NYの十代兄妹バンド、Tiny Masters Of Today

アメリカのローティーン・バンドというとCare Bears On Fireを紹介したが、最近ニュー・アルバムをリリースし活躍が目覚ましいのがニューヨーク、ブルックリン出身の兄妹バンド、Tiny Masters Of Todayだ。

2007年にデビューした時は兄アイヴァンが13歳、妹エイダは11歳。日本盤も出たアルバム「バン・バン・ブーム・ケイク」はヤーヤーヤーズやB-52's、バットホール・サーファーズ、さらにデヴィッド・ボウイから「天才だ」と絶賛された。アイヴァンのギターとエイダのベースにコンピューターのリズムからなるサウンドはパンキッシュでヒップホップで彼らの若い感性を十分発揮したものだった。

そして2年後、今年リリースされた「Skeletons」では夫々15歳と13歳に成長した彼らの等身大のサウンドが聴ける。ヴェルヴェッツの影響も感じさせるが退廃的ではない、あっけらかんとした佇まいが21世紀育ちのニューヨーカーらしい。
MySpaceでも盛んにブログを発信し、ノリまくっている様子が伺える。ホームページには日本語も掲載し、日本好きなところを見せている。
Tiny Masters Of Today HP
Tiny Masters Of Today MySpace

アメリカのティーンエイジ・パンク・スピリットを感じてもらえれば嬉しい。

十代で
パンクとパソコン
掛け合わせ

恐るべき子供たちである。

te'@渋谷クラブクアトロ 2009.6.28 (sun)

マスドレ以来久々に観る21世紀新世代バンド。te'（テ）は2004年に結成されたgx2,b,dsの4人組インスト・ロック・バンドである。

メイン・ギターが病欠のため急遽サポート・ギタリストを起用してのライヴだったが、そう言われるまで分からないくらいの一体感ある演奏だった。基本的には激しいビートに轟音ギターと骨太ベースが唸るラウド・ロックである。ヴォーカルが無い分ギターの時々聴かせる美しいメロディに身を任せて、意味性の剥ぎ取られた音響だけに集中できる。インスト・ロックもいいなと思った。

その分ベーシストによる衒いの無いMCや「Oi Oi」という掛け声に呼応するオーディエンスのノリもいい感じ。客層は20代くらいで女性の姿も目立つ。
te' HP

私自身がこのバンドにのめり込むことは無いだろうが、現代の日本のインディ・ロックの最新型を観る思いがした。

ロートルの
私にゃ分からぬ
新世代

個人的都合により前半に出演したMO'SOME TONEBENDERが観られなかったのが残念。

追悼 ファラ・フォーセット・メジャース

マイケル・ジャクソンの逝去で話題を完全にさらわれたが、同じ6月25日に女優のファラ・フォーセット・メジャースさんも癌のために亡くなっている。享年62歳。

70年代半ば人気TVドラマ「チャーリーズ・エンジェル」に出演し、その爽やかな笑顔と豊満な肉体とで「世界で最もセクシーな女性」ランクの常連だった。水着のポスターは大人気で、当時男子中高生の3割は彼女のポスターを自室に貼っていたと言われる。
その後も「スペース・サタン」や「キャノンボール」等の映画に続々出演し、84年にはエミー賞を受賞している。

彼女の死を受けて、パートナーのライアン・オニールは「長く勇敢なガンとの闘いの果てに、我々の愛するファラは旅立った。彼女の家族や友人にとってとてつもなく困難な時でもあったが、ファラとシェアした20年余、彼女は美しい時をもたらし癒してくれたし、彼女の人生が世界中の多くの人々に喜びをもたらしてくれたことを理解している」とコメント。

ジャイケルの死ばかりが取りざたされる日本のマスコミだが、ファラ・フォーセットの死もまた、アメリカのひとつの時代の終わりを象徴しているのである。

輝かん
ばかりの笑顔に
憧れた

「アッコにおまかせ」では彼女の話題も取り上げてくれることを期待している。

マイケル・ジャクソンが死んだ日に～Merzbow「Merzbox」

最近私は気が狂ったようにCD BOXを買いまくっている。非常階段の30枚組を手に入れたのを手始めに、リュック・フェラーリの10枚組、高柳昌行の5枚組そして今日は遂にメルツバウの50枚組「メルツボックス」を。こんなたくさんのCDは生涯かけても聴き切れないに違いない。

1980年代から1999年までの未発表作品を50枚のCDに収録し、2枚のCD-ROM、Tシャツ、ブックレット、メダルなどをソフトケースに詰め込んだこのボックス、驚異的な存在感を発散している。まだ聴いてはいないのだが、愛好家の私としては手に入れただけで70%は満足しているのだ。数ヶ月後のクレジットカードの請求が恐ろしいが。

しかしアメリカでの13 Japanese Birdsマンスリー・リリース（先日第6弾「鴨」が届いた。まだ聴いていない）もあるし、部屋の中がメルツバウだらけになってしまう。どうしたらいいのだろう。

メルツバウ
増える一方
聴き切れず

ジャイケル・マクソン追悼。

小倉優子の憂鬱

ゆうこりんがディズニー映画「ウィッチマウンテン―地図から消された山―」の試写会に出席。おなじみの“こりん星人”として登場。「（こりん星の）住所は港区ウィッチマウンテン町エリア51」とキャラクター全開だったが、「お仕事をたくさんしてきて、こりん星だけではそろそろきついかなあと思ってきた。ファンシーだけではやっていけなくて葛藤中」と悩みを打ち明けたという。

