A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

復興の歌~ゲルニカ「改造への躍動」

2008年03月31日 22時08分32秒 | 素晴らしき変態音楽
戸川純という不思議系歌手を知ったのは1982年にYMOの主宰するYENレーベルからリリースされたゲルニカの「改造への躍動」というアルバムだった。上野耕路の作る奇矯なエレクトロニック・サウンドに乗せて昭和初期歌謡もしくは上海ボードビル風に演劇的なヴォーカルを聴かせる。太田螢一作詞の歌詞の内容は戦後日本の復興をテーマにし、アートワークも旧字体を用いたりしてこれまたレトロなもの。その実サウンドは未来的で、昭和初期に夢見た未来を描き出したパラレル・ワールドといえるものだった。
当時渋谷のライヴハウス、ラ・ママにてゲルニカとEP-4のジョイント・ライヴを観た。チャイナ・ドレスに身を包み妖しい踊りを交えてパフォーマンスする戸川純は眩しかった。それを録音したカセットが部屋のどこかにあるばずだ。
その後彼女はソロ・デビュー、「宝島」などのサブカル誌に大きく取り上げられてテレビにも出演し、一大ブームを巻き起こした。「ウォシュレット」のCMの"おしりだって洗ってほしい"というせりふは流行語にもなった。さらにヤプーズを結成。積極的な活動でPHEWと並んで当時のアングラ系女性ヴォーカルの代表格と呼ばれた。最近YouTubeで知り合った灰野敬二好きのフランス人が好きな日本の女性歌手として戸川純とPHEWの名前を挙げていたのが印象深い。
90年代半ばに自殺未遂を起こし第一線から離れたが、21世紀になってまたヤプーズを再結成し活動しているようだ。過去の作品がCD化されもし、80'sのアングラ・ヒロインが蘇った。ゲルニカの再結成はないのだろうか。

ゲルニカは
レトロ・モダンの
薫りする

今日は戸川純の47歳の誕生日である。



コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

異なる視点~バンテージポイント

2008年03月30日 22時34分40秒 | 映画やDVDのこと
デニス・クエイド主演のアクション・サスペンス映画「バンテージポイント」を観てきた。大統領暗殺事件を8つの異なる視点で描いた作品で、観客も同じ時間軸を何回も視点を変えて反芻することとなる。その度に新しい事実が判明して最終的にはこの事件の裏に隠された真相が明らかになる、というもの。余り深入りするとネタバレになるのでこれ以上は書かないが「ダイハード」と「24」を合わせたような手に汗握る展開は久々に爽快だった。
人間はそれぞれの立場に立った一面しか目にすることは出来ない。後から伝聞で真実を知ることが出来る場合もあるが、大抵は自分の視点のみで物事を判断することが多い。その判断が如何に真相と異なっていようと、その人にとってはそれが真実なのである。世の中は誤解で成り立っている。真実を追究するよりも誤解のままであるほうが良い場合もあるのだ。
バンテージポイント HP

