A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

山本精一 カバー曲歌唱LIVE@渋谷 Bar Isshee 2012.5.29 (tue)

2012年05月31日 00時40分22秒 | 素晴らしき変態音楽


山本精一さんのBar Isshee3ヶ月連続ライヴの最終回。「完全ギターインプロヴィゼーション」~「弾き語り」ときて最後は「カバー曲歌唱LIVE」。友人から精一さんのカバー曲は替え歌の歌詞が面白い、と聞いていた。過去2回は事前予約制でどちらもすぐにSold Outになったが、今回は精一さん本人の意向で予約制ではなく、入場順をくじ引きで決めるというゲーム感覚を取り入れた方法に。ただしくじ引きに参加するためには当日17:00にBar Issheeに集合しなければならない。仕事中なので諦めようかと思っていたが、会社のある青山一丁目から渋谷までは10分もかからないので、やりくりして仕事を中抜けしくじ引きに参加できるよう調整した。地下鉄でTAKE's Home Pageの管理人のタケダ氏に会う。彼もくじ引きに向かうところだった。

Bar Issheeには30人くらい並んでいた。いつもライヴで会う馴染みの顔がちらほら。驚いたことに8割は男性。精一さんには女性ファンも多いはずだが場所柄かくじ引き時間が都合悪かったのか?一人一名分しかくじ引き出来ないので全員が「おひとりさま」である。知り合いと世間話をするのが躊躇われるほどの静けさだ。店長のイッシーさんはくじ引き用にわざわざおもちゃのビンゴゲームを用意していて遊び感覚たっぷり。意気込んでボタンを押したら一回目は失敗。再度トライして出た番号は49番。くじは50番まで準備していたようだからほぼ最後の入場順だ。渋谷に来たついでにシアターN渋谷に寄って映画「ドキュメント灰野敬二」の前売り券を購入。フライヤーと同じ写真があしらわれた素敵なチケットにときめく。


それにしても狭いBar Issheeに50人も入れるのだろうかとツイートしたらイッシーさんから"前回が43人。今日はこんな感じで大丈夫かと。"と送ってきたのがこの写真。なるほど、考えたね~。体育座りで精一さんを観賞するのもオツかも。


そのまま会社へ戻り、中抜けした分余計に仕事をこなす。
19:30に再び渋谷へ。先ほどと同じく観客が階段に並んでいる。各自本を読んだり携帯を弄ったりしているが、一切会話がなくライヴ待ちの列とは思えない不思議な状況。開場時間を過ぎてもサウンドチェックが続いていて、15分押しで入場開始。イッシーさんひとりで受付とドリンク・オーダーをこなすのでなかなか前へ進まない。まあ精一さんのライヴだしのんびりしようと覚悟を決める。予想通り私が最後尾。まだ隙間があるかと店の奥へ行くとちょうど精一さんの椅子の真ん前に一人分のスペースがある。残り物には福がある、と遠慮なく座り込む。最後に入場して最高の席をゲット。普通なら先に来た他のお客さんの顰蹙を買うところだが、くじ引きだから誰も文句を言わない。

照明が前回同様最小限に落とされ、精一さんが登場。"今日は今まで一度しか歌ったことのない歌とか珍しい曲をたっぷりやります"と言ってアコースティック・ギターでトム・パクストン/日本語詞:高石ともやの曲でスタート。優しい歌声に聴き入る体育座りのお客さん達。1960年代末~70年代半ばのフォークソング中心に、重ねた譜面から順番に抜き出して歌う。3曲目からはエレキ・ギターに持ち替え、時にディストーションやエコーをかけての演奏。「あの素晴らしい愛をもう一度」、"この曲分からへん"と言いつつ歌った「殺し屋のブルース」、革命歌でソ連国歌の「インターナショナル」では"左翼の方は一緒に歌いましょう"と笑いを取り、そこからプロテスト・ソング大会に突入。ピート・シーガー/日本語詞:中川五郎、五つの赤い風船、弘田三枝子、はちみつぱいと続く。曲間のMCでは"時代が僕にこういう歌を歌わせるのでしょうか""徴兵制の復活とか言ってる人がいるけどよく考えんとあかん"など右傾化する社会への不安を語る。アンコールではヴェルヴェット・アンダーグラウンド、ニール・ヤング、早川義夫などその時代の曲に混じって"この曲メチャクチャ難しいねん"とスピッツの「ロビンソン」を歌ったのには驚いた。そういえば10年程前スピッツのトリビュート・アルバムに羅針盤で参加してたっけ。今回の選曲の中では浮いていたがスピッツの曲の素晴らしさを再認識した。ラストのアメリカ公民権運動テーマ・ソング「ウィー・シャル・オーヴァーカム」では間奏で「君が代」をジミヘンばりに演奏。

演奏が終了しイッシーさんが最近問題になっている風営法によるクラブ摘発に関する反対署名への協力をアナウンスすると、いきなり精一さんが"今何時?10時か。じゃあ踊ろう。"と再びギターをかき鳴らす。精一さんは大阪のライヴハウス難波ベアーズの店長なのでクラブへのガサ入れは他人事ではない。暫く風営法に関する話で盛り上がる。実際ベアーズにも警察から"ミラーボールはあるか?"という問い合わせが入ったという。そこかよ!と笑ってしまうが実はベアーズにはミラーボールがあるとのこと。ジム・オルークがミラーボール無しでは歌えないらしい(笑)。その後も橋下大阪市長への愛憎入り交じった気持ちや、JOJO広重さんや大友良英さんのことなどここには書けない熱い話が20分余り続いた。

帰りに精一さんに挨拶しブログに何処まで書いてもいいですか、と尋ねると"ネタバレや余りヤバい話はオフレコで"とのこと。演奏曲について確認しようと思ったが精一さんの気持ちはすっかり風営法に行ってしまっていて音楽の話は一切出来なかった。







[6/7追記]
<Set List> thanks to TAKE's Home Page
1.ランブリング・ボーイ(トム・バクストン 詞:高石ともや)
2.私に人生といえるものがあるなら(アメリカ民謡 高石ともや)
3.冬のサナトリウム(あがた森魚)
4.トラベシア(ミルトン・ナシメント 詞:鈴木慶一)
5.あのすばらしい愛をもう一度(加藤和彦・北山修)
6.殺し屋のブルース(中川五郎)
7.インターナショナル(日本語詩版)
8.腰まで泥まみれ(ピート・シーガー 詞:中川五郎)
9.まぼろしのつばさと共に(五つの赤い風船)
10.砂に消えた涙(弘田三枝子)
11.ぼくの倖せ(はちみつぱい)
12.野の人の野のうた(ラヴジョイ)
(アンコール)
13.Candy Says (Velvet Underground)
14.Don't Cry No Tears (Neil Young)
15.ロビンソン(スピッツ)
16.サルビアの花(早川義夫)
(再アンコール)
17.さらば恋人(堺正章)
18.We Shall Overcome(ピート・シーガー)

アブナいよ
ライヴハウスが
潰される

精一さんは6/24(日)に東高円寺UFO CLUBに出演するが、かなり面白い企画を考えているらしい、とだけ書いておこう。乞うご期待!

