A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【Disc Review】吉田野乃子 サックス・ソロ・アルバム『ロータス(Lotus)』

2015年11月30日 01時16分53秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


『吉田野乃子 Nonoko Yoshida / Lotus』

CD 2015 Nonoya Records Nonoya 01

Nonoko Yoshida (alto sax)

1. Take The F Train
2. Desert Island
3. Taka 14
4. Lotus (improvisation)
5. Uru-kas
6. Ecerpt from 15 Lunatics (for my mother)
7. East River
all compositions by Nonoko Yoshida

produced by Nonoko Yoshida
recorded, mixed and mastered by Joe Plourde
tracks 1 to 5: recorded at The Silent Barn, Brooklyn, September 2015
tracks 6 and 7: recorded at GSI Studios, New York, April 2015
mixed and mastered at Standard Candle Sound, Brooklyn, September 2015
cover illustrations by Tamino Hiroyuki
photos by Mayuko Nakatsuka



無限大の愛情に溢れた、即興演奏家ならではの抒情曲集

本誌「Jazz Right Now」の連載「よしだののこのNY日誌」でお馴染みの女性アルトサックス奏者、吉田野乃子の初のソロ・アルバム。昨年から取り組みはじめ、今年6月のカナダ・ソロ・ツアーや、7月の来日時にも披露されたソロ・プロジェクトの完成型である。

ループステーションを使って、その場で発した音をサンプリングし、フレーズを幾重にも重ねて奏でられる分厚いアンサンブルは、グループによる合奏とは異なり、ひとりの人間の「個性」という周波数が強調され、他の誰とも異なる透徹した魂の音響の集積体である。いわば「ののこの想い」が「∞(無限大)」に拡大・凝縮されたサウンドが、銀盤の回転にあわせて螺旋構造となり、オーディオ装置から溢れ出すのである。

もし自己顕示欲の過ぎる表現者による演奏だったら、聴き手は余りの我の強さに、疲弊し辟易して、例え34分でも耐え切れないに違いない。しかし、このCDは安心して聴いていい。離れて住む家族への想いや、生まれ育った北海道、現在の住処ニューヨークの生活をテーマにした哀感たっぷりのメロディーと、雪崩か猛吹雪のように荒々しいフラジオの嵐が交錯する音世界は、何処か心和む包容力に満ちていて、トボケた中に味のある「ののこ」という名前の響きに相応しい。

抒情的コンポジションの真ん中に置かれた7分間の壮絶極まりない即興演奏をアルバム・タイトルと同じ「ロータス」(蓮の花/ギリシャ神話で、その果実を食べると、楽しく、忘我におちいり、故郷に帰ることも忘れるという植物)と名付けたことで分かる通り、無限大の「ののこ」の中心にあるのは、禁断のロータスを食べて我を忘れた心の寂しさを“潤(うる)かす”、望郷の想いに溢れた桃源郷なのである。

Nonoko Yoshida - Sax Solo Album "Lotus"


心底を
掘って潤す
治癒の音楽

アルバムの完成後間もなく、11月10~15日ジョン・ゾーンがオーナーのライヴハウス「The Stone」でレジデンシー公演(アーティスト自身によるプログラム企画)を成功させて、12月にNYを引き払い帰国するという。今後は故郷の北海道をベースにした活動が期待される。『ロータス』の魔法が永遠に続くことを祈る。
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平野剛 Go Hirano@フクモリ マーチエキュート神田万世橋店 2015.11.25(wed)

2015年11月29日 01時20分23秒 | 素晴らしき変態音楽


Go Hirano LAST WEDNESDAY NIGHT LIVE

【日時】11月25日(水) 20:00〜20:40
【開場】フクモリ マーチエキュート神田万世橋店 タナフクモリ
※フリーライブですので、お誘い合わせの上お気軽にご参加ください☆

2015年3月より毎月最終水曜日の夜に
90年代よりカナダを中心に活動してきた平野剛さんによるフリーピアノライブを開催しています!
透明感の中にどこかぬくもりのある音で紡ぎ出される独特の世界観。
そんな平野さんの演奏をゆっくりと店内でお買い物をしながらお楽しみいただけます。
毎月最終水曜日はぜひフクモリ マーチエキュート神田万世橋店で音楽を。
※タナフクモリ(S7/雑貨スペース)での演奏になります。カフェスペースは通常通り営業しております。

【プロフィール】
平野剛 (Go Hirano) / 音楽家
鎌倉市在住。音楽家。橋本一子氏に師事。90年よりカナダを中心に活動を始める。
ピアノ、ピアニカ、声、パーカッションによる音楽を演奏。自然の中の音のかけらを集めた小品集 『Reflection of Dreams』(1996) 『Corridor of Daylights』(2004)をリリース。
2015年1月にタナフクモリにて開催した「星たちの息子・全曲版 柴野さつきLIVE」にゲスト出演。



平野剛の名前は90年代半ばモダーンミュージック/PSFの音楽誌『G-Modern』の連載「知られざるPsychedeliaたち」の筆者として知った。当時海外で発掘されていたレアなサイケデリックバンドを詳細に解説しており、コレクター向けレコード店の経営者、もしくは金持ちのレコードマニアだと思った。その10年後に中古レコード店のノイズ/アヴァンギャルドセールで入手した1st LP『Distance』で、初めて平野がミュージシャンだと知った。ヴァイオリンやギター、エレクトロニクスやガラス片を使った即興演奏は、音楽以前の物音ノイズに近かった。2nd LP『Reflections of Dreams』は、実験性が薄まりピアノとピアニカを中心にした叙情的な小品集だった。映画のサントラのようなメランコリックな抒情性は、やはり音楽というよりサウンドスケッチという印象が強い。2004年9月29日六本木SuperDeluxeで開催されたPSF&アルケミー20周年記念公演に平野が出演しテニスコーツと共演したが、対バンがJunko+浦邊雅祥、灰野敬二+成田宗弘、三上寛+JOJO広重という強烈な面子だったので、正直言って余り印象に残っていない。


(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています。以下同)

それ以来名前を聞くことはなく思い出すこともなくなったが、先日知人から平野が定期的にライヴ演奏をしていることを聞いた。場所は秋葉原近くのJRガード下の雑貨店。お洒落なショッピングモールで、あいにくの雨だったが神田川を望むテラスは、パリのセーヌ河沿いのような異国情緒がある。アート風の雑貨が並ぶ店内にピアノがあり、買い物客が通り過ぎる中で演奏が行われる。優しく爪弾かれるピアノのフレーズは、平易なメロディを空気中に積み重ね、夢の中のように朧げな印象をもたらす。カマボコ状の天井の反射音と時折響く電車の通過音が茫洋感を拡大し、音の空気に包まれる気分。眠りと覚醒の中間に意識が漂っていく。



ピアノを弾きながら片手でピアニカを吹く姿に、音楽と同じように飾り気のない素直さが滲み出る。しかし一心不乱に譜面を見つめる真剣な目つきは音楽へのマッドサイエンティストぶりを示している。”凄いもの派手なものに食傷気味になったところで、もう一度地味なレコードのひそやかな音に耳を傾けてみれば、本当のサイケデリアを感じられるだろう”と20年前に自ら書いていたとおり、平野が奏でる(エリック・サティ風に言えば)雑貨の音楽の中には、この音楽をやり続けるしかなかった30年来の想い(それを狂気と呼ぶのは間違いだろうか)が宿っているのである。

Go Hirano (new song)


ピアノから
出てくる音は
誰のもの

【次回ライヴのお知らせ】


JR秋葉原駅から歩いて5分。クラブグッドマンやディアステージのついでに足を伸ばしてみては如何だろうか。
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【アイドルカウントダウン】バンもん/ずんね/ルーチェ/マボカレ/あゆくま/キスビー/セカアイ

2015年11月27日 01時26分39秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


霜月こと11月も終わりに近づき本格的な冬が近づいて来た。でも寒いからって部屋に閉じこもってばかりいたら、引きこもりの中二病時代に逆戻りしちゃうぞ。北風小僧に負けないで、厚手のコートを着て、外へ出掛けて可愛いあの娘に会いに行こう。絶賛リリイべ開催中の熱いアイドルたちをカウントダウン。

【COUNT 8】FES☆TIVE


「日本を元気に」をコンセプトに活動する8人組お祭り系アイドル、FES☆TIVE(フェスティブ)、メンバーはリーダーの汐咲玲亜(16)、副リーダーの青葉ひなり(19)、鈴木ことね(17)、横井ほなみ(17)、坂元由奈(21)、椎名あかり(20)、鈴木みつき(18)、桃原ひよ(18)の8人。11月25日セカンドシングル「金魚のきんちゃん」リリース。

FES☆TIVE「金魚のきんちゃん」 MV

公式サイト

【COUNT 7】KissBee


女子中高生から圧倒的な支持を集める清純派ユニット。 2014年11月デビュー。本能寺の変の女子高生、ポッキーCM完コピの女子高生としても話題を集め、シリーズ合計900万再生に達する。11月25日に4thシングル『頬で探すあなたの温度』のリリース、12月26日に4thワンマンライブinディファ有明の開催が決定している。 研究生、関西ユニット、ジュニアもあり、総人数は多いが。ジャケが7人なのでカウントセブン。

KissBee 4thシングル『頬で探すあなたの温度』MV

公式サイト

【COUNT 6】バンドじゃないもん


アイドル界のミクストメディア「バンドじゃないもん!」天照大桃子、鈴姫みさこ、恋汐りんご、望月みゆ、甘夏ゆず、七星ぐみ。11/25・5th シングル「NaMiDa」リリース!2016年1月からは最長全国ツアー「バンドじゃないもん!全国ツアー2016 ~てっぺん目指そうぜ!武者修行編~」開催決定!

バンドじゃないもん!『NaMiDa』

公式サイト

【COUNT 5】Luce Twinkle Wink☆『恋色♡思考回路』


宇佐美幸乃、深沢紗希、錦織めぐみ、板山紗織、桧垣果穂の5人で構成されるアイドルユニット5人組アイドルユニット・Luce Twinkle Wink☆(ルーチェ・トゥインクル・ウインク)が25日、メジャーデビューシングル『恋色▽思考回路』をリリース。11月20日から29日まで『駆け抜けろ!アツキラ注意警報~ルーチェの日本(ニッポン)ぽんぽん大作戦!!~インストアツアー』と題して、各地でリリースイベントを開催中。

【Luce Twinkle Wink☆】「恋色♡思考回路」PV -short ver.- (第1弾)

公式サイト

【COUNT 4】マボロシ可憐GeNE


マボカレちゃんだよ!あなたとわたしの二重螺旋!マボロシ可憐GeNE(まぼろしかれんじーん)です。わりとアイドルグループ感出てるよ。遺伝子レベルで推されたい人生だった。。。次回も絶対見てくれよな!あ、11月25日にCD発売するし、来年の1月9日に初めてのワンマンライブやるよ!ファンの通称は「可憐人」。

限界BORDER / マボロシ可憐GeNE

公式サイト

【COUNT 3】あゆみくりかまき


あゆみくりかまきは、歌うたいの「あゆみ」とDJの「くりか」と盛り上げ役の「まき」の女性三名(メス熊3頭)からなるアイドルグループである。11月25日(水)にメジャー第3弾シングル「心友フォーエヴァー」を発売。そして2016年1月からワンマンライブツアーとして「ボクらの熊魂2016 ~チャーハン・シャケ缶・とーめーはーん!~」を東京・名古屋・大阪にて開催決定!

あゆみくりかまき 『心友フォーエヴァー』(Short Ver.)

公式サイト

【COUNT 2】ずんね from JC-WC


ずんね from JC-WCは、共に14歳となる「ずんたん」こと蒼波純と、「りんね」こと吉田凜音による期間限定ユニット。映画『女子の事件は大抵、トイレで起こるのだ。』に出演している蒼波と吉田によって結成された。デビュー曲は大森靖子がプロデュースと作詞作曲、サクライケンタが編曲を手掛けた“14才のおしえて”。

14才のおしえて/ずんねfromJC-WC MusicVideo(short ver.)

公式サイト

【COUNT 1】野宮真貴


981年『ピンクの心』でデビュー。その後「ポータブル・ロック」を経て、80年代ニューウェイヴシーンを代表する存在に。90年代に「ピチカート・ファイヴ」に加入、渋谷系文化のアイコンとして、日本及び海外の熱狂的な人気を集めた。現在、独創的な存在感と歌声で、音楽に加え、カルチャーやアート、ファッションなど多方面で活躍中。そのエッセンスを凝縮したシアトリカルなライブパフォーマンスが近年の白眉として、注目を集めている。ニュー・アルバム「世界は愛を求めてる。~野宮真貴、渋谷系を歌う。~」(略称セカアイ)がオリコン・ウィークリー・アルバムランキング、ジャズ部門1位(2015年11月23日付)を獲得。

野宮真貴11月11日新作発売~アルバムダイジェスト

公式サイト

ミス野宮
バニラビーンズの
かあねえさん

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【参考動画付き】Maison book girl(ブクガ)@渋谷WOMB 2015.11.23 (mon) 

2015年11月25日 02時47分47秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


Maison book girl
1st oneman live
solitude hotel 1F




3週間前文化の日の前日に中野サンプラザでブクガのライヴを初体験して、変態七拍子でMIXを打つ快感に身震いし、夢遊病状態で接触したコショージの素直光線に心を射抜かれた。実際デビューアルバム『bath room』は、歌い手が誰であっても、プログレ/現代音楽好きなら聴いて損はない作品だが、これほど欲望愛好家の好奇心の琴線を振動させる理由は、四人が紛れもないアイドルであるからに違いない。アイドルの眩しい光が、暗い音楽ヲタの心の闇を照らし出し、一緒に踊ろうと誘い出すのである。

【参考動画1】生活向上委員会大管弦楽団 変態七拍子





初のワンマン公演の会場は渋谷WOMB。最初にコショージから聞いたときは「ROOM」と聞き違えて、90年代に通った沖野修也のクラブと勘違いしたが、丸山町のラブホ街のど真ん中に建つコンクリート打ちっぱなしの建物の地下に潜ってみて、規模や広さは違えど音楽とダンス好きなコアファン向けの雰囲気が同じであることに心がユルんだ。ソールドアウトの会場は3フロアぶち抜きの高い天井のお陰で解放感に満ちており、これから始まる未知との遭遇を祝福している。

【参考動画2】Steve Reich & Wolfram Winkel - Clapping Music





ステージ後ろの巨大なスクリーンにアンビエント映像が投射され、エリック・サティの曾孫がDJしているようなサウンドが流れる。アイドルライヴとは思えないクールなスタートではある。映像が消えると、アルバムタイトル曲『bath room』のハンドクラップが流れる。巨大ウーハーから流れる手拍子の存在感が凄い。映画のワンシーンのようにバックライトに照らされてメンバーが登場。コショージの髪が黒く変わっているのを観て、声にならない感嘆の溜め息が会場を走るのを感じた。

【参考動画3】Mike Oldfield - Tubular Bells (Live at Montreux 1981)





朗読タイムでは、台詞を演じるのではなく、あくまで「ポエトリーリーディング」であることに、自らのアイデンティティへの誇りが滲む。そう思って見れば、四人の佇まいは、ステージで歌い踊るより、代官山蔦屋書店やオープンしたばかりの渋谷HMV & BOOKS TOKYOにいる方が似合いそう。逆に考えれば、そんな読書系女子が難しい変則リズムで歌い踊る姿が、見守る者の心に潤いをもたらすのだろう。

初披露の新曲が2曲。それまでMIXやケチャを打っていた客席が水を打ったように大人しくなり、直立不動で見つめるのみ。とりわけ「mbg8」と仮タイトルされた1曲目は、カウントしてても拍子が取れず、頭と身体がバラバラになって衝突しそう。まるで音楽の授業のリズム感のテストみたいだ、と思って笑ってしまった。コンサートに来て音楽能力を試されるとは初めての体験。面白過ぎる。

【参考動画4】King Crimson - Larks' Tongues In Aspic, Part Two - 1973





馴染みのアルバム・ナンバーでは、サークルモッシュが起る程の盛り上がり。無理して奇数拍子でコールをしなくても・・・などと思うとまた笑ってしまうが、変拍子で数百人がトランス状態でノリまくる現場は、バリ島のケチャやアフリカのポリリズムの祭りを別にすれば、世界広しといえども、ブクガだけに違いない。さらに井上陽水「夢の中へ」のカヴァーでモッシュとリフトが乱れ飛ぶ現場も他には有り得ない。アンコールで再び繰り返した新曲2曲に、観客もノリを見出して、その場でコールやMIXが出来ていく様子を観て、ブクガ現場は演ずる者と観る者が交歓して、新たなものが創り出される「創造の場」に他ならないと実感した。自分がこの場に参加できたことはこの上ない歓びであり名誉でもある。

【参考動画5】八十八ヶ所巡礼「仏滅トリシュナー」





終演後のチェキ会でコショージと2度目の接触。自己アピールに夢中で「黒髪がよく似合う」との褒め言葉を忘れていたことをお詫びしたい。それはともかく、変拍子だけじゃないブクガの魅力が多くの音楽ファンに伝わるよう祈りたい。
文中に貼った参考動画に興味のある方は、間違いなくブクガを気に入るはず。保証します!
[2015.11.28 21:52追加⇒「solitude hotel」は満員御礼!Maison book girl初ワンマン
[2015.12.11 15:49追加⇒Maison book girl 1stワンマンライブ 画像レポート その1Maison book girl 1stワンマンライブ 画像レポート その2Maison book girl 1stワンマンライブ 画像レポート その3

今後の接触予定
12月3日(木)渋谷REX
「We are the idol vol.4」
OPEN/18:30:START/19:00
ACT : Hauptharmonie/じゅじゅ/フィロソフィーのダンス/Maison book girl

12月8日(火)渋谷WOMB
RINGO DEATHSTARR ”PURE MOOD”JAPAN TOUR2015
OPEN 19:00 / START 19:30
Support act : Maison book girl

【参考動画6】Ringo Deathstarr - Guilt


コショージと
アレックスの2ショチェキ
強くきぼんぬ

Maison book girl / bath room / MV


maison book girl / snow irony / MV


[2015.11.28 18:43追加]
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【集中連載】BYG Actuel Seriesの奇蹟<後編>ゴング/ムジカ・エレットロ二カ・ヴィヴァ

2015年11月24日 01時07分54秒 | 素晴らしき変態音楽


●ヒッピー音楽フェスティバル
1969年8月パリで濃厚な創造の一週間が行われていた頃、アメリカではウッドストック・フェスティバル(1969年8月15日~17日)が開催され大きな話題になった。BYGとActuel誌はフランスでも同様のフェスティバルを企画した。『アクチュアル・フェスティバル Festival Actuel』と銘打ちパリ近郊での開催を目論んでいたが、フランス当局に拒否され、1969年10月24~28日にベルギーのAmougiesという小さな町で開催された(そのため『Festival d'Amougies』とも呼ばれる)。アート・アンサンブル・オブ・シカゴやアーチー・シェップ、ドン・チェリーやサニー・マレイ等のフリージャズだけではなく、フランク・ザッパ、ピンク・フロイド、キャプテン・ビーフハート、ソフト・マシーン、イエス、テン・イヤーズ・アフター、ナイスといった進歩的なロックバンドも多数出演し、5日間で20000人を集め成功を収めた。



その翌年1970年7月5日にフランスのBiotで『ポパナリア・フェスティバル Popanalia Festival』を開催。ジョーン・バエズ、ピンク・フロイド、エリック・クラプトン、ゴング、ソフト・マシーン、ムーディ・ブルース、アート・アンサンブル・オブ・シカゴ、アーチー・シェップ、ソニー・シャーロック、ドン・チェリー等が出演。ヨーロッパ中から観客が集まった。

●財政破綻と契約問題
ヨーロッパ中のヒッピーが集まり、カウンター・カルチャーの象徴としては成功したが、金銭面では大赤字で、BYGの財政は圧迫され、1973年には遂に破産してしまった(後に創設者のJean GeorgakarakosはCelluloid、Jean Luc YoungはCharlyという自主レーベルを設立)。BYG活動当時から、契約の不備により、アーティストの非公認の音源リリースや印税不払い問題が発生していた為に、カタログ再発に当たって再発を許可しないアーティストもいる。そのため、再発元の都合でジャケットのカタログNoやデザイン/写真が変更されたり、別々の作品がカップリングされたりして、全容が判りにくい状態になっている(それがこのブログに全カタログをまとめた動機でもある)。

●非ジャズ・アーティストたち
BYG Actuelのユニークな点は、フリージャズに混じってロックや実験音楽の作品をリリースしたことである。前衛レーベルの先達であるESP Diskがファッグスやゴッズ、パールス・ビフォア・スワイン、クロマニヨンなど実験的なロック/フォーク系作品をリリースしたことを思い出させる。

ゴング Gong/デヴィッド・アレン Daevid Allen


1967年にオーストラリア生まれのデヴィッド・アレンを中心にフランスで結成されたプログレッシブ/サイケデリック・ロック・バンド。英米ではスペース・ロックというジャンルで括られることが多い。1968年、フランス五月革命において、アレンとパートナーのジリ・スマイスは学生側に加担するパフォーマンスを行った。このことにより公安警察に追われる身となり、スペインのマヨルカ島デヤに潜伏。ここでディディエ・マレルブと知り合い、バンドの原形が作られる。その後、フランスに戻り「ゴング」を結成した。1969年にフランスBYG・レーベルからファースト・アルバム『マジック・ブラザー』を発表。1971年、アレンのソロアルバム『バナナ・ムーン』発表をはさみ、2nd『カマンベール・エレクトリック』を発表。このアルバムからエンジニア兼エレクトロニクス奏者のヴヌー・ドゥ・ルクスが参加し、サウンド面での飛躍的な進歩をみせている。73年にゴングを脱退するリーダーのデヴィッド・アレンは、ゴング時代からよりパーソナルな世界を追求したソロ作品をリリースしている。

アム・ソン Ame Son


1967年にデヴィッド・アレンがフランスで結成したバナナムーン・バンド(ゴングの原型)のメンバーだったマーク・ブラン(vo,ds)とパトリック・フォンテーヌ(b)が1969年にフランソワ・ガレル(fl)とベルナール・ラヴェイユ(g)と結成したプログレッシヴ・ロック・バンド。70年にBYGから『Catalyse』でデビューし、「アクチュアル・フェステュバル」「レ・アール」「ル・プルジェ」等数々の音楽フェスに出演し人気を博すが、71年に解散。73年に再結成し76年にアルバムをリリース。その後も解散・再結成を何度か繰り返す。 79年にNurse with Wound listにリストアップされ世界中の好事家の興味を惹いた。

ムジカ・エレットロニカ・ヴィヴァ Musica Elettronica Viva; MEV


イタリアのローマに拠点を置く即興音楽家集団。1966年に結成された。長年に渡り、アルヴィン・カラン、リチャード・タイテルバウム、フレデリック・ジェフスキ、アラン・ブライアント、キャロル・プランタムラ、イヴァン・ヴァンダー、スティーブ・レイシー、ジョン・フェットプレイスなどがメンバーを務めている。
シンセサイザーを使って音の加工をいち早く行った実験音楽家集団であった。1967年にベルリンで行われた演奏会では、ジョン・ケージのSolo for Voice 2を、プランタムラがモーグ・シンセサイザーを用いて自分の声を変換し演奏した。また、窓ガラスやオリーブ油の缶といった「非音楽的な物体」から発せられる音を増幅し演奏に用いたが、これが原因となってイタリアでは暴動が起きたため、同国内では悪名高き存在となった。構成メンバーは個々が作曲家として活動しているが、今日までグループとしての活動も積極的に行っている。

フリーダム Freedom


プロコル・ハルムを脱退した(追い出された)ボビー・ハリソン(vo,ds)とロレイ・ロイヤー(g)を中心に1967年に結成されたイギリスのロックバンド。結成当時はサイケポップだったが、68年にハリソン以外のメンバーを一新し、ブルース/ハードロック色を強め、ブラック・サバス、ジェスロ・タル、ジェームス・ギャング等とツアーし名を挙げる。70年の2ndアルバム『フリーダム・アット・ラスト』(BYG)に収録のビートルズのカヴァー「クライ・ベイビー・クライ」で知られる。5枚のアルバムを残して72年に解散。ハリソンはSnafuを結成。

Freedom.Cry Baby Cry



●actuel 26 - 53
acteul 26 Musica Elettronica Viva / The Sound Pool



acteul 27 Pierre Marietan and Terry Riley / Germ: Keyboard Study 2



acteul 28 Art Ensemble of Chicago / Message to Our Folks



acteul 29 Art Ensemble of Chicago / Reese and the Smooth Ones



acteul 30 Dave Burrell / La Vie de Bohème



acteul 31 Don Cherry / Mu, Second Part



acteul 32 Sunny Murray / (Never Give a Sucker) An Even Break



acteul 33 Grachan Moncur III / Aco Dei de Madrugada



acteul 34 Dewey Redman / Tarik



acteul 35 Musica Elettronica Viva / Leave the City



acteul 36 Frank Wright / One For John



acteul 37 Sonny Sharrock / Monkey-Pockie-Boo



acteul 38 Archie Shepp / Full Moon Ensemble Live in Antibes, Volume 1



acteul 39 Archie Shepp / Full Moon Ensemble Live in Antibes, Volume 2



acteul 40 Sun Ra / The Solar-Myth Approach, Volume 1



acteul 41 Sun Ra / The Solar-Myth Approach, Volume 2



acteul 42-4 Alan Silva / Celestial Communications Orchestra - Seasons



acteul 45 Daevid Allen / Banana Moon



acteul 46 Joachim Kühn / Paris is Wonderful



acteul 47 Anthony Braxton / This Time



acteul 48 Sunny Murray / Sunshine



acteul 49 Jacques Coursil / Black Suite



acteul 50 Arthur Jones / Scorpio



acteul 51 Archie Shepp / Live at the Pan-African Festival



acteul 52 Steve Lacy / Moon



acteul 53 Gong / Camembert Electrique



MEV ムジカ・エレットロニカ・ヴィヴァ
MBV マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン
MBG メゾン・ブック・ガール

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【集中連載】BYG Actuel Seriesの奇蹟<前編>アーチー・シェップ/アート・アンサンブル・オブ・シカゴ

2015年11月22日 03時19分33秒 | 素晴らしき変態音楽


●前衛ジャズ専門レーベルBYG Actuel
BYGは Fernand Boruso、Jean Luc Young、Jean Georgakarakos (aka Jean Karakos) によって1967年に設立されたフランスのレコードレーベル。BYGの名は設立者3人のイニシャルから取られている。 BYG設立以前、Karakosはレコード配給・輸入業、YoungはBarclayレコード、Boruso はSaravahレーベルで働いていた。設立当時は地方の大学都市へのレコードショップのチェーンを始める一方、 Savoy音源などをフランスでの配給権を得てリリースしていたが、1969年〜71年Actuelシリーズとして、アメリカのフリージャズを中心にフランスの前衛ロック、実験音楽等のアルバムを52枚連続リリース。72年にレーベルは活動を停止するが、Actuelのカタログは幾つかのレーベルから再リリースされている。

●アート・アンサンブル・オブ・シカゴ、パリへ移住
60年代ブラックパワーの隆盛と共に盛り上がりを見せたフリージャズは、64年「ジャズの10月革命」で世界的な注目を集めたものの、経済的に恵まれることはなく、アメリカでは活動の場も限られていた。そこで多くのフリージャズ・ミュージシャンは、進歩的な音楽への関心の高いヨーロッパへ活動の場を移すようになる。そんな中、シカゴのアフリカ系音楽家の自助組織AACMの中心で活動していたレスター・ボウイ、ロスコー・ミッチェル、ジョセフ・ジャーマン.マラカイ・フェイヴァースも69年春に家具を売り払いフランスへ移り住む。「アート・アンサンブル」と称していた彼らは、パリのプロモーターからの要請で「アート・アンサンブル・オブ・シカゴ」を名乗ることになる。パリ左岸のホテルに部屋を借りたレスター・ボウイ一家以外は、トランペット奏者でもある医者の伝手でパリの精神病院に住んでいた。69年初夏にBYGに『ジャクソン・イン・ユア・ハウス』と『苦悩の人々』の2枚のアルバムを録音し、ギャラを得てパリの北郊外に住居を構える。

●汎アフリカ文化フェスティバル
7月アルジェリアでパン・アフリカ文化フェスティバルが開催され、アート・アンサンブル・オブ・シカゴも出演する。31カ国から詩人や写真家や音楽家や、ブラックパンサーのEldridge Cleaverやブラックパワー運動のStokely Carmichaelといった活動家が参加した(活動家に目を光らせるCIA工作員や冷戦時代ロシア寄りだったHouari Boumedieneアルジェリア大統領もいた)。フェスティバルの最大のスターは、自分のサックスをベトコンのマシンガンに喩えるアーチー・シェップであり、アフリカ同盟機関からの参加要請に応じてシェップは、サニー・マレイ(ds)、デイヴ・バレル(p)、アラン・シルヴァ(b)、グレイシャン・モンカー3世(tb)を引き連れてフェスに参加した。

●『Actuel』誌
先鋭的なアフリカ系アメリカ人のジャズと固有のポリリズムを融合した汎アフリカ主義を標榜し成功を収めたフェスの立役者のひとりが、ジャズ&カルチャー雑誌『Actuel』の専属カメラマンのJacques Biscegliaだった。『Actuel』誌はBYGに買収されており、 Biscegliaは『Actuel』の創設者でありジャズドラマーであるClaude Delclooと共に、YoungとKarakos(Borusoは既に手を引いていた)を説得し、ひよっこのBYGの為にフェスティバル出演者をパリに呼んでレコーディングさせることにした。フェスの2週間後にパリは、先鋭的ジャズ・ミュージシャンとファンにとってパラダイスになった。

●前衛ジャズの歴史で最も偉大な1週間
「間違いなく創世記の日々だった。パリが真の意味でコスモポリタンになった。世界中のミュージシャンが集まり、パリ中のアート施設で、あらゆるコンサートが行われ、想像力の及ぶ限り何でも好きな表現をすることが出来た」とロスコー・ミッチェルは語る。「中心地はアメリカン・センター。練習室が幾つかあり、コンサートホールもあった。ミュージシャンがみんな集まり、レコーディングやセッションの準備をしていた」
「音楽の歴史上稀に見る長期間のレコーディング・セッションだった。一週間に亘って、入れ替わり立ち替わりレコーディングが行われ、毎朝の挨拶代わりに今日は誰のレコーディングに参加する?と尋ねるほどだった。そしてBYGがすべてを記録に残した」(アラン・シルヴァ)

1969年8月11〜17日の7日間で行われたレコーディングBYG Actuel全作品の20%の10作に及ぶ。
8/11
Andrew Cyrille - What About?
Grachan Moncur III - New Africa
8/12
Archie Shepp - Yasmina, A Black Woman
Art Ensemble of Chicago - Message to Our Folks / Reece and the Smooth Ones
8/13
Dave Burrell - Echo
8/14
Archie Shepp - Poem for Malcolm
8/15
Jimmy Lyons - Other Afternoons
Sunny Murray - Hommage to Africa / Sunshine
8/16
Archie Shepp - Blasé
8/17
Alan Silva and His Celestial Communication Orchestra - Luna Surface

●actuel 1- 25
actuel 1 Don Cherry / Mu, First Part



actuel 2 Art Ensemble Of Chicago / A Jackson in Your House



actuel 3 Sunny Murray / Hommage to Africa



actuel 4 Archie Shepp / Yasmina, A Black Woman



actuel 5 Gong / Magick Brother



actuel 6 Claude Delcloo and Arthur Jones / Africanasia



actuel 7 Michel Puig / Stigmates



actuel 8 Burton Greene / Aquariana



actuel 9 Jimmy Lyons / Other Afternoons



actuel 10 Alan Jack / Bluesy Mind [never issued]


actuel 11 Archie Shepp / Poem for Malcolm



actuel 12 Alan Silva / Luna Surface



actuel 13 Paul Bley / Ramblin'



actuel 14 Acting Trio / Acting Trio



actuel 15 Anthony Braxton / B-Xo/N-0-1-4-7a



actuel 16 Andrew Cyrille / What About?



actuel 17 Joachim Kühn / Sounds of Feelings



actuel 18 Archie Shepp / Blasé



actuel 19 Jacques Coursil / Way Ahead



actuel 20 Dave Burrell / Echo



actuel 21 Grachan Moncur III / New Africa



actuel 22 Kenneth Terroade / Love Rejoice



actuel 23 Clifford Thornton / Ketchaoua



actuel 24 Ame Son / Catalyse



actuel 25 Freedom / Freedom at Last



BYG Actuel Seriesの奇蹟<後編>ゴング/ムジカ・エレットロ二カ・ヴィヴァへ続く

ビューティフル
ヤング
ジェネレーション

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【やさしい前衛】Art Ensemble Of Chicago/My Bloody Valentine/Maison book girl

2015年11月21日 04時57分55秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


●アート・アンサンブル・オブ・シカゴ


アート・アンサンブル・オブ・シカゴ(Art Ensemble Of Chicago)は、アメリカ合衆国シカゴ出身のフリー・ジャズ・バンド。「多楽器主義」を掲げ、ステージ上に膨大な数の楽器を並べて、それらすべてを演奏することで知られる。

レスター・ボウイ Lester Bowie (October 11, 1941 – November 8, 1999) :tp, perv, vo etc.
ジョセフ・ジャーマン Joseph Jarman (b. September 14, 1937 in Pine Bluff, Arkansas):sax, cl, fl, perc, vo etc.
ロスコー・ミッチェル Roscoe Mitchell (born August 3, 1940 in Chicago, Illinois) :sax, cl, fl,perc, vo etc.
マラカイ・フェイヴァーズ Malachi Favors (August 22, 1927, Lexington, Mississippi – January 30, 2004, Chicago, Illinois):b, vo, perc etc.
ドン・モイエ Famoudou Don Moye, (born May 23, 1946) :ds, perc, vo etc.

Art Ensemble Of Chicago - Jean-Christophe Averty - 1970



●マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン


マイ・ブラッディ・ヴァレンタイン(英: my bloody valentine)は、アイルランドのロックバンド。かつて日本では「マイ・ブラディー・バレンタイン」とも表記されていた。略称はマイブラまたはMBV。

ケヴィン・シールズ(Kevin Shields、1963年5月21日 - ) - ボーカル、ギター、ベース、サンプラー
コルム・オコーサク(Colm Ó Cíosóig、1964年10月31日 - ) -ドラムス、パーカッション
ビリンダ・ブッチャー(Bilinda Butcher、1961年9月16日 - ) - ボーカル、ギター
デビー・グッギ(Debbie Googe、1962年10月24日 - ) - ベース

My Bloody Valentine - To Here Knows When (Live)



●メゾン・ブック・ガール


Maison book girl(メゾンブックガール)は、2014年に結成された日本の4人組女性アイドルグループ。略称は「ブクガ」。

矢川葵 やがわあおい 1994年4月1日(21歳) ミスiD2015ファイナリスト
井上唯 いのうえゆい 1994年9月13日(21歳) ニックネームは「ゆいまーる」
和田輪 わだりん 1995年3月14日(20歳)
コショージメグミ 2014年5月4日(1歳) BiSの元メンバー 実際の生年月日は1993年9月28日(22歳)

Maison book girl 10/3 月見ル君想フ my cut~snow irony



芸術は
やさしくなれば
意味がない


驚愕の日本サイケデリック秘宝発見物語~Be-2(ハーツヴァイス)と及川禅の世界

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【回想独白】TACO、ガセネタ/A-MUSIK@新宿LOFT 2015.11.17(tue)に想う

2015年11月19日 02時09分20秒 | 素晴らしき変態音楽


SHINDACO~死んだ子の齢だけは数えておかねばならない
TACO、ガセネタ (山崎春美、遠藤ミチロウ、戸川純、佐藤薫、遠藤晶美、工藤冬里、松村正人、久下恵生、向島ゆり子、後飯塚僚、BANANA-UG、野々村文宏、香山リカ、長門洋平、渡邊未帆、他)
A-MUSIK (竹田賢一、大熊ワタル、千野秀一、小山哲人、中尾勘二)

“2015年11月17日、故・大里俊晴(1958~2009/音楽家、音楽批評家)の七回忌にコト寄せて。たくさんの死者たちとともに、三途の川っ縁を挟んでの壮絶にも一夜限りの宴を繰り広げます。題して略せば、シンダコ。”

 80年代前半に「天国注射の昼」「自殺未遂ライブ」などで日本の初期のオルタナティブミュージックシーンに伝説を残した「TACO」とその前身の「ガセネタ」のオリジナルメンバーである乾純、そして遠藤ミチロウ、工藤冬里、佐藤薫、野々村文宏、向島ゆり子などが、インディーズロック発祥のライヴハウスともいえる「新宿LOFT」に結集し、大里ら他界したメンバーにイタコよろしく憑依して、アルバムの全曲を演奏する。ロリータ順子のパートは当時彼女と交遊があった戸川純が歌い、山崎春美が芸名を命名した香山リカも出演する。



『1980年に、あなたは何をしていた?』という質問に答えてみた。

高校三年生。理系のクラスだったが、数学が難し過ぎて、文転(文科系に転身すること)した。クラスでは特に目立つ存在ではなかったが、記念祭(文化祭)でパンクバンドをやって凄い人気を集め、一年生の五十嵐樹里(顔は忘れたが、名前は覚えてる。男なんてそんなもの)という女の子に告白された。しかし当時は、ブラスバンド部のアルトサックスの同級の女子に密かな想いを寄せていたので、本気で相手にしなかったら、手もつなぐことなくいつしか疎遠になった(プチ後悔)。結局彼女は出来なかったが、クラブ活動や学外のロック好きの友人とつるんでそれなりに充実した高校生活を送った。しかし翌年受験に失敗し1年間浪人生活を送ることになる。



吉祥寺にはいろんなレコード屋があった。南口のレコードプラント(1階国内盤、2階輸入盤)、水道道路の角のビルの上階のジョージア、安い中古盤のジョージ。北口には西友の隣のビルの地下のジョージア・ジュニア店、コスモビル2階のレコード舎、サンロードの真ん中の狭いビルの2階のトニーレコード、FFビルの1階にあった名曲堂は普通の地元のチェーン店なのに何故か海賊盤が充実していた。小遣いは限られていて、バイトもしていなかったが、昼食代を浮かしてレコードを買っていた。

パンク、ニューウェイヴが好きだったが、ギター雑誌『プレイヤー』でイラストレーターの八木康夫が連載していた「PIPCO'S」というコラムでフランク・ザッパやキャプテン・ビーフハート、そしてレジデンツを知り、前衛的なロックに夢中になった。『フールズメイト』を読んでレコメン系プログレや世界各地のアングラロックの深みにハマっていった。丁度その年、三鷹に「黎紅堂(れいこうどう)」という貸しレコード屋が出来たのを知り、行ってみたら当時は入手困難だったファウストの1stアルバムがあって驚いた。



前年1979年に初めてライヴハウス(荻窪ロフトや吉祥寺マイナー)に東京ロッカーズ系のライヴを観に行った。80年も何度か行ったと思うが、ライヴハウスよりも法政大学学生会館の方が多かった気がする。グンジョーガクレヨンを学館で観て、カッコ良過ぎて震えるほど感動したのを覚えている。秋の記念祭が終わると受験勉強が忙しくなり、レコード屋やライヴに行くことが難しくなった。唯一の楽しみは、勉強の息抜きに行う宅録だった。当時ヒットしたイギリスのフライング・リザーズが、段ボールや玩具で演奏し、素人に歌わせて曲を作っていると聞いて、それなら自分にも出来ると思い、カセットデッキとラジカセを繫いで、ラジカセのミキシングマイクで音を重ねる、いわゆるピンポン録音を始めた。最初のうちはバンドを真似たカバー曲が中心だったが、徐々にレジデンツや19/JUKEの影響が濃くなり、81年浪人時代は、精神状態を反映し陰鬱なインダストリアルサウンドになった。勉強部屋から時折聴こえる奇妙な音や絶叫が、家族に与えたであろう不安と心労を考えると、申し訳ない気持ちでいたたまれなくなる。

Euqisumorih "愛があれば"

79年の独白はコチラ【回想録】非常階段結成35周年記念ライヴ@初台The DOORS 2014.8.29(fri)

他の人
その時何を
していたか


コメント (3)
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【ユルみの時代】ゆるめるモ!/寺嶋由芙/Bo Ningen/Velvet Underground/えいたそetc.

2015年11月18日 08時23分02秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


世界各地で様々な事件や事故が起り、緊張が高まり、世の中が窮屈になりつつある気がしないだろうか。思考回路が麻痺した人々が、押してはいけないスイッチに指を掛けている。無法ネット世界で個人情報を晒し合い罵り合う。ロックコンサートやサッカースタジアムで命を落とす危険性が高まる。国を出た人々の行き先が失われる。泣く泣く故郷を出た人々の還るべき土地はガイガーカウンターが鳴り止まない。

こんなときは、怒張した世の中をユルめて憎しみの連鎖をユルめれば、戦争や悲劇のリスクが減るかもしれない。時代は今「ユルみ」を求めている。

●ゆるめるモ!『YOU ARE THE WORLD』


「みんなのハートをゆるめにきました!私たち、ゆるめる、モ~!」をキャッチフレーズに『ユルみ』の時代を一歩リードする6人組。その気高い奉仕精神は『私たちが世界よ!』と宣言するセカンドアルバムに結晶した。「モモモモモモ!世世世世世世!」と呪文を唱えて「1!2!かんふー!」と「KAWIIハードコア銀河」に飛び込めば、「もっとも美しいもの」は「Only You」だと分かるハズ。

ゆるめるモ!(You'll Melt More!)『もっとも美しいもの』(Official Music Video)



●寺嶋由芙 with ゆるっふぃ~ず『いやはや ふぃ~りんぐ』


ゆっふぃーこと寺嶋由芙が立ち上げた自主レーベル“#Yuffy_Store(ゆふぃすとあ)”からの第1弾。ゆるキャラオタクの本領発揮、10体のゆるキャラからなるゆるっふぃ~ずと交歓し、ユルくてユルユルな光を世界にお届け。いやはや、こいつはユルまるふぃ~りんぐ!

寺嶋由芙withゆるっふぃ~ず「いやはや ふぃ~りんぐ」PV



●Bo Ningen『Yuruyakana Ao(ゆるやかな青)』


ロンドン在住和式サイケ見世物小屋の4人組棒人間は、ユルやかサイケロックで聴き手の心のネジをユルめてしまう。キレキレ爆裂パフォーマンスの中に救いの「ユルみ」ソングが眩い光を放つのだ。

BO NINGEN JAPAN TOUR 2016、単独公演決定!
1月5日 (火) 大阪 梅田 Shangri-La
1月6日 (水) 名古屋 池下 CLUB UPSET
1月13日 (水) 東京 渋谷WWW
http://www.magniph.com/?p=3186

12月7日、12月8日 渋谷duo music exchangeにて
両日ともTHE POP GROUP東京公演のオープニングアクト
http://andmore-fes.com/news/10312/

名古屋にて「年末調整GIG」12/25 池下CLUB UPSET
avengers in sci-fi/ Drop's / クウチュウ戦 / モーモールルギャバン
http://natalie.mu/music/news/165574

Bo Ningen - Yuruyakana Ao - Live Beauregard 2015



●The Sons of Champlin『Loosen Up Naturally』


後にシカゴに加入するシンガーソングライター、ビル・チャンプリンが集めたヒッピー友達バンド。サイケ時代のサンフランシスコは、ただでさえ葉っぱやドラッグで頭のネジがユルんでいるのに、更に『自然にユルんじゃおう(Loosen Up Naturally)』を合言葉にブラスロックでブルースを歌う能天気集団。

The Sons of Champlin - Freedom / Get High - 12/1/1973 - Winterland (Official)



●NY LOOSE『Born To Loose』


イギー・ポップ&ストゥージズの『Loose(ユルめろ)』からバンド名をいただいた90年代ニューヨークのパンクバンド。演奏自体はしまりが良くて密度が高いソリッドロケンローだけど、紅一点ブリジット・ウェストのロリな魅力がパンク少年&親父の頬をユルめる。

NY Loose - Broken



●ダグ・ユール Doug Yule/The Velvet Underground『Squeeze』


ヴェルヴェット・アンダーグラウンドに1969年に加入し3rdアルバム『ヴェルヴェット・アンダーグラウンドIII』(69)、4th『ローデッド』(70)に参加。後半は中心人物として活躍し、リード脱退後は実質的なリーダーとなったダグ・ユール。彼がメインで制作されたアルバム『スクイーズ』(73)は世紀の駄作と呼ばれる。ヴェルヴェッツと思えば確かにヘロいが、ユルんだロックはリハビリ必要。

Velvet Underground "Friends" (from album "Squeeze") 1973


Amazing ballad from a strangest and most underrated "post" album ever, VU`s final studio outing "Squeeze". The song is written by Doug Yule and recorded by:
Doug Yule -- vocals, guitars, bass, piano.
Ian Paice (!) -- drums.

ユルユルと
ユルく生きれば
なんとか成瀬!

えいたそ太陽神のありがた~いお言葉!


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MO'SOME TONEBENDER@鶯谷・東京キネマ倶楽部 2015.11.15(sun)

2015年11月17日 00時15分15秒 | ロッケンロール万歳!


MO'SOME TONEBENDER
Ride into HEAVEN TOUR ~天国に一番近いGIG~


地獄から天国へと駆け抜けるモーサム爆走の2015年締め括りの単独公演は、妖炎音楽のメッカ東京キネマ倶楽部に初登場。キノコホテル、GLIM SPANKY、Drop's、八十八ヶ所巡礼、大森靖子、マヘル・シャラル・ハシュ・バズ、アーバンギャルドと云った筆者が溺愛する女子バンドや変態バンドの実演の場であるこのグランドキャバレー跡地で、まさかロケンローの推しバンが体験できるとは、果たして天国と出るか地獄と出るか?いつも以上に欲望愛好心をギラつかせてラブホテルと文人の街へ向かった。

MO'SOME TONEBENDER - トーキョーロスト (MV)


満場のホォルは開演前からロケンローの生け贄を求める欲望愛好家の妄念が渦を巻き、熱気で煽られ早くも顔が上気する。デジロックが火照った頬にヒヤリとメタリックな冷気を吹きかける。暗転と歓声に続き、かつてマリアンヌ東雲が生着替えし、浜崎容子がフランス人形に扮し、中野ミホがはにかみながらハンドマイクで歌った二階のテラスに、ギンギラゴールド衣装の武井靖典が登場し、プレスリー宛らのエンターテナーぶりを発揮する。彼ほどテラスの似合うロケンローラーはいないだろう。



天国盤を中心にアッパーなロケンローを連発。ステージ前半分は身体を激しくぶつけ合うことで感動を共有する欲望伝達法、別名モッシュに興じる男女多数。その周りの女子や男子も前後左右に身体をロックさせロールさせ思い思いにビートサーフィンしている。キネマ倶楽部がかつては男女の社交場だったことを思えば、この場を共有する♂と♀の間にロマンティックな感情が芽生えても不思議は無かろう。しかしそれより今はロケンローを全身で享受することで忙しい。

MO'SOME TONEBENDER「nuts」 Music Video


藤田勇が肩から下げたキーボードが、サウンドの混沌を殊更に拡張する。2度目にテラスに登場した武井は自作の天使の羽を背負ってライトセーバーの秘技を皆伝する。いつにも増してキレのいい百々和宏は、後半上半身ハダカになり、筋肉質なスレンダーボディでマッチョ愛好家を魅了して、そのまま客席へダイヴ。今宵の生け贄を得たロケンロー欠食児童の群れの驚喜が火に油を注ぎ、狼煙がもう少しで天国に届きそうなほど燃え上がった。



しかしまだ天国逝きは早過ぎる。モーサムと一緒にもっとこの世のロケンローを味わい尽くしたい。

宴の後
ラブホの街で
何をする

MO'SOME TONEBENDER - You are Rock'n Roll
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