A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【盤魔殿アマルガム Vol.38】NNCK/モグモグ/COPASS GRINDERZ/Caterina Barbieri/田畑満/福田理恵/ライフェンシュタール/風まち月の魂ふり

2022年05月31日 00時43分07秒 | 素晴らしき変態音楽


●DJ Athmodeus a.k.a. 持田保


NO-NECK BLUES BAND / Clomeim (Locust) 2008
またノー・ネック(以下NNCK)かよ!って声もあるでしょうがメチャ探してたアルバムが入手できたので空気読まずに紹介(ビバ自分軸)。NNCKには日本人メンバーでタカハシミチコって人が在籍してるのだが彼女の日本語ボイスをフューチャーした”Make Love”を収録した本作。コレずーっとネットで探してたけどどこにも無くて「これは海外から取り寄せかな」と思ってた矢先に偶然元の職場で超格安にて発見。大丈夫かよ元職場・・・・・とは思ったがまあいいや。でこの”Make Love”まあセルジュ・ゲーンズブールの”ジュテーム”的な内容をゲーンズブールのネチっこさとは対極の渇ききったスローセックスで展開(それも日本語で)。音のほうもミニマル・インプロが朽ち果てて最後塵となって消える感じで超泣かせるからみんな聴いて欲しい。そういえば「NNCKイイ話」として僕がグっときたのが「何にも音が鳴ってない空間でひたすらメンバーがレイヴ会場にいるかのごとくガン踊りしていた」ってエピソードで、アーティストとして大切なのはそういうトコだぞって思った。


●DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武


MOGRE MOGRU / DIVE ACTION BOX 1(2022 / Les Disques Du Daemonium)
環境音楽、アンビエント、ヒーリング、ニューエイジ、ドローン、バレアリックなど多種多様な胡散臭いラベルが付され、凡庸と波間に漂う曖昧模糊とした気分にさせこそすれ、音が終わったら心に何の傷跡も残らない、消耗品にも劣らぬ不用品のような音楽ジャンルに、筆者は五十余年間交わるなく音楽生活を送ってきた。おそらく2020年12月に今は亡き四谷茶会記で開催された《哲学者の薔薇園》+盤魔殿イベントで、Tanaoと黒い瞳に出会わなければ、今でもアンビエントなどと口にすることなど有りえなかっただろう。然して三人は出会い、2021年7月に開催された「盤魔殿SPIRITUAL LOUNGE vol.2」にて名も無きアンビエント・ユニットとして初舞台を迎え、10月にはモグレモグルというイカレた名前を授かった。管楽器を手にするとアルバート・アイラーか阿部薫の霊が宿り、耳障りなフリークトーンを巻き散らす筆者の悪癖は、Tanaoのスペースギターと瞳のエキゾエスノ楽器の祈りのフレーズに鎮静され、空想の森の木陰で愛を育むラヴバードの囀りの如く、己の心の枷を解き放ち宙に射精する。それ以来2022年5月5日に至るまでの10ヵ月間8回の発情の記録を一点一点愛情込めた手作り限定メタルボックスに奉納した。アルバム・タイトルはご存じWHITEHOUSE『LIVE ACTION』へのオマージュです。


●DJ Vaby a.k.a. 大場弘規


COPASS GRINDERZ / 録音鬼第三部 LIVE AKTION DOCUMENT 11.26 (2CD+DVD)
2016年11月26日土曜日、新代田FEVERにて行われた 「拷問音響機構」((TORTURE SOUND SYSTEM WALL))。フロアにマーシャル三段を20スタック並べ全て鳴らすという前代未聞の愚行・音で人を殺す計画(未遂)の顛末を全て収録した2枚組CD、DVD、ブックレット付。ディスク盤面にはMiguel Ángel Martín氏(WhitehouseやEsplendor Geométricoのジャケを担当した事も有り)のイラストを使用、48ページ フルカラーブックレットには同氏の描き下ろし漫画「SNUFF MUFF」を掲載した超超豪華版。実は筆者もリアルタイムでこの「耳栓無き者は入場不可」という狂った企画に参戦し、あの轟音&音圧に殺されかけた1人なのです。次に同様のライブをやる時は耳栓禁止でアンペグを20台追加して40台で鳴らすことを真剣に考えていると笑顔で話していたZEROさんだったのですが...せめて名越さんや酒井さん、大地さんの力で未完のサード・アルバム『3rd KILL』のリリースを!と切に願うCOPASS ARMY DJ VABYなのです。 
   

●DJ BEKATAROU a.k.a. 伊藤元


Caterina Barbieri / Vertical
ベルリンを拠点に活動し、シンセサイザーを用いたミニマリズムを追求するイタリア人奇才アーティストCaterina Barbieri。本作は氏が2014年にリリースしたファーストアルバムで2021年秋に再発された。
シンセサイザーの名機buchla 200 systemとヴォーカルの為の作品である。(buchla社のオフィシャルページにもリンクされている。)
動かずして波動を放つ…場は何もない空間に遷移する…ドローンを泳ぐ瞑想的な声は煙のように立ち上がり暗闇に孤を描き、氏とbuchla 200が揺らす芯があって重たい音が意識に都度浸潤し、異次元の膜を破るように突出する…無機的だがこの電子音には確実に主張がある…buchlaは時折り獣のように唸りをあげ後半のオシレーターの騒めきには血液の潮さえ感じてならない…
氏は音々の流れを感じ取り、共振することで新たな地平をひらいては進んでゆく…
buchlaシンセの特徴である聴くものの意識を一気に引き込む強烈なエネルギーをしっかりと引き出した必聴盤である…


●DJ Ipetam a.k.a. Rie fukuda


precog 田畑満/福田理恵
https://www.discogs.com/release/12777891-Rie-Fukuda-Mitsuru-Tabata-Precog
2018年5月、オースチンレコードよりリリースされた一枚目のアルバム。福田は朗読に専念し、田畑がギターとアレンジを全て担当している。宅録とスタジオ録音が半々なので、全編聴くと何となくわかってしまうのであるが....
もう既に好い思い出となる。これはテキストありきの作品であり、私の書いた詩を田畑さんが読み込み、そのイメージでギターを弾いた、ざっくり説明するとそんな方法で進めて行った。田畑さんならどんな解釈をするのか、とても楽しみな数ヶ月だった。デュオでのライブを展開していた頃から、絶妙なタイミングで印象的なフレーズを絡めてくるその手腕に満足していたが、録音でもそれは変わらない。因みに、隠し味として私のイジドール(electribe EA-1)の音が作り込まれて練り込んである。これは、キーをテープで止め15分位鳴らしっぱなしにしたもの。タンジェリンドリームか何かのライブでやってた、と田畑さんが提案してくれた。
最後のスタジオ録音は真冬、身を切る様に寒い日だった。
あれから時が経ち、状況が変化し、思い切って手術もしてひとつの大きな悩みを解決した。
出来上がりには大変満足しているが、改めて聴くと"この詩人は大丈夫か、少し外に出て運動でもしたらいいのに"と自分の事ながら心配になる。生々しく真っ赤な血液が流れる作品に仕上がったが、同時に、その時生きていた存在を一枚の盤に閉じ込める事が出来た。そんな作品である。


●DJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫


ライフェンシュタール/秘密兵器あらわる SSZ3077/INK 008CD
新潟に本拠を置くSUEZAN STUDIOはジャーマン・ニューウエーブの隠れた名盤をコンスタントに再発し続けている意欲的なインディーズレーベルだ。今回の再発は80年代初期に活動したREIFENSTAHL。このバンド名はナチスのプロパガンダ映画「オリンピア」(第一部「民族の祭典」、第二部「美の祭典」)の監督として知られるLeni Riefenstahl(レニー・リーフェンシュタール)の名をもじり、「くたびれた鉄」という意味を持たせたもの。本作Die Wunderwaffe(邦題「秘密兵器現る」)は、プログレッシヴ・ロックからバッハ、レゲエ、ファンクまでさまざまなエレメントを混ぜ合わせ、エレクトロニクスとポップにホラーを少々加味したライフェンシュタールのファースト・アルバムだ。発表当時はリーフェンシュタールは存命中(1902年生まれ2003年死亡)であり、裁判でナチス構成員ではなかったとの判決を受けたものの、ナチスとの関連疑惑やプロパガンダに寄与したことで批判にさらされていた。しかも発表当時の1981年は米ソ冷戦の真っただ中であることを考えると、この作品の持つメタファー性もおのずから明らかになろうというものだ。遅れてきたプログレでもなく、ファウストのフォロワーでもなく、当時そして現在の世相と照らし合わせて聞き込むうちに、謎がますます深まる一枚だ。