分からない
理解出来ない
それで良い

映画は4月半ばに終わるそうだから観るならお早めに。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

大衆ロック健在~R.E.M.「アクセラレイト」

2008年03月28日 22時47分04秒 | 素晴らしき変態音楽
「R.E.M.『アクセラレイト』ブロガー限定試聴会」というのがあったので参加してきた。要はブログという草の根のメディアを使ってR.E.M.の新譜の宣伝をしようということだ。R.E.M.サイドではなくレコード会社のアイデアで今回初めて実施し、25名の参加を得たという。元々アメリカでカレッジ・ラジオからブレイクした彼らには現代のインターネットを活用したプロモーションが似合う。いい考えだと思う。
試聴会は青山のワーナー・ミュージックの殺風景な(失礼!)会議室で行われた。私の出席した回は8名くらいの参加だった。アルバム資料と歌詞・対訳が配られ、アルバム全曲の試聴があり、最後に1stシングル「Supernatural Superserious」のPVを上映した。歌詞・対訳は要返却。これは輸入盤を買われてしまうことへの防御策だろう。
アルバムは全11曲で34分というあっけないほど短いコンパクトなものだった。これまでもR.E.M.の曲には短い曲が多かったが今回ほどそれが徹底されたことはなかったと思う。まるでラモーンズだ。アルバム・タイトル「Accelerate」は"加速する"という意味だからその通りのアルバムになったわけだ。最近CDの収録時間の長さを活かしてやたらと曲を詰め込みがちなアルバムが多い中、LP時代を思わせるコンパクトさは爽快であり潔さを感じる。
"潔い"---これが私のこのアルバムへの第一印象だ。無駄な間奏やソロは一切省いた骨格だけのロックンロール。マイケル・スタイプの饒舌なヴォーカルがあるのだから演奏は出来るだけシンプルな方が良い。歌詞はとにかくやたら長い。相変わらず人名や地名の引用の多い言葉の羅列である。内容は個人的なことから社会の動きまで怒りと焦燥に満ちている。オープニング・ナンバーからして「Living Well Is The Best Revenge(生きていくことが最高の復讐)」である。他にも「人間サイズの花輪」「うわべだけの男」「この日に終わりがくるまで」など意味深なタイトルが並ぶ。ラスト・ナンバーでは「DJするんだ世界の終わりで」とパンクに世界終結宣言してみせる。インディー感覚溢れるジャケットも秀逸である。
曲は80年代に戻ったかのようなギターリフが印象的なシャープなナンバー中心。「Document」「Green」など80年代R.E.M.の第一黄金期のアルバムを聴いてみたが芯が全くブレていないことに感動する。私がR.E.M.を熱心に聴いていたのは80~90年代で、2000年代の彼らは聴いていないので最近の作品との比較は出来ないけど。
ただし「Supernatural~」以上にキャッチーな曲がないことが気になる。R.E.M.クラスになるとシングル・ヒットなんて関係ないのかもしれないが。
同期ともいえるU2が熱血ロックの雄としてシーンのトップを走り続け、ソニック・ユースが今でも前衛ロックとしてのスタンスを崩していないように、R.E.M.も初期衝動を保ち続けている。大衆のための手作りのロックである。
R.E.M.は80年代にバブルの徒花懐かしのエムザ有明と、90年代に武道館で観たことがある。次回の来日は夏フェスかドーム・クラスになるのだろうか。そうならないように、このアルバムがあまり売れないことを密かに願う私であった。
R.E.M. HP English

加速して
生きてる証明
見せてみろ

試聴会の帰りにお土産にR.E.M. Tシャツを貰った。サービス精神満点である。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

原点回帰~マイク・オールドフィールド「天空の音楽」

2008年03月26日 23時32分01秒 | 素晴らしき変態音楽
1973年ヴァージン・レコードの記念すべき第一弾アルバムとして世界的大ヒットになった「チューブラー・ベルズ」。殆ど全ての楽器を一人でオーヴァーダビングして完成させたこのアルバムは、スティーヴ・ライヒやフィリップ・グラスなどのミニマル・ミュージックの影響を受けつつ伝統的ケルト音楽を壮大なスケールで展開した音楽史に残る傑作である。映画「エクソシスト」のテーマに使われたことから恐ろしい音楽を想像する人も多いようだが、実際はオカルト的な要素は全くない美しく清浄な作品である。
当時20歳の神経症的青年だったマイク・オールドフィールドがそれから35年後、総勢80人のフル・オーケストラを率いて完成させたのが「天空の音楽」。オーケストラ・アレンジは元ニュークリアス、ソフト・マシーン、というよりもアディエマスでヒーリング音楽の第一人者となったカール・ジェンキンス。しかしプログレ好きには堪らない組み合わせである。
アルバムは2部構成の組曲になっており、「チューブラー・ベルズ」やその他のマイクの作品のフレーズが所々現れ喜ばせてくれる。ピアノやグロッケンシュピールが奏でるミニマルな旋律が往年のファンにはこたえられない。マイクのアコースティック・ギターも要所を締める。そして素晴らしいのがドラマ「白い巨塔」で「アメイジング・グレイス」が使われ日本でも大ヒットしたニュージーランドの歌姫ヘイリーの歌声である。マディ・プライア、サリー・オールドフィールド、マギー・ライリーなど今までマイクの作品を飾ってきたフィメール・ヴォイスを彷彿させる透明感溢れる天使の歌声は涙が出るほど素晴らしい。
フル・オーケストラも大袈裟ではなく楽器の艶を引き出す効果的な演奏をしており、クラシック的難解さは全くない。一人多重録音、ロック・バンド、ニューウェイヴ、打ち込みテクノ、歌もの、ニューエイジ、とスタイルは変わってもブレのないマイク・オールドフィールドの原点回帰といえる元祖ヒーリング・ミュージックである。
ただ私にはちょっと甘過ぎるケーキみたいな感じがする。もう少し冒険をしてみても良かったのでは。
Mike Oldfield HP English

命ある
深い宇宙の
物語

久々にエクソシストのシングル盤を探し出して聴いた。限りない美しさの中に狂気を秘めた音楽。やはりこちらの方が良い。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

怪奇暗黒演劇~鼠派演踏館

2008年03月25日 23時49分17秒 | アート!アート!アート!
昨日天井桟敷のことを書いていたら、鼠派演踏館というアングラ劇団のことを思い出した。今のうちに書いておかないと記憶が消失してしまう気がしてここに記すこととする。
20年ほど前「ぴあ」の競合誌で「シティロード」という情報誌があり、ぴあよりもマイナーなネタが多く愛読していたのだが、その読者プレゼントにこの劇団の鑑賞券があり、応募すると必ず当たった。だから学生の頃良く観に行ったものだ。池袋の民家を改造した20人も入れば一杯の劇場で彼らは活動していた。その劇場で完全な闇を体験し感動した覚えがある。
主宰者は宮下省死氏。彼と奥さんのアルチュール絵魔さんが劇団の中心だった。暗黒舞踏の始祖土方巽氏が命名しただけあり、ドグラマグラな暗黒劇だった。宮下氏自身のペンになるポスター・イラストがまたオドロオドロしく、劇の題名も「浣腸脳髄」「神聖魔羅」「玩具少女」「ナンジャ」「月人パカパットラかく語りき」などタイトルを見れば内容の察しが着くような変態的なものだった。奇怪な白塗りに真っ赤な着物、意味不明に壊れかけたオブジェが記憶の中に残っている。音楽はブリジット・フォンテーヌやシャンソンを使ったり、一度はキノとかいうパンクバンドが演奏したこともあったと思う。
いつも客は10人前後で劇団だけでは生活出来ず、夫婦で新宿で金粉ショーやSMショーをして生計を立てていたらしい。一緒に観に行った友人が気に入りいつの間にか劇団員になっていてショックを受けたこともある。1985年に「浣腸脳髄」という戯曲集が出版され、それと数枚のポスターのみが私の手に残された。
就職とともに観に行くことも無くなったが、宮下氏は形を変えて3年くらい前まで活動していたようである。もし機会があればぜひもう一度観て昔話に花を咲かせたいものである。
宮下省死インタビュー

懐かしき
怨念舞台を
今一度

当時ハマった演劇は鼠派だけだったから今から思うと極私的なものだが時代の意識に突き動かされたような特異な体験だった。
映像は宮下氏出演の暗黒舞踏映画の予告編。こんなものが現存するなんて凄い。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

J・A・シーザー「天井桟敷音楽作品集」5枚組CD

2008年03月24日 23時05分51秒 | 素晴らしき変態音楽
J・A・シーザー(ジュリアス・アーネスト・シーザー)といってもれっきとした日本人。本名は寺原孝明、1947年宮崎県生まれ。20代始めには新宿でも人目を引くフーテンとして名を馳せていたという。60年代後半知り合った女優の繋がりで詩人で演劇実験室=天井桟敷を主宰していた寺山修司と出会う。自身は舞台美術を志望していたが、寺山修司から舞台音楽を担当するようアドバイスされ、独学で音楽を始める。半年もしないうちに天井桟敷の音楽を手掛け、1971年にはヨーロッパ公演に同行し、オランダでは自らの音楽公演も行う。ヨーロッパから戻り、1973年日本で企画されたコンサートがこのCDの目玉になる「J・A・シーザーリサイタル」である。コンサートのチラシには"密教 念仏 子守唄 猫殺し 擬胎分娩 人肉試食 怒号の音楽! "とオドロオドロしい文句が羅列されているが、まさにその通りのアングラで怨念に満ちた楽曲集である。演奏は自己のバンド"悪魔の家"に加え天井桟敷の役者たち。ドグラマグラなヘヴィ・プログレ・サイケ・サウンドが140分に亘って展開される。シーザー自身は独唱の他キーボードやギター、琴などを演奏している。かなりアヴァンギャルドな演奏もあり、ピンク・フロイドやキング・クリムゾンの純日本的展開として相当貴重な作品である。思い切り演劇臭いのが好き嫌いの分かれる所か。
80ページのブックレットが充実しており、1971年悪魔の家が頭脳警察やブルース・クリエーション、ロスト・アラーフ、阿部薫などが出演した伝説の三里塚"幻野祭"に出演していたことも初めて知った。まだCD2までしか聴いていないが、未発表曲を多数含む残り3枚を聴くのが楽しみだ。
現在でも活動するシーザーは灰野敬二や裸のラリーズと並ぶ日本のアングラ・ロック・シーンのカリスマである。

幻の
天井桟敷
ここにあり

アングラ演劇を久しぶりに観たくなった。でもそんなものまだ存在するのだろうか?



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ワカバ@渋谷C.C.Lemonホール2008.3.22(sat)

2008年03月23日 03時10分57秒 | こんな音楽も聴くんです
弾き語り系ミュージシャンとして徐々に人気を高めているデュオ、ワカバの初のホール・ライヴへ行った。知人の付き添いとして行ったのだが何と観客の98%が若い女性。圧倒された。
ds,kbd,b,gを加えた6人組での演奏。数々のストリートライヴで実力を培ってきただけあり、演奏はしっかりしている。緊張と気負いで空回りするような所もあったが、曲間の語りも面白い。コメディタッチのフィルムを流したりして和やかなライヴだった。何より集まったファンが皆曲をよく知っており、皆で盛り上がろうという暖かい雰囲気がコンサート・タイトルの「Together」を象徴していた。普段こんな普通のJ-POPのライヴに行くことはないので新鮮なノリだった。特にバラードの出来がよく、第2のコブクロやゆずになる可能性も秘めていると感じた。
2000年に看護学校で知り合いグループ結成。g,voの二人に加え作詞専門のメンバーがいるのが特徴だ。看護士をしながらライヴを続け、結成8年にしてついにC.C.Lemonホールまで来たと感慨ひとしおだった。2階席までいっぱいにならなかったが、その悔しさをバネにこれから活動を続けるというメンバーの決心に感心した。彼らは己の立ち位置を十分理解している。今後の活躍に期待しよう。
ワカバ HP

ストリート
ギターかき鳴らし
歌った日々

吉祥寺の街では今日もストリート・ミュージシャンがチラシを配っていた。がんばれ若者たち!



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

強靭なる意志~ピエール・アンリ「8.0」

2008年03月22日 00時10分36秒 | 素晴らしき変態音楽
クラシック界には高年齢であっても現役で活躍しているアーティストが多い。それでも80歳でアヴァンギャルドな電子音楽をクリエイトし続けるアーティストも珍しいのではなかろうか。以前にも一度紹介したピエール・アンリ。1927年12月9日パリ生まれ。1949年からミュージック・コンクレートの始祖ピエール・シェフェールと共に数々の音響実験を行う。シェフェールがミュージック・コンクレートの概念を作り出したのが1948年だから、その最初期からアンリが関わっているわけだ。ちなみに今年はミュージック・コンクレート誕生60周年。
アンリの80歳記念CDは3枚組のヴォリュームとなった。80歳をもじって「8.0」と名付けられたBOX SETには6曲の楽曲が収録され、その内4曲が2007年の作品である。どの曲も重厚でユーモラスな電子音響であり、アンリが60年に亘り収集した音響標本が余す所なく披露された大作となっている。残念ながらフランス語は分からないので曲名の意味すら不明だが、そんなことはどうでも良いと思わせる前衛精神に貫かれている。現在のノイズや音響系、エレクトロニカを好きな人には是非体験していただきたい世界である。アンリの作品を裏付ける壮大なる強靭な意志に恐れ戦く筈である。amazonで比較的安く購入出来る。
Pierre Henry Analog Disc Guide English

音響に
意志ある所
アンリあり

昨年はブラジルでコンサートを開催したというアンリ、老いてますます闊達である。祈来日公演。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