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映画「ドキュメント灰野敬二」予告編

2012年05月30日 00時25分40秒 | 灰野敬二さんのこと
今日は何も書きません。この映像を観ていただくだけで結構です。




映画「ドキュメント灰野敬二」公式サイト
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ジョニー・ウィンター/サニー・ランドレス他@日比谷野音 2012.5.27 (sun)

2012年05月29日 00時58分57秒 | ロッケンロール万歳!


昨年奇跡の初来日を果たしロック親父の間で予想を遥かに超えた大センセーションを巻き起こしたジョニー・ウィンターが今年も来日、各地での単独公演と共に26年の歴史を誇る日本最大のブルース・フェス「JAPAN BLUES & SOUL CARNIVAL 2012」に出演した。

ジョニーが私の中学時代からの憧れで最初に買ったエレキギターがグレコのファイアーバード・モデルだったことは昨年のライヴレポで書いた。1990年に予定されていた初来日はドラッグ治療のために服用していた薬が日本の薬事法に触れ中止になり、"来日していないロック界最後の大物"として伝説的に語られてきた。それから11年後に来日の夢が叶ったのだから日本中の元ギター小僧が熱狂した訳だ。1970年代全盛時のジョニーは決して日本ではメジャーな存在ではなかった。音楽誌で大きく取り上げられることはなく、これというヒット曲もなかったからラジオでも流れることは稀だった。しかしアルビノ故の白い長髪でファイアーバードを弾く格好良さと驚異的なギタープレイがロック小僧の心を捉え、当時各地にあったロック喫茶ではストーンズ、ツッペリン、フリーなどと並び多くのリクエストを集める存在だったという。だから圧倒的に男性ファンが多い。ただでさえ男性ファンの多いブルース・カーニバルだから文字通りの”おやじ祭り"になった。

他の出演者はサニー・ランドレス/近藤房之助/ゴトウゆうぞう ワニクマ・デロレン&マキ/ゲスト:安富祖貴子。私は所用があり近藤房之助のステージ途中から参戦した。ドリンク待ちの列が長く続いていて並んでいる間に演奏終了。「踊るポンポコリン」で有名な近藤氏だが素顔は日本を代表するブルース・シンガー&ギタリストであり、日本人離れしたソウルフルな歌と味のあるギターが素晴らしい。彼のバンドのハーピストKOTEZ氏のプレイも印象的で、かんかん照りの野音に相応しい熱演だった。



セットチェンジの間、ブルース・カーニバル名物「日本で唯一のブルース司会者」ゴトウゆうぞう氏+美人ブルース・ギタリスト、カメリア・マキ嬢による関西弁トークで盛り上がる。

サニー・ランドレスの登場。知る人ぞ知る凄腕スライド・ギタリストで、1980年代シンガーソングライターのジョン・ハイアットのバンドに参加したことで渋好みのロック・ファンに知られる。バタヤンを思わせる高いポジションでギターを構え名人芸を披露する。数曲を除きインストなので、すっかり酔っ払った私は座ったまま居眠りしてしまった。面目ない。



いよいよジョニー・ウィンターの登場。昨年は全編イスに座ったままの演奏だったのが今回の来日では初日の大阪公演で立って演奏したことが音楽ニュース・サイトやツイッターで大きな話題になった。白人より白いアルビノながら黒人以上に黒いブルース魂を持ったジョニーの白熱の演奏に観客総立ちで大盛り上がり大会。50代半ばの観客から「ジョニーッ!」と野太いかけ声があがる。ブルースは基本的に3コードなのでロケンロー同様誰でも楽しめる。身体こそ弱ったがプレイの冴えは全盛期にも劣らないジョニーのギターに酔い痴れる。リック・デリンジャーとの共演で知られる「Good Morning Little School Girl」、ブルースの古典「Got My Mojo Working」、テーマ曲ともいえる「Johnny B. Goode」、途中にストーンズの「Gimme Shelter」を織り込んだ「Don't Take Advantage on Me」、そしてストーンズ初の全米No.1ヒット曲「It's All Over Now」で遂に椅子から立上がっての熱演に大歓声が上がる。アンコールではトレードマークのファイアーバードを抱えてボブ・ディランの「Highway 61 Revisited」、最後にサニー・ランドレス、KOTEZ氏、ゴトウゆうぞう氏(三線)、カメリア・マキ嬢を迎えての大団円「Dust My Broom」で1時間15分の演奏終了。



酔いに任せて些か乱暴な野次を飛ばす御仁もいたが総じて平和なイベントで、全員が少年時代に戻ったようなキラキラした目で余韻を噛み締めて野音をあとにする光景が眩しかった。

親父ロック
良さが分かる
歳になり

大騒ぎした観客の多くが翌朝スーツにネクタイ姿で満員電車に揺られて出勤することを思えば、一日くらい多少羽目を外すことは大目に見て欲しい。
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存在を否定されたギター~組原正「inkuf」

2012年05月28日 05時16分12秒 | 素晴らしき変態音楽


私がポップス/ロックに目覚めたのは1975年。最初はジョン・デンバーやビーチ・ボーイズの歌うアメリカの青い空に憧れたが、キッスとエアロスミスでハードロックにハマった。1977年親の転勤で金沢から練馬へ引っ越して以来毎週末吉祥寺へ自転車で通い雑誌広告を頼りにレコード店を探し歩いた。「レコード舎」「芽瑠璃堂」「ジョージ」「Disk Inn」など多くのレコード店があったが、特に良く通ったのは「ジョージア」とその支店「ジョージアJr.」だった。「Player」誌で紹介されていたゴジラ・レコードの最初の2枚のミラーズ「衝撃X」とMr. Kite「共犯者」を見たのはジョージアJr.だったし、大阪のVanity Recordsから出たアーント・サリーのLPを手にしたはジョージアだった。そのどれも購入しなかったことを何度後悔したことだろう。ゴジラ・レコードではツネマツマサトシ、FLESH、ミラーズの2ndシングルを購入した。日本の自主制作盤以外に英米はもちろん、それ以外の国のプログレや前衛音楽、フリージャズなど未知のレコードが満載で夢の迷宮のような空間だった。

吉祥寺マイナーや荻窪ロフトへライヴを観に行くようになった1979年、ジョージアの後藤美孝さんがPASS RECORDSをスタート。同年8月に出たフリクションのデビューEPのジャケットには青と黄色の2色があり、青の方がカッコいいな、と思いつつ何故か黄色い方を買った。ジョージアJr.の店員からヘッドホンで聴くと最高ですよ、とアドバイスされたのを覚えている。

1980年PASS RECORDSはトリオ・レコードから配給されることになり、3月にPhew+坂本龍一「終曲」突然段ボール「ホワイト・マン」ボーイズ ボーイズ「MONKEY MONKEY」の3枚のシングルを発表。4月にはフリクションのデビュー・アルバム「軋轢」とシングル「ピストル」。メジャー配給を得たことで音楽雑誌にも大きく取り上げられるようになり、特にフリクションは東京ロッカーズの中核バンドであると共に坂本龍一プロデュースということで大きな注目を集めた。

8月にグンジョーガクレヨンの45回転デビュー・アルバム「gunjogacrayon」を発表。11月に「PASS LIVE」として突然段ボールとグンジョーガクレヨンのカップリング2枚組EPを発表。その頃高校の友人と一緒に法政大学学生会館大ホールでグンジョーガクレヨンを観た。共演はP-Model。テクノポップと呼ばれたP-Modelの予想外に攻撃的なパンク・サウンドにも驚いたが、もっと衝撃を受けたのはグンジョーガクレヨンだった。ヴォーカルの園田游さんの予測不可能なパフォーマンスとギタリスト組原正さんのギャング・オブ・フォーのアンディ・ギルを思わせるカミソリ・ギター。音楽的にはパンクではなく実験的な前衛ロック。とても印象的だったので翌日「PASS LIVE」を購入、目にしたライヴ通りのアブストラクトなサウンドが気に入り何度も繰り返し聴いた。

1981年にPASS RECORDSが活動休止しグンジョーの名前を聞くこともなく忘れてかけていた頃にDisk UnionのDIWレーベルから「2nd Album」がリリースされた。ロックの範疇に留まっていた1stから大きく逸脱し、フリージャズを凌駕する即興演奏が収められていた。数年前に灰野さんの紹介で知り合った園田さんは「「2nd Album」がロック誌以外の雑誌で評価されたことがとても嬉しかった」と話してくれた。

グンジョーガクレヨンは1990年代半ばに自らの自主レーベルから3rd「群青」をリリース後、2009年まで活動を続け解散。組原さんは2007年に新生PASS RECORDSの第一弾としてソロ・アルバム「hyoi」を発表。

それから5年経った今年突然この2ndアルバムを発表。前作同様「inkuf」という謎めいたタイトルの2枚組である。全28曲収録、完全にひとりだけで作り上げた作品である。

不勉強にしてソロ1作目の「hyoi」は未聴であるが、資料によればコンピューターを使った作品であるらしい。今作ではコンピューターを排しギターだけによる演奏になっている。一聴して脳裏に浮かんだのはアメリカの前衛ギタリスト、ヘンリー・カイザーだった。1981年の2枚組LP「ALOHA」はギターの様々な実験的奏法を駆使した演奏が14曲収録され、ギターを抱え全身血塗れで微笑むカイザーの写真のジャケットのポップさもあり発売当時一部で話題になった。来日公演も開催され一体どのように音を奏でているのか興味を持ったギター/インプロ・ファンが押し掛けたものだ。

「inkuf」はギターによる実験音響という手法的にはカイザーに近いのだが、サウンドに着目するとシュトックハウゼンやクセナキス、湯浅譲二、一柳慧など現代音楽家の1960~70年代の電子音楽/ミュージック・コンクレートとの親和性に気が付く。これが1970年代にNHK電子音楽スタジオで録音された試作集としてEdition OMEGA POINTシリーズでリリースされても何の違和感もない。

組原さんはこの新作でギター演奏に付随する肉体性を悉く排除し、もはやギターであることすら否定したかったのではないだろうか。些か矛盾した表現だが、本作は"希代のギタリストによる存在を否定されたギターによるギター作品集"と呼んでみたい。

3年前解散したグンジョーガクレヨンが今年5月にオリジナル・メンバー3人により再結成された。
[5/30追記:組原さんにインタビューしたライターの松山晋也氏から『組原さん本人によると、一時的に集まって演奏することはあっても「再結成」ではなく、「完全に解散した」、とのことでした。僕も確認したんだけど、「再結成はしてない」と本人は断言してました。つか、たぶん、そういうことに関しては、あまり深く考えてないんだと思います。』とのこと。私の文章の意義自体をひと言で破壊する天然の二重否定。組原さん、大好きです!]
7月21日には「inkuf」リリース記念ライヴも開催される。存在を否定されたギターが実際にどのように鳴らされるのか興味は尽きない。



妄想の
中で奏でる
非在ギター

グンジョー再結成に加わらなかった園田游さんは毎月4~5回他の人のイベント・ライヴに呼ばれて踊っているとのこと。「踊り場があることに感謝」とのメッセージが届いた。





 
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モーサム・トーンベンダー@新代田 FEVER 2012.5.25 (fri)

2012年05月27日 01時28分10秒 | ロッケンロール万歳!


二日前にザ・クロマニヨンズのロケンローに酔い痴れたばかりなのに再びロケンロー天国で昇天。
「STUPID & IDIOT TOUR」初日、しかも-SPECIAL RECORDING GIG-とある。つまりライヴ録音される訳だ。当然チケットはソールド・アウト。FEVERは渋谷Club Quattroと同じくらいの広さだがステージが高く音もいいお気に入りのハコだ。楽屋が異常に広く、出演者にとっても寛げる空間である。普段恵比寿リキッド・ルームや渋谷AXを満員にするアーティストでもツアー初日にFEVERを選ぶことが多い。そういう意味ではアムステルダムのPARADISOというクラブに近い。1990年代アムスを訪れる度にPARADISOにライヴを観に行ったものだが、デヴィッド・ボウイ、シェリル・クロウ、ローリング・ストーンズ等世界的スーパースターがここを皮切りにヨーロッパ・ツアーをスタートするという伝説のライヴハウスである。PARADISOも知名度の割にはこじんまりとしたクラブでストーンズが演奏するとはとても信じられない。メトロポリタン・シティ、アムステルダムの自由な空気がこのクラブの開放的で家族的な雰囲気と相まって多くのアーティストに好まれているのである。

開演時間ギリギリに会場へ到着。既に観客は入場しており受付ホールにはスタッフしかいない。物販コーナーの前で鬼のお面を被った坊主頭の体格のいい男性がポーズを付けて写真に収まっている。スタッフがふざけてるのかな、と特に気にせず満員の会場に入る。開演直前の期待感に溢れた熱気でむせ返りそうだ。開演を告げるファンファーレが流れる。その時後ろからさっき受付ホールにいた鬼坊主が観客を掻き分けてステージへ向かっていった。スポットライトが彼の姿を追う。何と鬼坊主はモーサムのベーシスト武井靖典氏だった。予想外のサプライズに観客が沸く。ロケンロー・ショーの始まりだ。

モーサムはフリクション、初期のブルーハーツ、ブランキー・ジェット・シティ、ミッシェル・ガン・エレファント等"硬派ロケンロー・バンド"の流れに位置づけられる。2000年頃フリクションのレックさんと親交のある知り合いの雑誌編集者から「レックおススメの若手バンドがいる」と紹介されたのがモーサムだった。彼女が聴かせてくれたのがデビュー・アルバム「DRIVE」収録の「未来は今」。空間を切り刻むようなシャープなギター・サウンドと印象的なヴォーカル・ラインに「若いのにオーソドックスなスタイルの気骨のあるバンドだな」と思った。当時の若手はオルタナやメロコア、ネオアコ系のバンドが多く、シンプルなロックを追求するバンドには分が悪い時代だった。彼らのライヴを初めて観たのは2000年代半ば日比谷野音だった。共演が誰だったか殆ど記憶にないのだが、何かのチャリティ・イベントでマゾンナが出演し3分で演奏終了したことは鮮明に覚えている。モーサムはVo.Gの百々和宏氏のイケメンな格好良さと赤いムスタングをひたすら掻きむしるハイ・テンションなステージングが強く印象に残った。それ以来「革命的なヴィジョンを世界に提示するツアー」「TOUR “死に物狂いでリズムを刻め”」「MO'SOME TONEBENDER 2008 世直し中毒ツアー」といった大袈裟なタイトルのツアーに毎回通うようになり、ゆらゆら帝国、浅井健一、The Birthday等との対バン・イベントも観た。昨年2月の渋谷Club Quattroベスト盤リリース記念無料ライヴではドラムの藤田勇氏がギターに移りサポート・ドラマーを加えた4人組になっていて驚いた。

同じロケンローといってもザ・クロマニヨンズのシンプルで分かりやすいサウンドとは異なり、ハウス/テクノビートを取り入れたり、武井氏のライトセーバー・パフォーマンスを始めとするショーアップ演出があったり、モーサムの多様性を持ったステージには一筋縄ではいかない"捻れ"がある。しかしその核にはデビュー以来変わらぬゴリゴリした一直線の硬派ロック魂が流れており、それを彩る様々な眩い光と相まって得もいえぬエクスタシーへ聴く者を誘うのである。

普段あまりMCをやらない百々氏の口からニュー・アルバム「Strange Utopia Crazy Kitchen」をリリースすることが発表された。「今日から毎日100円ずつ貯めておけば丁度3000円貯まった頃に出るよ」(正確には7/18リリース)。1年7ヶ月ぶりのオリジナル・アルバムの発表に会場のテンションがますます高まる。そのままの盛り上がりで突っ走り1時間40分に亘るステージは終了。アンコール後客電がつきSEが流れても興奮冷めやらぬ観客の手拍子は5分以上続いた。



Set List
1. trigger happy (in the morning)
2. DAWN ROCK
3. youth
4. YOUNG LUST
5. L.O.V.E.
6. TIGER
7. 冷たいコード
8. SUMMERスカ?
9. rainy
10. アンハッピーニューエイジ
11. JACK THE TRIPPER
12. ハッピーニューイヤー(新曲)
13. shining(新曲)
14. ロッキンルーラ
15. ばちかぶれ!
16. LOST IN THE CITY
17. OUT DOOR
18. We are Lucky Friends
19. BIG-S(フリクションのカヴァー)
20. 凡人のロックンロール
---------------------
21. GREEN & GOLD

オフィシャル・サイトで9月スタートの「Strange Utopia Crazy Kitchen Tour」の日程が発表になっている。

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灰野敬二/鳥を見た/川口雅巳ニューロックンジケイト@高円寺 Club Mission's 2012.5.24 (thu)

2012年05月26日 01時44分06秒 | 素晴らしき変態音楽


最近の記事に対して「長過ぎて読む気がしない」「論理的破綻」「痴呆症の初期症状」「ドグラマグラ」「なめるな」などのご意見を頂き嬉しい限りだが、さすがにEP-4の記事を書くのに5時間パソコンの前に座っていたという事実には中原昌也氏の気持ちに近い矛盾と絶望観を感じるので、初心に還ってなるべく感傷に浸ることを押さえたいと思う。

高円寺Club Mission'sが開店5周年を迎え「高円寺Missions 5th Anniversary」と題し14日間通し券2000円という出血大サービス中である。ラインナップにはThe STRUMMERS、ニューロティカ、THE STAR CLUBという80'sパンクの伝説的バンドから、灰野敬二、どらビデオ、鳥を見た、川口雅巳といった当ブログでお馴染みのアーティスト、未知の活きのいい若手バンドまで合計70以上のアーティストが出演する"毎日がサマソニ状態"。店長の辰野氏の大英断には心から敬意を表する。しかし私が行けたのはこの1日だけ。残念なことをしたと後悔しきりであるが、5年後の10th Anniversaryに期待することにしよう。

この日は灰野敬二/キャスバリズム/鳥を見た/川口雅巳ニューロックシンジケイト/ビューティフルニー/山岡ジャギー義晃/CHARTREUSEの7組が出演。これまた残念ながら仕事が抜けられれず、Mission'sに着いた時には既に4組が終わっていた。通し券で観に来た観客もいて平日にしてはまあまあの動員だった。

川口雅巳氏は5/17~20長谷川陽平氏と共に4か所の韓国ツアーを敢行したばかり。韓国で活躍する日本人アーティスト佐藤行衛氏や地元のバンドと共演した。私が韓国を訪れたのは15年前で若者向けの音楽はへヴィメタルとフォークしかなかったが、川口氏の話では現在の韓国ロック・シーンはとても活性化していて小さいながらもライヴハウスやギャラリーが何か所もあり、地元のオルタナティヴな若手アーティストが数多く活動しているとのこと。15年前には現地で探しても誰も知らなかった60年代GS、70年代サイケや前衛ジャズ/ロック等の発掘CD化がどんどん進み、知られざる韓国アンダーグラウンド音楽シーンの全貌が明らかにされてきた。ただし現地では旧譜CDが約600円で手に入るのに日本では2500円で売られているという現状を川口氏は嘆いていた。

川口氏のプロジェクトはいくつかあるが、その中核をなすといっていい川口雅巳ニューロックシンジケイトの演奏は観る度に強烈なサイケデリック・ギターとグルーヴするビートに心奪われる。先日書いたようにマイ・ブラッディ・ヴァレンタインのリマスターCDリリースと来日決定でシューゲイザー・シーンが盛り上がっているが、川口氏のギター・プレイは俯くことは無いが、一連のシューゲ系ギターの何倍もノイジーでヘヴンリーでドラッギーなものである。独特の滑るようなヴォーカルにも痺れる。もっと高く評価されるべき凄腕アーティストである。ライヴ活動を精力的に行っているので一度観ていただきたい。



鳥を見たを観るのは毎回Mission'sで灰野さんの対バンとしてである。なかおちさと氏の文学フォーク風の歌詞と日本情緒溢れるメロディーとそれを破壊するようなバリトン・サックスの咆哮と地響きを上げるヘヴィなベースとドラム。のっけから怒濤のフリーク演奏が爆発するが、2曲目でふっと静かになり情感を籠めた歌心を聴かせ徐々に渦巻くハレーションへ突き進む展開はまさに破滅の美学である。なかお氏のブログには自作の詩が掲載されており三島由紀夫を思わせる美意識に彼の才能と志向が垣間見られるのでご一読をお勧めする。



トリは勿論灰野敬二さん。セッティング中から出演者も含め観客の多数がステージ前に詰めかけスクリーンの裏から聴こえるサウンドチェックの音に聴き耳を立てている。登場前に会場の雰囲気をガラッと変えてしまうのは灰野さんのオーラ故であろう。初めて灰野さんを体験する観客も多かっただろうが、噂に聴く"魂の司祭"がどんなパフォーマンスを繰り広げるのかは始まるまで誰にも予測できない。100回以上ライヴに通っている私でも始まるまでこれから展開される謎に満ちた演奏への期待感に心のときめきを覚える。その時が最も楽しいのかもしれない。始まってしまえば容赦ない音の渦に意識が翻弄され思考回路が遮断されてしまうから。Mission'sでのソロは殆どが轟音ギターの弾き語り/絶唱である。今回もSG一本での演奏だった。最初は椅子に座ってのプレイ。いきなり耳を圧する轟音がシャワーのように降り掛かる。キラキラした音の粒子が3台のアンプからもの凄いスピードで飛び出して来るのが目に見えるような感覚。10分程で立上がり激しいアクション。いつものように最小限に絞られた照明の中に川の流れのように揺れる銀髪が映像を見ているように美しい。以前詩人の吉増剛造さんと共演した時、吉増さんが「灰野さんは茶色」と呟きながら彫金を掘っていたことを思い出すが、私には灰野さんの音はカラフルな虹色に感じられる。闇の中目に見えない無数の色の音の放射に身体を晒し、頭蓋の真ん中に灰野さんの歌が突き刺さる。Mission'sのPAは実に上手く灰野さんの意図する通りのサウンドを再生する。40分の演奏が数秒にも何時間にも感じられる時間軸を歪めるステージだった。



終演後楽屋へ挨拶に行くと鳥を見たのベースの山崎怠雅氏と談笑していた。確か前回の対バンのときも山崎氏にバンドの心得を説いていた覚えがある。山崎氏は1990年代半ばに哀秘謡のライヴに通い詰めていたとのことで灰野さんと気が合うようだ。楽屋話なので詳述は避けるが「バンドは"せーの"でやるものだ」という持論から若い頃リアルタイムで買ったブルー・チアーの日本盤の音が酷かったことや最近の楽器事情まで話は尽きることがない。灰野さんは勉強熱心な若手ミュージシャンと話す時が一番楽しそうだ。

5周年
素敵な音楽
これからも

6/16(土)高円寺HIGHで開催される「ドキュメント灰野敬二」前夜祭のフライヤー。ゲストもユニークな面子なので普通のライヴ/イベントと違った雰囲気が味わえると思う。チケットは高円寺HIGH、新宿裏窓店頭にて発売中。

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ザ・クロマニヨンズ TOUR ACE ROCKER 2012@渋谷公会堂 2012.5.23 (wed)

2012年05月25日 00時49分48秒 | ロッケンロール万歳!


席は前から4列目 渋谷公会堂がロケンローの聖地と化した ウオーッ ワーッ ヒロトー マーシー オーッ いくよー ワンツーツリーフォー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ありがとう ロケンロー 旭天鵬おめでとー ロケンロー 暑いねー これが僕のスカイツリーです ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー 渋谷公会堂 C.C.Lemonホールじゃない 略して渋公 阪東妻三郎 略してバンツマ 清水健太郎はシミケン 田代まさしはマーシー チンポの毛はチンゲ ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー チンゲが 俺の渋公が ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ヒロトー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー マーシー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー どんどんやるぞー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ヒロトー マーシー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ヒロトー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー 最後までぶっ飛ばしていくぜー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ヒロトー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー マーシー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー 最後の曲です ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ありがとう またね 手拍子 手拍子 手拍子 手拍子 手拍子 手拍子 エース ロッカー エース ロッカー エース ロッカー エース ロッカー エース ロッカー エース ロッカー エース ロッカー エース ロッカー エース ロッカー ワーッ ヒロトー マーシー コビー カツジー ありがとう みんな歌ってくれよー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー 今日発売しました ウオーッ サイダーという曲も入っているけどうまくできる自信がありません ヒロトー 買って聴いてください マーシー 宣伝したぞ ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー 残り短いけど最後まで楽しんでくれよー ロケンロー ロケンロー ヒロトー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ヒロトー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ロケンロー ありがとう ヒロトー マーシー またやろうなー ヒロトー マーシー また絶対やろうなーロッケンロー ヒロトー マーシー またね ウオーッ 拍手 拍手 拍手 拍手 こんな感じの90分

Set List
1.他には何も
2.欲望ジャック
3.バニシング・ポイント
4.ゴー ゲバ ゴー
5.シャイニング
6.ハル
7.ライオンとサンシャイン
8.はさんじゃうぜ
9.伝書鳩
10.連結器よ永遠に
11.ムーンベイビー
12.スピードとナイフ
13.グリセリン・クイーン
14.底なしブルー
15.ひらきっぱなし
16.オートバイと皮ジャンパーとカレー
17.紙飛行機
18.エイトビート
19.雷雨決行
20.ナンバーワン野郎!
-----------------------
21.突撃ロック
22.メキシコの星
22.ギリギリガガンガン
23.弾丸ロック

最新シングル「突撃ロック」のPV



▼ロケンローが足りない方はどうぞ
ザ・クロマニヨンズ「バニシング・ポイント」from TOUR ACE ROCKER2012 DVD


ザ・クロマニヨンズ オフィシャル・サイトはコチラ

ロケンロー!
今日は最高!
ロケンロー!

6月24日新木場でロケンロー・アゲイン!
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21世紀のポップ・アイコン~きゃりーぱみゅぱみゅ「ぱみゅぱみゅレボリューション」

2012年05月24日 00時38分07秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


待望のきゃりーぱみゅぱみゅのデビュー・アルバムがリリースされた。当然64ページ写真集+DVD付初回限定盤を購入。5月半ばから雑誌の表紙やストリート・ポスターやテレビ番組で続々大量露出が為され心がワクワクしたピンク色に染まっていった。彼女の存在のユニークさはここで書かなくてもあちこちで語られているし、一目見れば誰でも理解できることだろう。私が凄いと思うのは、かつてアイドルが備えていた"大衆性"と極めてマニアックな"前衛性"の両方を兼ね備えている点である。名前の奇矯さもあり子供から大人まで知られている存在。歌は聴いたことがなくてもテレビや雑誌で観ただけで彼女だとわかる強烈な個性。例えばAKB48はCDの出荷数が200万枚という驚異的な売り上げらしいが、メンバーの名前と顔が一致するのは一部の若い年齢層に限られる。少し上の世代になると小娘がたくさんいる集合体としてしか認識できない。

きゃりーは存在としては安室奈美恵、宇多田ヒカル、浜崎あゆみなどに近いと思う。しかし決定的に違うのは原宿文化というローカルなムーヴメントを日本中、いや世界中に広めるシンボル的存在="アイコン"であるということだ。その意味ではレディ・ガガにより近いのかもしれない。今回のアルバムの写真集にはレディ・ガガもビックリの奇抜なファッション写真が満載である。そしてそれが余りに漫画的でセクシャルな要素が皆無であるというのがきゃりーならではだと思う(彼女にセクシーさを感じる向きも多いと思うのであくまで私感であることをお断りしておく)。

さらにサウンド・歌詞への拘りは信じられないほどマニアックである。今や21世紀の小室哲也と言える八面六臂の活躍の中田ヤスタカ氏によるハウス~テクノ~トランス趣味をぎっしり詰め込んだ音作りにはクラフトワークやノイ!、クラスター等ジャーマン・エレクトロ・ロックの影響があるのは間違いない。きゃりーとの日常会話で発せられた一言から想像の翼を広げて紡ぎ出した独特の歌詞の世界にも注目したい。「つけまつける」「PONPONPON」「きゃりーANAN」「でもでもまだまだ」など曲名だけで強烈な印象を与える言葉遊びの連鎖。”ぱちぱちつけまつけて つけまつけまつけまつける かわいいのつけまつける””うぇいうぇいPONPONPON うぇいうぇいPONうぇいPONPON”というダダイズム詩のような意味不明な言葉の羅列と繰り返し。しかしそこには難解さは微塵もない。「おかあさんといっしょ」で幼児たちが大喜びで踊りはしゃぐ光景が目に浮かぶ。彼女の曲は「踊れるリズムと童謡メロディー」というヒット曲の原則に忠実な音作りなのだ。このアルバムからは湿った日本的情念は見事に排除されている。全てがアッパー、とにかく楽しもうという底抜けに明るい歓喜の歌の裏に隠された狂気の深淵に気づいたが最後、中田氏ときゃりーの仕掛けたワナに陥ってしまう。勢いに身を任せて聴き続けると11曲目の「おやすみ」のしっとりした歌に思わず涙がこぼれそうになる。と思ったらラスト・ナンバーで「ちゃんちゃかちゃんちゃん」と感傷をぶち壊す掟破りの暴走で幕を閉じる。



まさにこれはポップアートの21世紀的展開である。ノイズや変拍子こそ無いがアルバム全編聴き終わったあとに残される裏返った世界はヴェルヴェット・アンダーグラウンド「ホワイト・ライト/ホワイト・ヒート」、イエス「危機」、キング・クリムゾン「太陽と旋律」等に通じるカタルシスがある。きゃりーぱみゅぱみゅの存在は現代文化の最前衛であると言っても過言ではない。UK来日公演のチケットの抽選に外れ続けて凹んだ中年男性諸氏に自信を持って推薦したい世紀の傑作の登場である。

きゃりたんと
お手て繋いで
遊びましょ

上記考察から導き出される結論は以下の通り。
1.本アルバムの英語タイトルは「A Young Person's Guide To Kyarypamyupamyu」とすべきである。
2.「中田ヤスタカ=アンディ・ウォーホール」「きゃりーぱみゅぱみゅ=ニコ」と例えるべきである。
[5/24 12:45追記]
以下の例えも可とする:
 「中田ヤスタカ=セルジュ・ゲンズブール」「きゃりーぱみゅぱみゅ=ジェーン・バーキン」
 「中田ヤスタカ=寺山修司」「きゃりーぱみゅぱみゅ=浅川マキ」
 「中田ヤスタカ=マルコム・マクラーレン」「きゃりーぱみゅぱみゅ=セックス・ピストルズ」
3.今後出版される現代音楽/前衛ロックのガイドブックでこのアルバムを掲載していないものは信用してはならない。
[5/24 13:56追記]
4.山口百恵は菩薩だったが、きゃりーぱみゅぱみゅは曼荼羅である。

<参考映像:本文と深い関係があるので必ずご覧下さい>
注意:途中で止めず各曲最後まで聴き通すこと。







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EP-4@代官山 UNIT 2012.5.21 (mon)

2012年05月23日 01時08分32秒 | 素晴らしき変態音楽


1980年代のいわゆる「宝島」世代には「佐藤薫」という名前は特別な思い入れのある存在だった。EP-4での活動や様々なバンドのプロデュース、執筆活動、FM番組での世界各国の自主制作盤や辺境音楽の紹介などサブカル系ファンの絶大な支持を誇っていた。ポストモダンの時代、吉本隆明、中沢新一などの論者と並び懐かしい響きのするカリスマ的存在だった。1990年代に入り忽然とシーンから姿を消してしまったこともあり存在自体が歴史から抹殺されたような時期もあった。2004年灰野敬二、工藤冬里、大友良英、白石民夫が出演した新宿裏窓1周年記念イベントで「出演してほしいアーティストは?」というアンケートに迷わず「佐藤薫」と書き込んだことを覚えている。


手元に一本のカセットテープがある。ケースの中に「出演:ゲルニカ,EP-4他 57.6.22 \1500」と書かれた渋谷La MAMAのチケットが入っている。カバーは雑誌から切り抜いた佐藤氏の写真。裏には「ロックン・ロールのビジュアル・エイジ---シスターM、EP-4、ゲルニカ」とある。当時私がライヴ録音したものである。安いカセットなので劣化のため音が聴くに堪えないのが残念だが、ライヴの模様はうっすら覚えている。La MAMAの狭い空間にぎっしりの観衆。ステージ上はキーボードやシンセ、パーカッション、大きなエフェクター・ボックスが林立していた。ゲルニカとEP-4のどっちが先だったかは覚えていないが、個人的には初めて観る戸川純ちゃんの妖艶なパフォーマンスに心奪われた(ゲルニカのカセットも残っている)。EP-4の方は無機質なファンク・ビートに乗せて佐藤氏が時折エフェクト・ヴォイスを聴かせるだけで殆ど後ろ向きで踊っていた覚えがある。当時はEVA-1とか4-Dとか似た名前のバンドがいてEP-4とゴッチャになっているのだが、インディーからリリースされたクリア・ヴィニールの「Multilevel Holarchy」というライヴ音源を切り貼りしたアルバムが好きでよく聴いていた。他のアルバムやカセットブックも聴いてた筈だが、端正なダンスビートには余りのめり込まなかった。有名な「5.21」ステッカー作戦は印象にない(フリクションの黒い亀の甲みたいなステッカーが街中に貼られたことは覚えているのだが)。佐藤氏はミュージシャンというよりオーガナイザー/策略家という印象の方が強い。

3年程前に佐藤氏が表舞台に現れEP-4やプロデュース音源のCD再発が始まったときは余りに突然で懐かしさに胸がドキドキしたものだ。それがまさかの復活ライヴ、それも伝説の5月21日にやるという。オリジナル・メンバーに加えタバタミツル(G)、 ジム・オルーク(G)、千住宗臣(Dr)、高井康生(G) にゲスト・プレイヤーとして 恒松正敏(G)、中村達也(Dr) が参加。DJ : 菊地成孔、MOODMAN。

特典のCDを貰い入場し地下のホールへ階段を下りる。ホールはギュウギュウではないものの後ろまで満員。意外に前の方に余裕があり、ステージ下手の前から5列目あたりを確保。往年のファンの年配者の姿が目立つ。開演時間になりSEが大きくなったのでいよいよ佐藤氏の登場かと会場がどよめくが、1時間そのままアブストラクトな音楽が流れ続ける。途中でこれが菊地氏とMOODMAN氏のDJタイムだと気が付いた。複数のバンドが出るイベントではセットチェンジの合間にDJタイムがあるのだが、ワンマンなので最初の1時間がDJという訳だ。ビーフハートと電子音をミックスしたり面白いプレイだったが、観客の多くは佐藤氏が早く現れないかと焦れている様子。1時間たつと突然会場の一角が白い光に照らされてPAからガーッというノイズが放出される。伊東篤宏氏のOPTRON演奏だ。これは告知されていなかったサプライズ。佐藤氏と伊東氏の対談がwebDICEに掲載されていて興味深いのでぜひご一読を。リズムマシーンにOPTRONという新機軸で10分程演奏したところでいよいよメンバーがステージに登場。佐藤薫(エフェクト・ヴォイス他)、BANANA UG(Key)、佐久間コウ(B)、ユン・ツボタジ(Perc)のオリジナル・メンバーとジム・オルーク(G)、千住宗臣(Dr)、高井康生(G)の7人。OPTRONのノイズに重ねてタイトなファンク・リズムが繰り出され、バスドラとベースの太い音に否応なく身体が反応する。 そうそう、このクールなファンクネスこそEP-4だよね。佐藤氏は勿体ぶって(?)1曲目は歌わず後ろ向きで指揮をするような素振りをする。30年前とルックスと雰囲気が殆ど変わっていないのに感動する。2曲目以降はトレードマークのエフェクト・ヴォイスを披露。観客も声援で応える。観ているうちに30年前の個人的な出来事を思い出したので、また回顧話になるが書いておきたい。

30年前おそらくぎゃてい関連だと思うがある青年と知り合った。多分私より3つくらい年上だったのだろう、もう名前は覚えていないその彼と意気投合し新宿ゴールデン街の文芸バーによく飲みに行った。彼は特に音楽活動をしていた訳ではなかった。大阪か京都出身だったと記憶している。「夜想」や「パピエ・コレ」といったサブカル誌と関係があったようで、一緒に編集部に遊びに行ってグラスを回したりした。彼は「CAMP」というユニットを作ることを計画していた。デレク・ベイリーのCOMPANYと、キッチュの同意語のキャンプをかけたものだという。それに参加して欲しいから大学のバンド・サークルを今すぐ辞めるよう迫られた。私がブリティッシュ・ビートをやりたい、というと、メンバーは自分が見つけてやるから大学バンドなんか辞めちまえ、あんなの意味がないから、と言う。その後いきさつは忘れたが自然に疎遠になってしまったが、今思えば彼は佐藤薫か(痙攣しない 笑)山崎春美になりたかったのではないか、と思う。

そんな思い出に浸りながら絶え間ないダンス・ビートに身を委ねていた。後半にタバタミツル(G)と初期メンバーで現在はフランス文学者/翻訳家として活動する鈴木創 士(Key)が参加。ふたりが引っ込むと恒松正敏(G)と中村達也(Dr)がジョイン。MCは一切なく佐藤氏は曲の合間に椅子に座り休んだりしている。1時間半の演奏が終わり、アンコールに応え出演者全員に加え菊地成孔(Sax)が登場。分裂というバンドの曲を延々とセッション、大ダンス大会で盛り上がり終演。



Twitterの情報によるとセットリストはEM/5・21/dB/Similar/Moonlight/E-Power~Frump~Zoy/Coconut/Robothood Process/Mineraloid/安全な核廃棄物と同居しよう(分裂)。

[7/17追記:BLOG「EP-4-dark」より]
2012/05/21 set list
0 intermission
1 5.21
2 dead body
3 Similar
4 MOONLIGHT
5 E-POWER
6 Frump Jump(Zoyのエンディングだった)
7 Coconut
8 Robothood Process
9 (初聴でした)
encore
1 安全な核廃棄物と同居しよう


イメージ的に30年前と全く変わっていないのが嬉しかったし、千住氏、高井氏をはじめとするサポート陣のバックアップも素晴らしかった。併設のカフェでは70~80年代ニューウェイヴ・アーティストの30年後を記録した写真集「THUS WE LIVE BIT BY BIT」の写真展をやっていた。何とも言えずノスタルジックな郷愁を感じさせる写真ばかりだが、あの時代を作った人たちのその後を見るのも悪くないかもしれない。

EP-4
80年代
ノーリターン

インターネット時代の今こそ佐藤氏のようなオーガナイザーがどのような策略を展開して行くのか今後の活動が楽しみである。
それにしても長いな~今日のブログw







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Asobi Seksu/Boris@渋谷 O-West 2012.5.18 (fri)

2012年05月20日 00時56分58秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


ニューヨーク在住の日本人女性YUKI CHIKUDATE嬢率いるシューゲイザー・バンド、Asobi Seksu(アソビ・セクス)はCDは2000年代半ばMy Spaceで知って以来気になってオフィシャル・サイトやYouTubeで動向を探りチェックを入れてきた。2000年代になってジーザス&メリーチェインやマイ・ブラッディ・ヴァレンタインをはじめとする1990年代初頭のオリジナル・シューゲイザーの再評価が進み、彼らの影響を受けたフィードバック・ノイズ・ギター+甘いポップ・メロディーというスタイルのバンドが世界中から次々と登場してきて、現代の若者にロックのひとつのジャンルとして好意的に受け入れられている。

シューゲイザーという名称は1990年初頭に英国の音楽紙「Sounds」のムースというバンドのライヴ評で初めて使われた言葉らしい。ヴォーカリストが足元に置いた歌詞カードを見つめながら俯いて演奏していた姿をシューゲイザー(=靴を見つめる人)と揶揄したものだった。それがエフェクターやペダルを見つめて轟音フィードバック演奏に専念する一連のバンドを示す言葉に転用された。

私の記憶では当時の日本でマイブラやジザメリ、ライド、スロウダイヴなどがシューゲイザーと呼ばれていた覚えはない。ブームが一段落した頃になって音楽誌や評論家が「あれはシューゲイザーというムーヴメントだった」と書き始めたように思う。「シューゲ」と略されて広く使われ出したのは2000年代になってからではなかろうか。現在のシューゲイザー人気は1990年代当時を知らない若い世代により形成されていることは間違いない。

2007年以来2度目になるAsobi Seksuの日本ツアー最終日、会場を埋めたファンは20代前後の草食系男子とサブカル系女子中心でメガネ率が高いのが面白い。アメリカのインディー・シーンで人気だから外国人客の姿も多い。対バンが昨年一緒にUSツアーを敢行したBorisなのでひときわ興味深い。

Borisを観るのは3度目。5年前に下北沢Shelterで観たときはステージ前にスーパーウーハーを設置し空間が歪むような低音を響かせた。今年結成20年になるベテラン・バンドである。ヘヴィでドゥームだがメタルではない。灰野さんやメルツバウ、アメリカのヘヴィ・ロック・バンドSUNN O)))と共演/共作を発表してきたアングラ・シーンの古株である。昨年のI'll Be Your Mirrorでは灰野さんの裏(?)時間の出演で観れなかった。昨年AVEXからリリースした新作「New Album」ではイメージを一新するアッパーなメジャー感溢れるサウンドを展開し話題になった。しかいそれで特に売れたという話は聞かないが....。そんな彼らの久々のライヴには元White Heaven~Starsのギタリスト栗原ミチオ氏がメンバーとして参加。一曲目が往年のイメージ通りの超ヘヴィなサウンドだったので安心したが、途中で新曲を演奏。四つ打ビートのJ-POP風サウンドはやはりミスマッチな気がしたが、栗原氏のスライドバーとアームを多用したサイケデリックなプレイが炸裂する曲もあり1時間のステージはとても楽しめた。現在Asobi Seksuとのスプリット・シングルを制作中とのこと。



Asobi SeksuはYUKI嬢とギターのJAMES HANNAを中心とする4人組。写真やPVで観るYUKI嬢はフェミニンで清楚なイメージだったが、ステージに現れた彼女は小柄で可愛らしいがレザーのジャケットに身を包み、髪を振り乱してヘッドバンギングするステージングはまさにロック少女。彼女をバックアップする大柄の地味なアメリカ男3人が奏でる骨太なサウンドはシューゲ云々というよりアメリカン・インディー・ロックの伝統を継承している。英語/日本語混じりのYUKI嬢のヴォーカルは「ドリームポップワールド」を標榜する彼ららしい美メロに溢れたヘヴンリーなもの。最終日のこの日はYUKI嬢とJAMESの両方のお母さんが観に来ていたそうで彼らにとってもスペシャルな夜だった。観客は曲をよく把握しておりYUKI嬢の振りに合わせて手拍子しながら楽しんでいる。日本のロックにありがちな激しいモッシュやシンガロングがないのでロートルで曲も知らない私でも充分楽しめるライヴだった。アンコールではアコースティック・セットに続きBorisのドラマーATSUO氏とYUKI嬢のドラム・バトルを交えた轟音演奏で終了。70分の演奏。



マイブラのリマスター再発や来日決定でシューゲイザーへの注目が高まっている中、まさに"今"の音を鳴らす至福に満ちたAsobi Seksuのステージは深く記憶に残るものだった。昨日も書いたが現在進行形のロックをフォローしていくことが大切なことを実感した。

遊びでは
終わらせないわ
本気なの

海外をベースに活躍する日本人ミュージシャンとしてYUKI嬢はBo Ningen(対バン・ライヴが実現したら面白いかも)、上原ひろみちゃんと並ぶイチロー/ダルビッシュ的存在である。今後も応援していきたい。

[参考]
●90年代シューゲイザー・ムーヴメントについて詳しく解説したサイト→Shoegazer Archives
●39分10曲のシューゲイザー名曲メドレー。何故か画像がオタク系アニメw



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