<―――――――――――――――――――――----EVENT INFORMATION――――――――――――――――――――――――>


2022年6月12日(日)  桜台POOL
【風まち月の魂ふり-密教・ノイズ・シュルレアリスム-】


▪️開場 17:30 ▪️開演 18:00 
▪️料金 一般 3000円 学生2000円
▪️予約方法  専用ウェブサイトhttps://reserva.be/poolにて
▪️出演者 ライブ:混沌の首 Erehwon
座談会:内海信彦 羅入 石川雷太 山田遼(司会・進行) 座談会テーマ「芸術家が考える生と死 -越境のための、狭間にあるものへのオルタナティブなまなざし-」

本イベント「風まち月の魂ふり」では、雑多な日常に埋もれた我々の、生命としての本願を今一度想起すべく、出演者・来場者双方が境界を超えて瞑想し、万物が生じ/滅する拠り所としての霊場を顕現させる儀式を挙行する。
密教系芸術集団「混沌の首」は高野山真言宗僧侶である羅入の真言と、美術家・石川雷太主宰のノイズユニット「Erehwon」が放つ轟音の渦の中で、真の芸術的・啓示的インスピレーションを体得するための根源へ至るべく瞑想を行う。
また、「Erehwon」のソロパフォーマンスでは、鉄板や工業用スプリングなどの金属廃材のリアルタイムな打撃音・摩擦音と、TVニュース映像等をサブリミナルにミックスしたパフォーマンスを行い、痛みを伴うような超現実=シュールレアリズムを現前させる。
出演者による座談会では、ライブ出演者に加え、美術家の内海信彦を招き、それぞれの作品の写真・映像を紹介しながら芸術家としての活動遍歴を振り返り、優れた芸術作品が共通して持っている「人間の生と死へのまなざし」を、芸術家自身が言葉で語り、自身の死生観が、思考と実践の果てに産まれた美術作品にどのような影響を与えているのかを語り合う。

▪️出演者プロフィール
<混沌の首>
2008年始動。宗教家、美術家、音楽家、ダンサー、舞踏家、役者などにて構成される密教系芸術集団。高野山真言宗僧侶羅入の真言と現代美術家石川雷太率いるErehwonのインダストリアルなノイズ・サウンドにて、神林和雄の供養舞い、瞑想者による「動く瞑想」が繰り広げられる。瞑想者が鐘や太鼓を打ち鳴らしながら激しく踊る様は現代の踊り念仏と評される。

<Erehwon>
美術家、石川雷太が主宰するノイズ・パフォーマンス・ユニット。昼間光城(メタルパーカッション、エレクトロニクス担当)とともに1997年より活動。鉄板や工業用スプリングなどの金属廃材の打撃音・摩擦音のライブ・ミックスによる演奏を行う。インダストリアル・エイジの「光」と「影」が映し込まれたそのサウンドは、現代に生きる我々にとって最もリアルで最も基礎的な、潜在的なBGMだといえる。物質主義や自然主義の立場から独自の哲学を表現する。

<内海信彦>
美術家/ハーヴァード大学客員芸術家/早稲田大学日米研究機構招聘研究員 /ペルー国立美術学校名誉教授/ペルー国立教育大学客員教授/早稲田大学「内海先生のドロップアウト塾」主宰/「早稲田・リベラルアーツ・アソシエーション」主宰/1992年よりハーヴァード大学を始めとした世界各国の教育機関で講義・ワークショップ・滞在制作を行う。2000年にはポーランド政府より招待を受け、オシフィエンチム・アウシュヴィッツ強制収容所跡でのホロコースト生存者を招いての鎮魂のライブペインティング、聖スタニスワフ・コストカ教会で聖人パピューシコ神父追悼ライブペインティングを行う。1985年より100回を超える個展を世界各地で開催し、特に「Innnerscape Seriese」と題された作品群では特殊なメディウムを用いて独自の墨流し・インクフローペインティングによる技法を確立。宇宙の創生と生命の彷徨を包摂し、ミクロコスモスからマクロコスモスまでを貫く広大無辺な宇宙最古の光を顕現させる。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【イベントレポート】盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.40~+盤魔殿DJ's+MOGRE MOGRU@阿佐ヶ谷TABASA 2022.5.28 sat

2022年05月30日 01時40分12秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.40

2022.5.28 sat 阿佐ヶ谷TABASA
18:00 Open/Start
Charge 1,000YEN + 1 drink

TIME TABLE
18:00 DJ Vaby a.k.a.大場弘規
18:30 DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
19:00 DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
19:30 LIVE: MOGRE MOGRU
20:00 DJ Athmodeus a.k.a.持田保
20:30 DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元

6年目に突入した異端DJイベント『盤魔殿』の40回目が、盤魔殿から生まれた即興アンビエントユニットMOGRE MOGRU のレコ発も兼ねて渋谷EdgeEndと並ぶ盤魔の拠点・阿佐ヶ谷TABASAにて開催された。主催者も驚くほど多数の動員で、盤魔の輪の広がりを実感させる素晴らしい夜だった。
以下セットリストと本人のコメント(太字)とお客さんのコメント(Twitter)とともに振り返ろう。

●DJ Vaby a.k.a.大場弘規

昨日の盤魔殿は「MOGRE MOGRU」のスペシャルライヴもあったせいか大盛況!とっても濃密な夜を堪能致しました!!僕は超超久し振りにトップバッター。事前のアナウンス通り「Material on the Copass Grinderz relation」をテーマとしてコーパスの楽曲を中心にしつつ、各メンバー所縁の音源を紹介させて頂きました。次回の日程はまだ未定ですが、トライしたいテーマはまだまだ尽きない今日この頃なのです。

1. COPASS GRINDERZ / LUCIFER CALLS ME (Excerpted from "3rd KILL")
2. MOLUGU / ゼロの詩
3. COPASS GRINDERZ / COBRA
4. VASILISK / TAKSIM
5. COPASS GRINDERZ / SURFING VIETNAM
6. BEYONDS / SALAD DAYS
7. COPASS GRINDERZ / ROCK'N'ROLL
8. HAPPY TRIBE / 生きてるぜ
9. VASILISK / PHOTONGNOUL
10. COPASS GRINDERZ / BAT




●DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫

盤魔殿こんなに客が来て良いのか?pcdjしていて急に曲を読み込めなくなるし。何か異世界に通じたかな。

1. A Challenge Of Honour - Havamal (Part 2)
2. TSIDMZ(ThuleSehnsucht In Der MaschinenZeit), GE-STELL- Ouverture: Les Hommes Au Milieu Des Ruines
3. Der blaue Reiter / Regret
4. EAA (Eurasian Artists Association) Porta Vittoria - Revolt Against The Modern World
5. Aphrodite's Child - The Four Horsemen
6. The Moon Lay Hidden Beneath A Cloud - Untitled 7 ( from the album Amara Tanta Tari)
7. EAA (Eurasian Artists Association) Porta Vittoria - Revolt Against The Modern World
8. The Moon Lay Hidden Beneath A Cloud - (from the album same title) III
9. Der Blutharsch - Track 6( from the album Time is thee Enemy)
10. A Challenge Of Honour- Only Stones Remain (Instrumental)
11. SAND - Upon Eleven Black Horses
12. Aphrodite's Child - The Wedding Of The Lamb
13. Aphrodite's Child - Babylon
14. Antony and the Johnsons - Epilepsy Is Dancing
15. Ash Ra Tempel - Amboss
16. the book of am - I am that living soul
17. The Smell Of Incense - Faerie Emerald
18. Caedmon - Columba's Song

家でリベンジしました。家でリハしても当日のその時間曲を読み込まないことがあり、同じ設定のまま事前及び事後にやったら何のトラブルもなく…直前まで大丈夫で会場でサウンドチェックも兼ねて同じことをしたときは大丈夫でしたが、いざ本番の時に…本番はグタグタになりました。



●DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda

5.28盤魔殿ありがとうございました!相変わらず居心地のよいTABASA、お馴染みDJの皆さん、ご来場いただいたお客さま、今後とも盤魔殿を可愛がってやって下さい。
さてわたくしのセットリストです。


1. JUSTICE / もう一つの身分証の提示
2. 40 BRAVES / VANGELIS(Vo.IRENE PAPAS)
3. Positive adjustment + NIWA (feat.R.fukuda)/Once and for all
4. Leonard Cohen / Stories of the Street
5. モリモトアリオミ / 小田急ワンワンパニック
6. トキノマキナ / YURIA TYPE-D
7. VANGELIS / Heaven and Hell pt.1

いつもながら、ジャスティスの曲名には泣かされますね。免許証持ってないのだろうか。


●MOGRE MOGRU(Live Act)







●DJ Athmodeus a.k.a.持田保

昨夜の盤魔殿、お集まり頂いたお客様、阿佐ヶ谷TABASA、Mogre Mogru、ありがとうございました。僕がかけた音源は下記の通りです

1. No Neck Blues Band / Make Love
2. 恐山Vibration / 寝ロジャMix
3. Jah Wobble / K Dub 05
4. William S. Burroughs / Dead souls
5. Gary Clail / Toes Tapping
6. Brigitte Fontaine / Comme a la Radio
7. Bing / Homenaje a la Musica Colombians

昨夜の盤魔殿で問い合わせが多かった音源がコチラ。とにかく最高!



●DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元


1. ACTIVE RECOVERING MUSIC / PHYSONECTS
2. Jan Bruyndonckx / Rails And Other Tracks
3. H2O & GATS / Crystal Siren
4. DAS SYNTHETISCHE MISCHGEWEBE / HARVEST OF MAGNETISM
5. fusilier /vigilance
6. Dayak / Borneo: music of the headhunters / musique des chasseurs de tetes (Kalimantan) / Sangkep

盤魔の夜
謎の音楽
海に潜る

次回の盤魔殿は7月中旬の開催を予定しています。

【物販売切感謝!】MOGRE MOGRU『DIVE ACTION BOX』メタル缶入り4枚組限定盤

Bandcampで購入できます⇒https://lesdisquesdudaemonium.bandcamp.com/album/dive-action-box-1
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【リリース特報】即興アンビエント・ユニットMOGRE MOGRU(モグレモグル)CDR4枚組メタル缶入限定ボックスセット『DIVE ACTION BOX 1』6/1リリース決定!

2022年05月27日 00時20分00秒 | 素晴らしき変態音楽


異端DJイベント『盤魔殿』から生まれた即興アンビエント・ユニットMOGRE MOGRU(モグレモグル)がデジタル・リリースした3枚のライヴ・アルバムに、未発表ライヴ音源を収録したボーナス・ディスクを追加したCDR4枚組メタル缶入りボックスセット『DIVE ACTION BOX 1』をリリース!一点一点ハンドメイドでスプレー・ペイントされたメタル缶に、特典として鈴付ストラップが封入された超限定スペシャル・パッケージ。ボーナス・ディスクの2つのライヴ音源はデジタルを含め今後のリリース予定はない。まさにここでしか聴けない貴重なドキュメントである。2021年7月の結成からまもなく1年、これからも進化し続けるImprove-Ambientの騎手=モグモグのすべての音源を聴ける貴重な作品です。

Les Disques Du Daemonium proudly presents special limited 4 CDR's metal-box contains 3 digitally released live albums plus unreleased live tracks as a bonus disc by new Japanese Imporv-Ambient Unit "MOGRE MOGRU" born out of the underground DJ event "Disque Daemonuim". These valuable sound documentaries proves the multifaceted aspects of MOGRE MOGRU, who has continued to evolve since its formation in July 2021.

2022/6/1 Release
★予約・購入⇒https://lesdisquesdudaemonium.bandcamp.com/album/dive-action-box-1

5月28日(土)『盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.40』@阿佐ヶ谷TABASAにて特別価格で先行販売!



MOGRE MOGRU / DIVE ACTION BOX 1
©2022 Les Disques Du Daemonium 盤魔-005/008 定価3,000円(税込)

Disc 1:MOGRE MOGRU / DIVE ACTION 1 (盤魔-005)
1. 2021/7/29 thu CON TON TON VIVO
2. 2021/10/18 mon CON TON TON VIVO

Vol.1には、イベント“盤魔殿スピリチュアルラウンジ”での、まだ名前がなかったデビュー・ライヴと、MOGRE MOGRUというユニット名を名乗って本格始動した2ndライヴを収録。

1:Disque Daemonium Spiritual Lounge vol.2 @ CON TON TON VIVO, Yotsuya, Tokyo, 2021/7/29 thu
2:Disque Daemonium Spiritual Lounge vol.3 @ CON TON TON VIVO, Yotsuya, Tokyo, 2021/10/18 mon

Disc 2:MOGRE MOGRU / DIVE ACTION 2 (盤魔-006)
1. 2021/12/6 mon Kichijoji NEPO
2. 2022/2/16 wed Kichijoji NEPO

Vol.2には、近未来型ライヴハウス吉祥寺NEPOにおける2021年12月と2022年2月のライヴを収録。

1 : Grazin' @ NEPO, Kichijoji, Tokyo, 2021/12/6 mon
2 : Deep Science @ NEPO, Kichijoji, Tokyo, 2022/2/16 wed

Disc 3:MOGRE MOGRU / DIVE ACTION 3 (盤魔-007)
1. 2022/4/10 sun Shibuya EdgeEnd
2. 2022/4/28 thu Kichijoji NEPO

Vol.3には、主催イベント「DIVE DEEP Vol.1」でのパフォーマンスと、吉祥寺NEPOでの4月末のライヴを収録。

1 : MOGRE MOGRU presents DIVE DEEP vol.1 @ DJ Bar EdgeEnd, Shibuya, Tokyo, 2022/4/10 sun
2 : Various Perspectives @ NEPO, Kichijoji, Tokyo, 2022/4/28 thu

Disc 4 (Bonus Disc):MOGRE MOGRU / DIVE ACTION 4 (盤魔-008)
1:2022/4/6 wed Kichijoji NEPO - MOGRE MOGRU 2/3 + Oriental Love
2:2022/5/5 thu Shibuya EdgeEnd – MOGRE MOGRU 2/3

Vol.4には、Tanaoと黒い瞳のデュオにOriental Loveをゲストに迎えた特別編成のライヴと、こどもの日に行われた剛田武と黒い瞳のおもちゃ楽器デュオ演奏を収録。

1 : Deep Science @ NEPO, Kichijoji, Tokyo, 2022/4/6 wed
MOGRE MOGRU 2/3 = Tanao:guitar / Aura Noir:tribal instruments + Oriental Love (guest):djembe and HAPI DRUM
2:JOY OF A TOY-Disque Daemonium Children's Day Special @ DJ Bar EdgeEnd, Shibuya, Tokyo, 2022/5/5 thu
MOGRE MOGRU 2/3 = Takeshi Goda & Aura Noir:toy instruments



MOGRE MOGRU(モグレモグル、通称モグモグ)


剛田武 Takeshi Goda:flute, clarinet, violin, accordion, percussion, voice, etc.
TANAO:guitar, voice, etc.
黒い瞳 Aura Noir:musical saw, glockenspiel, recorder, toy instruments, voice, etc.

盤魔殿主宰にして木管楽器やヴァイオリン、アコーディオン等を操る地下音楽家・剛田武、1990年代より音楽活動を開始し現在ノイズ系アンビエント・ユニット”INIBURA”を主宰するTanao、同じくINIBURAにミュージックソー、打楽器、おもちゃ楽器、朗読などで参加しつつソロでアンビエント・環境音楽を制作するAura Noir=黒い瞳からなるトリオ。2021年7月結成。ライヴ・パフォーマンスを“DIVE ACTION”と呼び、「DIVE DEEP!/深く潜れ!」を合言葉に表現活動を行っている。アコースティック楽器の即興演奏とディープなアンビエントギターで“Improv-Ambient(インプロヴアンビエント)”サウンドの新たな地平を切り拓く。

The trio, formed in July 2021, consists of Takeshi Goda, an improviser / underground musician who manipulates woodwinds, violin, accordion, etc. ; Tanao, who began his musical activities in the 1990s and currently presides over the noise-based ambient unit "INIBURA"; and Aura Noir (Black Eyes), a solo ambient and environmental musician who also participates in INIBURA with musical saws, percussions, toy instruments and poetry readings. Their performance with acoustic instruments and deep electronic guitars, to be called "Improv-Ambient", opens up new sonic horizons in contemporary music. Let's Dive Deep with MogMog!
Twitter @MogreMogru

潜るとき
役に立つのは
メタル缶

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【動画あり】クリス・ピッツィオコス最新ライヴ@ニューヨーク The Statue 2022.5.21 sat~ピーター・エヴァンス/ティム・ダール/マイク・プライドetc.

2022年05月25日 01時29分25秒 | 素晴らしき変態音楽


クリス・ピッツィオコスは2022年1月にニューヨークを離れベルリンに移住した。その動機は語られていないが、数年前から何度もヨーロッパをツアーし、特にドイツではメールス・フェスティバルをはじめ各地の音楽フェスやイベントに出演し、現地のミュージシャンとの交流を育んできた。いわばニューヨークとベルリンを拠点として遊牧民のような音楽活動をしてきたと言える。30歳を過ぎてベルリンへ移ることで人生の新しいチャプターへと踏み出したのである。実際に1月以降、ドイツはもちろん、フランス、イタリア、スイス、オーストリアなどヨーロッパ各地をツアーし、忙しくも充実した活動を行っている。

5月中旬に久々にアメリカ大陸を訪れ、カナダで2回、ニューヨークで4回のライヴを行っている。その中で5月21日にブルックリンのサンセット・パークにあるベーシスト、ティム・ダールのスタジオ兼ベニューThe Statueでのライヴ映像がYouTubeで公開された。「Underground music in Sunset Park. On the waterfront.(サンセット・パークの海辺での地下音楽)」と題された対バン・イベントである。

●シット・ポニーII Shit Pony II
Matt Nelson - soprano, tenor saxophone
Michael Coleman - synth
Hamir Atwal - drums
Ross Peacock - synth

ウィーゼル・ウォルターのグループで活動するサックス奏者マット・ネルソンをはじめ、ブルックリン・シーンの実力派による新ユニットのデビュー・ライヴ。ドラムのブラストビートに2台のシンセのエレクトロノイズと流麗なサックスが絡むハードコアなインプロヴィゼーション。

Shit Pony II - live at Statue - May 21 2022



●プルヴェライズ・ザ・サウンド Pulverize The Sound
Peter Evans - piccolo trumpet
Tim Dahl - electric bass, voice, electronics
Mike Pride - drums

ピーター・エヴァンス(tp)、ティム・ダール(b)、マイク・プライド(ds)というNY即興シーンのスーパー・トリオ。グループ名は「サウンドを粉々にせよ」という意味。2015年と2018年にアルバムをリリースしている。エヴァンス持ち前の超絶技巧トランペットを筆頭に、3人がパワー全開で3人が爆走する演奏は、エナジー・インプロの究極である。

Pulverize The Sound - live at Statue - May 21 2022



●クリス・ピッツィオコス Chris Pitsiokos
Chris Pitsiokos - alto saxophone

凱旋公演はアルトサックス・ソロ。最近エレクトロニクス機材の研究をしているクリスだが、ここでは少しルーパーを使うだけで、基本的に生音で勝負。循環呼吸で途切れることなく繰り出されるフリークトーンは、かつてないほど物音的な響きを持ち、人間の感情を交えない「音」の本性を暴き出すように挑戦的に迫る。ピッツィオコスにとってテクニックやスピードは表現手段ではなく、内臓を制御する自律神経と同じような無意識の機能なのかもしれない。

Chris Pitsiokos - solo alto - at Statue - May 21 2022


イベントには他にKim Cass(b) & Sam Ospovat(ds)のデュオも出演した。

ピッツィオコスは5/26までニューヨークでライブを行い、月末にベルリンへ戻り、6月4~6日に開催されるメールス・フェスティバル2022に出演する。

ニューヨーク
地下音楽は
ハードコア

▼最新ソロ・ライヴ・アルバムがダウンロード・リリースされた。
Chris Pitsiokos / Two Live Solos


1. Florence 2018 10:58
2. Berlin 2021 24:13

First solo recorded at Tempo Reale in May 2018 in Florence
Second solo recorded at KM28 in November 2021
Mixed and Mastered by Chris Pitsiokos
All music by Chris Pitsiokos

https://chrispitsiokos.bandcamp.com/album/two-live-solos
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【魅惑の軽音楽その7】和製ムード音楽のススメ~ブルースカイ・ダンス・オーケストラ/アート・ポップス・オーケストラ/シー・バレンツ・オーケストラetc.

2022年05月24日 02時26分14秒 | こんな音楽も聴くんです


イージーリスニング/ムード音楽とググると、マントヴァーニ、フランク・チャックスフィールド、ウェルナー・ミューラー(リカルド・サントス)、パーシー・フェイス、フランク・プゥルセル、レイモン・ルフェーブル、カラベリ、ポール・モーリア、リチャード・クレイダーマン、ベルト・ケンプフェルト、ジェームス・ラストなど欧米のオーケストラやミュージシャンの名前が出てくる。しかしながら第二次世界戦後にジャズやタンゴ、ラテンといった洋楽ポップスが輸入されるようになって以来、日本におけるムード音楽ブームを支えてきた和製ムード音楽が多数あることが見過ごされていることは間違いない。その理由は、日本のムード音楽はスター的なバンドリーダーや指揮者が生まれなかったことと、それ以上に洋楽アーティストの代替品的な扱いをされ、ひどい場合には「バッタもん」呼ばわりされることが少なくなかったからであろう。

ヴォーカリストを花形と捉える日本のポピュラー界ではインストゥルメンタル系アーティストに日が当たることは多くない。ベンチャーズ・スタイルのエレキバンドは、ヴォーカルを取り入れてグループサウンズに変わるまでは、偽ベンチャーズ(バッタもん・パチもん)扱いだったと思われる。ジャズの場合も秋吉敏子や渡辺貞夫や日野皓正といったスター・プレイヤーが登場するまでは、演奏者の名前が一般に認知されることは少なかった。ましてや誰が演奏しても大差がない、というより個性を発揮することが求められないムード音楽においては、海外のブランドこそ大いにもてはやされたが、日本の演奏家や指揮者が誰であろうと気にするファンはほとんどいなかったと言えるだろう。それが分かっているから制作側(レコード会社や放送局)も演奏者の名前を売り出すよりも、人気や話題性のある曲を集めるほうが売り上げに繋がると考えていたのである。かくしてメンバー構成が不明な架空のグループ名を冠したレコードが和製ムード音楽の常識となったのである。

訳の分からないことを美徳とする地下音楽を愛好する筆者としては、正体が謎に包まれた実体のない和製ムード音楽に大きな愛着を感じるのである。そんなバッタもんまがいの名盤をご紹介しよう。殆どが100円前後のジャンク商品の墓場から救出した塩ビ盤である。

●奥田宗宏とブルースカイ・ダンス・オーケストラ『ダンスへのお誘い』(World Record Club TWS-1013)


新聞や雑誌の広告で通信販売されていたファミリークラブ商品は、和製ムード音楽の活躍の場でもある。World Record Clubという会社からシリーズで販売された「LET’S SWING ROMANTIC SOUNDS」のVol.5がこのアルバム。5,60年代のミュージカルやビートルズ・ナンバーを社交ダンス風スウィングジャズでアレンジした無難なサウンドの中に、ガレージパンクの名曲ヒューマン・ベインズ(Human Beinz)「ノー・ノー・ノー(Nobody But Me)」が入っているのが素晴らしい。ザ・ブルースカイオーケストラは昭和2年(1927年)に結成されたジャズバンドを前身として、創立70余年を越えた今もなお、日本の代表的スウィングバンドとして活躍中。『今宵踊らん』シリーズで有名。和製ムード音楽界では珍しく実態のあるバンドである。

Smoke Gets In Your Eyes (R Tempo 26)



●ロイヤル・ナイツ、ウィルビーズ、アート・ポップス・オーケストラ『Your New Hit』(HIT RECORD HR-005)


如何わしいバッタもん感たっぷりの水着女性のジャケットを裏返すと、ローリング・ストーンズの写真。ストーンズの曲は入っていないのに(笑)。見開きジャケットにはウッドストックかモンタレーポップのような海外ロックフェスの観客のヒッピーの写真。発売元の現代芸術社は”バッタもんの園”=ソノシート専門レーベル。A面はTVアニメや戦隊ものの主題歌を多数手がけるコーラスグループ、ロイヤル・ナイツと歌謡曲のバックコーラスの実力派ウィルビーズがヴォーカルで参加したロック・ナンバーのカヴァー。「マミー・ブルー」の日本語バージョンとチェイスの「黒い炎」のサイケデリックなギターが聴きどころ。ジャケ裏の曲名表記が「黒い災」と誤植してるのもツボ。B面はアート・ポップス・オーケストラという正体不明のムード楽団のインスト。ソノシート・レーベルならではのチープな録音が楽しい。

『サンダーバードのテーマ』/ロイヤル・ナイツとビクター少年合唱団


ウィルビーズ「ソウルこれっきりですか」



●ザ・ヒット・キット・プレイボーイズ『リクェスト・ヒット・パレード 第1集』(ビクター SJV-27)


1964年の最新洋楽ヒット曲のインスト集。欧米ポップス、ビートルズ、映画音楽、カンツォーネ等12曲。「ヒット曲の栄枯盛衰は戦国武将の生命に似てはかない」と解説で書いてあるように、最新ヒット曲を出来るだけ早くカヴァーしてアピールするのが当時のムード音楽業界のヒットの方程式だったのだろう。ザ・ヒット・キット・プレイボーイズは名前からしてレコーディング用に集められたスタジオ・ミュージシャンだと思われるが、ダンスバンドっぽいシンプルな構成で軽快なサウンドを聴かせる。特に「太陽の彼方」やビートルズ・ナンバーで活躍するエレキギターが和製ベンチャーズぽくてカッコいい。