永遠の18歳~ブライアン・アダムス「11」

2008年03月21日 01時02分31秒 | こんな音楽も聴くんです
白いTシャツにジーンズ、ギターをかき鳴らしてポップの王道のメロディーをハスキーな声で歌う。ブライアン・アダムスは80~90年代のアメリカン(カナディアン)ロックの象徴的存在だった。"死ぬまで18歳!"と宣言しヒット・チャートを駆け抜ける姿は爽快だった。「想い出のサマー」「カッツ・ライク・ア・ナイフ」「ヘヴン」「ラン・トゥ・ユー」「アイ・ドゥ・イット・フォー・ユー」など初期のヒット曲は私のカラオケの十八番だったりする。当時は決して好きではなかった。青春を絵に描いたような明るさは当時の私には眩しすぎた。だけどラジオをつけると流れてくる彼の歌声が心に強く残った。
そんなブライアンが通算11作目のアルバムその名も「11」をリリースした。ハスキーで哀愁漂うブライアン節は少し枯れたが健在である。現在48歳の彼のロックンロール宣言といえる作品だ。もう30年近いキャリアを誇るがそんな大上段に構えたところはない。気さくな街の兄貴という感じの人懐っこい曲に溢れている。絵に描いた青春が蘇る。それは今の私には安らぎに満ちた心地よさを与えてくれる。
恐らく人気もセールスも90年代に比べたらだいぶ下がっていることだろう。それでもブライアンは走り続ける。永遠のロックンローラーとして。また来日してヒット曲満載のガッツ溢れるライヴを観せてもらいたいものだ。

永遠の
18歳も
歳を取る

それにしてもジャケットやブックレットの精悍なオヤジ顔には昔の青春小僧の面影はない。年輪の刻まれたいい顔をしている。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ゆらゆら帝国、アニマル・コレクティヴ@恵比寿リキッドルーム2008.3.19(wed)

2008年03月20日 01時51分23秒 | 素晴らしき変態音楽
ゆらゆら帝国の今年初めてのライヴはNYの変態バンド、アニマル・コレクティヴの追加公演のサポートとなった。チケットは勿論Sold Out。
まずアニマル~のメンバーの奥さんであるKria Brekkenのケイト・ブッシュかビョークかというようなロリータ・ヴォイスのソロ・パフォーマンスが40分あり、続いてゆら帝の登場。坂本慎太郎はまたも赤のシャツとパンツ姿だ。前半は「空洞です」の曲中心、後半は以前の曲をやって50分。「やさしい動物」「あえて抵抗しない」ではギターを持たずマラカスで歌唱。必然的にドラムとベースの自然に腰が動く強力なグルーヴに焦点があたる。特に今回は亀川氏のベースラインの強力さが印象に残った。腰砕けビートの「空洞です」の曲もグイグイ引き込まれる引力を発しており、ゆら帝がこのアルバムの曲をライヴのラインナップに完全に取り込んだことを実感した。最強のライヴ・バンドの名に恥じぬ出来だった。
トリのアニマル・コレクティヴは"サイケデリックの最新型"とか"自由自在のクリエイティヴ集団"などと評されており、また名前のニュアンスもあって勝手にフォーキーなジャムバンドと思い込んでいたら、全く違うエレクトロ・ユニットだった。写真は4人なのにステージには3人しかいないぞ。陽性でハッピーなミニマル電子音にミスティックなヴォーカルが乗るサウンドは90年代のサイケデリック・トランスと同質の多幸感を持つ。3人だけの演奏だから音はスカスカ、歌唱力も今ひとつ。これが"最新型"なんてちょっと頼りない。オーディエンスの中には一心不乱に踊る姿も結構見られたので、若者にはこれはこれでOKなのかもしれないが、今日のライヴを観る限りでは私の心に刺さるものはなかった。アンコールも含めて殆ど切れ目なしの90分の演奏は苦痛ですらあった。しかしMySpaceやYouTubeで視聴する限り、CDだともっと作り込んでいるようだ。
Animal Collective MySpace

電子音
好きは好きだが
ノリ切れず

日米サイケデリック対決は圧倒的存在感で日本(ゆら帝)の勝ちだった。そもそも勝ち負けを決める必要もないが。
映像は最新作「Peacebone」のPV。ヴィデオの出来は秀逸だ。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする