A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【MOGRE MOGRUライヴ情報】10/8(土)『DIVE DEEP vol.3』モグモグと愉快な仲間たち@阿佐ヶ谷TABASA ゲスト:おきあがり赤ちゃん/よくばりカメレオン/Dr.stutter

2022年09月26日 00時32分45秒 | 素晴らしき変態音楽


MOGRE MOGRU presents
DEEP DIVE vol.3
~モグモグと愉快な仲間たち


2022.10.8 sat 東京・阿佐ヶ谷TABASA
Open 18:30 / Start 19:00
2,000 Yen +1drink

MOGRE MOGRU
剛田武+おきあがり赤ちゃん
Tanao+よくばりカメレオン
黒い瞳+Dr.stutter

モグモグの各メンバーが好きなアーティストとコラボする愉快な企画です。

予約はコチラ

TIME TABLE
19:00 - 19:30 黒い瞳+Dr.stutter
19:45 - 20:15 剛田武+おきあがり赤ちゃん
20:30 - 21:00 Tanao+よくばりカメレオン
21:15 - 21:45 MOGRE MOGRU+ゲスト3人


●おきあがり赤ちゃん

生まれも育ちも千葉市。65歳のおもちゃの音楽家




●よくばりカメレオン

絵や、音楽、動画、時には空間を使って、物や形にとらわれず表現するアーティスト。
展示や、クラブ、ライブハウス、アートイベントにて活動を行う。
趣味でギターを弾く父親と、絵を描く母親を持ち、内気な性格な為、幼少期より絵を描いたり楽器を弾くことしかなかった。学生時代よりバンドを始める。大学時代に建築を学んだ事からものづくりについて学んだものの、就職をきっかけにそれらから離れる。
社会人として働く内に人生を見つめ直すきっかけがあり、2012年よりアート活動を開始。
絵の展示や制作、音楽ライブを行う中、2015年にアートイベントでライブペイントをし始めた事からライブペイントを中心うものの、ここ数年より音楽と絵を交えたライブやバンド活動も行う。
渋谷のクラブR-Loungeで行われている毎月第4日曜日の”ナイフレ”、3ヶ月毎に行われる”導火線”のイベントのレギュラーとして参加、その他ライブハウスでは音楽を中心にライブを行う。
その他に、アーティストとのコラボレーション、音楽ジャケットや PV、 店舗のグラフィティーアート、フライヤー制作、なども手掛ける。
2019 年 9 月「即興アートバトル Art Melee 肆 」では第 3 位入賞 、2018 年 9 月公募展「第 48 回 純展」では奨励賞受賞の経験を持つ。




●Dr.stutter

バンドとソロを緩く並行



仲間たち
一緒に潜れば
面白い

【これまでの仲間たち】
MOGRE MOGRU presents DIVE DEEP vol.1
2022.4.10 sun Shibuya DJ Bar EdgeEnd
山本万結



MOGRE MOGRU presents DEEP DIVE vol.2
2022.7.15 fri 東京・大久保水族館
NRYY / 平岡俊之 / Oriental Love




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【爆裂ライブ情報】爆裂女子のカバーバンド登場!爆団BAND『初爆裂』9/28(水)ライブバー大久保水族館にて開催。対バンはセンチメンタル思春期、サプライズ・ゲスト有。

2022年09月24日 00時09分10秒 | ガールズ・アーティストの華麗な世界


最強で最凶、暴れまくりパンクロックアイドル「爆裂女子」が2021年9月28日に新宿ロフトにてラストライブ『爆裂大解散』を開催してから丸一年。2021年春に爆団(爆裂女子のヲタクの愛称)を中心に結成された爆裂女子のカバーバンド「爆団BAND」がついにライブデビューを果たす。
メンバーはあおこ(ヴォーカル)、ウイリアム王子(ギター)、あれきし(ギター)、ミノル(ベース)、ひろミサ(ドラム)の5人組。「ナンシー」「GREAT FXXKING MY WORLD」「Against The Drain」など爆裂女子の名曲のカバーを中心に、爆裂女子が音源を残していないレア曲も披露されるという。
スペシャルゲストとして、2022年1月結成、8月25日に始動した元爆裂女子の凛茶魔の新バンド「センチメンタル思春期」、オープニング・アクトに謎のデュオユニット「PRINCE & ROMY」、さらに驚きのシークレットゲストも出演予定。デビューにして超豪華な胸熱イベントになるに違いない。



爆裂女子のカバーバンド!
爆団バンド『初爆裂』

2022年9月28日(水)
Live Bar 大久保水族館
https://shin-suizokukan.com/
19:00 open / 19:30 start
予約・当日共に2500円+1D

【出演】
爆団BAND
センチメンタル思春期(Special Guest)
PRINCE & ROMY(Opening Act)
サプライズゲスト有

人数制限があるので予約をお勧めします。
予約は下記メールアドレスに名前(ニックネーム可)、枚数、お目当て明記の上ご連絡下さい。
burstband.info@gmail.com


歌い継ぐ
アイドルソングは
永遠に


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★全音源試聴可能!!【イベントレポート】盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.42@阿佐ヶ谷TABASA 2022.9.19 敬老の日

2022年09月22日 01時28分40秒 | 素晴らしき変態音楽


盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.42

2022年9月19日(月・祝) 阿佐ヶ谷TABASA

Live:中川一郎 aka ambient_samurai(ex-絶対零度)
Guest DJ:kihito (TOKYO DARK CASTLE)

TIME TABLE
18:00 DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元
18:30 DJ Vaby a.k.a.大場弘規
19:00 DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武
19:30 Guest DJ : kihito (TOKYO DARK CASTLE)
20:00 DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫
20:30 Live: 中川一郎 aka ambient_samurai
21:00 DJ Bothis a.k.a.山田遼
21:30 DJ Athmodeus a.k.a.持田保



超大型台風14号が日本列島縦断という予報に開催が危ぶまれたが、盤魔殿の異端音楽の余りの極悪ぶりにタイフーンが恐れをなしたか、中国地方で足踏みし、東京阿佐ヶ谷は時折強い風が吹くものの、降雨はあまりひどくない、そこそこ快適な敬老の日となった。TABASAに集いし盤魔たちDJ,ミュージシャン、お客さん)の醸し出す陽気な妖気が光陰の矢の如くタイフーンにとどめを刺したのか、翌日午後には台風は熱低低気圧に変わったという。そんなことなどつゆ知らず、盤魔殿の宴は今宵も無数の未知なる音楽/音が苦との出会いを与えてくれた。ありがとう盤魔殿。

●DJ BEKATAROU a.k.a.伊藤元


深層心理のレベルで他人の知らない音楽を掘り続けるBEKATAROUの国籍未明のセットリスト。妖しい美男のコリアンニュー演歌に痺れる間もなく、ヘアスタの腰砕けディスコに腰が抜けた。

1.Fabio Fabor / Stige
2.Galactic Explorers / Ethereal Jazz
3.Astral Dimension / Nebulosa
4.Suzanne Ciani / Token Spokes Part 2
5.Peter Mumme / Kangaroomerangs
6.Martok / Serene Machines
7.250 / 로얄 블루
8.HAIR STYLISTICS / Brutal Hate




●DJ Vaby a.k.a.大場弘規


異端地下音楽界ではザ・レジデンツに次ぐご長寿アイコンとして謎が謎をおよぶナース・ウィズ・ウーンド(NWW)縛りの緊縛セットリスト。あらゆる音楽の要素がり交じっているのでボーッとしてると何処にいるのかわからなくなる音迷宮にしばしの憩いを見出した。

1. Nurse With Wound / Cooloorta Moon
2. Nurse With Wound / Swamp Rat
3. Nurse With Wound / Shipwreck n' Roll
4. Nurse With Wound / Chromanatron - Part A
5. Nurse With Wound / Cruisin' For A Bruisin' (Bacteria Bitch Mix)
6. Nurse With Wound / Tooth, Teeth, Milk, Teeth, Skin
7. Nurse With Wound / The Tumultuous Upsurge (Of Lasting Hatred)
8. Nurse With Wound / Futurismo




●DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武


110円以下で買ったレコード縛りの安上りセットリスト。ムーディな歌謡フォークと民俗&現代音楽が交差する転換は、彼の世とこの世が入れ替わる逢魔が時の疑似体験かも。チェリッシュの評判がよかったが、本人的にはグレープのプログレアシッドフォークに注目してほしい。

1. 日吉ミミ / ひとの一生かくれんぼ(10枚で550円・ヤフオク)
2. ブルガリアの音楽 / ホロの歌(110円・ハードオフ東久留米)
3. ピーター / 仮面の告白(10枚で110円・HMV Record Shopコピス吉祥寺)
4. Lukas Foss / Solo Observed(110円・HMV Record Shop渋谷)
5. グレープ / 哀しみの白い影(5枚で110円・HMV Record Shopコピス吉祥寺)
6. 邦楽「4人の会」 / 伊藤隆太作曲:邦楽器のための四重奏曲(100円・レコファン武蔵境)
7. チェリッシュ / なのにあなたは京都へゆくの(55円・ハードオフ川越神明町)
8. Korean Folk Music / Kaygeum Ensemble(110円・HMV Record Shopコピス吉祥寺)
9. 南有二とフルセイルズ / おんな占い(55円・ハードオフ花小金井)
10. 加藤登紀子と長谷川きよし / 灰色の瞳(10枚で110円・HMV Record Shop新宿ALTA)
11. YOU AN' ME ORGASMUS ORCHETRA / 咲坂と桃内のごきげんいかがワン・ツゥ・スリー (110円・HMV Record Shopコピス吉祥寺)




●Guest DJ : kihito (TOKYO DARK CASTLE)


ゲストDJのkihitoが完璧な白塗りで光臨。暗黒の司祭の如く天を仰いで解き放つゴシックロックの響きに、空気は一転してダークキャッスルに変わる。オートモッド、シスターズ・オブ・マーシーという日英ポジパンのオリジネーターに続いて自ら参加する現代のポジパンPOISON D'HERMÈSの妖艶なビートが胸に刺さった。

01.Graveyard Symphony by WWF (Undertaker Theme)
02.Witch by Goblin
03.Trichant Eurdorchog by Test Dept.
04.Heathen (A Thousand Thoughts) by Android Lust
05.HaaHaaHaa by J・A・シーザー
06.Kingdom by Auto-Mod
07.Blood Money by The Sisters of Mercy
08.Lust Inside by POISON D'HERMÈS




●DJ Qliphoth a.k.a.宇田川岳夫


Criminal Party(cp)をメインに秘蔵の自主カセットテープをCDRに焼いて持参。ひたすらジャンクでイリーガルな音像を躊躇なく放射するフリンジカルチャーの真骨頂。別の機会に解説入りでカセット音源を語る会を企画してほしい。

1 delerium sermon
2 cp necrophilia
3 cp 廃退第三交響曲3番焚書 1
4 delerium sword of islam
5  cp der leiedende
6 delerium monument of deceit
7 sacher-pelz kawece toexve track4
8 delerium red hill
9 sacher-pelz kawece toexve track1
10 cp LSDニヨル幻覚症状
11 sacher-pelz kawece toexve track2
12 井内賢吾 夜が暗いのは
13 cp 第三妄想
14 delerium twilight rituals (fade out)




●Live: 中川一郎 aka ambient_samurai + 剛田武


80年代ポストパンクバンド絶対零度のベーシストとして活躍し、日本のアンビエント・ギターの第一人者である中川一郎氏を盤魔殿に呼べたことは主催者として大きな喜びである。深いディレイやリバーブに包まれがギターとヴォーカルがスピーカーから波のように寄せては返す。時間の経過が分からなくなり、永遠に音の波に揺られていたい気分になる。後半15分は剛田武がアルトフルートとミニシンセでコラボ。音の波乗りのように気持ちよく演奏出来た。来場していたReiko.Aさんから「剛田君が入ると突然プログレになった」とお褒めの言葉(?)をいただいた。LINE録音だとフルートが聴こえにくいのがちょっと残念。



●DJ Bothis a.k.a.山田遼


オールジャンルという前振れだが、得意の土着性と呪術性に特化した音楽が満載のセットリスト。真ん中でプレイしたサイモン&ガーファンクルが個人的にはツボだった。ラストでプレイした麻原彰晃(オウム)に虚を突かれた。

1. Zaliva-D - Human Addict
2.いろ - Yurari (Prayer Of Summoning) = ゆらり
3.いろ - Ryūjin Tamafuri = 龍神魂振り(龍神召喚)
4.John Fahey - The Singing Bridge Of Memphis, Tennessee
5.Simon & Garfunkel - The Sounds Of Silence
6.Earth - Seven Angels
7.Hisato Higuchi - Hikari
8.Moondog - 2 W 46th Street
9.Shoko Asahara - Lord Death's Counting Song




●DJ Athmodeus a.k.a.持田保


予告通りカルト!カルト!カルト!なセットリスト。間違いなく今一番旬な選曲である。チャールズ・マンソンのポップ性がヤバいが、まさかこのDJも麻原彰晃をプレイするとは・・・盤魔殿ならではの珍現象である。

Linekraft / 阿修羅
統一●会 / 壺、田んぼ、畑
Jim Jones / Mass Suicide
Gorugoth / Revelation 6
Alester Crawley / The Great Beast Speaks
SPK / Berufsverbot
Anton LaVey / Strange Music
Daisaku Ikeda / 世紀の転換期への指標
Charles Manson / Look At Your Game Girl
David Koresh / Voice Of Fire
Shoko Asahara / Sonshis March
Spitz A Roco / 愛論人
Shinzo Abe / Under Control






グルの歌
両面聴けるのは
盤魔殿だけ

【次回の盤魔殿】
盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.43
2022.10.29 sat 阿佐ヶ谷TABASA
18:00 Open/Start Charge 1,000YEN + 1 drink
Live:BEKATAROU a.k.a.伊藤元(モジュラー・シンセ)
Guest DJ:Reiko.A
+盤魔殿DJ‘s
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【盤魔殿アマルガム Vol.40】Yoonkee Kim/黒天紀/音羽 信/Iro(Ra Orchestra)/天井桟敷/ジ・オウム

2022年09月21日 00時04分56秒 | 素晴らしき変態音楽


●DJ BEKATAROU a.k.a. 伊藤元


Yoonkee Kim / Cust Must Dover Tape
相変わらずbandcamp上で数多くの楽曲をアップロードし続けているYonkee氏
(昨年、前作”JUNALISを”盤魔殿AMALGAMで取り上げさせていただきました。)であるが、この度紹介する本作は50部限定のカセットテープでのフィジカルリリースである。
ロウファイに更にまたロウファイを重ね、、、狭間からゆっくりと流れ出すふにゃふにゃとした柔らかな蒸気が鼻腔を通り身体が腑抜ける…電車の走行音のサンプリングの増幅やマシンビートが放つ奇妙な信号がズブズブと皮膚に滲み入り脳髄を刺激し続け、感覚を震わせ、酩酊へと誘う…
後半ではキャッチーなシンセポップ(?)もあり、氏の多様な表現力を垣間見ることができる。
また、最初に述べたように日常的に楽曲を制作しアップロードしていて、フォーキーだったり、ブッダマシーンを用いていたりと一括りにできない実に多彩な表現とユーモアで聴く者を楽しませてくれるのでそちらも是非!
他愛無い日常の連なりを異様なまでの心地よさに浸してしまうミュージックビデオも必見だ!


●DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武


黒天紀(小山景子)/黒天紀(2022)
80年代初頭、日本のチェンバーロックの草分け「ラクリモーザ」のヴォーカリストとして活動しつつ、シンガーソングライターとしてフォーク/トラッド色豊かな音楽を生み出した小山景子。日本のアシッドフォークの裏名盤として知られる94年のソロ・アルバム『記憶の水の運河』(1994年。2012年に『記憶の運河』としてCD再発)以来、28年ぶりのオリジナル作品集。黒い封筒に手刷りのカバーカードが附された装丁は、単なる自主制作盤ではなく手工業アーート作品と呼びたい。80年代からの盟友・工藤冬里のピアノや、ヴァイオリン、ヴィオラ、コントラバス等によるノスタルジックな室内楽をバックに、幻想的なポエトリーをクリスタルな歌声で歌う。30年前の無垢な精神性はそのままに、凄みと深みを増した表現力に陶酔する27分間。アシッドフォーク、ユーロトラッド、ジャズロック、プログレ、ネオクラシカルといったジャンルを超越した地下音楽の創造の極致と言えよう。先日下北沢pianola recordsで観たミニライヴでは、親子ほど年の差がある分水嶺の桜井晴紀と親友のように談笑しながらコラボする姿に、生涯現役夢想音楽家の矜持を感じた。いつか盤魔殿にお呼びしたいものである。


●DJ Vaby a.k.a. 大場弘規


音羽 信 / わすれがたみ
伝説が伝説を呼び日本のデヴィッド・アレンと称されている音羽信の幻アシッド名作(久保田麻琴と夕焼け楽団が全面参加)「わすれがたみ」(オリジナルリリースは1974年) が48年振りに最新リマスターされ発売!しかもオリジナル盤に即しジャケットはミューズコットン紙、またインナーのトレーシングペーパーによる2つ折り歌詞カードも再現されているんです。個人的に名前だけは知っていましたが、なにせヤフオクで出品されても¥200,000近い価格なんでほぼ諦めてたんですけど狂喜乱舞しつつ(笑)GET! 12弦ギターを駆使し、ほぼプロデュースを手掛けたといってもいいほど全体のサウンドに貢献した久保田麻琴をはじめ夕焼け楽団のメンバーが全面的に演奏を務めており、簡素ではあるが意識を“向こう側”に遥かに拡がる世界へ誘いつつも不思議な安らぎを与えてくれるアシッド・フォークの傑作でなので、機会があれば是非是非触れて頂きたい作品なのです。
  

●DJ Bothis a.k.a. 山田遼


Iro(Ra Orchestra) - マブリ ヘノコ 2010 CD Innerside Records
「ぽっから!ぽっから!ぽっから!木よ!水よ!森の精霊たちよ!出ておいでよ!」
Heidrun Holzfeind監督による「いろ」のドキュメンタリー映画「the time is now」の冒頭、織茂静子氏が森に向い奉じた祝詞が木霊する。80年代から活動する織茂敏夫・織茂静子の両氏によるシャーマニック・インプロヴィゼーションデュオ「いろ」を私が知ったのは、恥ずかしながらも2016年頃になってからであった。そのきっかけはもちろん盤魔殿主催の宇田川岳夫氏の紹介によるものであり、初めて「いろ」のライブを観た日の衝撃は今でも忘れることはない。織茂敏夫氏により打ち鳴らされる団扇太鼓に合わせ織茂静子氏が「マブリヘノコ」と祝詞を唱える。電気を用いないアコースティックな構成ではあるが、音の強靭さというのだろうか、とにかく織茂静子氏のボーカリゼーションに宿る霊力は圧倒的な本物であった。会場に居たモダーンミュージックオーナの故・生悦住英夫氏曰く、「いろの凄いところは怒りと祈りが交錯しているところだ」と言って感嘆していた。いかに親しい間柄でも滅多なことではアーティストを褒めない辛口の生悦住氏がそうのように言うのだから、これはよほどのことである。事実、「いろ」の後に出てきた3人組のバンドを1分程観た生悦住氏は「このバンドはあまりにもつまらないから帰る」と、隣にいた私に言い残し、マジギレして帰ってしまった。
さて、今回紹介する『マブリ ヘノコ』は2010年に「いろ」の活動拠点である音の家月見堂にてライブ録音されたものである。織茂敏夫氏によるピアノのナチュラルな残響音と、辺野古の少女が憑依した織茂静子氏のポエトリーリーディングにより発生した霊的蜃気楼の中には、偽りのない、本物のスピリチュアリティーが宿っている。


●DJ Athmodeus a.k.a. 持田保


今月の一冊:"ジ・オウム サブカルチャーとオウム真理教" 太田出版1995年
Dommune"村崎百郎特集"でも紹介されたコレ。現在話題の某カルト教団がカルチャー的に語るべきことナッシングなクソっぶりに対してコレではオウムを「サブカル・カルト教団」と定義。豪華絢爛な執筆陣による独自過ぎる解読が最高の一冊。なかでも宇川直宏氏によるカルト団体音楽特集は個人的にガチ影響受けましたね。何かを信じるという愚かさと愛しさ、そして人類の誰もが「信じる」ことから逃れられないというカルマを溝に刻んだレコードの数々を君にも確認してほしい。


●DJ Qliphoth a.k.a. 宇田川岳夫


天井桟敷『呪術音楽劇 邪宗門』FJLP1016
天井桟敷の『呪術音楽劇 邪宗門』アナログでの再発は、寺山修司の死後追悼盤として『身毒丸』とカップリングされて2枚組でオリジナルと全く違うデザインのジャケットで再発されて以来、39年ぶりである。来年が寺山修司没後40年にあたるのだ。ついこの前のことのように思えるが、歳月の立つのは早いものだ。長時間に及ぶ劇を1枚のレコードに収録することは不可能で、当初は2枚組にする予定もあったそうだが、1枚ものになって発売された。1998年にブルースインターアクションズから再発されたCDブックは、私と井上誠氏、とうじ魔とうじ氏の監修によるものだが、その際にLPに未収録の40分以上におよぶ和太鼓の土俗的なリズムと琵琶やシタールの奏でるドローンを完全収録し、三上寛の絶唱『犯されたら泣けばいい』を収録した。その後BELLANTIQUEレーベルから1枚もののCDが当初のLPと同じ収録で何度か再発されている。さらにDISKUNIONのレーベルFUJIからシーザーボックスが再発された際に、新しいオープンリールテープが大量に発見され、井上氏の自宅兼スタジオで、古くなったテープの乾燥、カビ取り、オープンリールデッキでの再生とデジタル化が行われ、棺桶風呂のシーンの音質などが格段に改善されたものが収録され、多くのファンの耳にクリアな形で聴くことができるようになり、シーザーの活動の再燃や、シーザー再評価が訪れた。まあ、オープンリールテープ関連の作業は井上氏のミュージシャンとしての技術がなしたもので、私は傍らで眺めていたにすぎない。いままでシーザー関係のレコードが再発された時と同様、私のコレクションから貸し出したジャケット(今は亡き森岳史さんから譲り受けたものだ)をデータ化し、経年劣化を修正した画像をもとにLPジャケットを作成しているのだが、このあたりの技術も素晴らしい。フランス公園の直前に作曲されたこの作品には、シーザーが当時愛聴したディープパープルやピンクフロイドの影響はもちろんのこと、マグマやカール・オルフの影響もうかがえ、日本の土俗的な和讃の影響も伺える。そしてその背後にはシーザーがヨーロッパで巡り合ったサイケデリックな体験もあるが、このあたりは拙著には書けなかった部分だ。70年代の初期に欧米に勝るとも劣らない独自のロックシーンが存在したことは、今はもう周知の事実であるが、これはその証拠となる記念碑ともいうべきアルバムである。すでに音源はいろいろな形で正規に聞けるのだが、レコードで聴くということは、あの熱い時代の空気を感じ取るためには必要なものだ。是非購入してほしい。


<―――――――――――----EVENT INFORMATION――――――――――――――>


【次回の盤魔殿】
盤魔殿 Disque Daemonium 圓盤を廻す會 vol.43
2022.10.29 sat 阿佐ヶ谷TABASA
18:00 Open/Start Charge 1,000YEN + 1 drink
Live:BEKATAROU a.k.a.伊藤元(モジュラー・シンセ)
Guest DJ:Reiko.A
+盤魔殿DJ‘s



【DJ Athmodeus a.k.a. 持田保】


The Third Mind vol.6
9/24(土)渋谷 頭BAR
19時-23時 1st drink 1000円
出演:DJ 脳Brain、DJ TKD、LIVE Rie_Fukuda+ケロッピー前田、恐山Vibration(持田保)

狂気音楽 a.k.a. クレイジーミュージック探訪
~ マーク・スチュワートとマーク・フィッシャー パンク、ダンス、アナキズムと資本主義リアリズム (トークイベント)
10/6 (水) @TABASA_asagaya
OPEN 19:00 START 19:30 チャージ1000円 ドリンク(キャッシュオン)
ケロッピー前田&持田保


【DJ Necronomicon a.k.a. 剛田武】


爆団バンド『初爆裂』
9月28日(水) 大久保水族館
19:00 Open 19:30 start 2500円+1D
ゲスト:センチメンタル思春期
O.A. PRINCE & ROMY
サプライズゲスト有
予約は下記に名前(ニックネーム)、枚数、お目当てをお願いします。
burstband.info@gmail.com

MOGRE MOGRU今後のライヴ・スケジュール
10/8(土) 『DIVE DEEP vol.3~モグモグとゆかいな仲間たち(仮)」@阿佐ヶ谷TABASA
10/27(木) 40分スリーマン@吉祥寺NEPO
11/6(日) 国立市民祭り(園田游さんと共に)@国立通り
11/17(木) 『DIVE DEEP vol.4』@吉祥寺NEPO


【DJ Bothis a.k.a. 山田 遼】


第59回国分寺市民文化祭 古典尺八演奏会
2022年11月20日(日曜日)
午後1時30分~(開場=1時)
会場:いずみホール 
〒185-0024 東京都国分寺市泉町3-36-12
入場料:無料




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【NEO UNDERGROUNDライヴレポート】MOGRE MOGRU+園田游/礼拝/gloptin/Rippin' Dots/ラロトンガ@吉祥寺NEPO 2022.9.13 tue

2022年09月16日 00時34分54秒 | 素晴らしき変態音楽


2022年9月13日(Tue)@東京 吉祥寺NEPO
Deep Science -interwoven with painting Ⅳ -

〈出演〉
礼拝
gloptin
Rippin' Dots
MOGRE MOGRU+園田游(舞踏)
ラロトンガ
〈live paint〉
Rippin' Dots



筆者が勝手に東京NEO UNDEGROUNDシーンのメッカと呼んでいる吉祥寺NEPO主催イベント「Deep Science」の特別編。壁2面を使ったプロジェクター照明や複数台カメラからのリアルタイム映像をディスプレイに映し出すアーティスティックなステージのみならず、客席フロアを活用した舞踏や観客参加型パフォーマンス、壁面を覆ったキャンパスのライヴ・ペインティングと、次世代ライブハウス・吉祥寺NEPOの魅力を大いに活用したイベントとなった。異端派ミュージシャンの演奏とヴィジュアル・ライヴ・アートの融合は今後の地下音楽が目指す地平のひとつを示唆しているに違いない。

●Rippin' Dots


筆者が初めてNEPOを訪れた時、最初に観たのがRippin’Dotsだった。エレクトロニクスの重低音をすました顔で一斉放射するプレイに驚愕した覚えがある。今回は右手で絵具をペイントする様子をプロジェクターで投影しながら左手でエレクトロニクス機器を操るという二刀流のパフォーマンスを見せた。カラフルな色彩が舞い踊る中、無尽蔵の音色が爆発する展開にエクスタシーを感じた。


●礼拝


これまでTanaoとのデュオや、Oriental Loveを加えたDisco Witchで観たが、礼拝のソロ演奏を観るの初めて。ミニマルなシンセサイザーのサウンドにスぺーシーなギターを重ねて生み出す反復ビートは酩酊感たっぷりのクラウトロックやテクノの進化形。音楽的にはNEPOの近未来性に最も似合うスタイルと言えるだろう。随所に現れる極悪ノイジシャンの残虐性が溜まらない。


●MOGRE MOGRU+園田游(舞踏)


MOGRE MOGRUは鳥の鳴き声を模した演奏でスタート。園田氏は奇怪な仮面をつけて客席フロアで舞う。ステージからは後ろ姿しか見えないが、鍛錬された肉体がスローモーションで動く時の張りつめた力のテンションがじわじわと伝わってくる。金物を叩く音が緊張感を高めるような気がする。ヴァイオリンで空気を緩めようとしたがどうだっただろうか。後半初の試みで取り入れたリズムマシンのトライバルなビートが、原初的な舞踏のフォルムとシンクロしたようだ。観た人から、MOGRE MOGRUの音楽が舞踏のサウンドトラックだったとの感想を聞いて、アンビエント(環境音楽)の本来の在り方に回帰した気分になった。園田氏とはまたコラボレーションしたいものである。




●gloptin


爆音ドラムと絶叫ヴォーカルとストロボライトで会場をハードコアなお祭り空間に塗り替えるgloptinもNEPOではお馴染み。大音量の嵐の中、身体が自然に反応して踊りモードにスイッチが入る。そのまま最後の曲でばらまかれた鍋を叩き捲る参加型パフォーマンスで涅槃の境地へ導かれる。自己解放のエクササイズとしても最高である。


●ラロトンガ


ヴォイスとドラム+エレクトロニクスのデュオ。ドラムのビートにヴォイスが乗るのではなく、ヴォイスにドラムがついていくような錯覚に陥るほど迫力たっぷりのeifonenのパフォーマンスは、見るたびに人間の表現能力と体力に限界がないことを実感させる。ドラマーILLUS2.0はエレクトロニカのソロ・プロジェクトchinaprove(チャイナプルーヴ)として20年に亘り活動しているという。



イベントの間ずっと壁に向かってライヴ・ペインティングを続けたRippin' Dotsの作品には、出演アーティストすべての要素がアート化されている。静謐にして荒らしい、平和の隣の戦争、浮世の中の涅槃、現と夢の隙間に存在する世界の縮図と言えるかもしれない。



原始的
原初的
始源的
環境音

MOGRE MOGRUの今後のスケジュール

10月8日(土) MOGRE MOGRU主催『DIVE DEEP vol.3~モグモグとゆかいな仲間たち(仮)」@阿佐ヶ谷TABASA
10月27日(木) 40分スリーマン@吉祥寺NEPO
11月6日(日) 国立市民祭り(園田游さんと共に)@国立通り
11月17日(木) MOGRE MOGRU主催『DIVE DEEP vol.4』@吉祥寺NEPO

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【JazzTokyo#293更新】衒学的幻樂即興弦楽室内楽~『クリス・ピッツィオコス / 音の符号錠』

2022年09月05日 00時14分32秒 | 素晴らしき変態音楽

音楽情報サイト「JazzTokyo Jazz and Far Beyond」の最新号が公開された。剛田武は以下の記事を寄稿した。

●クリス・ピッツィオコス / 音の符号錠

Disc Review#2197 『Chris Pitsiokos / Combination Locks』

Chris Pitsiokos : composition, church organ (tracks 1 & 5), synthesizer (track 4)
Joanna Mattrey: viola (tracks 2 & 3)
Aliya Ultan: cello (tracks 2 & 3)
Henry Fraser: bass (tracks 2 & 3)
Webb Crawford: guitar (track 3)

1. Base Ten (organ)
2. Combination Locks #1
3. Combination Locks #2
4. Base Ten (sine waves)
5. Dedicated to the Artist No Land

即興発、作曲行為の異化作用。
クリス・ピッツィオコスの作曲家・理論家としての才能を詳らかにする野心作であり、即興音楽を内包した作曲音楽の現在進行形を明らかにする注目作である。

弦楽器
鍵盤楽器
即興作曲

CP Unit with Strings - Nucleotidally Encoded Revelations (excerpt) -- at Roulette - Feb 27 2020


Chris Pitsiokos - alto saxophone, composition
Sam Lisabeth - guitar
Joanna Mattrey - viola
Aliya Ultan - cello
Webb Crawford - guitar
Henry Fraser - acoustic & electric bass
Jason Nazary - drums, electronics
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