●ザ・ヒット・キット・アイランダーズ『ヒット・キット・パーティ 第3集』(コロムビア YS-187)


上と同じく「ヒット・キット」という名だが、こちらはコロムビア・レコードのリリース。解説によると「ヒット・キット」とはヒット曲一式とかヒット曲全部という意味で、アメリカの将兵慰のために発行されたヒットソングの楽譜の名前でもある。つまり固有名詞ではなく、レコード会社に関係なく使える一般名称ということだ。コロムビアのヒット・キット・パーティ・シリーズの第3弾で、ハワイアンによる1961年のヒット曲カヴァー集。デル・シャノン、パット・ブーン、ニール・セダカ、ブラザーズ・フォーといったビートルズ登場以前のオールディーズと、映画音楽、ラテン、ブルースの曲をスティール・ギターの浮かれたサウンドで演奏する楽しいアルバム。ザ・ヒット・キット・アイランダーズとは、スティール・ギターの名手、大橋節夫とハニーアイランダーズを主体としたグループ。

Hit Kit Islanders - Theme From The Young Savages - Remastered 2019



●スクリーン・グランド・オーケストラ『スパイ、マフィア、空手映画』(ACE NA-024)


バッタもんに相応しく何とも安易なタイトル。ジャケットのアラン・ドロンも偽物に見えてくる。製作元のELM CORPとは元ソノシート・レーベルのミュージック・グラフ。2番目に紹介した『Your New Hit』と同じくソノシート用の音源をLP化したものである。007(スパイ)、ゴッドファーザー(マフィア)、燃えよドラゴン(空手)シリーズをメインに映画人気におんぶにだっこの選曲。映画のオリジナル・サウンドトラックを期待して買ったらぜんぜん違う演奏でがっかりした、という声の多いカヴァーものだが、オリジナルと別ものとして楽しめるのがバッタもんの醍醐味である。スクリーン・グランド・オーケストラという嘘くさい名前の楽団による演奏は、切れ味鋭く、若さ溢れる疾走感に満ちている。野心家の若手ミュージシャンが演奏の場を得て水を得た魚のように生き生きと演奏している情景が目に浮かぶ。ブルース・リーの「アチョー!」という叫び声を吹き替えでやってるのも泣ける。青春の汗の香りがする奇跡の1枚。


●シー・バレンツ・オーケストラ『ラテン』(キャニオン CAL-5015)


1970年に設立されたキャニオン・レコードから71年に発売されたムード“デラックス・キャニオン・ブルー・ベルト・シリーズ”の1枚。75年に「およげ!たいやきくん」が大ヒットして有力レーベルに成長するキャニオンだが、年配層をターゲットにした軽音楽やムード音楽もリリースしていた。他にスクリーンものやヒット曲ものが出ている。Sea Barents Orchestraと書くと海外のバンドのように見えるが、キャニオンが集めた日本人オーケストラに違いない。華麗なストリングとピアノを活かしたサウンドはラテンと言うよりヨーロッパ的哀愁が感じられるのは名前のせいだけではあるまい。かなり実力のあるアレンジャーが編曲したと思われる。見開きヌード・ピンナップ付き。

ムード音楽
ヌード写真と
仲良しさん


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【精神拡張フルートロックの深層】クラウトロック編 Part2~アモン・デュールII/エムティディ/ヘルダーリン/ブローゼルマシーン/ヤサ・シドラ/スパイラル・ギャラクシーetc.

2022年05月19日 00時16分20秒 | 素晴らしき変態音楽
 
Sara Gossett (Spiral Galaxy)

クラウトロックに限らず、60~70年代前半のロックやポップスにはフルートが入った曲が数多くある。おそらくその頃サックスやトランペットはジャズ・メインの楽器というイメージが強く、70年代にブラスロックが登場し、派手なホーンセクションが入ったファンクやディスコが流行るまでは、ポップス界の管楽器の花形はフルートだったと言えるだろう。特にフォークやトラッドと馴染みがあり、インド音楽をはじめとしたエスニックなサウンドにも溶け込むフルートの音色は、サイケデリック/ドラッグ・カルチャーにおいて、瞑想しトリップする効果を高める役割を果たしたに違いない。古くからドイツに根付く前衛音楽や神秘主義などの伝統に、英米のサイケ/ヒッピ-文化の影響が有形無形に溶け込み、精神の拡張または異化を求めて音楽の実験を繰り広げたクラウトロックでフルートが重宝されるのは必然だった。さあ、失われたフルートを求めて、さらなるクラウトロックの深みに潜る(DIVE DEEP)としよう。

●アモン・デュールII Amon Düül II – Yeti (1970)


カンやタンジェリン・ドリームと並びクラウトロックを象徴するバンド、アモン・デュールIIが国外で評価されるきっかけになったセカンドアルバム『地獄!(Yeti)』のLP2の最後に収録されたインプロ・ナンバー。タンジェリン・ドリームの『エレクトロニック・メディテーション』にも参加したジャズ・ミュージシャンThomas Keyserlingがフルートで参加し宙を舞うようなプレイを聴かせている。

Amon Düül II - Sandoz In The Rain (Improvisation)



●エムティディ Emtidi / Saat (1972)


ドイツ人Maik Hirschhfeldtとカナダ人女性ボーカルDolly Holmesの2人から成るジャーマン・サイケデリック・フォーク・グループの72年作セカンド・アルバム、邦題『芽生えの時』。ジャケット通り白昼夢を見せられるような酩酊感に溢れたサウンド。マルチミュージシャンのHirschhfeldtが奏でるフルート(笛)はラスト・ナンバーの後半で聴ける。

Emtidi - Die Reise (1972)



●ウィンド Wind / Seasons (1971)


ニュルンベルクで64 年にBentoxとして結成、70年に新ヴォーカリストSteve Leistnerが加入しWindとなる。71 年デビュー・アルバム『Seasons』発表。ハードで抒情的なオルガンロックを聴かせる。Steve Leistnerが吹くロマンティックなフルートも印象的。2作目『Morning』でファンタジック・ロックに変貌するも73 年解散。

Wind - 01 What Do We Do Now (Seasons)



●ブローゼルマシーン Bröselmaschine – Bröselmaschine (1971)


デュースブルク出身のフォークバンド。1968年結成。シタール、コンガ、管楽器、ツィター等を織り交ぜた夢想感漂うサウンドと緩やかな男女ヴォーカルのメロウなアコースティック・サウンドが素晴らしい1stアルバム。女性ヴォーカル/フルーティストJenni Schückerが参加した唯一の作品。バンドは70年代後半に解散するが、2000年代に再結成。オリジナル・メンバーPeter Burschを中心に現在も活動を続ける。

Schmetterling



●ヘルダーリン Hölderlin / Hölderlins Traum (1972)


詩人フリードリヒ・ヘルダーリンからバンド名をとったヴッパータール出身のグループ。70年結成。清らかな女性ヴォーカル、弦楽器、ギター、オルガン、メロトロンを効果的に使用し、深いゲルマンの森に木霊するような神秘を音で表現したデビュー作『ヘルダーリンの夢』では、Joachim von GrumbkowとChristoph Noppeneyがフルートとしてクレジットされている。幻想的なシンフォニックロックにフルートがよく似合う。バンドは80年に解散。2000年代に何度か再結成した。

Hölderlin ► Waren Wir [HQ Audio] Hölderlins Traum 1972



●ゼルギウス・ゴロウィン Sergius Golowin / Lord Krishna Von Goloka (1973)


ゼルギウス・ゴロウィンはチェコ共和国プラハ生まれのスイス人作家、神話研究家、政治家。1973年にクラウス・シュルツェ、ヴァレンシュタイン等クラウトロック・ミュージシャンと組んで制作した本作は、電子楽器とアコースティック楽器の即興にゴロウィンの語りをフィーチャーした実験的かつ神話的な作風で、コズミック・クラウトロックの古典とされている。ヴァルター・ヴェストルップとヨルグ・ミエルケがフルートでクレジットされている。まさに精神拡張のためのアルバムといえる。

Lord Krishna von Goloka -- Sergius Golowin (1973) Full Album.