確かに彼女も20代半ば過ぎ。この歳になって"こりん星人"を名乗るのも辛くなってきた。より正統派の女優に脱皮したいという願望があるのだろう。

ゆうこりん
メルヘンチックは
卒業か

私は彼女の今の立ち位置が好きだけどね。

魂の振動～アルバート・アイラー「スピリチュアル・ユニティー」

阿部薫も高柳昌行も洋輔さんもオーネット・コールマンもジョン・ゾーンもいい。でもジャズでひとりだけ選べと言われたら、躊躇すること無くアルバート・アイラーを選ぶ。特にこの1964年ESPディスクに吹き込んだ「スピリチュアル・ユニティー」は私の"無人島レコード"の一枚である。

アルバート・アイラー(ts)、ゲイリー・ピーコック(b)、サニー・マレイ(ds)のトリオによる削ぎ落とされた演奏。しかもモノラル録音だ。アイラーは得意の黒人霊歌にヒントを得たテーマを次第に逸脱し、激しいフリークトーンを奏でる。リズム隊もアイラーの魂に呼応するように絶妙のバッキングを聴かせる。60年代フリージャズの最高峰がここにある。サックスを担いで疾走するジャケット写真も秀逸だ。

LP時代に何回も再プレスされ、CDになっても供給が途切れることは無い。それだけこのアルバムが時代を超えた名盤だということの証だ。また、10枚組の未発表セッションBOXもリリースされる等21世紀になってますます再評価を受けている伝説のミュージシャンである。

私はアルト・サックスだったが、フリージャズもどきをやっていた学生時代アイラーの「ゴースト」のテーマを何度も練習したものである。

アイラーの
気高き魂
永遠に

惜しくも1970年11月25日、24歳でニューヨークのイースト・リヴァーで水死体となって発見された。

Rockな写真ならArtist Approach

ニューヨークをベースにする写真家チーム、Artist Approach。私はMySpaceで彼らの存在を知った。3日に一度くらい最新の写真をアップロードしたブログが届く。

まず驚くのは今にも動き出しそうなリアルな写真の存在感である。そしてロック・ミュージシャンの神髄を捉えるスピリット。今すぐ彼らのホームページへ飛んで、その見事な世界を体験して欲しい。
Artist Approach HP

メジャーなミュージシャンよりも、ニューヨークで活動するローカルなアーティストが多いのだが、それがまた"今"のニューヨーク・ロック・シーンを鋭く切り取っている。私のお気に入りのCare Bears On Fireの公園チャリティ・ライヴ何かも撮っている。
気に入った人はMySpaceでフレンドになったら良い。
Artist Approach MySpace

ロックする
心があれば
写真も踊る

ニューヨークでライヴする予定の人は連絡を取ってみたら？

灰野敬二、どろんこ、Sammy@国立 地球屋 2009.6.21 (sun)

元裸のラリーズのリズム・セクション、どろんこ氏(b)&Sammy氏(ds)と灰野さんの共演はこれで3回目だ。過去2回が新宿JAMだったので、如何にも中央線というエキゾチックな雰囲気の地球屋で観るのがとても楽しみだった。

リズム・セクションの産み出す柔軟な8ビートの上に灰野さんのフリーキーなギターが乗るというスタイルはこのトリオの定番になっている。灰野さんがどんなに激しい動きで轟音を繰り出そうともびくともしないリズムの二人は流石と言うしか無い。10～25分の長い曲ばかりだが、曲と曲の切れ目が分かり易いところも特徴だ。灰野さんの歌もいつも以上に冴えている気がした。
休憩を挟んで後半には灰野さんがスティールギターを弾いたり、どろんこ氏がヴォーカルを取ったりもした。
灰野さんのプロジェクトの中では最も"普通のロック"に近いスタイルだから、灰野さん初心者はこのトリオを最初に観たらいいかもしれない。

それでもステージ上の音はびしょ濡れの水中の音みたいでやりにくかったそうだ。梅雨が明けるまでは仕様がないね、と灰野さんもあきらめ顔。

強烈な
ロックの波に
さらわれて

携帯で撮ったので酷い動画でスミマセン。

やっぱり中古レコード屋

初めてのレコード屋に入る時は胸がドキドキする。

未だ見ぬどんなCDやDVDが私を待ち受けているんだろう。特に中古店だと廃盤探しの楽しみが加わるし、値付けのレベルがどのくらいか気になる。

私のようにジャンルが片寄っていると、店に入った時の気配で、自分向きの品揃えかどうか、直感的に分かる。まあそんな店に限って値段が高かったりするのだが。

そういう意味でDisk Unionは良心的なチェーンである。先日はPSFのPsychedelic Sampler、「Tokyo Flashback 6」が何と315円だった。またオリジナル特典の魅力も何者にも変え難いものがある。

今日は国立のDisk Unionへ行った。10数年振り。ここは下北沢店と同様に余り片寄りのない品揃えである。海外とのトレード用に安いアングラ系のCDを購入。その足で地球屋で灰野/どろんこ/サミーのライヴを観た。

レコード屋
未知との遭遇
待っている

緑多い国立はお気に入りの街だ。

今週のはひふへほ ノイズとは

『今週のはひふへほ　幸せとは』

　「幸せ」とは、

　・は　半分でよい
　・ひ　人並みでよい
　・ふ　普通でよい
　・へ　平凡でよい
　・ほ　ほどほどでよい

あるメルマガからの引用である。

これに倣って「ノイズ　はひふへほ」を作ってみた：

　「ノイズとは」

　・は　ハンパじゃない
　・ひ　酷い演奏
　・ふ　普通じゃない
　・へ　変な音
　・ほ　ほどほどを知らない

非常階段BOXを聴いていると何かが私の中で動いた。

極悪の
雑音求めて
今日も行く

CD4枚目まで聴いたよ。