏む。10分を超える組曲で気が狂って崩れ落ちるメンバーの情念に圧倒された。

Mugen Regina - From Hell [short ver.] / 夢幻レジーナ - 地獄より


●DEEP GIRL

のん,かのん,りこぴん,ましろ,ゆうゆ,ひなぴす,えりな
SHOWROOMから生まれたスクリーモロックアイドルユニット【DEEP GIRL】。オリコンウィークリー13位、タワレコウィークリーチャート1位獲得、CD売上1万枚を達成し、解散を見事回避!!セカンドシングル「I kill」先行予約受付開始!


正当派サンタコスの小柄なメンバーが、オルタナパンクでシャウトする激情派グループ。目紛しい曲展開はPassCodeを思わせる。ルックスとサウンドのギャップ萌え。

DEEP GIRL「ディープガール」 PV long ver


●NECRONOMIDOL(ネクロ魔)

柿崎李咲 / 瑳里 ‏/ 九十九ほたる / 久坂華恋 / 夜露ひな
NECRONOMIDOL(ネクロノマイドル)は暗黒系アイドルユニットです。 2016年6月30日(木)4thワンマン@恵比寿リキッドルーム! 2/17.1stアルバム「NEMESIS」発売!3/20~3/26海外ツアーinニューカレドニア English info: http://www.facebook.com/necronomidol


やっぱりネクロ魔!ブラックサンタ衣装で暗黒界で流行の歌のプレゼント。ほぼ完全を知っているので最前列でミックスできた。メンバーの表情はいつも以上に邪悪な歓びに輝いていた。

NECRONOMIDOL-ネクロ魔 in store live + 早朝パジャマパーティー


●偶想Drop

咲,零,杏奈,結良,紫音
2014.9.20デビュー『偶想Drop』公式Twitter★出演依頼等はhasegawa@dm-produce.comにお願いします!【★偶想Dropのconcept★】音楽はLIVEでぶち上がれっ!!紫音、杏奈は大学編入&大学受験戦争真っ只中!!


インストアイベントでLPサイズのCDジャケットを撒き散らし、大混乱を巻き起こしたというエクストリームアイドルの成長株。生で観ないと魅力は判らない。リフトやモッシュで客席も大混乱。

【MV】偶想Drop - ひらり、ひらひら


クリス魔ス
地下で過ごして
生き返る

終演後の物販ではいつものように瑳里さまに除霊していただいた上に、夢幻レジーナの発狂娘・鈴木あやねさんに触れさせていただき、愉快なひと時を過ごした。

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【えいたそ人形劇場】番外編:聖なる夜のハードコアパンク祭り

2015年12月26日 02時46分45秒 | ロッケンロール万歳!


去る11月末の日曜日、中野で開催されたレコード100円市を訪れ、何か掘り出し物はないかと漁ってみた。ジャンルもアーティストも全く分類されておらず、朝からレコードジャンキーが引っ掻き回して裏も表もバラバラなカオス状態のエサ箱には、昭和後期に大ヒットしたニューミュージックやアメリカンポップスやダンスミュージックのカスレコ/ゴミレコ二ばかり。10分程度で疲れ果て、もう辞めにしようと思った最後の段ボール箱に、見慣れないジャケットが大量に眠っていた。他のレコがジャケも盤もボロボロのジャンク状態が多いのに対し、見かけはほぼ新品、盤に至っては針を落とした形跡もない。ジャケを見れば明らかにおバカなハードコアパンクばかり。恐らくパンクマーケットの新品在庫処分品が紛れ込んだものと思われる。売れ残りが筆者の目に留まるとは、これも他生の縁、一挙にまとめて救済(購入)することにした。会計したら合計10枚で500円。閉店真際の半額割引で一枚50円の破格値で手に入れた。

しかしバーゲン直後の燃え尽き症候群で、買っただけで満足して聴くのを忘れていた。誕生日を前にして、やり残したことはないか?と尋ねられて思い出した。貴重な50円レコを聴くのに特別許可証は必要ないが、善は急げと言われる通り、聖なる夜のリスニングパーティと髑(しゃれ)込むとしよう。


●Lähdön Aika / BURN AGAIN『-split-』(2005)


フィンランド出身のハードコアバンド二組のスプリットLP。「ラハドゥン・アイカ(出力時間)」はダーク且つヘヴィなゴシックパンク。「バーン・アゲイン(再燃焼)」はツービートの典型的ハードコアだが、コバイア語みたいなフィンランド語のヴォーカルが異界的。

Lähdön Aika: Kuoleman kellot


●Nerveskade『Nerveskade』(2009)


オレゴン州ポートランド出身のノイズコア4人組。畳み掛けるツービートとギーギーガーガー言うだけのノイズギターが駆け抜ける全12曲15分勝負。

NERVESKADE (Live)


● Cauldron Black Ram『Slubberdegullion』(2010)


オーストラリアのデスメタルバンド。曲の構成はドラマチックだが、如何せんオージーらしい大味なサウンド制作者大が、何処か寂(さも)しい。

Cauldron Black Ram - The Barbaric City / Lightning Bolt


● Cut-Throat『Cut-Throat』(2005)


オレゴン州ポートランド出身のハードコアバンド。45回転片面プレス。2005年4月に来日し全国12公演のハードスケジュールをこなした(キノコホテルはもう懲り濃飛の


●Repercussions『11 Songs EP』


テキサス州出身のハードコアバンド。緩急のある展開は、一本調子のハードコア界にあっては異色かも。動画無し。  

● Crooked Hook『‎Crooked Hook』(2006)

コネチカット州ニューへイヴン出身のストーナーロックバンド。ヘヴィなファズギターのリフがカッコいい。CD付き95枚限定プレスというレア盤なのに50円とは笑っていいのか涙すべきなのか?

Crooked Hook


ハードコア
ソフトコアと
ミディアムコア


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ぐしゃ人間/NECRONOMIDOL(ネクロ魔)/時効国家@池袋手刀 2015.12.23 (wed)

2015年12月25日 00時34分30秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


ぐしゃ人間 ワンマンライブ〈祝★天皇誕生~偶像陶酔地獄~〉

出演:
ぐしゃ人間
guest NECRONOMIDOL
opening act 時効国家


2015年12月23日(祝)池袋手刀
開場:18時/開演:18時半
前売:2300円/当日:2800円
学生・未成年・女性:500円
※割引の際は、身分証の提示が必要となります。
予約特典:先着100名様にぐしゃ人間特製年賀状有。



ネクロ魔の導きでダークサイドに遊んだダブダブ(WWW)ワンマンから一週間過ぎて、禁断症状が出て来た。真夜中にクトゥルフの喚び声が聴こえた気がして、魘(うな)されて汗びっしょりで目が覚めることも屢々。これはヤヴァい、いち早くネクロ魔の白塗り娘の手を握り除霊してもらわねば、とツイをググり、7年前から見たいと思っていたぐしゃ人間のワンマンにゲスト出演することを確認。天皇誕生日で休日だし、クリスマスイブイブらしいが予定ゼロで暇してるし好都合と即リプ予約した。



池袋にはアイドルイベントでたまに来るが、ライヴを観るのは2012年7月21日組原正(グンジョーガクレヨン)ソロ以来。初めての池袋手刀(CHOP)は滅多に行かない北口のピンサロ&ラブホ街にある。18時開場を待つ列に並ぶ。90%男子だがネクロ魔ヲタかぐしゃファンかは外見からは判らない。30分以上待って入場すると、開演前にメンバー自身の仕切りでネクロ魔物販をやっていた。さっそく瑳里と接触&チェキ、神秘的な瞳に魅入られて穢れた魂を浄化できたのは良かったが、魂抜かれてドリンク券を何処かへ無くしてしまった。

●時効国家


籠原帝子、ルアン、椅子、あゆ巫女(アユミコ)の4人組アイドルユニット。何とこの日がファーストライブ=建国記念日。離散集合激しいバンドならまだしも、アイドルさんの初ステージを観ることは一生のうち何度も無いので、シカとこの目に焼き付けた。振付けやフォーメーションが怪しいところもご愛嬌、 楽曲はぐしゃ人間の亀(ギター)が作っているので、アイドルソングにしてはバンドっぽい。15歳の中学生ルアンに一番オトナっぽい色気を感じた。最後の曲の百合っぽい絡みがヤヴァかった。今後に期待姿態(したい)。


●NECRONOMIDOL


ネクロ魔を対バンイベントで観るのは初めて。何でも新鮮な感覚は新規ならではの特権だろう。予想より魔ヲタは少なくて、満員の観客の多くは戸惑いの雰囲気。最初こそ多少ぎこちなかったが、ネクロ魔メンバーのステージングのエナジーに惹き込まれて、徐々に観客もヒートアップ、後半はリフト代わりにステージによじ登る場面も多々あり、極致集中型の盛り上がりとなった。空気の濃度が増すような、強力な磁場を持つパフォーマンスにネクロ魔中毒は進行するばかり。

NECRONOMIDOL 2015/10/25 Risaki Kakizaki Birthday Celebration


●ぐしゃ人間


ぐしゃ人間を知ったのは約8年前。バンド名とジャケットアート(ネクロ魔も手がけた奇想漫画家・駕籠真太郎のイラスト)から想像した通りの阿鼻叫喚サウンドに感嘆した。いつか観たいと思っていたが何故かチャンスがなかった。最近ギターの亀の別ユニット「リアル3区」が話題になり気になっていたところへ、ネクロ魔のお陰で出会えたことを邪神に感謝したい。亀は想像以上に小柄でSGギターがヤケに大きく見える。ヴォーカルのあうはPVや写真で見る通り、無垢と狂気を兼ね備えた黒衣のロリータ。ヤサグレ男子ds&bの強靭なビートに乗せて女子二人が暴れ回る。サバス風のヘヴィロック、ダンサブルなファンク、変拍子プログレ歌謡、大仰なディナーショーバラード、絶叫スラッシュコアなど曲調はバラバラで統一感がない。それを一本のぐしゃサウンドに纏めるのはあうの強烈過ぎる存在感と激烈過ぎる歌の世界。2時間ギミック無しで歌い上げた貫禄にノックアウトされた。アンコールの座談会であうと亀が実の姉妹だと聞いて、チャラン・ポ・ランタンのもも&小春姉妹を思い出した。チャランポは姉(小春)が妹(もも)にツッコミを入れるが、ぐしゃの場合は妹(あう)が姉(亀)に鬼畜対応する。姉妹の形はそれぞれだな、と思って忍び笑いを漏らした。

ぐしゃ人間 "僕の右手" (Official Music Video)

怨念ロック~ぐしゃ人間「オマエノロイ」

誕生日
祝うか呪うか
池袋

結果的にはクリぼっち3DAYS初日「イブイブ」を面白可笑しく過ごすことが出来た。ネクロ魔さん、あがとりい!





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でんぱ組.inc『でんでんクリスマス』@神奈川県民ホール 2015.12.22 (tue)

2015年12月24日 02時16分18秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


『Dem Dem X'mas』配信限定シングルリリース記念
でんぱ組.inc presents
クリスマスコンサート2015

supported by au うたぱす/KKBOX
@神奈川県民ホール 2015.12.22 (tue)



今年もクリスマスが近づいてきた。実は筆者の心の中では、反クリスマス派のヘイトスピーチが激しく炎上している。信仰の自由が保証されている国に住んでいるから、切支丹の祭りを非信者が祝ったからと言って文句を言う筋合いも理由も無い。筆者がこの日に憤慨するのは、極個人的な理由による。その想いに共感を抱く可能性は、計算上は365人に二人の割合である。



それは筆者がこの世に生を受けた日と関係がある。つまり端的に言えば12月25日が誕生日なのである。クリスマス生まれと言うと、大抵の人の反応は「クリスマスと誕生日が一緒にされてケーキもプレゼントもひとつだけしか貰えなかったんじゃない?」という質問だが、筆者が憤りはそんな狡(こす)い理由ではない。そもそもクリスマスプレゼントは寝てる間にサンタがくれるのだから、親からの誕生プレゼントと一緒になる訳がない。



子供の頃はクリスマスが大好きだった。小学校に上がる時函館から仙台へ引っ越したのだが、年の瀬が迫っても雪の降る気配がなく、サンタの橇(そり)が走れなくてプレゼントが貰えないかも、と心配して10円ハゲが出来たほどである(しかしサンタは空飛ぶ橇でやって来てプレゼントをくれた)。クリスマスに疑問を抱き始めたのは社会に出て数年後、80年代末のことである。



でんぱ組、キュートな“クリスマスコーデ”で登場!「うたパス Listen with直前クリスマストークショー」1





相沢梨紗(でんぱ組.inc)2.5次元ノスゝメ×2.5SPINNS X’mas Cafe
@原宿2.5SPINNS 2015.12.19 (sat)



バブル景気が盛り上がっていた頃、12月25日の夜、異性の元友人とクリスマス兼誕生祝いの会食のために自由が丘に行った。イルミネーション華やかなカフェバーやダイニングレストランは、何処もトレンディに着飾ったアベック(カップルとも言う)の予約で満員だった。どの店も予約以外お断りの出入り禁止状態。てめえら誕生日でもないのに予約して飯喰うんかい!と怒髪天を突いた。



それとは別だが、愛聴していたラジオ番組に誕生日コーナーがあった。その日誕生日のリスナーを優先してリクエスト曲をかけるのである。自分の好きな曲をラジオで流す絶好のチャンスなので愉しみにしていた。リクエスト曲は灰野敬二の「うまくできない」。ところが、肝心な12月25日はクリスマスソング特集で、誕生日コーナーはカットされたのだ。2000年前に生まれた縁も所縁もない外国人をちやほやして、常日頃番組を応援している純日本人の誕生日を無視するんかい!と堪忍袋の緒が切れた。この悔しさを理解できるのは恐らく同じクリスマス生まれか正月生まれの人しかおるまい(だから2/365)。



それ以来この時期は心の中のアンチクリスマスの血が騒ぎ出すのだが、一方では元々クリスマス好きの血は争えず、世間一般で開催されるクリスマスイベントの類いは好き好き大好き!である。昨年は12月23日『カオスフェス2014』、12月24日『クリスマスライブ2014』に参戦し、でんぱ組さんのお力でたいへん愉快なクリスマス&誕生日を過ごさせていただいたが、本年もでんぱ組さんにお心遣いをしていただき、りさちーこと相沢梨紗デザインのカワイイ女子コスと二胡とストリングスの優雅なおでんぱソングで、ファンタジックに恋をするトキメキを堪能した。


【ノットボッチ…冬】「クリぼっち」の過ごし方:『カオス』と『ヲタ』と『フリージャズ』withでんぱ組.inc

たいへんお世話になっておいて恐縮ながら、唯一忠言させていただくなら、如何せん日程がちょっと早過ぎた。肝心のイブイブ、イブ、そして(誕生日)本番当日の予定が空白のまま。さて今年はどのように「クリぼっち」&「ぼっちバースデー」を過ごそうか。不安で夜も眠れない。誰か優しいアイドルさんに救っていただけないか、焦りは隠せないのが現実である。

ちょっと待て
慌てる乞食は
貰いが少ない

コチラの二組に乞うご期待です。

●NECRONOMIDOL(ネクロ魔)

NECRONOMIDOL - LAMINA MALEDICTUM PV
NECRONOMIDOL(ネクロ魔)@渋谷WWW 2015.12.14 (mon)

●Maison book girl(ブクガ)

Maison book girl / bath room / MV
Maison book girl(ブクガ)@渋谷WOMB 2015.11.23 (mon)
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ゆるめるモ!@お台場Zepp DiverCity TOKYO 2015.12.20 (sun)

2015年12月22日 01時08分19秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


冬ツアー 『ゆるめるモ!YOU ARE THE WORLD TOUR』 FINAL
12/20(日) Zepp DiverCity TOKYOワンマン 




ゆるめるモ!(YOU'LL MELT MORE!)は、女性6人組ニューウェーブアイドルグループ。略称は「モ!」。
2015年現在まで、運営・メンバーが芸能事務所に所属せず活動している。キャッチフレーズは「みんなのハートをゆるめにきました!私たち、ゆるめる、モ~!」。

メンバー:
もね(ピンク)
けちょん(紫)
しふぉん(赤)
ようなぴ(白)
あの(水色)
ちーぼう(オレンジ)

バンドメンバー:
G ハシダカズマ(箱庭の室内楽)
G 上野翔(箱庭の室内楽)
G マモル(nhhmbase)
G JOJO広重(非常階段)
Ba 三島想平(cinema staff)
Dr 松本暁雄(箱庭の室内楽)
Dr Jimanica
Per 平野淳
Key へりこ
Cho 小貫早智子(HALIFANIE/Stefanie)
Tp 大槻寿彦
Trb 荒井和弘(DF7B)
Sax 立花佳祐



2014年6月「自家発電Vo.3」で初めて観て以来、同年8月の恵比寿リキッドルームワンマンや非常階段とのコラボ等、何度か現場に通ってきたし、CDは殆ど購入しiPodに入れて愛聴しているが、未だにゆるめるモ!には軽いアウェー感を抱いてしまう。最大の原因は「推し」が定まらないことかもしれない。写真やPVを観ると、かつてももぴと呼ばれた美少女「もね」に惚れるが、ステージ上で異彩を放つのはゆるトロ「あの」やピンクヘアの「ようなぴ」だし、映画『女の子よ死体と踊れ』で仕切り役の「しふぉん」、綺麗に憧れる「ちーぼう」、魔法少女未満「けちょん」と役どころも秀逸だった。ライヴではでんぱ組で言うサクラ色、則ちピンクとピンキー色のブルーの二本使いで応援するが、白(りさちー)、赤(みりん)、紫(もが)も使い分ける。残念ながらでんぱ現場で最も使用頻度の高いイエロー(えいたそ)とミントグリーン(ねむ)の出番はない。それでもバンドじゃないもんのぐみてゃん(七星ぐみ)のサディスティックブルー(水色)のようにでんぱ組ペンライトで応援できない色がないことは、たいへん大きなアドバンテージと言えるだろう。



メンバーは特に引き蘢りやヲタクを表明していないが、見る限りでは決して天真爛漫ポジティヴシンキングだけで生きて来たとは言い切れない。でんぱ組程ではないとしても、グループに参加して外部の世界と触れることで、人間になれたメンバーもいることだろう。グループ史上最大の舞台に賭ける意気込みは、ライヴ当日まで様々な形で集客を募った執念に明らかである。Zepp DiverCityの客席前方半分まで迫り出したキャットウォークの先端まで、入れ替わりで進み出て観客にアピールする6人の晴れやかな笑顔には、ゆるめるモ!という生き方に最大限の自信と誇りを持った、インディー系女子(Independent Girl)としての成長ぶりを見ることが出来た。



ゲスト扱いのJOJO広重を除く12人編成の生バンドが全編生演奏でバックアップ。でんぱ組のでんでんバンドの倍の人数だけあり、音の厚みと迫力はハンパない。ホーンセクションが活躍する曲も多数有り、楽曲の豪勢なアレンジを効果的に拡張する。JOJO広重が参加しての「Great Escape」から数曲は、ゆるめるモ!という存在の本質的な特異性の核心に迫る秘技伝授と言えるのではなかろうか。広重のノイズギターが音色的にパフォーマンスに貢献したかと言えば答えは「ノー」かもしれない。寧ろ耳に聞こえない、目に見えない部分、つまり演奏者と歌い手の精神と霊魂に作用を及ぼし、バンドと偶像(IDOL)の境界線、アイドルと非アイドル(NOT IDOL)の分岐点、楽音と騒音(NOISE)の臨界点をゆるめてトロトロに溶かすこと、則ち「YOU'LL MELT MORE!(あなたをもっとトロけさせたい)」の実戦に他ならない。(ちなみにJOJO広重がZepp DiverCityのステージに立つのはたぶん初めて。2012年のFREEDOMMUNE ZEROで出演した幕張メッセを別にすれば、広重にとって最大のステージだったかもしれない。ということは、もしゆるめるモ!が武道館公演を行うことになれば、JOJO広重が遂に武道館のステージに立つ可能性も十分にある。モ!を応援したい気持ちが高まる。)



1500人の観客全員の心がゆるんだかどうかは判らないが、少なくとも見習いピンクスナイパーの筆者にとっては、ゆるんだ心の持って行き場が「宇宙戦艦ミソノFEVER@大阪・味園ユニバース」や「GIRLS with RIOT!@京都メトロ」など、関西方面ばかりが優遇される年の瀬に、今年も白紙のままの聖夜のクリぼっちをどうやり過ごすか、頭痛の種もきれいに溶かして欲しいと願って止まない。

ゆるめるモ!(You'll Melt More!)『id アイドル』(Official Music Video)


ネクロ魔も
年末イベント
関西やで

何とGEZANワンマンとゆるめるモ!ワンマン両方にギターウルフの花が出ていてびっくりポンや!『宇宙戦艦ミソノFEVER』繋がりだと。セイジとオレの趣味は似ているようだ。



ギターウルフ 「SEIJI'S TV 宇宙戦艦ミソノFEVER Sp」



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上原ひろみ THE TRIO PROJECT@青山ブルーノート東京 2015.12.19 (sat)

2015年12月21日 01時39分28秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


上原ひろみ THE TRIO PROJECT
featuring アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス

世界を舞台に活躍する人気ピアニストとスタープレイヤー2人による最強のトリオ

去る4月に行なわれたソロ・ピアノ公演も大反響。ヨーロッパでのツアーを経て、FUJI ROCK FESTIVAL 2015ではメインのGREEN STAGEに登場、世界を舞台に活躍するグラミー・ウィナー上原ひろみがこの冬 “HIROMI THE TRIO PROJECT”でブルーノート東京に帰ってくる。同プロジェクトは2011年、コントラバス・ギターのアンソニー・ジャクソン(矢野顕子、スティーヴ・ガッド、ミシェル・ペトルチアーニ等と共演)、ドラムスのサイモン・フィリップス(ジェフ・ベックやミック・ジャガー等と共演)と結成。これまで3作品をリリースし、目下の最新作であるアルバム『ALIVE』はiTunesジャズアルバムランキング1位に輝いた。来たる結成5周年を前に、一層の進化・発展を続けるザ・トリオ・プロジェクト。不動のメンバーならではの鉄壁のアンサンブル、無限に広がるイマジネーションに浸りたい。

Hiromi Uehara(p)  上原ひろみ(ピアノ)
Anthony Jackson(b) アンソニー・ジャクソン(ベース)
Simon Phillips(ds) サイモン・フィリップス(ドラムス)



昨年12月に来日公演を観た「世界を駆ける鍵盤の異端児」上原ひろみが、今年も年末興行中。「楽屋で温かい食事が食べられることが何より嬉しい」と語る裏には、他国で散々冷や飯を喰わされた苦い想いがあるに違いない。その悔しさを晴らそうと、ブルーノートのシェフと共同で特別メニューを開発、餃子をアレンジした<鶏餃子 柚子胡椒のコンディモン>とどら焼きの「どら」が麩になった<アンコのアイスとマスカルポーネクリームのどら焼き>のふたつのフードと、<DARK SIDE>と<LIGHT SIDE(ノンアル)>のふたつのカクテルを饗した。しかしながら迂闊にも、筆者はいつもの癖で一番安いオレジューとフラポテをオーダーしてしまって食せなかった。2016年は「慌てる乞食は貰いが少ない」を心の標語に刻んで生きていきたい。


上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト feat.アンソニー・ジャクソン&サイモン・フィリップス『ALIVE』 日本ツアー2014

東京国際フォーラムやフジロックの大ステージで観ると、まるでショック療法のような三つ巴の音のサバイバルゲームを繰り広げる三者であるからして、キャパ10分の1のジャズクラブで殺戮行為が行われる危険性もなくもなくない。はなはだ不謹慎であるが、この3人のうち誰かがテロリストに改宗している可能性もゼロではない。まさか踏み絵で隠れテロリストが発見できる訳もない。そもそもジャズの神様が誰なのか、ルイ・アームストロングとジョン・コルトレーンとマイルズ・デイヴィズの三つ巴の大論戦に決着はつかないまま既に半世紀過ぎた。迂闊に誰かの写真を踏めと言ったら、肖像権の冒涜で裁判沙汰になるかもしれない(特に米国は注意のこと)。



ふたを開けてみれば、2016年節分リリース予定の最新アルバム『SPARK(スパーク)』からの新曲中心に、怒濤の変拍子ミュージック炸裂ではあったが、中央に座るアンソニー・ジャクソンがスタンドプレイは控えめに通奏低音を紡ぎ出し、右の上原、左のサイモンが見つめあって拮抗・対峙・共感する様は、以前の「亀甲縛り」「対自核」「阿鼻叫喚」を見事に止揚(アウフヘーベン)し、弁証法的唯物論に於ける「否定の否定の法則」あるいは「らせん的発展」が、トリオの発展の過程で広く作用していくプロセスの完全無比なる証明に喩えられる。すなわち、ブルーノートで演奏する際に上原が用いた手法とは、ピアノの88の鍵盤をひとつずつ、満員の観客ひとりずつに割り振り、ひとつの鍵盤を弾く度に、特定の観客に気持ちが届くよう祈りを籠めてプレイするという目から鱗の技法だった。500人のオーディエンス全員がピアノの鍵盤を通じて音楽と一体になり、ドラムとベースの自由な音の波に乗って、ジャズの彼方へ「スパーク」したのである。



このコズミックな体験は、150年後に音楽が世界を救う時代が到来した時に、悟りを求める子孫の心魂の指針となるべき貴重なドキュメントとして末永く語られることになるだろう。

生きている
ひろみゅーじっく
スパークだ

上原ひろみ - SPARK (コメント映像)
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GEZAN@代官山UNIT 2015.12.17 (thu)

2015年12月19日 01時51分49秒 | 素晴らしき変態音楽


GEZAN ONE MAN
BUG ME TENDER vol.11~FINAL FANTASY 2015


GEZANのライヴは今年2回目。前回が1月14日のBO NINGENとの対バンだから、実に11ヶ月ぶり。その間、夏にアメリカのバンドMEAN JEANSとGEZAN、THE GUAYSが13日間で9ヶ所を駆け抜けたツアー『MEAN JEANSの胸ジンツアー』、昨年に続いて11月に二日間開催した自主フェス「全感覚祭2015」をはじめとして彼らは弛まず交感し共振し続けて来た模様。重要なシーンに立ち会えず残念な気持ちもあるが、そもそも胸の鼓動も歩くスピードも異なる他人同士だから、常に繋がっていられる訳はない。好きに歩いていれば必ず何処かで交わる筈と信じていればいい。



代官山UNITのクリアな音響設備でかつてハードポアと呼ばれたバンドを観ることが出来るのは僥倖以外の何者でもない。一時期女子で7割占められた客層は、男女半々とバランスが取れている。筆者の知る限り11ヶ月前までは自作のコラージュSEで登場していたが、この日はラウンジ・リザーズのフェイクジャズが鳴り響いたので驚くとともにノスタルジーに萌えた。筆者をジャズの嵐に巻き込んだ罪深い記念碑的アルバムである。



2年くらい前のイベントで、ケン横山を名指してディスりながら超ポップなナンバーを連発した。GEZANがメロコアとは賛否両論あるだろうが、根っこにある希望への希求のキラメキに違いはない。ラップしようがアコギを弾き語ろうが、マヒトの壮絶なやさしさに違いはない。全裸だろうが着衣だろうがカルロスのブッとい低音に心の芯がシェイクする。傾向賛美かもしれないが、今の日本にGEZAN以上に存在意義のあるロックバンドは存在するだろうか。



多くの曲がシンガロングナンバーなので、オーディエンスも簡単に唱和出来て、ステージとオーディエンスの間の垣根が消え失せる。これまでマヒトはその垣根を突き崩そうと、摩滅するように生きて来た。一羽の小鳥を落とすために、心の銃を盲滅法撃ちまくり、その度に周囲と自分自身を傷つけ、発火加熱して火傷の焦げ跡を残して来た。クソのような世界だけど、今この瞬間此処にいる歓びを心から楽しみたい。音楽とは、一方通行のコミュニケーションでは有り得ない。GEZANの活動は、その仮説を証明するための非武装戦線なのかもしれない。

GEZAN / 2015 @代官山UNIT 予告clip


千早ぶる
百花の熱の
十姉妹

池袋Disk Union [「言いたいだけのvoid」LIVE


GEZAN 「待夢」 Live at 全感覚祭2015
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