●ヴィットゥーザー&ヴェストルップ Witthüser & Westrupp / Trips + Träume (1971)


1969年にエッセンで結成されたベルント・ヴィットゥーザーとヴァルター・ヴェストルップによるフォーク・デュオ。能天気なアシッドフォークが身上だが、様々な民俗楽器を取り入れたサウンドはドイツのトラディショナル・ミュージックの伝統を継承している。ヴェストルップが吹くフルートというより笛の素朴な音色がドイツの田園風景を想起させる。もう一人Renee Zuckeがフルートでクレジットされている。デュオとしては73年に解散するが、それぞれフォークミュージシャンとして活動を続けた。ヴィットゥーザーは2017年に死去。

Witthüser + Westrupp ‎– Orienta ( 1971, Psych Folk, Germany )



●ドム Dom / Edge Of Time (1972)


1969年にデュッセルドルフで結成された4人組。1972年にプライヴェート・プレスされたレア盤。サイケデリック/トリップ/コラージュ入り乱れて混沌としたサウンドが満載のクラウトロックの狂気を象徴する一枚。4人のメンバーの内2人がフルートを担当し、涅槃に遊ぶようなプレイ聴かせる。

Edge of Time - Dom (1970) Full Album



●ヤサ・シドラ Yatha Sidhra – A Meditation Mass (1974)


RolfとKlausのFichter兄弟を中心に'73年結成された実験ロックバンドBrontosaurusがアルバム・デビューにあたってヤサ・シドラに改名し74年に独Brainから発表した唯一のアルバムが『瞑想ミサ』。ドラッグカルチャーと東洋志向が入り交ざり、唯一無二のメディテーション・ミュージックが生まれた。ゲストメンバーのPeter Elbrachtのフルートが全面で活躍する。Rolf Fichterのインディアン・フルートも聴ける。解散後Fichter兄弟はデュオユニットDreamworldとして80年代に2枚のアルバムをリリースした。

Yatha Sidhra - A Meditation Mass 1974 (full album)



●マクチャーチ・サウンドルーム McChurch Soundroom / Delusion (1971)


スイスのバーゼルで結成されたクラウトロック・バンド。クラウトロック界随一のおどろおどろしいいジャケットの唯一作『妄想』は、オルガンとギターをメインとするブルースロックに、中心メンバーのSandro "Sandy" Chiesa のグルーヴィなフルートが舞う異色作。ブラック・サバスとジェスロ・タルの融合と呼びたい。

McChurch Soundroom - What Are You Doin'



●カラカクラ Kalacakra / Crawling To Lhasa (1972)


Claus Rauschenbach、Heinz Martinの二人により70年代初期に結成されたクラウトロックバンド。バンド名は仏教用語で「時間の車輪」を意味する。72年に自主制作された唯一のアルバム『Crawling To Lhasa』は、様々な管弦楽器と電子エフェクトが交錯し、インド音楽とフリージャズとミニマルミュージックが融合された瞑想的な一枚。フルートはHeinz Martinが担当。

Kalacakra - Crawling To Lhasa 1972 FULL VINYL ALBUM



●クソール・キャラバン Xhol Caravan / Electrip (1969)


ヴィースバーデンで67年に結成されたソウル/R&BバンドSoul Caravanが、69年にサイケデリック・ジャズに転身してXhol Caravanと改名、70年にXholとなる。1969年の2nd『Elctrip』はフリージャズ/サイケデリック・ロック/電子音楽が入り混じるアヴァンギャルド作。Hansi Fischerが吹く電気フルートに感電する。バンドは72年に解散するが、90年代と2000年代に一時再結成し、Nurse With Woundとコラボするなどアンダーグラウンドな活動を行った。

Xhol Caravan ► Raise Up High [HQ Audio] Electrip 1969



●アウト・オブ・フォーカス Out Of Focus ‎/ Four Letter Monday Afternoon (1972)


1968年にミュンヘンで結成されたロック/フュージョン・バンド。バンド名は米ヘヴィーサイケバンド、ブルー・チアーの曲から取られたが、音楽的にはソフト・マシーンやクソール・キャラバンに影響されたジャズロックを聴かせる。オルガン、ギター、サックスによる骨太なインプロが中心だが、サックス奏者Moran Neumüllerのフルートを効果的に使った曲も聴きどころ。70年代半ばに解散し、メンバーの何人かはエンブリオに加入した。

Out of Focus - Huchen 55 A



●ナイアガラ Niagara / S.U.B. (1972)


60年代から活躍するジャズ・ドラマーKlaus Weissが70年にミュンヘンのドラマーを集めて結成したスーパーグループ。複数のドラムとパーカッションによるファンキーなアフロビートが中心だが、72年の2ndアルバムにはオランダのサックス&フルート奏者Ferdinand Povelが参加し、トランペット奏者とタイトなアンサンブルを聴かせる。3枚のアルバムを出して74年に解散。日本でいえば石川晶とカウント・バッファローズに近い。

Niagra - Bones


フルートは
瞑想、ファンキー
どちらもイケます

●スパイラル・ギャラクシー Spiral Galaxy ‎/ Spiral Galaxy (2020)


現行クラウトロックの最注目株。シカゴをベースに活動するSara Gossett(フルート)とPlastic Crimewave(ギター/マシーン・マニピュレーター)のデュオ、スパイラル・ギャラクシーの2020年ファースト・アルバム。初期のクラフトワーク、ラ・デュッセンドルフ、ポポル・ヴーなどに影響を受け、ミニマルな反復ビートに美人フルーティスト、サラの幻想的なソロがトリップ感を高める酩酊ミュージック。ファウストやアシッド・マザーズ等クラウトロック/サイケのベテランも参加。いつの日か来日したらMOGRE MOGRUで前座をやりたい。

Spiral Galaxy//Psych Fest 2020, Chicago, IL 2.1.2020
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【精神を解放する魔法の横笛フルート特集】クラウトロック編~クラフトワーク/タンジェリン・ドリーム/エンブリオ/ブレインチケット/フルート&ヴォイス

2022年05月14日 01時47分37秒 | 素晴らしき変態音楽


現在インプロ・アンビエントユニットMOGRE MOGRUでフルートをメインでプレイしていることもあり、俄然フルートの入った音楽を検索して聴くことが増えた。以前ブログで特集したフルートロックはもちろん、クラシックやジャズ、軽音楽や歌謡曲でもフルートが活躍している曲が多々あり、尽きることはない。
【魔法の横笛が奏でるロックサウンド】新時代フルートロックバンド特集:キクラテメンシス/THE RATEL/STORCHI/JYOCHO/XOXO EXTREME
魂を解放する魔術の横笛~フルート・ロック/ジャズ特集:エリック.ドルフィー/サリアンジー/スティーヴ・ハケット/ジャックス/ジェスロ・タル/クインテサンス/灰野敬二

そんな中で特に筆者の音楽志向に寄り添って豊かなインスピレーションを与えてくれるのがクラウトロック、つまり60年代末~70年代に西ドイツで花ひらいた実験的ロックムーヴメントである。英米のサイケデリックロックやヒッピームーヴメントに影響されて生まれたクラウトロックの特徴は、反復するミニマルミュージックや混沌とした電子ノイズ、集団即興のフリークアウトだった。演奏面では電子楽器やシンセサイザー、ファズ・ギター、ドラムのハンマービート、自由連想法のヴォーカルが目立っているが、実は創世記に重要な役割を担ったのがフルートだという事実に注目すべきである。

●クラフトワーク Kraftwerk / Kraftwerk(1970)


現在公式な再発がされていない初期三作『Kraftwerk』(70)『Kraftwerk 2』(72)『Ralf und Florian』(73)でのフルートをメロディ楽器ではなく、リズムやノイズの発生源として使ったインダストリアルサウンドは、後のテクノポップなんかよりもずっと筆者の心をときめかせる。フローリアン・シュナイダーは理想的なフルーティストとして心から尊敬したい。

Kraftwerk - Köln II - 1971



●タンジェリン・ドリーム Tangerine Dream / Alpha Centauri(1971)


デビュー作『Electronic Meditation』(70)にもフルートが使われているが、この2ndアルバムではUdo Dennebourgというフルート奏者の流麗なソロがフィーチャーされていて、電子音楽版フルート協奏曲と呼んでもいいだろう。その後どんどんシンセ中心に移行していくが、11作目『Cyclone』ではSteve Jolliffeが参加しフルート/ピッコロをプレイ、90年代半ばと2000年代にはキーボード奏者Linda Spaがフルートをプレイしている。瞑想音楽にフルートは良く似合う。

Fly and Collision of Comas Sola



●エンブリオ Embryo / Embryo's Rache(1971)


サイケデリックロックからインプロジャズ、ワールドミュージックまでジャンルを横断し、クラウトロックの中で最も折衷的なバンドと呼ばれるエンブリオは、現在まで続く半世紀に及ぶ活動の折々にフルート奏者を迎えている。特に『胎児の復讐』という邦題のセカンド・アルバムではHansi Fischerが印象的なジャズ・フルートを聴かせる。その後のインドやアラブ音楽などを取り入れた作品にも随所に民俗楽器的なフルートが登場。現時点での最新作『Auf Auf』(2021)ではマルチ・ミュージシャンのWolfi Schlickによる瞑想的なフルート・プレイが楽しめる。

Tausendfüßler



●ブレインチケット Brainticket / Psychonaut(1971)


ベルギー出身のJoel Vandroogenbroeckが結成したブレインチケットはクラウトロックの多国籍軍とも言える。ドイツ、イギリス、スイス、イタリアなどのミュージシャンが出入りし、瞑想的なサイケデリックサウンドを追求してきた。様々な楽器が使われているが、Vandroogenbroeckのスピリチュアルなフルート・プレイがドラッグ感覚を強調している。もっと評価されてもいいバンドだと思う。

Radagacuca



●フルート&ヴォイス Flute & Voice / Imaginations Of Light(1971)


"Flute" ことHans Reffertと "Voice"こと Hans Brandeisからなるデュオ・グループ。シタールとフルート(とはいっても木製の縦笛)の朴訥としたアンサンブルはメディテーションにピッタリ。アルバム全体はギターとヴォーカルがメインなので、名前通りのフルート作品を期待するとちょっと肩透かしではある。特に1973年に録音されたまま90年代まで未発表だった2ndアルバム『Hallo Rabbit』は完全なギター・アルバム。内容は素晴らしい。

FLUTE & VOICE Imaginations Of Light 01 Imaginations Of Light


ドイツ産
フルート喰らうと
トリップする

カールハインツ・シュトックハウゼン作『フルート、ピッコロ、アルトフルートのためのフルーティナ』
演奏:Eftihia Victoria Arkoudis
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【最新イベント情報】魔的感覚音楽DJイベント『盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.40』5月28日阿佐ヶ谷TABASAにて開催!

2022年05月12日 00時06分29秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.40

2022.5.28 sat
阿佐ヶ谷TABASA

18:00 Open/Start
Charge 1,000YEN + 1 drink
*LIVE投げ銭制
★予約リンク⇒asagayatabasa.com/events/banmadon-vol40

Avantgarde, Noise, Industrial, Dark Ambient, Neofolk, Punk, Hardcore, Idol, Black Metal, Middle-east, Ethnic, Ritual, Medieval, UnderGround,… Everything Weirdness About Music!

LIVE ACT:
MOGRE MOGRU(剛田武+Tanao+黒い瞳)

DJ's:
DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
DJ Athmodeus a.k.a.持田保
DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
DJ Vaby a.k.a.大場弘規
DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元

*来場者全員に異端音楽ZINE『盤魔殿アマルガム』をプレゼント!

TIME TABLE
18:00 DJ Vaby a.k.a.大場弘規
18:30 DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
19:00 DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
19:30 LIVE: MOGRE MOGRU
20:00 DJ Athmodeus a.k.a.持田保
20:30 DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元


【出演DJの聴かせどころ】
●DJ Vaby a.k.a.大場弘規
先月11日、数年前からの闘病生活中に、本当に残念ながら亡くなってしまったCopass GrinderzのリーダーであるZeroさんの追悼の意味を込め「Material on the Copass Grinderz relation」と題し、コーパスの楽曲を中心にしつつ、各メンバー所縁の音源を紹介させて頂こうと思います。轟音だけではなく、意外とヴァラエティに富んだ楽曲に少々驚くかもしれませんが、盤魔殿に相応しいマニアックなマテリアルをご用意させて頂きました!皆様の心に少しでもCopass Grinderzという偉大なBandの軌跡を刻む事が出来ましたら幸いでございます。




●DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
エクスペリメンタルからポジティブゴシックまで、闇のディスコ感満載でお届けします。




●DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元
水紋の広がりのようなドローン、そこからこだまする阿鼻叫喚を意識してカセットやレコードを廻します。




●DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
5月28日はフィメールフォークの至宝をプレイします。Book Of AMとかSuffron Summerfieldなど あとはTudor LodgeやMellow Candle、Caedmon、Loudest Whisperなど。




●DJ Athmodeus a.k.a.持田保
またノー・ネック(以下NNCK)かよ!って声もあるでしょうがメチャ探してたアルバムが入手できたので空気読まずに紹介(ビバ自分軸)!




【LIVE ACT紹介】
●MOGRE MOGRU(モグレモグル)


盤魔殿主宰にして木管楽器やヴァイオリン、アコーディオン等を操る地下音楽家・剛田武、1990年代より音楽活動を開始し現在ノイズ系アンビエント・ユニット”INIBURA”を主宰するTanao、同じくINIBURAにミュージックソー、打楽器、おもちゃ楽器、朗読などで参加しつつソロでアンビエント・環境音楽を制作するAura Noir=黒い瞳からなるトリオ。2021年7月結成。ライヴ・パフォーマンスを“DIVE ACTION”と呼び、「DIVE DEEP!/深く潜れ!」を合言葉に表現活動を行っている。アコースティック楽器の即興演奏とディープなアンビエントギターで“Improv-Ambient(インプロヴアンビエント)”サウンドの新たな地平を切り拓く。

ライヴ・アルバム3タイトル、ダウンロードにて発売中⇒https://lesdisquesdudaemonium.bandcamp.com/
*当日会場にてライヴ・アルバム3タイトルにBonus Discを追加した限定スペシャル・パッケージ4枚組CDrを販売予定!

MOGRE MOGRU 2022.2.16 wed 吉祥寺 NEPO Filmed by Marc Lowe


限りなき
音楽盤への
愛情表現

▼盤魔殿イベントのミックス音源公開中!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

橋本孝之氏一周忌に寄せて、コラボ音源プレイリスト『Takeshi Goda & Takayuki Hashimoto / KAITAI』公開

2022年05月11日 00時32分04秒 | 素晴らしき変態音楽


Takeshi Goda & Takayuki Hashimoto / KAITAI

剛田武 Takeshi Goda : turntable, reed-flute, noise dolls, drums
橋本孝之 Takayuki Hashimoto : alto sax, harmonica, guitar, drums

1 2020-01-26 sun Shibuya EdgeEnd
TG : turntable, noise doll, toy ducks, reed-flute / TH : harmonica, alto saxx

2 2021-01-23 sat Kichijoji Studio Penta take3
TG : reed-flute, noise dolls / TH : guitar

3 2021-01-23 sat Kichijoji Studio Penta take2
TK & TH : drums

4 2021-01-23 sat Kichijoji Studio Penta take1
TG : reed-flute / TH : guitar

Recording location and date:
1 : "Disque Daemonuim vol. 32" at Shibuya DJ Bar EdgeEnd, January 26, 2020
2-4 : Studio Session at Studio Penta Kichijoji Southside, January 23, 2021

In memory of Takayuki Hashimoto, April 21, 1969 - May 10, 2021

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

大阪のコンテンポラリーミュージックユニット.es(ドットエス)の橋本孝之氏が2021年5月10日に52歳の若さで急逝してから早くも1年。音楽的ソウルメイトのsaraはソロ・アルバム『Esquisse~Piano Improvisation』を完成させ翌日の5/11発売日を迎える。.esのプロデューサーでギャラリーノマル・ディレクター林聡も新たな展覧会の企画を続々進めている。かく言う筆者も昨年7月にインプロ・アンビエントユニットMOGRE MOGRUを結成するなど、音楽・演奏活動に精を出している。そのきっかけが橋本君との交流にあることは間違いない。
Disc Review『sara (.es) / Esquisse~Piano Improvisation』

2017年にDJイベント「盤魔殿」に橋本氏がゲスト出演したのをきっかけに、2019年からDJ+サックスのデュオとして共演を始めた。無駄な装飾が削ぎ落された彼のサックスは、ミュージック・コンクレートや物音ノイズのレコードとの相性がバッチリだった。彼の演奏に感化されて筆者の表現欲求が刺激された。大阪時代に彼が尺八にサックスのマウスピースを付けた楽器を使っていたことにヒントを得て、フルートにサックスのマウスピースを付けて、40年前と同じように出鱈目インプロヴィゼーションを再開した。その当時に植え付けられた「ジャズ」への負い目を気にすることがなくなったのは、年齢と環境の変化もあるが、ジャズを聴かない即興演奏家の橋本氏のおかげでもある。2020年の緊急事態宣言以降に何度か二人でスタジオに入ってセッションをした。橋本氏はサックスではなく、エレキギターを金属で擦ったり叩いたりして爆音を鳴らした。「他のミュージシャンと共演するときのような緊張感無しでやれるから楽しい」と言ってくれた。彼と一緒だと筆者の拙い表現欲求が無理なく解放される気がした。

2017/6/2 盤魔殿 vol.2@渋谷EdgeEnd
2019/4/12 盤魔殿 vol.23@幡ヶ谷Forestlimit
2020/1/26 盤魔殿 vol.32@渋谷EdgeEnd
2020/1/27 FIRE MUSIC極秘上映会@渋谷EdgeEnd
2020/6/21 Studio Session@渋谷Studio NOAH
2020/8/2 Studio Session@渋谷Studio NOAH
2021/1/23 Studio Session@吉祥寺Studio Penta

一周年を機に、橋本氏と二人で作った音楽を聴き直して、1枚のアルバムとしてまとめてみた。中には完全な録音が残っていないものもあるが、すべてを聴いたうえで選んだのは2020年1月26日のDJ+Saxの共演ライヴと、最後になった201年1月23日のスタジオでの共演の音源である。Track 1のライヴDJで筆者が使った音源は2019年3月に訪れたイギリスでのフィールドレコーディング、NECRONOMIDOL、ピエール・アンリ、シュトックハウゼン、黛敏郎などである。Track2~4のスタジオでは橋本氏はギターを膝に乗せて金属片等で演奏。筆者はリード・フルートとノイズ・ドールを使用。たまたまスタジオにあった2台のドラムがを二人で叩いたトラックもある。とにかくリラックスして自由に音楽を楽しめる時間だった。

タイトルのKAITAIとは懐胎(身ごもること)・解体(分解すること)・戒体(戒を受けることによって備わる、悪を防ぎ止め善を行う力)・改替(物事をあらため、新しいものにかえること)・芥蔕(わずかな心のわだかまり)といった意味がある。

橋本孝之氏の思い出のひとつとして聴いていただければ幸いである。


天国で
サウンドクラウド
聴けるかな

いつの日か盤魔殿レーベル"Les Disques Du Daemonium"からリリースしたいと夢見ている。

▼これは2019/4/12 盤魔殿 vol.23でのコラボライヴ動画
DJ Necronomicon + 橋本孝之(.es) Live at FORESTLIMIT
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

【イベントレポート+セトリ+動画+音源公開】JOY OF A TOY~盤魔殿 Disque Daemonium こどもの日スペシャル@渋谷EdgeEnd 2022.5.5 thu

2022年05月08日 00時58分10秒 | 素晴らしき変態音楽


JOY OF A TOY~盤魔殿 Disque Daemonium Children's Day Special
2022.5.5. thu 渋谷 DJ Bar EdgeEnd

Live:
MOGRE MOGRU 2/3(剛田武+黒い瞳)
由良瓏砂

DJ's:
DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
DJ SubRosa a.k.a.由良瓏砂
DJ frogfinger a.k.a.川崎レジデンツ(Special Guest)

今回のイベントのきっかけは、4月10日MOGRE MOGRU主催イベント『DIVE DEEP Vol.1』にDJとして出演した由良瓏砂さんからの「今度ぜひ、子供部屋をテーマにしたイベントやってください📛」というメッセージだった。子供部屋ってどういうこと?と聞くとおもちゃ楽器とチェンバーロックだという。モグモグでおもちゃ楽器を使っているし、チェンバーロックは筆者の大好物。いつかDIVE DEEP特別編でもやろうと思っていたところ、5月5日のこどもの日にEdgeEndが空いているとの情報。ナイスタイミング!とさっそく会場を押さえた。モグモグのギタリストTanaoは帰省のため参加できないので、筆者と黒い瞳のデュオでおもちゃ楽器ライヴをすることにした。もう一人のゲスト出演者として筆者の頭に浮かんだのはレジデンツ公認の目玉紳士のコスプレで知られる川崎レジデンツ氏だった。ツイッターでやり取りするだけで実際に会ったことはなかったが、実は二人とも1985年のレジデンツ来日時に六本木WAVEで開催されたトークショーに参加していたという浅からぬ縁があった。レジデンツ好きはトイミュージック好きに違いない、と思い切って出演依頼したところ、“こどもの日にトイミュージック”というコンセプトを気に入ってくれて出演を快諾いただいた。

▼川崎レジデンツ氏撮影のレジデンツ・トークショーの写真。最前列左の後ろ姿が筆者。偶然ツイッターでこの写真を見つけた時は驚愕した。


会場には黒い瞳、由良瓏砂、筆者が持ち込んだおもちゃ楽器や民俗楽器が並び、盤魔殿というよりは狂った幼稚園を思わせる雰囲気。そこに目玉紳士が登場するのだから、これ以上のカオスワールドは滅多にないだろう。GW真っただ中にもかかわらず初めて肩を含む多数のお客さんに来場いただき異世界のこどもの日を盛り上げてくれた。




●DJ SubRosa a.k.a.由良瓏砂


チェンバーロック中心の選曲。ZNRやアートベアーズ、アフターディナーなどレコメン系の暗黒のイメージは魔窟の部屋に似合う。谷山浩子の文学少女性も素晴らしい。

1. ZNR/Ancien automate mexicain
2. 半獣神の午後/屋根裏の子供
3. ART BEARS/Riddle
4. After Dinner/胡桃
5. U TOTEM/Two Looks at One End
6. COIL/Herald
7. KILLING TIME/A Close Encounter With You Know What
8. SONOKO/BB
9. 谷山浩子/お昼寝宮・お散歩宮

●MOGRE MOGRU 2/3(剛田武+黒い瞳)


Tanaoのギターの代わりに黒い瞳のシンセドローンを使ったアンビエント・パフォーマンス。トンピーの太鼓、ぽぽちゃん人形リコーダー、歩くヒヨコのノイズなど、無数の音が深いリバーヴに包まれてダークなサウンドに豹変する。これほど禍々しいトイミュージックはこれまで存在しただろうか?もちろんこどもの情操教育にはお勧めできない。




●DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫


親子関係を歌った日本の情念ソングを集めた、こどもの日というより大人の日向けの選曲。日本語のエモーショナル・パワーがおもちゃの魔窟を太古の天岩戸にワープさせた。

1. 荒井沙知 – もう頬つえはつかない
2. 吉野大作とホワイトラビッツ – 子供たちが跳びだしてくる
3. 山谷初男 – 毛皮のマリー
4. 三上寛 – おまわりさん
5. 友川かずき – 泥棒猫夜走る
6. 水族館劇場 – 嘆きの天使テーマPART2
7. 李麗仙 – 風の又三郎
8. J・A・シーザー – 首吊りの木
9. 友川かずき – 坊や
10. 早川義夫 – わらべ唄
11. 緑魔子 – 酔いどれ舟
12. 森田童子 – 狼少年・ウルフボーイ
13. 友川かずき – トドを殺すな
14. 森田童子 – 春爛漫
15. 水族館劇場 – この世のような夢テーマPART1(芸濃町 ver.)
16. 三上寛 – 人間とは何か

●DJ frogfinger a.k.a.川崎レジデンツ


目玉紳士がDJブースに立っているだけでアブノーマルなのに、必殺のTOY POPセトリで攻める反則技。DJブースの前は、盤魔殿の歴史の中でも最大の人だかり。実はこの姿で本家レジデンツの曲をプレイするのは初めてだったという。

1. ヒカシュー/ト・アイスクロン
2. Der Plan/Wir Babies
3. Messer für Frau Muller/Cat’s Felix First Fix!
4. Renaldo & The Loaf/Lime Jelly Grass
5. Bebe Tendresse/Promenons nous dans les bois
6. Naofumi Ishimaru (Yximalloo) /Ku Kai Mani
7. Dean Elliot and His Big Band/The Lonsome Road
8. The Residents/Plants
9. Der Plan/Danzende Kakteen
10. 楽しい音楽/NANDA?のテーマ
11. Picky Picnic/Was ich haben will
12. P-Model/リトル・ボーイ
13. XTC/Frost Circus

●由良瓏砂+MOGRE MOGRU 2/3


由良瓏砂のマザーグースの詩の朗読とモグモグ2/3のアコースティック中心の音楽とのコラボ。少女の歌声と不思議なおもちゃの音色が別世界へといざなう。エンディングでは来場者全員にアヒルの鳴りものを配り、アヒルの大合唱で大団円を迎えた。






【MIX音源フルセット】


こどもの日
大人だけでも
盛り上がる

【次回の盤魔殿イベント】
盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.40

2022年5月28日(土) 阿佐ヶ谷TABASA
18:00 Open/Start
Charge 1,000YEN + 1 drink

LIVE : MOGRE MOGRU(剛田武+Tanao+黒い瞳)

DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
DJ Athmodeus a.k.a.持田保
DJ Ipetam a.k.a. Rie Fukuda
DJ Vaby a.k.a.大場弘規
DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする